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個人ができるインフレ対策を教えてください

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2025/09/17 10:18

基礎知識
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女性

30代

question

インフレが進むと生活費や物価が上がって資産の実質的な価値が減ってしまうと聞きました。私は資産運用の初心者で、現金で預金している割合が多いため、このままではインフレに弱いのではないかと不安です。個人レベルでできるインフレ対策にはどのような方法があるのか、リスクを抑えながら資産を守る手段を教えていただけますか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

インフレ対策は結論から言えば、生活防衛費を確保したうえで、分散投資と税制優遇の活用を通じて実質リターンを確保することが基本です。現金だけを持っていると物価上昇で価値が減ってしまうため、預金はあくまで緊急用に留め、余剰資金は投資へ振り分ける必要があります。

まず家計面では、生活費の半年から1年分を流動性の高い預金に確保し、借入がある場合は固定金利や短期の金利に切り替えてリスクを抑えます。日常支出は固定費を見直し、長期契約などで価格を固定することも有効です。また、収入面ではスキルアップや交渉力を高めて、インフレに負けない稼ぐ力を磨くことも重要です。

投資面では、世界分散された株式インデックスを中心に据えると、企業の価格転嫁力でインフレに対応しやすくなります。債券は長期固定の低金利債ではなく、短期債や変動金利債、物価連動債を組み合わせると価格下落に強くなります。さらに、不動産投資信託や金・コモディティ、外貨投資を少額加えることで通貨や資産の分散効果を得られます。

配分の一例として、守りを重視するなら株式3〜4割、債券3〜4割、物価連動債や金、不動産を残りに振り分ける形が考えられます。成長を重視するなら株式の割合を増やし、債券や金の比率を下げると良いでしょう。いずれも低コストの投資信託やETFを選び、NISAやiDeCoを活用して税負担を抑えることが効果的です。

実際に始める際は、資産や収支の現状を整理し、リスク許容度を確認したうえで配分を決め、積立を自動化します。その後は年1回程度のリバランスで配分を整えると、感情に左右されにくくなります。短期の値動きに一喜一憂するのではなく、長期的にインフレ率を上回る実質リターンを積み上げていく姿勢が大切です。

このように、家計の守りと投資の攻めを組み合わせ、コストと税金を意識すれば、初心者でも着実にインフレから資産を守り育てることができます。

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インフレ(インフレーション)

インフレーションとは、物価全体が持続的に上昇し、その結果、通貨の購買力が低下する現象です。経済活動が活発になり、需要が供給を上回ると価格が上昇しやすくなります。また、生産に必要な原材料費や人件費の上昇が企業のコストに転嫁されることで、さらに物価が上昇することがあります。適度なインフレーションは経済成長の一側面とされる一方、過度な物価上昇は家計の負担を増大させ、経済全体の安定性を損なうリスクがあるため、中央銀行は金利操作などの金融政策を通じてインフレーションの抑制に努めています。

実質リターン

実質リターンとは、投資によって得られた収益からインフレの影響を差し引いた後の「実際の利益」のことです。表面的な収益、つまり名目リターンがたとえ高くても、物価が上昇して生活にかかるコストが増えていれば、手元に残る「価値ある利益」は目減りしている可能性があります。 そのため、資産運用においては名目の数字だけを見るのではなく、物価変動を考慮に入れた実質リターンを見ることが非常に重要です。たとえば年率5%の利益があっても、インフレ率が3%であれば、実質的なリターンは2%に過ぎません。特に長期の資産形成を考える際には、この視点を持つことが資産の「目減り」を防ぐカギとなります。

物価連動国債

物価連動国債は、元本を全国消費者物価指数(コアCPI)に連動させ、実質固定利率を調整後元本に掛けて利息を計算する国債です。たとえば表面利率0.2%の10年債なら、物価が2%上昇して元本が102円に増えれば利息も0.204円に増えます。逆にデフレが進んでも元本は額面100円を下回らないフロアが設けられており、元本毀損は限定的です。ただしCPIは公表にタイムラグがあり、発行から利払いまで概ね3か月遅れて反映されるため、急激なインフレ局面では追随がやや遅れます。 税制上は名目利息に加え、元本調整で増えた分も利子所得として課税されるため、実質利回りより手取り利回りが低くなる傾向があります。また日本の物価連動国債市場は発行量が少なく流動性が限られるため、価格が振れやすい点にも注意が必要です。 投資判断では、同じ年限の名目国債利回りとの差で算出するブレークイーブン・インフレ率を確認し、市場が織り込むインフレ期待と照らして割高・割安を見極めます。インフレヘッジの有力手段である一方、指数ラグや流動性、税務コストも踏まえ、ポートフォリオ全体の資産配分を検討することが大切です。

REIT(Real Estate Investment Trust/不動産投資信託)

REIT(Real Estate Investment Trust/不動産投資信託)とは、多くの投資家から集めた資金を使って、オフィスビルや商業施設、マンション、物流施設などの不動産に投資し、そこで得られた賃貸収入や売却益を分配する金融商品です。 REITは証券取引所に上場されており、株式と同じように市場で売買できます。そのため、通常の不動産投資と比べて流動性が高く、少額から手軽に不動産投資を始められるのが大きな特徴です。 投資家は、REITを通じて間接的にさまざまな不動産の「オーナー」となり、不動産運用のプロによる安定した収益(インカムゲイン)を得ることができます。しかも、実物の不動産を所有するわけではないので、物件の管理や修繕といった手間がかからない点も魅力です。また、複数の物件に分散投資しているため、リスクを抑えながら収益を狙える点も人気の理由です。 一方で、REITの価格は、不動産市況や金利の動向、経済環境の変化などの影響を受けます。特に金利が上昇すると、REITの価格が下がる傾向があるため、市場環境を定期的にチェックしながら投資判断を行うことが重要です。 REITは、安定した収益を重視する人や、実物資産への投資に関心があるものの手間やコストを抑えたい人にとって、有力な選択肢となる資産運用手段の一つです。

コモディティ

コモディティは、世界で標準化された形で売買される原材料・一次産品の総称で、貴金属(金・銀・プラチナ)、エネルギー資源(原油・天然ガス)、農産物(小麦・トウモロコシ・大豆)、産業用金属(銅・アルミニウム)などに分類される。 投資経路は大きく四つある。①現物保有(地金やコイン)、②先物取引、③商品指数連動型ETF・ETN、④コモディティファンド。実務では先物を組み込んだETFが主流で、代表的な指数にブルームバーグ・コモディティ・インデックスや S\&P GSCI がある。 価格は需給バランス、在庫統計、OPEC政策、地政学リスク、天候、為替など多様な要因で変動する。先物運用では限月乗り換え時のロールコスト(コンタンゴ)や信託報酬がリターンを圧迫し、現物保有では保管・保険料、税制(例:金地金の譲渡益は総合課税)が影響するため、コスト構造の把握が欠かせない。 コモディティは株式・債券との相関が相対的に低く、インフレ率と連動しやすいことから、分散投資とインフレヘッジに有効とされる。一方で短期的な価格変動が大きく、資産配分比率や取引手段を目的に合わせて設計し、損失許容度に応じたリスク管理を徹底することが重要となる。

リバランス

リバランスとは、ポートフォリオを構築した後、市場の変動によって変化した資産配分比率を当初設定した目標比率に戻す投資手法です。 具体的には、値上がりした資産や銘柄を売却し、値下がりした資産や銘柄を買い増すことで、ポートフォリオ全体の資産構成比率を維持します。これは過剰なリスクを回避し、ポートフォリオの安定性を保つためのリスク管理手法として、定期的に実施されます。 例えば、株式が上昇して目標比率を超えた場合、その一部を売却して債券や現金に再配分するといった調整を行います。なお、近年では自動リバランス機能を提供する投資サービスも登場しています。

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