離婚して子どもの養育費を支払っています。この場合扶養控除を受けることはできますか?
離婚して子どもの養育費を支払っています。この場合扶養控除を受けることはできますか?
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2025/09/08 09:09
男性
60代
離婚後、子どもの養育費を毎月支払っています。この場合でも自分が扶養控除を受けられるのか、それとも実際に子どもと同居している親だけが対象となるのか、また必要な手続きなどあれば教えて下さい。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
離婚後に養育費を支払っている場合、原則として扶養控除を受けられるのは、子どもと同居し、実際に生活の面倒をみている親の側になります。扶養控除は「生計を一にしている親族」を対象としているため、別居している親は養育費を支払っていても控除対象に含まれないのが基本です。
ただし、例外的に、子どもが自分のもとで生活していて、かつ所得要件(合計所得金額48万円以下など)を満たす場合には、養育費を支払う側であっても扶養控除の適用が認められる可能性があります。ここで重要なのは、扶養控除が「生活を共にしているかどうか」に基づく点であり、単に金銭的な援助をしているだけでは対象にならないということです。
一方で、扶養控除が受けられない場合でも、子どもが18歳以下であれば「児童扶養手当」や、自治体によるひとり親家庭支援など、税制以外の制度が利用できる可能性があります。これらは扶養控除とは別枠での支援なので、併せて確認することをおすすめします。
実務的には、年末調整や確定申告の際に「誰が扶養控除を申告するのか」を明確にしておくことが大切です。離婚時に親権や監護権をどちらが持つかを取り決めているケースが多いため、その内容や実際の生活状況と合わせて判断されます。場合によっては、税務署に相談して確認を取ると確実です。
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養育費
養育費とは、離婚や別居などによって一緒に暮らしていない親が、子どもの生活や教育、医療などに必要な費用を継続的に支払う金銭のことです。これは子どもが社会的・経済的に自立するまでの生活を保障するためのものであり、親の義務として法的にも定められています。 たとえ親権を持っていなくても、子どもの利益を守るため、収入のある側が収入のない側に対して一定額を定期的に支払うのが原則です。支払額や期間は、夫婦間の協議や調停・審判によって決まり、合意内容が公正証書や調停調書として文書化されることが望まれます。養育費は子どもの生活を守る重要な支援であり、滞納が問題となるケースも多いため、法的手段による回収や支払いの継続が社会的にも強く求められています。
扶養控除
扶養控除とは、所得税や住民税を計算する際に、扶養している家族がいる場合にその人数や年齢に応じて課税対象となる所得から一定の金額を差し引くことができる制度です。これにより、税金の負担が軽くなります。対象となるのは、16歳以上の子どもや親などで、生計を共にしており、年間の所得が一定額以下であることが条件です。 子どもが16歳未満の場合は扶養控除の対象にはなりませんが、別途「児童手当」などの支援があります。控除額は扶養親族の年齢や学生かどうかなどによって異なり、たとえば「特定扶養親族(19歳以上23歳未満の子ども)」はより大きな控除額が認められています。税負担を軽減し、家族を支える世帯への配慮を目的とした制度です。
生計が一
生計が一とは、複数の人が生活費を共有しながら、実質的に一つの家計のもとで生活している状態を指します。税制や社会保障の制度においては、この「生計が一」であるかどうかが、扶養控除や保険の適用、相続税の非課税枠の判断などに影響する重要な要素となります。 同じ住所に住んでいる場合でも、それぞれが独立して生活費を管理している場合は「生計が別」と見なされることもあるため、単なる同居と区別する必要があります。生計が一であると認められるには、例えば生活費を仕送りしていたり、家計を一体として管理していたりする実態が求められます。資産運用や相続・贈与の場面においても、生計の一体性が前提となる制度が多いため、正しく理解しておくことが大切です。
児童手当
児童手当とは、家庭の経済的負担を軽くし、子どもの健やかな育成を支援するために、0歳から中学校卒業までの子どもを養育している保護者に対して国や自治体が支給するお金のことです。 所得制限はありますが、原則として子ども1人につき毎月定額が支給されます。支給額は子どもの年齢や人数によって異なり、例えば3歳未満は月額15,000円、3歳から小学生までは月額10,000円(第3子以降は15,000円)などと定められています。 申請は居住地の市区町村窓口で行い、原則として児童の出生や転入から15日以内に届け出が必要です。子育て世帯の家計を直接支える制度であり、教育費や生活費の一部に充てられることが多く、非常に身近で利用者の多い支援制度の一つです。
年末調整
年末調整とは、会社員や公務員などの給与所得者が1年間に納めるべき所得税の額を、年末に雇用主が計算し直して精算する手続きのことです。通常、毎月の給与からあらかじめ見込みで所得税が源泉徴収されていますが、年末に実際の収入や各種控除(配偶者控除、扶養控除、保険料控除など)を反映させて正確な税額を算出し、過不足を調整します。 税金を払いすぎていた場合には還付され、足りなかった場合は追加で徴収されることがあります。年末調整によって、多くの給与所得者は確定申告をしなくても納税が完結する仕組みになっており、手間の軽減と課税の公平性を両立させる重要な制度です。ただし、自営業者や副業収入がある人、医療費控除や住宅ローン控除を受けたい人などは、年末調整だけでは対応できず、別途確定申告が必要になります。
確定申告
確定申告とは、1月1日から12月31日までの所得を計算して翌年の2月16日から3月15日に申告し、納税する手続き。多くの会社では年末調整を経理部がしてくれるが、確定申告をすると年末調整では受けられない控除を受けることができる場合もある。確定申告をする必要がある人が確定申告をしないと加算税や延滞税が発生する。




