ファンドラップにデメリットはありますか?
回答受付中
0
2025/05/21 10:21
女性
30代
資産運用の時間を確保しにくく、金融機関から提案されたファンドラップに興味があります。営業担当者は自動でリバランスされ手間がかからないと強調しますが、実際に利用した場合のリスクや不便はないのでしょうか。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ファンドラップは投資一任契約で、複数の投資信託を組み合わせたモデルポートフォリオを用い、資産配分やリバランス、売買までを運用機関が代行します。時間を節約できる点は魅力ですが、運用管理報酬に加えて組入れファンドの信託報酬も重なり、実質コストは年1.5〜2%前後に達するのが一般的です。市場が低迷する局面では、このコストがリターンを相殺し、インデックス運用を下回る結果となりやすいことに注意してください。
また、追加投資のタイミングや含み益・含み損の税務処理など個別事情をきめ細かく反映しづらく、最低投資額も数百万円〜数千万円と大きいため、資金を段階的に投じたい場合には適していません。契約前に、期待リターンと手数料の差が将来の資金計画を圧迫しないか、低コストETFの積立やロボアドとの費用対効果を比較し、委託料を払う価値が十分かどうかを確認することが肝要です。
関連記事
関連質問
関連する専門用語
ファンドラップ
ファンドラップは、金融機関が顧客から資産運用を一任され、顧客の目標やリスク許容度に応じてポートフォリオを構築・管理するサービスです。顧客の資産を複数の投資信託やETFなどに分散投資し、運用を行います。運用内容や資産配分の調整(リバランス)は専門家が行い、定期的な運用状況の報告も提供されます。 主に、初心者や忙しい投資家が利用することが多く、手数料はファンドラップ・フィーとして一括で支払う形式が一般的です。この手数料には運用管理費やアドバイス料が含まれます。
投資一任契約
投資運用業者が投資家から投資判断の全部または一部を一任され、その投資判断に基づき投資を行うための権限を委託されることを内容とする契約のこと。投資一任契約を締結したラップ口座サービスでは、この契約に基づいた資産配分構築や、株式、投資信託などの売買判断の一任、売買の注文執行、定期的な報告などが提供される。
モデルポートフォリオ
モデルポートフォリオとは、投資の参考になるように、あらかじめ組み立てられた資産の配分例のことをいいます。たとえば、株式や債券、現金などをどのくらいの割合で持つとよいかという「お手本」のような構成です。投資の目的やリスクの許容度に応じて、いくつかのパターンが用意されていることが多く、自分の状況に近いモデルを選ぶことで、投資の方向性を決める手助けになります。 あくまで参考情報であり、必ずしもその通りに投資する必要はありませんが、特に投資を始めたばかりの方にとって、資産配分のイメージをつかむのに役立ちます。
リバランス
リバランスとは、ポートフォリオを構築した後、市場の変動によって変化した資産配分比率を当初設定した目標比率に戻す投資手法です。 具体的には、値上がりした資産や銘柄を売却し、値下がりした資産や銘柄を買い増すことで、ポートフォリオ全体の資産構成比率を維持します。これは過剰なリスクを回避し、ポートフォリオの安定性を保つためのリスク管理手法として、定期的に実施されます。 例えば、株式が上昇して目標比率を超えた場合、その一部を売却して債券や現金に再配分するといった調整を行います。なお、近年では自動リバランス機能を提供する投資サービスも登場しています。
信託報酬
信託報酬とは、投資信託やETFの運用・管理にかかる費用として投資家が間接的に負担する手数料であり、運用会社・販売会社・受託銀行の三者に配分されます。 通常は年率〇%と表示され、その割合を基準価額にあたるNAV(Net Asset Value)に日割りで乗じる形で毎日控除されるため、投資家が口座から現金で支払う場面はありません。 したがって運用成績がマイナスでも信託報酬は必ず差し引かれ、長期にわたる複利効果を目減りさせる“見えないコスト”として意識されます。 販売時に一度だけ負担する販売手数料や、法定監査報酬などと異なり、信託報酬は保有期間中ずっと発生するランニングコストです。 実際には運用会社が3〜6割、販売会社が3〜5割、受託銀行が1〜2割前後を受け取る設計が一般的で、アクティブ型ファンドでは1%超、インデックス型では0.1%台まで低下するケースもあります。 同じファンドタイプなら総経費率 TER(Total Expense Ratio)や実質コストを比較し、長期保有ほど差が拡大する点に留意して商品選択を行うことが重要です。
管理報酬
管理報酬とは、資産運用を行う金融機関やファンド運営者が、投資家から継続的に受け取る報酬のことを指します。主に投資信託やヘッジファンド、ベンチャーキャピタル(VC)などで適用され、資産残高に対して一定の割合で計算されるのが一般的です。投資家にとっては、管理報酬が高すぎると運用益が目減りするため、費用対効果を考慮した商品選びが重要となります。一方で、適正な報酬を支払うことで、専門家による高度な運用やリスク管理の恩恵を受けることができます。