REIT(リート)をおすすめしない理由は?
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2025/03/06 17:17
男性
40代
友人から「REIT(リート)はやめたほうがいい」と言われましたが、本当に投資を避けるべきなのでしょうか?リートのリスクや適性について教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
REIT(リート)は不動産に少額で分散投資できる便利な仕組みですが、下記の特性を把握せずに購入すると期待外れの結果になりかねません。
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価格変動が株式並みに大きい
上場しているため需給や金利観測で指数が一日数%動くことも珍しくありません。短期資金の影響を強く受ける点は現物不動産と大きく異なります。
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金利と景気に敏感
借入金利上昇で調達コストが膨らむほか、テナント退去・賃料下落が重なると分配金は簡単に減配されます。金利上昇局面では利回り低下に二重に晒される点に注意が必要です。
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レバレッジ依存度が高い
多くの投資法人はLTV40%前後の負債を抱えています。信用環境が悪化すると物件売却や希薄化増資を余儀なくされ、基準価額と分配金を同時に押し下げるリスクがあります。
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税制メリットが限定的
分配金は配当控除の対象外で総合課税扱いとなり、所得が高いほど実効利回りは目減りします。非課税口座(新NISA)を使わない場合、手取りは想定より低下しがちです。
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運営・スポンサーリスク
物件選定力やガバナンスはスポンサー企業の質に左右されます。劣後物件の注入や利益相反が起これば、含み損拡大や追加負担のリスクが投資家に転嫁されます。
こうしたリスクを前提に、①金利サイクルを見据えて投資タイミングを分散させる、②LTVが低く潤沢な内部留保を持つ大型銘柄を中心に用途・地域を広く分散する、③新NISA枠などで税負担を抑える――といった対策を講じれば、REITはインカム補完資産として十分に機能します。購入前にポートフォリオ全体での役割と許容リスクを明確にし、定期的なリバランスを徹底しましょう。
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REIT(Real Estate Investment Trust/不動産投資信託)
REIT(Real Estate Investment Trust/不動産投資信託)とは、多くの投資家から集めた資金を使って、オフィスビルや商業施設、マンション、物流施設などの不動産に投資し、そこで得られた賃貸収入や売却益を分配する金融商品です。 REITは証券取引所に上場されており、株式と同じように市場で売買できます。そのため、通常の不動産投資と比べて流動性が高く、少額から手軽に不動産投資を始められるのが大きな特徴です。 投資家は、REITを通じて間接的にさまざまな不動産の「オーナー」となり、不動産運用のプロによる安定した収益(インカムゲイン)を得ることができます。しかも、実物の不動産を所有するわけではないので、物件の管理や修繕といった手間がかからない点も魅力です。また、複数の物件に分散投資しているため、リスクを抑えながら収益を狙える点も人気の理由です。 一方で、REITの価格は、不動産市況や金利の動向、経済環境の変化などの影響を受けます。特に金利が上昇すると、REITの価格が下がる傾向があるため、市場環境を定期的にチェックしながら投資判断を行うことが重要です。 REITは、安定した収益を重視する人や、実物資産への投資に関心があるものの手間やコストを抑えたい人にとって、有力な選択肢となる資産運用手段の一つです。
分配金
分配金とは、投資信託やREIT(不動産投資信託)などが運用によって得た収益の一部を、投資家に還元するお金のことです。これは株式でいう「配当金」に似ていますが、分配金には運用益だけでなく、元本の一部が含まれることもあります。そのため、分配金を受け取るたびに自分の投資元本が少しずつ減っている可能性もあるという点に注意が必要です。分配金の有無や頻度は投資信託の商品ごとに異なり、毎月、半年ごと、年に一度などさまざまです。投資初心者にとっては、「お金が戻ってくる」という安心感がありますが、長期的な資産形成を考えるうえでは、分配金の出し方やその内容をしっかり理解することが大切です。
リターン
リターンとは、投資によって得られる利益や収益のことを指します。たとえば、株式を購入して値上がりした場合の売却益(キャピタルゲイン)や、債券の利息、投資信託の分配金(インカムゲイン)などがリターンにあたります。 これらを合計したものは「トータルリターン」と呼ばれ、投資の成果を総合的に示す指標です。リターンは、元本に対してどれだけ増えたかを「%(パーセント)」で表し、特に長期投資では「年率リターン」で比較されることが一般的です。 リターンが高いほど投資先として魅力的に感じられますが、そのぶんリスク(価格変動の可能性)も高くなる傾向があるため、自分の目的やリスク許容度に応じて、適切なリターンを見込むことが大切です。