ESG評価機関の役割は何ですか?
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2025/01/18 15:07
男性
40代
ESG投資を行うに当たり、第三者評価機関の評価を確認したいと考えています。<br>ESG評価機関が行う業務内容や、そのデータがどのように投資に活用されるのか教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ESG評価機関は、企業の環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)に関する定量・定性データを網羅的に集め、重要度(マテリアリティ)を加味した独自モデルでリスクと機会をスコア化する専門組織です。統合報告書・CDP回答・ニュース・裁判記録・NGOレポートなど数百項目を点検し、未開示情報は企業への質問状や現地調査で補完します。重大な法規制違反や訴訟・炎上リスクは「コンロヴァーシー」として随時アップデートし、財務データでは捉えにくい持続可能性の質を可視化します。
算出されたスコア/格付けは、投資家が①ネガティブ・ポジティブスクリーニング、②財務分析への統合(ESGインテグレーション)、③エンゲージメント先の優先順位付け、④ESG指数やテーマ型ファンドの組成に活用する基礎データとなります。FTSE Russell、MSCI、S&P Global、Sustainalytics など主要機関は業種別ベンチマークを設定して相対評価を提供し、データフィードや指数を通じて資本配分を持続可能な方向へ誘導しています。ただし評価手法や重み付けは機関ごとに異なるため、複数データを比較参照し、長期のレピュテーションリスクや規制強化リスクを織り込むことで、より精緻な投資判断が可能になります。
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ESG投資
ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの要素を考慮して行う投資のことです。従来、企業の投資価値は主にキャッシュフローや利益率などの財務情報を基に判断されてきましたが、近年は、環境負荷の低減、社会的責任の遂行、健全な経営体制といった非財務情報も投資判断の重要な指標となっています。 ESGの概念は、2006年に国連が機関投資家向けに「責任投資原則(PRI)」を提唱したことをきっかけに広まりました。ESG要素を投資プロセスに組み込むことで、長期的なリスクを抑えながら持続可能なリターンの向上が期待されます。特に、ESGに積極的に取り組む企業は、規制対応力やブランド価値の向上につながるため、将来的な成長性や安定性の面で投資家の関心を集めています。
ESG評価機関
ESG評価機関とは、企業の「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Governance)」に関する取り組みを調査・評価し、その結果を投資家や金融機関に提供する専門機関のことです。具体的には、企業が地球環境にどれだけ配慮しているか、労働環境や人権への対応が適切か、経営の透明性や社内統制が整っているかなどを多角的に分析します。評価結果は、スコアやレポートの形で公表され、投資家は企業の財務情報だけでなく、長期的な成長性やリスク対応力といった非財務面も考慮して投資判断を行うことができます。ESG投資が世界的に広まる中で、MSCIやSustainalyticsなどの評価機関の情報は、持続可能な投資の基盤としてますます重要視されています。ただし、各機関ごとに評価基準が異なるため、スコアを比較する際は注意が必要です。
ESG
ESGは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の略で、企業がこれらの観点で持続可能性に配慮しているかを評価する基準です。投資判断に活用され、社会的課題への関心が高まる中、注目されています。
非財務指標
企業の環境・社会貢献やガバナンスなど、財務以外の要素を示します。ESG投資で重視される情報です。