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なぜ長期ではアクティブファンドが指数に勝ちづらいのですか

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2025/06/24 20:03


女性

40代

question

短期では成績が良いアクティブファンドも見かけますが、長期になると多くが指数に負けると聞きます。具体的にどのような構造要因が働き、時間経過で不利になるのでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

アクティブファンドが長期で指数を上回りにくい主因は三つあります。

第一にコスト構造です。調査・運用にかかる人件費や売買回転の高さから信託報酬や取引コストがインデックスファンドより高くなり、その差が複利で資産を蝕みます。年1%のコスト超過でも10年間で約10%以上のパフォーマンス差が生じる計算です。

第二に市場の効率性向上です。情報が瞬時に価格へ織り込まれる現代では優位性が持続しにくく、とりわけ大型株市場では機関投資家間の競争が激化しており、リスク調整後の超過収益を継続して得るのは困難です。

第三にサバイバー・バイアスです。成績不振で清算されたファンドは公表データから消えますが、SPIVAのように消滅ファンドまで含めると大半が指数を下回る実態が浮かび上がります。コスト高、効率化した市場、退場ファンドの影響という三層構造が時間とともに累積するため、アクティブファンドは長期で指数に勝ちづらいのです。

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アクティブファンド

アクティブファンドとは、運用のプロであるファンドマネージャーが、市場の平均を上回るリターンを目指して積極的に銘柄を選んで運用するタイプの投資信託のことです。 具体的には、独自の分析や調査にもとづいて、将来性があると見込まれる企業や、割安と判断される株式などに投資を行います。こうした運用には高度な専門知識と時間が必要となるため、同じ投資信託でも市場平均への連動を目指す「パッシブファンド」より運用コスト(信託報酬など)が高めになる傾向があります。しかし、その分大きなリターンを狙える可能性もある点が魅力です。 ただし、アクティブファンドだからといって必ずしも市場平均を上回るとは限らないことに注意が必要です。投資判断がうまくいかなかった場合は、損失が出たり、パッシブファンドに劣る成績となったりすることもあります。 投資初心者の方は、ファンドマネージャーの運用実績やファンドの方針、運用コストなどをよく調べたうえで、自分の投資目的やリスク許容度に合った商品を選ぶことが大切です。購入前に「過去の運用成績」や「運用レポート」を確認し、アクティブファンドの特徴を理解してから投資を始めましょう。

インデックスファンド

インデックスファンドとは、特定の株価指数(インデックス)と同じ動きを目指して運用される投資信託のことです。たとえば「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」などの市場全体の動きを示す指数に連動するように設計されています。この仕組みにより、個別の銘柄を選ぶ手間がなく、市場全体に分散投資ができるのが特徴です。また、運用の手間が少ないため、手数料が比較的安いことも魅力の一つです。投資初心者にとっては、安定した長期運用の第一歩として選びやすいファンドの一つです。

信託報酬

信託報酬とは、投資信託やETFの運用・管理にかかる費用として投資家が間接的に負担する手数料であり、運用会社・販売会社・受託銀行の三者に配分されます。 通常は年率〇%と表示され、その割合を基準価額にあたるNAV(Net Asset Value)に日割りで乗じる形で毎日控除されるため、投資家が口座から現金で支払う場面はありません。 したがって運用成績がマイナスでも信託報酬は必ず差し引かれ、長期にわたる複利効果を目減りさせる“見えないコスト”として意識されます。 販売時に一度だけ負担する販売手数料や、法定監査報酬などと異なり、信託報酬は保有期間中ずっと発生するランニングコストです。 実際には運用会社が3〜6割、販売会社が3〜5割、受託銀行が1〜2割前後を受け取る設計が一般的で、アクティブ型ファンドでは1%超、インデックス型では0.1%台まで低下するケースもあります。 同じファンドタイプなら総経費率 TER(Total Expense Ratio)や実質コストを比較し、長期保有ほど差が拡大する点に留意して商品選択を行うことが重要です。

複利

複利とは、利息などの運用成果を元本に加え、その合計額を新たな元本として収益拡大を図る効果。利息が利息を生むメリットがあり、運用成果をその都度受け取る単利に比べ、高い収益を期待できるのが特徴。短期間では両者の差は小さいものの、期間が長くなるほどその差は大きくなる。

取引コスト

取引コストとは、投資を行う際に発生するさまざまな費用のことを指します。具体的には、株や債券、投資信託などを売買する際の手数料、スプレッド(売値と買値の差)、税金、為替手数料、さらには運用にかかる管理費用などが含まれます。 これらのコストは表に見えにくいことも多く、投資の成果に大きな影響を与えることがあります。特に短期売買を繰り返す場合や、手数料の高い商品を利用する場合は、取引コストが投資リターンを圧迫する原因になります。したがって、投資判断をする際には、表面上の利回りだけでなく、取引コストも含めた実質的なリターンを見極めることが大切です。

ベンチマーク

ベンチマークとは、特定の目標や標準として用いる指標のことを指し、ビジネス、金融、技術など様々な分野で利用されます。この指標を用いて、パフォーマンスの測定や戦略の効果を評価し、改善点を見つけることができます。特に投資分野においては、ベンチマークはポートフォリオのパフォーマンスを評価するための基準点として活用され、特定の市場指数や同業他社の成績などが用いられます。 たとえば、投資ファンドの管理者は、自身のファンドのパフォーマンスをS&P 500やナスダックなどの市場指数と比較して評価することが多いです。この比較によって、ファンドの戦略が市場全体と比べてどの程度効果的であるか、またはリスクが適切に管理されているかを判断します。 ベンチマークは、透明性と目標設定を促進し、継続的な改善を目指すための重要なツールです。しかし、ベンチマークを選定する際には、その適切性や関連性を慎重に評価する必要があります。適切でないベンチマークを選ぶと、誤った方向性を示すことがあり、結果的にパフォーマンスの誤解を招くことになるためです。したがって、目標とする成果と密接に関連する、かつ実現可能なベンチマークを設定することが極めて重要です。

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