退職金って、だいたいみんなどのくらいもらってるんですか?平均の目安を知りたいです。
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2025/10/09 09:13
男性
50代
退職金の平均額について詳しく知りたいです。自分の勤続年数や企業規模によって金額がどのくらい変わるのか、相場感を知っておきたいと思っています。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
退職金の平均額は、勤続年数や企業規模、退職理由によって大きく異なります。結論から言うと、定年退職時の平均額は大企業の大卒で約2,858万円、高卒で約2,162万円です。中小企業の場合は、大卒で約1,149万円、高卒で約994万円と、大企業との差が大きくなっています。これらの金額はあくまで平均的な目安であり、企業ごとの制度や勤続条件によって変動します。
勤続年数別に見ると、5年では大企業の大卒で60万円前後、中小企業では40万円台から50万円台程度です。10年勤続では大企業が180〜300万円前後、中小企業が90〜110万円程度、20年では大企業が700〜1,000万円前後、中小企業が300万円前後、30年では大企業が1,700〜2,000万円前後、中小企業が600〜700万円台というのが一般的な水準です。勤続が長くなるほど金額は加速度的に増え、会社都合退職の方が自己都合よりも多くなる傾向があります。
退職金の算出方法は「ポイント制」「基本給連動型」「定額制」など複数あり、さらに「退職一時金」「確定給付企業年金」「確定拠出年金」「中退共」などをどう組み合わせるかで結果が大きく変わります。特にポイント制や確定給付型を採用している企業では金額が高くなる傾向があります。
自分の退職金の目安を知るには、まず自社の退職金制度の有無と方式を確認することが重要です。就業規則や退職金規程には「支給率」や「係数表」が記載されており、そこから勤続年数に応じた概算を算出できます。不明な場合は人事部に見込額を問い合わせるのが確実です。
退職金の受け取り方にも注意が必要です。一時金で受け取る場合は退職所得控除が適用され、さらに1/2課税となるため、税負担は軽くなります。年金形式で受け取る場合は雑所得扱いとなりますが、公的年金等控除の対象となるため一定の優遇があります。どちらの受け取り方が有利かは、他の所得や退職時の状況によって異なります。
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退職金
退職金とは、長年勤務した従業員が退職する際に企業から支給される一時金のことです。その金額は、勤務年数や役職、企業の規模や方針などによって決まり、退職後の生活を支える目的で支給されます。また、従業員にとっては将来への安心感を得るための制度であり、企業にとっては長年の貢献に対する感謝の意を示すとともに、円滑な人事の移行を促す役割も果たします。 退職金は、通常の給与とは異なり、特別な支払いとして扱われるため、税金の計算方法も異なります。一定の条件を満たすと税優遇措置が適用され、受け取る金額に対する税負担が軽減されることがあります。そのため、退職金を受け取る際には、税制や受け取り方法について事前に確認しておくことが大切です。 退職金の制度や金額の決め方は、企業の就業規則や雇用契約によって定められています。また、一括で受け取る方法と分割して受け取る方法があり、運用方法によっては老後の資産形成にも活用できます。退職金をどのように管理・運用するかは、将来の生活設計に大きく影響するため、計画的に活用することが重要です。
退職一時金
退職一時金とは、従業員が会社を退職する際に一括で支給される退職金のことを指します。これは、勤続年数や退職時の給与、役職などに応じて計算され、長年の勤務に対する報酬や慰労の意味合いがあります。企業によっては退職年金制度と併用している場合もありますが、退職一時金は一度にまとまった金額を受け取れるため、老後資金や住宅ローンの返済、投資の原資などとして使われることが多いです。資産運用の観点では、この一時金をどのように管理し、活用するかが老後の生活設計に大きな影響を与えるため、受け取ったあとの運用プランをしっかり考えることが重要です。また、税制上は「退職所得」として扱われ、優遇措置を受けられる場合があります。
確定給付企業年金 (DB)
確定給付型企業年金(DB)とは、企業が従業員の退職後に受け取る年金額を保証する企業年金制度です。あらかじめ決められた給付額が支払われるため、従業員にとっては将来の見通しが立てやすいのが特徴です。DBには規約型と基金型の2種類があります。規約型は、企業が生命保険会社や信託銀行などの受託機関と契約し、受託機関が年金資産の管理や給付を行う仕組みです。基金型は、企業が企業年金基金を設立し、その基金が資産を運用し、従業員に年金を給付する仕組みです。確定拠出年金(DC)との大きな違いは、DBでは企業が運用リスクを負担する点であり、運用成績にかかわらず従業員は決まった額の年金を受け取ることができます。一方、DCでは従業員自身が運用を行い、将来受け取る年金額は運用成績によって変動します。DBのメリットとして、従業員は退職後の給付額が確定しているため安心感があることが挙げられます。また、企業にとっては従業員の定着率向上につながる点も利点となります。しかし、企業側には年金資産の運用成績が悪化した場合に追加の負担が発生するリスクがあるため、財務的な影響を考慮する必要があります。
確定拠出年金(DC)
確定拠出年金(DC)は、毎月いくら掛金を拠出するかをあらかじめ決め、その掛金を自分で運用して増やし、将来の受取額が運用成績によって変わる年金制度です。会社が導入する企業型と、自分で加入する個人型(iDeCo)の二つがあり、掛金は所得控除の対象になるため節税効果があります。 運用対象は投資信託や定期預金などから選べ、運用益も非課税で再投資される仕組みです。60歳以降に年金や一時金として受け取れますが、途中で自由に引き出せない点に注意が必要です。老後資金を自ら準備し、運用の成果を自分の年金額として受け取る「自助努力型」の代表的な制度となっています。
中退共(中小企業退職金共済制度)
中退共とは、中小企業の従業員に退職金を支給するための共済制度です。企業が毎月掛金を支払い、従業員が退職する際に積み立てられた退職金が支給されます。国の助成金もあり、企業負担を軽減しながら従業員の退職後の生活を支えます。
退職所得控除
退職所得控除とは、退職金を受け取る際に税金を軽くしてくれる制度です。長く働いた人ほど、退職金のうち税金がかからない金額が大きくなり、結果として納める税金が少なくなります。この制度は、長年の勤続に対する国からの優遇措置として設けられています。 控除額は勤続年数によって決まり、たとえば勤続年数が20年以下の場合は1年あたり40万円、20年を超える部分については1年あたり70万円が控除されます。最低でも80万円は控除される仕組みです。たとえば、30年間勤めた場合、最初の20年で800万円(20年×40万円)、残りの10年で700万円(10年×70万円)、合計で1,500万円が控除されます。この金額以下の退職金であれば、原則として税金がかかりません。 さらに、退職所得控除を差し引いた後の金額についても、全額が課税対象になるわけではありません。実際には、その半分の金額が所得とみなされて、そこに所得税や住民税がかかるため、税負担がさらに抑えられる仕組みになっています。 ただし、この退職所得控除の制度は、将来的に変更される可能性もあります。税制は社会情勢や政策の方向性に応じて見直されることがあるため、現在の内容が今後も続くとは限りません。退職金の受け取り方や老後の資産設計を考える際には、最新の制度を確認することが大切です。