定年再雇用後も持株会を継続することはできますか?
定年再雇用後も持株会を継続することはできますか?
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2025/02/13 17:29
男性
60代
私は定年退職を控えており、退職後に再雇用される可能性があります。現在加入している持株会を継続できるのか、再雇用後も給与天引きで積み立てられるのか知りたいです。再雇用時の身分が嘱託社員になる場合、加入資格がどう変わるのかも気になります。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
一般的には、定年退職のタイミングで持株会をいったん退会する必要がありますが、退職後に再雇用された際の継続可否は「雇用区分」と「会社規程」の2点で決まります。多くの企業では加入資格を正社員に限定しているため、嘱託や契約社員として再雇用される場合は給与天引きでの積立を続けられません。一方、再雇用契約でも就業規程上「正社員と同等」とみなされる身分が付与される、あるいは持株会規程に特例が設けられている場合は、再加入や積立再開が認められることがあります。退会時には保有株式を自分名義の証券口座へ移管し、その後の配当金や譲渡益は確定申告を含めてご自身で税務処理する必要があるため、手続きと税負担を事前に確認しておくと安心です。まずは人事部門に再雇用後の雇用区分と持株会規程を照会し、継続ができない場合にはNISA口座での自社株積立や投資信託の活用など、別の積立方法を検討しておくとよいでしょう。
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持株会
持株会とは、企業の従業員が自社の株式を計画的に購入し、長期的に保有することを目的とした制度です。多くの企業が従業員の資産形成を支援するために導入しており、給与天引きで少額から積立投資が可能です。通常、企業は奨励金を支給することで従業員の購入を促し、株式の安定的な保有を図ります。従業員にとっては、奨励金によるリターンの向上や、長期的な株価上昇の恩恵を受ける機会がある一方、株価下落のリスクも伴います。また、企業側にとっては従業員の経営参画意識を高めるメリットがあります。持株会の制度は企業ごとに異なり、加入条件や奨励金の有無、売却の制限などが定められています。長期的な資産形成の一環として活用されることが多く、日本企業では広く普及している制度の一つです。
嘱託社員
嘱託社員とは、企業と一定期間の契約を結んで働く社員のことを指します。正社員と異なり、雇用期間に定めがあることが一般的で、契約ごとに業務内容や勤務条件が決まります。定年退職後に再雇用されるケースや、特定のスキルや専門性を活かして働く場合によく見られる雇用形態です。 嘱託社員も給与や福利厚生を受け取ることができますが、正社員と比較すると、賞与や昇進、退職金制度などにおいて違いがある場合もあります。また、契約期間の満了により雇用が終了する可能性があるため、収入の見通しが不安定になることもあります。 資産運用の観点では、雇用形態によって将来の収入見通しや年金額に差が出るため、ライフプラン設計において重要な要素となります。嘱託社員として働く期間やその後の働き方を踏まえ、退職後の資金計画や運用戦略を早めに考えておくことが大切です。
証券口座
証券口座とは、株式や投資信託、債券、ETF(上場投資信託)などの金融商品を売買・保有するために証券会社に開設する口座のことを指します。証券口座には、株式の取引を行う「一般口座」や「特定口座」、税制優遇を受けられる「NISA口座」などがあり、投資目的に応じて選択できます。 証券口座を通じて、投資家は国内外の金融市場にアクセスし、資産運用を行うことが可能になります。特定口座(源泉徴収あり)を選択すると、証券会社が税金の計算と納税を代行してくれるため、確定申告の手間を省くことができます。一方、NISA口座では一定額までの投資利益が非課税となるメリットがあります。 なお、iDeCo(個人型確定拠出年金)口座も投資信託などを運用できる点では共通していますが、年金専用の制度であり、60歳まで引き出せないなどの制約があるため、一般的な証券口座とは区別されます。投資を始める際には、自身の投資目的や税制面を考慮し、適切な口座を選ぶことが重要です。
譲渡益
譲渡益とは、株式や不動産などの資産を売却した際に得られる利益のことを指します。具体的には、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いた金額が譲渡益となります。個人が株式を売却して利益を得た場合、通常は譲渡所得として申告分離課税(税率20.315%)の対象になります。不動産の場合、所有期間が5年以下の短期譲渡は税率39.63%、5年超の長期譲渡は20.315%の税率が適用されます。 また、投資信託の売却益も譲渡所得に分類されますが、分配金の一部は配当所得として課税される場合があります。税制上の優遇措置として、NISA(少額投資非課税制度)や居住用不動産の3000万円特別控除などがあり、適用条件を理解することが重要です。 資産運用においては、売却のタイミングや税制の影響を考慮し、適切な税対策を行うことが求められます。
確定申告
確定申告とは、1月1日から12月31日までの所得を計算して翌年の2月16日から3月15日に申告し、納税する手続き。多くの会社では年末調整を経理部がしてくれるが、確定申告をすると年末調整では受けられない控除を受けることができる場合もある。確定申告をする必要がある人が確定申告をしないと加算税や延滞税が発生する。
NISA
NISAとは、「少額投資非課税制度(Nippon Individual Saving Account)」の略称で、日本に住む個人が一定額までの投資について、配当金や売却益などにかかる税金が非課税になる制度です。通常、株式や投資信託などで得られる利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を使えばその税金がかからず、効率的に資産形成を行うことができます。2024年からは新しいNISA制度が始まり、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つを併用できる仕組みとなり、非課税期間も無期限化されました。年間の投資枠や口座の開設先は決められており、原則として1人1口座しか持てません。NISAは投資初心者にも利用しやすい制度として広く普及しており、長期的な資産形成を支援する国の税制優遇措置のひとつです。

