ESG投資のメリットと問題点を教えてください
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2025/09/16 08:44
女性
30代
ESG投資について最近耳にすることが増えましたが、実際にどのような企業や事例がESG投資の対象になっているのかが分かりません。従来の投資との違いやメリット・デメリット、初心者でも始めやすい投資方法も踏まえて教えていただきたいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ESG投資とは、企業を評価する際に「環境(Environment)」「社会(Social)」「企業統治(Governance)」といった非財務的な要素を重視して投資判断を行う方法です。財務的な成長だけでなく、持続可能性や社会への責任が企業価値に直結すると考えられており、近年は世界的に広がっています。
具体的な例を挙げると、環境分野では再生可能エネルギー事業を展開する企業や二酸化炭素排出削減に積極的な企業が含まれます。社会分野ではダイバーシティ推進や労働環境改善に取り組む企業、ガバナンス分野では情報開示が透明でコンプライアンスを徹底している企業などが評価対象となります。
投資信託を通じてESGに投資する方法もあり、初心者でも利用しやすい商品が整っています。例えば「ESG株式インデックスファンド」や「グローバルESG関連株式ファンド」などは、多くのESG評価の高い企業に分散投資できる点が特徴です。運用会社によっては「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」や「FTSE Blossom Japan Index」といった指数に連動する商品があり、少額から投資を始められるのも魅力です。
従来の投資との違いは、株価や利益の増減だけに注目するのではなく、企業が将来的に持続的な成長を遂げられるかという視点を加える点です。短期的な値動きの影響はありますが、長期的に安定した成長を期待できるという考え方に基づいています。
ただし、一般的な市場平均よりもリターンが劣る時期があることや、運用コストがやや高めになるといったデメリットもあります。そのため、ESG投資を資産形成の一部として位置づけ、長期的な視点でじっくりと取り組むのが望ましいでしょう。
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ESG投資
ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの要素を考慮して行う投資のことです。従来、企業の投資価値は主にキャッシュフローや利益率などの財務情報を基に判断されてきましたが、近年は、環境負荷の低減、社会的責任の遂行、健全な経営体制といった非財務情報も投資判断の重要な指標となっています。 ESGの概念は、2006年に国連が機関投資家向けに「責任投資原則(PRI)」を提唱したことをきっかけに広まりました。ESG要素を投資プロセスに組み込むことで、長期的なリスクを抑えながら持続可能なリターンの向上が期待されます。特に、ESGに積極的に取り組む企業は、規制対応力やブランド価値の向上につながるため、将来的な成長性や安定性の面で投資家の関心を集めています。
再生可能エネルギー
再生可能エネルギーとは、自然界に存在する力を利用して繰り返し生み出すことができるエネルギーのことです。代表的なものには太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスなどがあり、枯渇する心配が少なく、環境への負荷も比較的低いのが特徴です。資産運用の分野では、再生可能エネルギー関連の企業やファンドに投資することで、将来的な成長性や持続可能な社会への貢献を見込むことができます。
ダイバーシティ
ダイバーシティとは、多様性を意味し、人種、性別、年齢、国籍、価値観、働き方などの違いを尊重し受け入れる考え方のことです。資産運用の分野では、企業がダイバーシティを推進しているかどうかがESG評価の重要な要素とされています。多様な人材が活躍できる環境は、企業の創造性や柔軟性を高め、長期的な成長や競争力の強化につながると考えられています。投資家にとっては、ダイバーシティに積極的な企業に投資することで、社会的価値と経済的リターンの両立を目指すことができます。
投資信託
投資信託は、多くの投資家から集めた資金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。運用によって得られた成果は、各投資家の投資額に応じて分配される仕組みとなっています。 この商品の特徴は、少額から始められることと分散投資の効果が得やすい点にあります。ただし、運用管理に必要な信託報酬や購入時手数料などのコストが発生することにも注意が必要です。また、投資信託ごとに運用方針やリスクの水準が異なり、運用の専門家がその方針に基づいて投資先を選定し、資金を運用していきます。
ESG指数
ESG指数とは、企業の環境への取り組み(Environment)、社会への責任(Social)、企業統治の仕組み(Governance)の3つの観点を評価し、それを基準として算出された株価指数のことです。従来の指数は主に企業の収益や成長性に基づいて構成されていましたが、ESG指数では持続可能性や社会的責任といった要素が重視されます。投資家にとっては、単なる利益追求ではなく、長期的に安定した成長を見込める企業群への投資を可能にする指標として活用されています。