エンジェル投資は直接投資する以外の方法はありますか?
エンジェル投資は直接投資する以外の方法はありますか?
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2025/03/21 19:22
男性
30代
エンジェル投資に興味がありますが、個人で直接投資する以外の方法があるか知りたいです。特に、リスク分散や手間の軽減を考えた投資手法があれば詳しく教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
エンジェル投資には、個人が一社ずつ直接出資する以外にも、
①複数投資家の資金を専門家が複数社へ配分するエンジェル投資ファンド
②オンラインで少額から参加できる株式型クラウドファンディング(エクイティ型CF)
③ベンチャーキャピタル(VC)ファンドへLPとして出資する方法
④勤務先や提携企業のコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)に間接的に関与する方法
⑤著名投資家のシンジケートや特定案件ごとのSPV(特別目的会社)に便乗する形
など多様な選択肢があります。
ファンドやVC・CVCは企業選定・モニタリングをプロに委ねられるため手間と情報格差を大幅に縮小でき、シンジケートやCFは少額で案件分散がしやすい一方、上場・M&Aなどの出口まで資金がロックされる流動性リスクと、元本毀損の可能性は依然残ります。
投資額、流動性ニーズ、リスク許容度、案件リサーチに割ける時間を踏まえ、これらの手法を組み合わせながら自分に合ったエンジェル投資の関わり方を設計することが肝要です。
関連する専門用語
エンジェル投資
エンジェル投資は、創業間もない企業(スタートアップ)に対し、個人が資金を提供してその成長を支援する投資手法です。資金提供だけでなく、投資家自身の事業経験やネットワークを提供する点が特徴です。事業成功時には株式の売却益を得られる一方、事業失敗で投資額を失う可能性もあるため、ハイリスク・ハイリターンの性質を持ちます。
株式投資型クラウドファンディング
株式型クラウドファンディングは、オンラインプラットフォームを通じて個人がスタートアップ企業に少額から出資できる仕組みです。出資者は見返りとして企業の株式を受け取り、企業の成長とともに利益を期待します。透明性の高い仕組みで、初心者でも参入しやすい方法です。
ベンチャーキャピタル(VC)
ベンチャーキャピタル(VC)とは、高い成長が見込まれるスタートアップ企業に対して、資金を投資する専門の投資会社やファンドのことを指します。通常、未上場の企業を対象とし、株式を取得する形で投資を行い、企業の成長後に株式公開(IPO)やM&Aによって利益を得ることを目的とします。単なる資金提供だけでなく、経営アドバイスやネットワークの提供など、企業価値向上のための支援を行うことも特徴です。投資対象の企業には高いリスクが伴うものの、成功すれば大きなリターンが期待できるため、スタートアップの資金調達手段として広く活用されています。
LP(Limited Partner/有限責任組合員)
LP(Limited Partner)とは、ベンチャーキャピタル(VC)ファンドやプライベート・エクイティ(PE)ファンドなどに出資を行う投資家(出資者)を指します。日本語では「有限責任組合員」と訳され、原則として出資額を上限とした範囲でのみ責任を負います。 LPは、ファンドを運用するGP(ゼネラル・パートナー)に資金を預け、GPが行う投資活動の成果に応じてリターンを受け取ります。投資判断や運用実務には関与せず、パッシブ(受動的)な立場を取るのが特徴です。 主なLPには、年金基金、大学の基金(エンダウメント)、政府系ファンド、保険会社、金融機関、事業会社、富裕層などが含まれ、機関投資家が多くを占めます。ただし、最近では個人やファミリーオフィスによるLP出資も増加しています。 ファンドの運用が成功すれば、LPは元本に加えて利益の分配を受け取ります。損失が発生しても、原則として責任は出資額までに限定されるため、リスク管理された形で非公開企業への間接投資が可能になります。
コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)
コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)とは、事業会社が自社の成長戦略の一環として設立・運営する投資ファンドのことを指します。通常のベンチャーキャピタル(VC)と異なり、単なる投資収益の獲得だけでなく、新技術の獲得、提携先の確保、自社事業とのシナジー創出などを目的とする点が特徴です。大企業がスタートアップに出資することで、オープンイノベーションを推進し、新規事業の開発や競争力の強化につなげるケースが増えています。CVCの投資先企業にとっては、大企業の持つリソースや市場へのアクセスを活用できるメリットがあります。
シンジケート
シンジケートとは、ひとつの金融商品を発行・販売する際に、複数の金融機関が協力してチームを組む仕組みのことです。特に大規模な債券発行や株式の新規公開(IPO)などでよく使われます。 たとえば、ひとつの企業が大規模な外債を発行する場合、ひとつの証券会社だけでは販売力やリスク分散の面で限界があるため、複数の証券会社が共同で取り扱いを行います。このグループが「シンジケート」と呼ばれます。 シンジケートに参加することで、各金融機関はリスクを分散しながらも広く販売網を活用でき、発行体側にとっても資金調達がスムーズになります。投資家にとっては、こうした仕組みを通じて幅広い商品へのアクセスが可能となる点がメリットです。
