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インフレが起こると、株価にどのような影響がありますか?

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2025/10/10 09:59

相談基礎知識株式
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男性

30代

question

最近ニュースで「インフレが株価に影響する」と耳にしましたが、具体的にどのような仕組みで株価が動くのか理解できていません。物価が上がると企業の利益や投資家の心理、市場全体にどんな変化が起きるのかを知りたいです。また、インフレ時に有利または不利になりやすい業種や投資方法についても教えてください。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

インフレが起こると、株価は短期的に下がりやすくなります。主な理由は、金利上昇によって将来利益の現在価値が下がることと、原材料や人件費の上昇が企業の利益を圧迫することです。

ただし、中長期的には、物価上昇を販売価格に転嫁できる企業や業種が強くなる傾向があります。つまり、インフレは株式市場全体に悪影響を与えるわけではなく、「価格転嫁力のある企業」と「そうでない企業」で明確な差が出るのです。

金利の上昇は、中央銀行がインフレを抑えるために金融引き締めを行うことで起こります。金利が上がると、将来の利益を割り引いて計算する株価の理論値は下がります。

この影響を強く受けるのは、将来の成長期待に価値が集中するハイテク企業などの成長株です。一方で、安定したキャッシュフローを持ち、配当などで投資家に利益を早く還元できる企業は、相対的に株価が下がりにくくなります。

企業の収益面では、インフレによって売上も費用も増えますが、売価を引き上げられる企業とそうでない企業で明暗が分かれます。ブランド力が強く、価格交渉力のある企業は利益率を保てますが、コスト上昇を吸収できない企業は利益が減少します。結果的に、同じ業種内でも市場シェアやサプライチェーンの強さによって株価の動きが変わります。

業種別では、エネルギーや素材、生活必需品などの分野はインフレ局面で相対的に強くなります。これらの業種は価格転嫁がしやすく、物価上昇とともに売上が伸びやすい傾向があります。

逆に、金利上昇に弱い成長株や不動産関連、借入依存の高い企業は不利になります。ただし、REITの中には賃料が物価に連動する契約を持つものもあり、銘柄選びが重要です。金融株も金利上昇で利ざや拡大が期待できる一方、景気悪化が同時に進むと業績悪化のリスクを抱えます。

インフレ局面の投資では、価格転嫁力がありキャッシュフローが安定した企業を選ぶこと、金利上昇に強いバリュー株や高配当株を組み入れることが有効です。また、エネルギーやインフラ関連、インフレ連動債など、インフレに強い資産クラスを一部取り入れるのも一つの手です。過度なレバレッジを避け、企業の負債構成(固定・変動金利)にも注意しましょう。

長期的には、株式は名目成長に連動しやすく、適度なインフレ下では資産価値を維持・拡大できる可能性があります。ただし、急激で不安定なインフレ時には価格変動が大きくなるため、分散投資と定期的なリバランスを行うことが重要です。

インフレの度合い、金利の方向性、企業の価格転嫁力という三つの視点を意識して投資判断を行うことで、ブレに強い資産運用が実現できます。

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インフレ(インフレーション)

インフレーションとは、物価全体が持続的に上昇し、その結果、通貨の購買力が低下する現象です。経済活動が活発になり、需要が供給を上回ると価格が上昇しやすくなります。また、生産に必要な原材料費や人件費の上昇が企業のコストに転嫁されることで、さらに物価が上昇することがあります。適度なインフレーションは経済成長の一側面とされる一方、過度な物価上昇は家計の負担を増大させ、経済全体の安定性を損なうリスクがあるため、中央銀行は金利操作などの金融政策を通じてインフレーションの抑制に努めています。

年利

年利とは、1年間で投資やローンに対してどれくらいの利息が発生するかを示す割合のことです。通常、パーセンテージで表され、「お金を預けた場合に増える額」や「お金を借りた場合に支払う利息の額」を計算するために使われます。 例えば、年利5%の貯金口座に10,000円を預けると、1年後には500円の利息がつきます。逆に、年利5%のローンで10,000円を借りた場合、1年後には500円の利息を支払う必要があります。このように、年利は投資では利益の目安、借入ではコストの目安となります。 年利を理解することで、お金を増やす方法や、借りる際の負担を知ることができます。また、インフレ率や他の金融商品の利率と比べることで、どの選択肢がより有利かを判断する材料にもなります。投資をする人も、お金を借りる人も、年利をしっかり確認することで、より賢いお金の使い方ができるようになります。

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お金の流れを表す言葉で、一定期間における「お金の収入」と「支出」を指します。投資や経済活動では特に重要な概念で、現金がどれだけ増えたか、または減ったかを把握するために使われます。キャッシュフローは大きく3つに分かれます。 1つ目は本業による収益や費用を示す「営業キャッシュフロー」、2つ目は資産の購入や売却に関連する「投資キャッシュフロー」、3つ目は借入金や配当などの「財務キャッシュフロー」です。 キャッシュフローがプラスであれば手元にお金が増えている状態、マイナスであれば減っている状態を示します。これを理解することで、資産の健全性や投資先の実態を見極めることができ、初心者でも資金管理や投資判断の基礎として役立てられます。

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バリュー株とは、企業の財務状況や資産価値と比較して割安に取引されている株式を指します。一般的に、成長が鈍化した企業や市場から注目されていない企業に多く、配当利回りが高い傾向にあります。投資家は、企業価値が市場に正しく評価されることで株価が上昇し、利益を得ることを期待して投資します。

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REIT(Real Estate Investment Trust/不動産投資信託)とは、多くの投資家から集めた資金を使って、オフィスビルや商業施設、マンション、物流施設などの不動産に投資し、そこで得られた賃貸収入や売却益を分配する金融商品です。 REITは証券取引所に上場されており、株式と同じように市場で売買できます。そのため、通常の不動産投資と比べて流動性が高く、少額から手軽に不動産投資を始められるのが大きな特徴です。 投資家は、REITを通じて間接的にさまざまな不動産の「オーナー」となり、不動産運用のプロによる安定した収益(インカムゲイン)を得ることができます。しかも、実物の不動産を所有するわけではないので、物件の管理や修繕といった手間がかからない点も魅力です。また、複数の物件に分散投資しているため、リスクを抑えながら収益を狙える点も人気の理由です。 一方で、REITの価格は、不動産市況や金利の動向、経済環境の変化などの影響を受けます。特に金利が上昇すると、REITの価格が下がる傾向があるため、市場環境を定期的にチェックしながら投資判断を行うことが重要です。 REITは、安定した収益を重視する人や、実物資産への投資に関心があるものの手間やコストを抑えたい人にとって、有力な選択肢となる資産運用手段の一つです。

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