子連れ再婚で内縁関係を選択する場合の、相続トラブル回避策を教えてください。
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2025/07/25 08:31
男性
30代
双方に前配偶者との子がいる私たちは、法律婚ではなく内縁関係を続けています。実子同士で揉めずに相続を円満に進めるには、どのような備えをしておくべきでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
内縁関係では配偶者に法定相続権がなく、実子優先で資産を承継できる一方、残されるパートナーの生活保障が弱くなりがちです。まず、公正証書遺言を作成し「資産は原則として各自の実子へ分配しつつ、パートナーには生活費として○○円を遺贈する」など具体的に記載してください。遺留分を侵害しない範囲で配分を明確化すれば、遺言無効リスクと子ども同士の対立を抑えられます。
次に、互いを受取人とする生命保険を活用すれば、遺産分割協議を経ずに現金を渡せるため、相続発生から遺産分配までの生活費空白期間を補えます。自宅については、遺言に「一定期間の無償居住を認める」旨を付言するか、生前に実子へ贈与したうえで賃貸借契約を結び、パートナーの居住権を法的に確保する方法が有効です。
さらに、判断能力低下に備えて任意後見契約や家族信託を組み合わせると、資産管理を円滑に継続できます。定期的に家族会議を開き、遺言内容や保険契約の趣旨を共有しておくと、感情的な摩擦を事前に軽減できます。これらの対策を組み合わせれば、実子の権利を守りつつパートナーの生活基盤も担保し、相続トラブルを最小限に抑えられます。
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内縁関係(事実婚)
内縁関係(事実婚)とは、法律上の婚姻届を提出していないものの、社会的・実質的には夫婦として共同生活を営んでいる関係を指します。お互いに結婚の意思を持ち、継続的に同居し、家計や生活を共にしている場合、一定の法的効果が認められることがあります。裁判所は、その実態に基づいて、内縁関係の成立と効力を判断します。 たとえば、生活費の分担義務や内縁解消時の財産分与、慰謝料請求、さらには労災や生命保険における遺族補償の受給資格など、法律婚に準じた取り扱いを受ける場面もあります。また、健康保険の被扶養者や国民年金の第3号被保険者として認められる場合もあります。 しかし、内縁関係はあくまで法律上の「婚姻」ではないため、相続や税制上の扱いには明確な限界があります。内縁の配偶者には法定相続権がなく、遺産を受け取るには遺言や信託契約などによる明示的な指定が必要です。また、相続税における配偶者控除(最大1億6,000万円)や、所得税の配偶者控除・配偶者特別控除といった優遇措置も原則として適用されません。 このため、内縁関係にある当事者が安心して暮らし続けるには、生前からの明確な財産承継対策が不可欠です。公正証書遺言の作成、信託スキームの活用、生命保険金の指定などを通じて、遺産の受け渡しや税負担への備えを整えておくことが重要です。 なお、同居期間や関係の安定性、家計の一体性などが不十分な場合、内縁としての法的保護が否定されることもあり得るため、形式にとらわれない実質的な関係性の証明が重視されます。内縁関係の権利保全には、専門家の助言を受けながらの対応が望まれます。
相続権
相続権とは、亡くなった人(被相続人)の財産を、法律に定められた権利として受け継ぐことができる資格を指します。通常は配偶者や子ども、父母、兄弟姉妹などが相続人となり、その範囲や優先順位は民法で定められています。相続権を持つ人は「法定相続人」と呼ばれ、財産を法的に引き継ぐことができます。 また、遺言がある場合には、遺言によって指名された人(遺贈を受ける人)にも一定の財産を受け取る権利が生じることがあります。ただし、相続には権利だけでなく義務(借金などの負債の承継)も含まれるため、相続放棄や限定承認といった選択も可能です。資産運用や相続設計の場面では、誰に相続権があるかを明確にすることが、円滑な財産承継のために非常に重要です。
公正証書遺言
公正証書遺言とは、公証人が本人の意思に基づいて作成する遺言書で、遺言の中でも最も法的な信頼性と実効性が高い形式とされています。作成にあたっては、公証役場にて遺言者が口頭で内容を伝え、それを公証人が文書にまとめ、証人2名の立会いのもとで公正証書として正式に成立します。 この方式の最大の特徴は、家庭裁判所による検認手続きが不要である点です。つまり、相続開始後すぐに法的に効力を持つため、遺族による手続きがスムーズに進むという実務上の大きな利点があります。また、公証人による作成と原本保管によって、遺言の紛失や改ざん、内容不備といったリスクも大幅に軽減されます。 一方で、公正証書遺言の作成には一定の準備が必要です。財産の内容を証明する資料(不動産登記簿謄本や預金通帳の写しなど)や、相続人・受遺者の戸籍情報などが求められます。また、証人2名の同席も必須であり、これには利害関係のない成人が必要とされます。公証役場で証人を紹介してもらえるケースもありますが、費用が別途発生することもあります。 費用面では、遺言に記載する財産の価額に応じた公証人手数料がかかりますが、将来のトラブル回避や手続きの簡素化といったメリットを考えれば、特に財産規模が大きい場合や、遺産分割に不安がある家庭では非常に有効な手段と言えるでしょう。 資産運用や相続対策において、公正証書遺言は重要な役割を果たします。特定の資産を特定の人に確実に引き継がせたい場合や、相続人間の争いを未然に防ぎたい場合には、公正証書遺言を活用することで、遺言者の意思を明確かつ安全に残すことができます。
居住権
居住権とは、ある建物に住み続けることができる法律上の権利を指します。とくに相続の場面では、配偶者が被相続人と一緒に住んでいた自宅に、たとえ所有権がなくても引き続き無償で住み続けられるようにする「配偶者居住権」が注目されています。 これは、配偶者の生活を保障しつつ、相続財産の公平な分配を可能にするために、2020年の民法改正で新たに導入された制度です。たとえば、家は夫名義だったが、夫が亡くなった後も妻がその家に住み続けたいというケースで、他の相続人と揉めることなく居住が確保される仕組みです。この権利は登記することで第三者にも対抗でき、資産運用や相続設計の上でも非常に重要な要素となっています。
付言事項
付言事項とは、遺言書の中で法律的な効力を持たないものの、遺言者の気持ちや家族へのメッセージなどを自由に書き添える部分のことです。たとえば、「これまで育ててくれてありがとう」や「仲良く助け合ってほしい」などの感謝や願いを記すことができ、相続人にとって心の支えになることもあります。また、なぜこのような遺言内容にしたのかという背景や理由を説明することも可能です。法的な拘束力はありませんが、相続人同士の誤解や争いを防ぐための重要な役割を果たすことがあります。資産だけでなく思いも一緒に引き継ぐという意味で、遺言書において非常に大切な要素です。
任意後見
任意後見とは、自分の判断能力が低下する将来に備えて、あらかじめ信頼できる人を後見人として選び、公正証書で契約を結んでおく制度のことをいいます。これは「元気なうち」に本人の意思で準備できる後見制度であり、判断能力が実際に低下したときに、家庭裁判所の監督のもとで任意後見人が正式に活動を開始します。 任意後見人は、本人の財産管理や生活支援などを本人の希望に沿って行うことができるため、自分らしい生活を維持するための手段として注目されています。法定後見と違い、自分で「誰に、何を任せるか」を決めておける点が特徴です。高齢化や認知症のリスクが高まる中で、資産や生活の管理を将来にわたって安心して託すための、重要な準備の一つです。初心者にとっても、「自分の老後を自分で選ぶ」ための有効な制度として知っておく価値があります。