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退職金の相場はいくら?5年・10年・20年・30年・定年時の目安を大企業・中小企業ごとに確認

退職金の相場はいくら?5年・10年・20年・30年・定年時の目安を大企業・中小企業ごとに確認

退職金の相場はいくら?5年・10年・20年・30年・定年時の目安を大企業・中小企業ごとに確認

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執筆者:

公開:

2025.11.19

更新:

2025.12.30

ライフイベント退職金企業年金

「退職金はいくらもらえるのか」は、定年が近い人だけでなく、転職や早期退職を考える人にとっても重要なテーマです。ところが、勤続年数や大企業・中小企業の違い、自己都合か会社都合かによって相場は大きく変わり、「自分の金額が妥当か」「老後資金としてどこまであてにしてよいか」が分かりにくいのが実情です。この記事では、公的データに基づく勤続年数×企業規模別の退職金相場と、自社規程・企業年金の確認ポイント、退職金の税金・受け取り方までを整理し、あなたのケースでの目安と注意点を具体的に解説します。

サクッとわかる!簡単要約

本記事では、勤続年数や企業規模ごとの退職金相場に加え、自社の退職金規程・企業年金の確認方法、退職金の税金(年末調整・申告不要の判断)の基本を整理します。読み終えると、自分の退職金が平均と比べてどの位置にあるかを把握し、老後資金としてどの程度あてにできるか、今後どのように準備・見直しすべきかを自分で判断できるようになります。

目次

ひと目で分かる!勤続年数×企業規模別の退職金相場早見表

退職金の基本知識

勤続5年の退職金相場【企業規模・離職理由別】

勤続10年の退職金相場【企業規模・離職理由別】

勤続20年の退職金相場【企業規模・離職理由別】

勤続30年の退職金相場【企業規模・離職理由別】

定年まで勤務した場合の退職金相場【企業規模・離職理由別】

業種別の退職金相場

金融・保険業界

製造業界

建設業界

その他業種比較

退職金制度の基本知識と代表的な種類

退職金の種類

退職金の計算方法は企業ごとに異なる

ポイント制:人事評価が軸になる制度

基本給連動型:退職時の基本給がベースになる制度

定額制:勤続年数に応じて退職金を決定する制度

自分はいくら退職金を受け取れるのかを確認する方法

就業規則・退職金規程から「自社ルール」を把握する

企業年金・退職給付制度の「上乗せ分」を確認する

退職金の受取方法

一時金受取り:まとまった資金需要がある場合におすすめ

年金受取り:安定的な収入が欲しい方におすすめ

併用受取り:それぞれの良いとこどりができる

退職金を受け取ったときの確定申告

退職金以外の老後資産形成と運用方法

iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用する

NISA(少額投資非課税制度)を活用する

個人年金保険

退職金運用プラン

ひと目で分かる!勤続年数×企業規模別の退職金相場早見表

厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」と東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」のデータをもとに、大卒・自己都合退職(定年のみ定年退職)をベースとした退職金相場の目安を一覧にまとめました。

勤続年数大企業(大卒)中小企業(大卒)
5年(自己都合退職)63万円43万円
10年(自己都合退職)182万円89万円
20年(自己都合退職)762万円290万円
30年(自己都合退職)1,772万円654万円
定年(60歳前後)2,858万円1,149万円

高卒の場合は、同じ勤続年数でも上記よりやや低い水準となるのが一般的です。続いて、勤続年数ごとの退職金相場を、詳細にみていきましょう。

退職金の基本知識

退職金は、長年の勤務に対する功労金として支給される重要な制度ですが、すべての企業に導入が義務付けられているわけではありません。厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、退職金制度がある企業の割合は全体の74.9%となっており、4社に1社は退職金制度を設けていないのが現状です。

企業規模別にみると、従業員1,000人以上の大企業では90.1%が退職金制度を導入している一方、30〜99人の中小企業では70.1%にとどまっています。このように、企業規模が大きくなるほど退職金制度の導入率が高くなる傾向があることを理解しておきましょう。

勤続5年の退職金相場【企業規模・離職理由別】

勤続5年での退職金は、企業規模や退職理由によって大きく異なります。

企業規模・学歴自己都合退職会社都合退職
大企業(大卒)63万円121万円
大企業(高卒)44万円76万円
中小企業(大卒)43万円57万円
中小企業(高卒)39万円51万円
勤続5年の退職金相場

厚生労働省の調査によると、大卒で大企業に5年間勤めた場合の退職金相場は63万円~121万円程度となっています。東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」によると、中小企業における勤続5年の退職金は、大卒で43~57万円程度が相場です。

  1. 中小企業の場合、退職金額は大企業よりも少ない傾向にあり、企業によっては退職金制度がないケースも珍しくありません。また、勤続5年未満では退職金が支給されない企業も多く、最低勤続年数の規定を確認することが重要です。

なお、中小企業では退職金制度そのものを設けていない企業も多く、事前に就業規則で確認しておくことが大切です。

勤続10年の退職金相場【企業規模・離職理由別】

勤続10年での退職は、転職市場においても一定のキャリアを築いた時期です。

企業規模・学歴自己都合退職会社都合退職
大企業(大卒)182万円305万円
大企業(高卒)131万円191万円
中小企業(大卒)89万円115万円
中小企業(高卒)75万円101万円
勤続10年の退職金相場

大企業における勤続10年の自己都合退職金は、大卒で182万~305万円程度が相場となっています。勤続5年の63万円と比較すると、約3倍近い金額となっており、勤続年数による加算効果が顕著に表れています。

  1. また、大企業では基本給自体も勤続10年で昇給している場合が多く、退職金の基礎となる金額も増えていることが、支給額の増加につながっています。

中小企業における勤続10年の自己都合退職金は、大卒で89万円~115万円程度が相場です。大企業と比較すると半分程度の水準となっていますが、勤続5年時点と比べると約2倍に増加しています。

勤続20年の退職金相場【企業規模・離職理由別】

勤続20年は、退職金制度において重要な節目となります。

企業規模・学歴自己都合退職会社都合退職
大企業(大卒)762万円1,092万円
大企業(高卒)524万円618万円
中小企業(大卒)290万円362万円
中小企業(高卒)249万円317万円
勤続20年の退職金相場

大企業における勤続20年の自己都合退職金は、大卒で762万円〜1,092万円程度が相場となっています。中小企業における勤続20年の自己都合退職金は、大卒で290万~362万円程度が相場です。

  1. さらに、勤続20年を超えると退職所得控除の増加ペースが加速するため、できるだけ長く勤続することが税制面では有利となります。転職を検討する際は、この20年という節目を意識した計画が重要です。

勤続30年の退職金相場【企業規模・離職理由別】

勤続30年は、定年退職に近い時期であり、退職金が充実する時期の一つです。

企業規模・学歴自己都合退職会社都合退職
大企業(大卒)1,772万円2,054万円
大企業(高卒)1,316万円1,451万円
中小企業(大卒)654万円772万円
中小企業(高卒)479万円602万円
勤続30年の退職金相場

大企業における勤続30年の自己都合退職金は、大卒で1,772万円〜2,054万円程度が相場となっています。中小企業における勤続30年の退職金は、大卒で654万~772万円程度が相場です。

定年まで勤務した場合の退職金相場【企業規模・離職理由別】

定年まで勤務した場合の退職金は、長年の勤続に対する企業からの評価が最も高く反映される時期です。

企業規模・学歴定年退職
大企業・大卒2,858万円
大企業・高卒2,162万円
中小企業・大卒1,149万円
中小企業・高卒994万円
定年まで勤務した場合の退退職金相場

大企業の場合、高卒者と大卒者の両方で2,000万円を超えます。中小企業においても、大卒者の場合は1,000万円を超えるデータとなりました。

  1. 定年退職の年齢は企業によって異なりますが、従来の60歳定年から65歳定年へと移行する企業が増えています。また、一部の企業では70歳までの雇用延長を実施しているケースもあり、勤続年数の考え方も変化しつつあります。

大企業では退職一時金に加えて、確定給付企業年金(DB)や企業型確定拠出年金(DC)を併用しているケースが多く、総額での受取額がさらに増加する可能性があります。

業種別の退職金相場

東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」によると、業種によって退職金の相場は大きく異なります。

最も高い金融・保険業と最も低い宿泊・飲食サービス業では、3倍以上の差が生じています。

金融・保険業界

金融・保険業界の退職金相場は、全業種の中で最も高い水準となっています。中小企業でも大学卒で約1,940万円、高校卒で約1,497万円と、他業種の大企業に匹敵する金額が支給されています。

この背景には、金融業界特有の事情があります。金融機関では顧客との長期的な信頼関係が重要であり、従業員の定着率を高める必要があるためです。また、金融商品の取り扱いには高度な知識と資格が必要であり、人材育成に多額の投資を行っていることも、手厚い退職金につながっています。

製造業界

製造業界の退職金相場は、大学卒で約1,108万円、高校卒で約1,027万円と、全業種の平均的な水準となっています。日本の基幹産業として長い歴史を持つ製造業では、終身雇用を前提とした退職金制度が確立されているのが特徴です。

特に大手製造業では、技術者や熟練工を大切にする文化があり、現場で長年働いた従業員には手厚い退職金が支給されます。

また、製造業では企業年金制度(DB)を採用している企業が多く、退職後も安定した収入を確保できる仕組みが整っています。技術の継承という観点から、退職後も技術指導員として再雇用されるケースも多く、退職金に加えて継続的な収入を得られる可能性もあります。

建設業界

建設業界の退職金相場は、大学卒で約930万円、高校卒で約991万円と、珍しく高校卒のほうが高い傾向があります。建設業界では現場経験が重視され、早くから実務に携わる高校卒の従業員が、技術や資格の面で優位に立つことが多いためです。

建設業界特有の制度として、建設業退職金共済(建退共)があります。この制度は、建設現場で働く労働者が事業主を変わっても、退職金を積み立て続けられる仕組みです。

その他業種比較

その他の業種では、情報通信業、卸売・小売業、サービス業など、それぞれ特徴的な退職金相場となっています。卸売・小売業では、大学卒で約1,239万円と比較的高い水準ですが、これは大手商社や専門商社が平均を押し上げている影響があります。

一方、宿泊・飲食サービス業や生活関連サービス業では、退職金制度そのものがない企業も多く、業界全体の相場が低くなっています。IT業界などの新興産業では、従来型の退職金制度ではなく、ストックオプションや確定拠出年金(DC)を中心とした制度設計が増えています。

業種選択は生涯賃金に大きく影響するため、就職や転職を考える際には、給与だけでなく退職金制度も含めて総合的に判断することが重要といえるでしょう。

退職金制度の基本知識と代表的な種類

退職金制度は、従業員が退職する際に、企業から支給される一時金や年金のことを指します。法律で義務付けられているものではなく、各企業が就業規則で独自に定める制度となっています。

退職金の支給条件や計算方法は企業によって異なりますが、一般的には勤続年数、退職時の基本給、退職理由(自己都合か会社都合か)などによって金額が決定されます。

退職金の種類

退職金制度には、大きく分けて4つの種類があり、企業によって採用している制度が異なります。

退職一時金制度

退職一時金制度は、退職時にまとまった金額を一括で受け取る制度です。企業が社内で積み立てた資金から支給されるため、企業の財務状況に左右されにくいという特徴があります。

支給額は退職金規程に基づいて計算され、勤続年数や退職時の基本給、役職などによって決定されます。税制面では「退職所得」として扱われ、退職所得控除が適用されるため、税負担が軽減されるメリットがあるのも特徴的です。

企業年金制度(DB)

確定給付企業年金(DB:Defined Benefit)は、企業が従業員に約束した金額を退職時に支給する制度です。資産の運用責任は企業側が負うため、従業員は運用リスクを負わずに済みます。

受取方法は「一時金」「年金」「併用」から選択でき、ライフプランに合わせて柔軟に対応できるのが特徴です。あらかじめ受取額が決まっているため、将来の資金計画が立てやすいというメリットもあります。

確定拠出年金(DC)

企業型確定拠出年金(DC:Defined Contribution)は、企業が掛金を拠出し、従業員自身が運用を行う制度です。運用成果によって将来受け取る金額が変動するため、従業員が運用リスクを負うことになります。

掛金の運用益は非課税となり、受取時にも税制優遇が受けられるため、効率的な資産形成が可能です。転職時には積立金を移管できる「ポータビリティ」があることも、現代の働き方に適した特徴といえるでしょう。

DBと企業型DCに関しては、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。

中小企業退職金共済

中小企業退職金共済(中退共)は、独自に退職金制度を設けることが困難な中小企業のために設けられた制度です。企業が掛金を拠出し、勤労者退職金共済機構が資産管理・運用を行います。

掛金は全額損金算入でき、新規加入時には国から助成金が受けられるなど、中小企業にとってメリットの大きい制度となっています。退職時には、共済機構から直接従業員に退職金が支払われる仕組みです。

中小企業退職金共済に関しては、こちらの記事で解説しています。あわせて参考にしてみてください。

退職金の計算方法は企業ごとに異なる

退職金の計算方法は企業によって異なりますが、主にポイント制、基本給連動型、定額制の3つの方式が採用されています。

どの計算方法を採用しているかは、就業規則や退職金規程で確認できます。自社の制度を理解しておくことで、将来受け取れる退職金の目安を把握でき、ライフプランの設計にも役立つでしょう。

ポイント制:人事評価が軸になる制度

ポイント制は、勤続年数、職能資格、人事評価などを点数化し、累積ポイントに単価を掛けて退職金を算出する方法です。成果主義的な要素を取り入れやすく、従業員の貢献度を公平に評価できることから、多くの企業で採用されています。

一般的な計算式は「退職金=累積ポイント×ポイント単価×支給率」となります。たとえば、勤続ポイントが年間25ポイント、役職ポイントが課長で年間30ポイント、評価ポイントがA評価で年間10ポイントといった具合に加算されていきます。

  1. 30年勤続で累積1,500ポイント、ポイント単価1万円、支給率100%の場合、退職金は1,500万円となります。この方式のメリットは、透明性が高く、従業員が自分の退職金を予測しやすいことです。また、人事評価が退職金に反映されるため、モチベーション向上にもつながります。

基本給連動型:退職時の基本給がベースになる制度

基本給連動型は、退職時の基本給に勤続年数に応じた支給率を掛けて計算する伝統的な方法です。「退職金=退職時基本給×勤続年数別支給率」という単純な計算式で、中小企業を中心に広く採用されています。

たとえば、退職時の基本給が40万円、勤続30年の支給率が40ヶ月分の場合、退職金は1,600万円となります。勤続年数が長くなるほど支給率も上がり、20年で20ヶ月分、30年で40ヶ月分、35年で45ヶ月分といった設定が一般的です。

この方式の特徴は、昇給が退職金に直接反映されることです。定期昇給や昇進による基本給の上昇が、そのまま退職金の増加につながるため、長期勤続のインセンティブとなります。

定額制:勤続年数に応じて退職金を決定する制度

定額制は、勤続年数ごとに退職金額を定額で定める最もシンプルな方法です。「勤続10年で300万円、20年で800万円、30年で1,500万円」といった形で、あらかじめ金額が決まっているため、従業員にとって分かりやすい制度となっています。

中小企業退職金共済(中退共)も、基本的には定額制の考え方です。掛金月額と納付月数によって退職金額が決まる仕組みで、掛金月額2万円を30年間納付した場合、約870万円の退職金が支給されます。

定額制のメリットは、企業の退職金債務が明確な点です。将来の支払い額が確定しているため、資金計画が立てやすく、中小企業にとって運用しやすい制度といえるでしょう。

退職金をもらった翌年の税金に関しては、こちらのQ&Aをご覧ください。

自分はいくら退職金を受け取れるのかを確認する方法

先ほどの早見表は「日本全体の平均的な目安」にすぎません。実際にあなたが受け取れる退職金は、勤続年数・職種・等級・退職理由・会社ごとの制度設計によって大きく変わります。

就業規則・退職金規程から「自社ルール」を把握する

最初の一歩は、自分の会社にどんな退職金制度があるかを確認することです。多くの企業では、以下のような資料のどこかに退職金のルールが記載されています。

退職金に関する社内資料

  1. 就業規則
  2. 退職金規程・賃金規程
  3. 人事部が配布している人事制度・報酬制度のガイド

就業規則や退職金規程では、まず退職金制度そのものの有無と、正社員のみが対象なのか、契約社員や嘱託社員も含まれるのかといった対象者区分を確認します。あわせて、退職金の支給方式(ポイント制・基本給連動型・定額制など)や、勤続年数・等級ごとにどのような支給係数やポイントが設定されているかも重要なチェックポイントです。

規程を読んでもよく分からない場合は、人事部・総務部に「自分の場合の見込み額や計算方法」を聞いてしまうのが一番早いです。最近はイントラネットにシミュレーションシートや制度説明のPDFが置かれている会社も多いので、社内ポータルも合わせて確認してみましょう。

企業年金・退職給付制度の「上乗せ分」を確認する

退職金といっても、一時金だけでなく「企業年金」で上乗せされているケースがあります。自分の会社で次のような制度がないかを確認しておきましょう。

企業年金・退職給付制度の「上乗せ分」

  1. 確定給付企業年金(DB)
  2. 確定拠出年金(企業型DC)
  3. 厚生年金基金など

企業年金の内容を確認するときは、まず退職一時金と企業年金が別々に支給されるのか、それとも一体として設計されているのかを押さえることが大切です。あわせて、企業年金の受け取り方法として、一時金・年金形式・その併用のいずれを選べるのかも重要なポイントになります。

企業年金の有無や内容は、入社時にもらったパンフレットや、年に一度届く「残高通知」「加入者向けのお知らせ」に書かれているため、忘れずにチェックしましょう。

退職金の受取方法

退職金の受取方法には、一時金受取り、年金受取り、併用受取りの3つがあり、それぞれ税制上の取り扱いが異なります。

受取方法の選択は、退職後の生活に大きな影響を与えます。住宅ローンの残債がある場合は一時金で完済する、老後の安定収入を重視するなら年金形式にするなど、それぞれのメリットを理解したうえで判断することが重要でしょう。

一時金受取り:まとまった資金需要がある場合におすすめ

一時金受取りは、退職金を退職時に一括で受け取る方法で、一般的な選択肢となっています。税制上は「退職所得」として扱われ、退職所得控除が適用されるため、他の受取方法と比較して税負担が軽くなるケースが多いのが特徴です。

計算式は「(退職金-退職所得控除額)×1/2」となり、課税対象額が大幅に圧縮されます。たとえば、勤続30年で退職金2,000万円の場合、退職所得控除額1,500万円を差し引いた500万円の半分、つまり250万円のみが課税対象となります。

年金受取り:安定的な収入が欲しい方におすすめ

年金受取りは、退職金を分割して定期的に受け取る方法で、老後の安定収入を確保したい人に適しています。5年、10年、15年、または終身など、受取期間を選べるケースが一般的です。

税制上は「雑所得」として扱われ、公的年金等控除が適用されます。65歳未満は年間60万円、65歳以上は年間110万円までは非課税となりますが、公的年金と合算して計算されるため、実質的な控除額は限定的です。

年金受取りの大きなメリットは、運用を継続できることです。年金原資は運用され続けるため、一時金で受け取る場合より総受取額が多くなる可能性があります。

併用受取り:それぞれの良いとこどりができる

併用受取りは、退職金の一部を一時金で、残りを年金で受け取る方法です。

典型的なパターンとして、退職所得控除額までを一時金で受け取り、残額を年金にする方法があります。たとえば、退職金2,000万円で退職所得控除額が1,500万円の場合、1,500万円を一時金(税金ゼロ)で受け取り、500万円を年金にすることで、税負担を最小限に抑えながら老後の安定収入も確保できます。

  1. 併用受取りを選択する際は、ライフプランとの整合性が重要です。60歳から65歳までの年金空白期間は年金受取りで収入を確保し、65歳以降は公的年金をメインにするなど、年齢に応じた受取計画を立てることで、より効果的な活用が可能となるでしょう。

損をしない退職金の受け取り方法について、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。

退職金を受け取ったときの確定申告

退職金については、原則として確定申告は不要です。「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出することで、適正な源泉徴収が行われ、課税関係が完結するためです。

申告書を提出していない場合は、退職金の20.42%が源泉徴収されるため、確定申告により還付を受ける必要があります。

また、同じ年に複数の会社から退職金を受け取った場合や、退職所得控除額の計算に誤りがあった場合も確定申告が必要です。年の途中で退職し、年末調整を受けていない場合は、確定申告により源泉徴収税額の還付を受けられる可能性があります。

なお、「退職所得の受給に関する申告書」の書き方や手続き時の注意点などは、こちらの記事で解説しています。あわせて参考にしてみてください。

退職金以外の老後資産形成と運用方法

退職金だけでは老後資金が不足する可能性が高まっている現在、自助努力による資産形成が不可欠です。

iDeCo、新NISA、個人年金保険など、税制優遇を受けながら資産形成できる選択肢が増えています。これらの制度を効果的に活用することで、退職金を補完する老後資金を計画的に準備することが可能です。

iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用する

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後資金準備に特化しており、税制優遇が手厚い制度です。掛金が全額所得控除、運用益が非課税、受取時も退職所得控除または公的年金等控除が適用されるという、3段階の税制メリットがあります。

  1. 拠出した掛金が全額所得控除の対象となるため、現役時代の税負担を軽減しながら老後資金の用意を進められます。年収500万円の会社員が月額23,000円を拠出した場合、年間約55,000円の節税となります。30年間では165万円の節税効果があり、これだけでも大きなメリットといえるでしょう。

ただし、60歳まで原則引き出しができないという制約があります。また、退職金と同じ年に一時金で受け取ると、退職所得控除を共有することになるため、受取時期の調整が必要です。企業の退職金とiDeCoの受取りを5年以上空けることで、それぞれで控除を最大限活用できます(2026年1月1日以降に支払われる退職金は10年)。

iDeCoに関しては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

また、退職金とiDeCoの一時金での受け取りが退職所得控除に与える影響については、こちらのQ&Aをご覧ください。

NISA(少額投資非課税制度)を活用する

2024年から始まった新NISAは、非課税保有期間が無期限化され、生涯非課税限度額が1,800万円まで拡大されました。年間投資枠は、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円の合計360万円となり、老後資金準備を進めるうえで強力なツールとなっています。

  1. 新NISAの最大の特徴は、売却した分の非課税枠が翌年復活することです。これにより、ライフステージに応じた柔軟な資産管理が可能となりました。退職前は積立投資で資産を増やし、退職後は必要に応じて取り崩すという、一生涯使える制度設計となっています。

つみたて投資枠と成長投資枠の使い分けも重要です。長期的な資産形成にはつみたて投資枠で投資信託を積み立て、まとまった資金がある場合は成長投資枠で個別株やETFに投資するという戦略が効果的でしょう。

新NISAに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

個人年金保険

個人年金保険は、保険会社と契約して老後の年金を準備する商品で、確実性を重視する人に適しています。個人年金保険料控除により、年間最大4万円(所得税)、2.8万円(住民税)の所得控除が受けられるメリットもあります。

定額個人年金では、契約時に将来の受取額が確定するため、計画的な老後設計が可能です。30歳から月2万円を30年間払い込み、65歳から10年確定年金で受け取る場合、払込総額720万円に対して、受取総額は約800万円となる商品もあります。

変額個人年金は、運用実績により受取額が変動しますが、インフレ対応力があります。ただし、元本割れリスクもあるため、リスク許容度に応じた選択が必要です。最近では、最低保証付きの変額年金も登場し、下振れリスクを抑えながら上振れメリットを享受できる商品も増えています。

個人年金保険に関しては、こちらの記事もあわせてご覧ください。

退職金運用プラン

多くの金融機関が、退職金受取者向けの特別な運用プランを提供しています。「退職金専用定期預金」をはじめとしたプランは、通常より有利な条件で資産運用を始められるため、効果的に活用することで退職金を増やすことが可能です。

投資信託とのセットプランも人気です。退職金の半分を定期預金、半分を投資信託に振り分けることで、定期預金部分に特別金利が適用されます。リスクを抑えながら、資産運用をスタートできる仕組みとなっており、投資初心者にも取り組みやすいプランです。

退職金専用の定期預金に関しては、注意点もあります。詳細は、こちらの記事をご覧ください。

この記事のまとめ

退職金は、勤続年数・企業規模・制度内容によって大きく差が生じます。税制優遇を理解したうえで受取方法を選び、退職金を効率よく活かすことが将来の安定につながります。

近年は制度の縮小傾向もあり、退職金だけに頼らない資産形成が求められています。iDeCoや新NISA、個人年金保険などを組み合わせることで、税制メリットを享受しながら長期的に備えることが可能です。

自身の勤続年数や退職予定を踏まえて早めに準備を始めることが、安心したセカンドライフへの第一歩です。必要に応じて専門家に相談し、最適な運用プランを検討しましょう。

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柴田充輝

金融系ライター

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

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退職所得控除とは、退職金を受け取る際に税金を軽くしてくれる制度です。長く働いた人ほど、退職金のうち税金がかからない金額が大きくなり、結果として納める税金が少なくなります。この制度は、長年の勤続に対する国からの優遇措置として設けられています。 控除額は勤続年数によって決まり、たとえば勤続年数が20年以下の場合は1年あたり40万円、20年を超える部分については1年あたり70万円が控除されます。最低でも80万円は控除される仕組みです。たとえば、30年間勤めた場合、最初の20年で800万円(20年×40万円)、残りの10年で700万円(10年×70万円)、合計で1,500万円が控除されます。この金額以下の退職金であれば、原則として税金がかかりません。 さらに、退職所得控除を差し引いた後の金額についても、全額が課税対象になるわけではありません。実際には、その半分の金額が所得とみなされて、そこに所得税や住民税がかかるため、税負担がさらに抑えられる仕組みになっています。 ただし、この退職所得控除の制度は、将来的に変更される可能性もあります。税制は社会情勢や政策の方向性に応じて見直されることがあるため、現在の内容が今後も続くとは限りません。退職金の受け取り方や老後の資産設計を考える際には、最新の制度を確認することが大切です。

退職所得

退職所得とは、会社などを退職した際に受け取る退職金に対して発生する所得のことを指します。これは給与所得とは区別され、税法上、特別な扱いがされています。退職金は、長年の勤労に対する労いの意味を持つため、課税される際には「退職所得控除」という優遇措置が設けられています。 さらに、退職所得として課税される金額は、通常の給与よりも軽い税率が適用される「1/2課税」という制度があり、これによって税負担が軽減されます。役員が受け取る退職金についても原則として退職所得となりますが、形式的に退職して実態が伴わない場合や、過大とみなされる金額については税務上認められないこともあります。 資産運用や老後の生活設計において、退職金がどのように課税されるのかを知っておくことは、手取り額を見積もる上で非常に重要です。

確定拠出年金(DC)

確定拠出年金(DC)は、毎月いくら掛金を拠出するかをあらかじめ決め、その掛金を自分で運用して増やし、将来の受取額が運用成績によって変わる年金制度です。会社が導入する企業型と、自分で加入する個人型(iDeCo)の二つがあり、掛金は所得控除の対象になるため節税効果があります。 運用対象は投資信託や定期預金などから選べ、運用益も非課税で再投資される仕組みです。60歳以降に年金や一時金として受け取れますが、途中で自由に引き出せない点に注意が必要です。老後資金を自ら準備し、運用の成果を自分の年金額として受け取る「自助努力型」の代表的な制度となっています。

確定給付企業年金 (DB)

確定給付型企業年金(DB)とは、企業が従業員の退職後に受け取る年金額を保証する企業年金制度です。あらかじめ決められた給付額が支払われるため、従業員にとっては将来の見通しが立てやすいのが特徴です。DBには規約型と基金型の2種類があります。規約型は、企業が生命保険会社や信託銀行などの受託機関と契約し、受託機関が年金資産の管理や給付を行う仕組みです。基金型は、企業が企業年金基金を設立し、その基金が資産を運用し、従業員に年金を給付する仕組みです。確定拠出年金(DC)との大きな違いは、DBでは企業が運用リスクを負担する点であり、運用成績にかかわらず従業員は決まった額の年金を受け取ることができます。一方、DCでは従業員自身が運用を行い、将来受け取る年金額は運用成績によって変動します。DBのメリットとして、従業員は退職後の給付額が確定しているため安心感があることが挙げられます。また、企業にとっては従業員の定着率向上につながる点も利点となります。しかし、企業側には年金資産の運用成績が悪化した場合に追加の負担が発生するリスクがあるため、財務的な影響を考慮する必要があります。

中退共(中小企業退職金共済制度)

中退共とは、中小企業の従業員に退職金を支給するための共済制度です。企業が毎月掛金を支払い、従業員が退職する際に積み立てられた退職金が支給されます。国の助成金もあり、企業負担を軽減しながら従業員の退職後の生活を支えます。

特退共(特定退職金共済制度)

特退共(特定退職金共済制度)とは、商工会議所や商工会などが窓口となって実施している退職金共済制度で、中小企業の事業主が従業員の退職金を計画的に準備するために利用される仕組みです。事業主が掛金を支払い、従業員の退職時にまとまった退職金が支給される形式で、企業が独自に退職金制度を設けなくても、一定の条件のもとで外部積立が可能となります。 掛金は全額損金(法人の場合)または必要経費(個人事業主の場合)として扱われるため、節税効果も期待できます。退職金の支払いは共済会から直接行われるため、企業の財務負担が軽減され、従業員にとっても安心して働ける環境づくりに貢献します。資産運用の視点では、企業の安定した資金計画と、従業員の老後資金の確保を両立させる手段として有効な制度です。

ポータビリティ

ポータビリティとは、制度やサービスの権利や機能を、職場や生活拠点が変わっても継続して利用できる性質を指します。資産運用や年金の分野では「年金ポータビリティ」が代表例で、転職や独立の際にも、それまで積み立てた年金資産を失わずに次のステージへ持ち運べる仕組みを意味します。 日本の企業年金は大きく確定給付型(DB)と確定拠出型(DC)に分かれますが、ポータビリティの取り扱いは両者で異なります。DBは会社が将来の給付額を保証する仕組みのため、そのまま転職先へ持ち運ぶことはできません。ただし、在職中に積み立てた掛金相当額を「企業年金連合会」に移管して将来年金として受け取る、あるいは一定条件を満たして企業型DCや個人型DC(iDeCo)に移換する方法が用意されています。 一方、DCは本人ごとの個別口座で運用されるため転職時の移管が柔軟で、旧勤務先の企業型DCの残高を新勤務先の企業型DCやiDeCoへスムーズにスライドできます。こうした制度を理解し、転職時には自分が加入している年金がDBかDCかを確認し、どの移換先を選ぶかを早めに検討しておくことが、資産形成の継続性と安心感を高める鍵となります。

公的年金等控除

公的年金等控除とは、年金を受け取っている人の所得税や住民税を計算する際に、年金収入から一定額を差し引ける控除制度です。これにより課税対象となる金額が減り、税負担を軽減できます。 対象となるのは、国民年金・厚生年金・共済年金などの「公的年金」に限られます。これらは所得税法上の「公的年金等」に分類され、控除の対象となります。 一方で、iDeCo(個人型確定拠出年金)や企業型DC、個人年金保険などは、たとえ年金形式で受け取ったとしても税法上は「公的年金等」に該当せず、公的年金等控除の対象外です。これらは「雑所得(その他)」として課税されます。 控除額は受給者の年齢と年金収入の額に応じて異なり、特に65歳以上の高齢者には手厚い控除が設けられています。 | 年齢 | 公的年金等の収入額 | 控除額 | | --- | --- | --- | | 65歳未満 | 130万円以下 | 60万円 | | | 130万円超〜410万円以下 | 収入額 × 25% + 37.5万円 | | | 410万円超〜770万円以下 | 収入額 × 15% + 78.5万円 | | | 770万円超 | 一律195.5万円 | | 65歳以上 | 330万円以下 | 110万円 | | | 330万円超〜410万円以下 | 収入額 × 25% + 27.5万円 | | | 410万円超〜770万円以下 | 収入額 × 15% + 68.5万円 | | | 770万円超 | 一律195.5万円 | たとえば、65歳以上で年金収入が250万円であれば、110万円の控除が適用され、課税対象となる所得は140万円に圧縮されます。

雑所得

雑所得(ざつしょとく)とは、所得税法において定められた10種類の所得のうち、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得のいずれにも該当しない所得を指します。具体的には、公的年金や副業による収入、仮想通貨の売却益、FXの利益、非営業用貸金の利子などが該当します。 経費を差し引いた金額が課税対象となり、総合課税の対象となります。また、雑所得が年間20万円を超える場合、確定申告が必要になります。

iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)

iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の愛称で、老後の資金を作るための私的年金制度です。20歳以上65歳未満の人が加入でき、掛け金は65歳まで拠出可能。60歳まで原則引き出せません。 加入者は毎月の掛け金を決めて積み立て、選んだ金融商品で長期運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取ります。加入には金融機関選択、口座開設、申込書類提出などの手続きが必要です。 投資信託や定期預金、生命保険などの金融商品で運用し、税制優遇を受けられます。積立時は掛金が全額所得控除の対象となり、運用時は運用益が非課税、受取時も一定額が非課税になるなどのメリットがあります。 一方で、証券口座と異なり各種手数料がかかること、途中引き出しが原則できない、というデメリットもあります。

個人年金保険料控除

個人年金保険料控除とは、一定の条件を満たす個人年金保険に加入し、その保険料を支払った場合に受けられる所得控除の制度です。確定申告や年末調整で申告すると、支払った保険料のうち所定の計算式で算出した額が所得から差し引かれ、その分だけ所得税や住民税が軽減されます。2012年以降に契約した新制度では、控除できる上限額が所得税で年間4万円、住民税で年間2万8,000円と定められ、一般・介護医療・個人年金の各保険料控除を合わせた適用限度額は所得税で12万円までとなっています。将来の年金づくりを行いながら節税も図れるため、長期的な資産形成を目指す人にとって利用価値の高い制度です。

変額個人年金保険

変額個人年金保険とは、契約者が支払った保険料をもとに保険会社が株式や債券などで運用し、その運用成果に応じて将来受け取る年金額が増減するタイプの個人年金保険です。 一般的な個人年金保険が一定額の年金を将来受け取れるのに対して、変額タイプでは運用がうまくいけば受け取れる年金額が増える可能性がありますが、運用が悪ければ年金額が減るリスクもあります。 また、死亡時には死亡保険金が支払われる仕組みもあり、資産形成と保障を兼ね備えた商品です。老後資金の準備として活用されることが多く、長期的な資産運用を考えるうえで検討されることがある保険の一つです。

団体保険

団体保険とは、企業や団体を契約者としてまとめて加入する保険の仕組みを指します。個人が直接契約するのではなく、会社や労働組合、学校などを通じて契約するため、保険会社にとっては大口契約となり、結果的に保険料が割安になるのが大きな特徴です。 保険の内容は、生命保険・医療保険・損害保険など多岐にわたり、従業員やその家族、団体の構成員が対象になります。たとえば、企業の福利厚生として導入される「団体定期保険」や「団体医療保険」は、社員の死亡・病気・ケガに備える基本的な保障を低コストで提供します。学校やPTAを母体とした団体保険では、子どもの事故や通学時のけがに対応するものもあります。 また、団体保険には「団体扱い保険」と「団体契約保険」の2つの形態があります。団体扱い保険は、実際の契約主体は加入者本人ですが、保険料の支払いを給与天引きなどで一括管理する仕組みです。一方、団体契約保険は、企業や団体が保険契約者となり、構成員を被保険者として加入させる方式です。後者の方が割引率や加入条件で優遇されることが多いです。 団体保険のメリットは、①個人契約よりも保険料が安い、②健康状態に関する告知が簡略化される場合がある、③福利厚生として自動的に加入できる、といった点です。一方で、デメリットとしては、④退職や団体脱退とともに保障が終了する、⑤保障内容が画一的で自由度が低い、などがあります。 そのため、団体保険は「ベース保障」として有効ですが、ライフステージや必要保障額に応じて個人保険で補完することが望ましいです。保険選びに迷う際には、団体保険と個人保険の組み合わせを専門家に相談して最適化するのが安心です。

個人年金保険

個人年金保険とは、公的年金だけでは不足しがちな老後資金を、自助努力で補うために設計された私的年金商品です。契約者が決められた期間にわたり保険料を払い込み、あらかじめ設定した開始年齢(60歳・65歳など)に達すると年金形式で受け取りが始まります。受取方法には、決められた年数だけ確実に受け取る「確定年金型」と、生存している限り終身で受け取れる「終身年金型」があり、どちらを選ぶかによって総受取額や万一の際の遺族保障の形が異なります。変額型や外貨建て型など、インフレ対応や為替分散を意識したバリエーションも登場しています。 大きな魅力の一つは税制優遇です。一定の要件(受取人が契約者本人または配偶者、払込期間が10年以上など)を満たす契約であれば、払込保険料は「個人年金保険料控除」として所得控除の対象になります。たとえば年間保険料が8万円の場合、所得税で最大4万円、住民税で最大2万8千円が控除され、課税所得を圧縮できるため実質負担を抑えながら老後資金を積み立てられる点がメリットです。 一方で注意すべき点もあります。途中解約時には元本割れが生じやすく、解約返戻金が払込総額を下回るケースが多いこと、固定利率型の商品ではインフレに追いつけない可能性があること、そして保険会社が破綻した場合でも保険契約者保護機構による補償は責任準備金の90%が上限となることです。また、税優遇制度としては個人型確定拠出年金(iDeCo)や新NISAも利用できるため、流動性・運用商品の自由度・掛金上限などを比較し、自分に合った組み合わせを検討する必要があります。 これらの特徴を踏まえると、個人年金保険は「計画的に積立を続け、税制メリットを生かしながら老後の生活費を補完したい」人に適した選択肢といえます。生活防衛資金や他の運用枠を確保したうえで長期的な資産形成の一環として活用すれば、老後のキャッシュフローに安定感をもたらす手段となるでしょう。

新NISA

新NISAとは、2024年からスタートした日本の新しい少額投資非課税制度のことで、従来のNISA制度を見直して、より長期的で柔軟な資産形成を支援する目的で導入されました。この制度では、投資で得られた利益(配当や売却益)が一定の条件のもとで非課税になるため、税負担を気にせずに投資ができます。新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠が用意されており、年間の投資可能額や総額の上限も大幅に引き上げられました。 また、非課税期間が無期限となったことで、より長期的な運用が可能となっています。投資初心者にも利用しやすい仕組みとなっており、老後資金や将来の資産形成の手段として注目されています。

ストックオプション

ストックオプションとは、企業が役員や従業員に対して、一定の価格で自社株を購入できる権利を付与する制度です。これにより、株価が上昇した場合、従業員は利益を得ることができます。インセンティブとしての効果が高く、従業員のモチベーション向上や企業価値の向上につながります。

源泉徴収

源泉徴収とは、給与や報酬、利子、配当などの支払いを受ける人に代わって、支払者があらかじめ所得税を差し引き、税務署に納付する制度です。特に給与所得者の場合、会社が毎月の給与から所得税を控除し、年末調整で過不足を精算します。 この制度の目的は、税金の徴収を確実に行い、納税者の負担を軽減することです。例えば、会社員は確定申告を行わずに納税が完了するケースが多くなります。ただし、個人事業主や一定の副収入がある人は、源泉徴収された金額を基に確定申告が必要になることがあります。 また、配当金や利子の源泉徴収税率は原則20.315%(所得税15.315%+住民税5%)ですが、金融商品によって異なる場合があるため、事前に確認が必要です。

確定申告

確定申告とは、1月1日から12月31日までの所得を計算して翌年の2月16日から3月15日に申告し、納税する手続き。多くの会社では年末調整を経理部がしてくれるが、確定申告をすると年末調整では受けられない控除を受けることができる場合もある。確定申告をする必要がある人が確定申告をしないと加算税や延滞税が発生する。

建設業退職金共済(建退共)

建設業退職金共済(建退共)とは、建設業で働く人たちが、事業者の枠を超えて安定した退職金を受け取れるようにするための制度です。建設現場で働く職人さんや作業員の方々は、同じ会社に長く勤めることが難しいことが多いため、通常の企業のような退職金制度では不十分です。そこで国が支援する形で設けられたのが建退共です。雇用する事業者が「共済証紙」と呼ばれる証明書を労働日数に応じて手帳に貼り、積み立てをしていきます。最終的にはこの積立に応じた退職金が支給され、働いた分だけ公平に受け取ることができる仕組みです。

ポイント制

ポイント制とは、退職金や報酬などを計算する際に、働いた年数や役職、成果などを点数(ポイント)に置き換えて管理・評価する仕組みのことを指します。特に企業年金や退職金制度などで使われることが多く、従業員が働いた実績に応じて一定のルールでポイントが加算され、将来の給付額に反映される仕組みです。 たとえば、毎年の勤務で一定のポイントが加算され、その合計ポイントに応じて退職金の金額が決まります。これにより、制度の透明性が高まり、従業員自身も自分の退職金がどのくらい積み上がっているかを把握しやすくなります。また、人事評価や貢献度も加味できるため、公平な報酬制度の一環として導入されることが多いです。

基本給連動型

基本給連動型とは、退職金や年金、ボーナスなどの金額が、従業員の基本給の額に応じて決まる仕組みのことをいいます。この制度では、基本給が高ければ連動して支給額も増えるようになっており、勤続年数や役職、昇給によって基本給が上がることで、将来の退職金なども増加することが特徴です。 計算が分かりやすく、企業側としても運用がしやすいため、多くの企業で導入されています。ただし、成果に応じた支給ではないため、年功序列型の制度と組み合わさることが多く、近年では見直しの動きもあります。それでも長期勤続を促す目的や、従業員にとって将来の見通しが立てやすい点で有効な仕組みです。

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