投資のガイド
Guide

外貨預金とは?金利の仕組みとメリット・デメリット、向いている人をわかりやすく解説
難易度:
執筆者:
公開:
2025.07.31
更新:
2026.09.25
円預金より高い金利や円安への備えとして、外貨預金に関心を持つ方もいるでしょう。ただし、金利が高くても、為替の動きや手数料によっては円に戻したときに元本を下回るため、円預金との違いを知ることが大切です。この記事では、外貨預金の仕組みや金利が高い理由、メリット・デメリットから、手数料・税金、損益の試算、他の運用商品との比較、始め方までを具体的に解説します。
外貨預金とは?仕組みと円預金との違い
外貨預金とは、日本円を米ドルやユーロ、豪ドルなどの外国通貨に換えて預け入れる預金です。仕組みは円預金と似ていますが、為替レートの変動が加わる点で性質が大きく異なります。
円を外貨に換えて預け、外貨のまま利息を受け取る
外貨預金の流れは、①円を外貨に交換して預け入れる、②外貨建てで利息を受け取る、③必要なときに外貨を円に戻す、という3段階です。預け入れと引き出しのたびに為替レートが関わるため、金利だけでなく為替の動きが円換算の損益を左右します。
種類は円預金と同じく、出し入れが自由な「外貨普通預金」と、期間を決めて預ける「外貨定期預金」が中心です。外貨定期預金は契約時の金利が満期まで固定される一方、原則として満期まで解約できない銀行が多い点に注意が必要です。
円預金との4つの違い
外貨預金と円預金の違いは、次の4点に整理できます。
| 項目 | 円預金 | 外貨預金 |
|---|---|---|
| 金利 | 日本の金利水準で決まる(メガバンク円定期1年 年0.50%) | 預ける通貨の国の金利水準で決まる(米ドル定期1年 年3.5%前後の例あり) |
| 元本の変動 | 円ベースでは変動しない | 為替レートで円換算額が変動し、元本割れの可能性がある |
| 手数料 | 原則なし | 円と外貨の交換時に為替手数料がかかる(往復) |
| 預金保険 | 元本1,000万円と利息まで保護 | 対象外 |
出典:金融庁・預金保険機構「預金保険制度(ペイオフとは?)」
金利の高さだけを見ると外貨預金が有利に見えますが、為替と手数料、保護の有無まで含めて比べることが、外貨預金を正しく理解する出発点です。
外貨預金の金利はどう決まる?2026年9月の水準
外貨預金の金利は、預ける通貨を発行する国の政策金利や市場金利をもとに、各銀行が決めています。ここでは、金利が決まる背景と、2026年9月時点の米ドル預金の水準を確認します。
金利の背景にある日米の政策金利
米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は、2026年9月16日の会合で政策金利を0.25ポイント引き上げ、3.75〜4.00%としました。インフレが高止まりしていることが理由です。
- 一方、日本銀行は2026年9月18日の金融政策決定会合で、政策金利を1.0%程度から1.25%程度に引き上げました。日本の金利も上昇していますが、日米の金利差はなお2.5ポイント以上あります。この差が、米ドル預金の金利が円預金より高い直接の理由です。
出典:FRB「Federal Reserve issues FOMC statement(2026年9月16日)」
出典:日本銀行「金融市場調節方針の変更について(2026年9月18日)」
米ドル預金の金利水準(2026年9月)
米ドル建ての預金金利は、銀行や商品によって大きく異なります。代表的な例をまとめました。
| 銀行 | 米ドル普通預金 | 米ドル定期預金 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 三菱UFJ銀行(外貨定期優遇プラン) | ― | 1カ月 年7.0%/1年 年3.5% | 円貨からの預け入れ限定、初回のみ適用(2026年7月1日〜9月30日) |
| auじぶん銀行 | ― | 1カ月 年7.0%(円からの預け入れ) | 当初1カ月のみ適用(2026年9月24日時点) |
| PayPay銀行 | 年2.0% | 1年 年2.2% | 2026年9月1日時点の比較サイト掲載値 |
| ソニー銀行 | ― | 6カ月 年6.0%(円からの預け入れ) | 当初期間のみ適用(2026年9月1日〜11月30日) |
出典:三菱UFJ銀行「外貨預金」、auじぶん銀行「外貨預金」、ソニー銀行「円からの預入で米ドル定期(6ヶ月)年6.00%」、株探ネット銀行比較「外貨預金おすすめランキング【2026年】」
参考までに、三菱UFJ銀行の円定期預金(1年)は2026年8月3日から年0.50%、円普通預金は年0.40%です。米ドル定期1年の年3.5%と比べると金利差は約3ポイントあります。
出典:三菱UFJ銀行「円定期預金金利の改定について(2026年7月31日)」
「1カ月もの年7%」の実額はいくら?キャンペーン金利の見方
各社が打ち出す年6〜7%前後の高金利は、多くが「円から預け入れた場合の1カ月〜6カ月もの」に限定され、満期後は通常の金利に戻ります。年率表示のため、実際に受け取る利息は1カ月分です。
たとえば100万円相当を1カ月もの年7.0%に預けると、利息は100万円×7.0%×1/12=約5,833円(税引前)、税引後は約4,648円です。一方、1米ドル=158円なら100万円は約6,329ドルで、往復24銭の為替手数料がかかる銀行では約1,519円のコストが発生します。
- 利息からコストを引いた実質的な利益は3,000円程度にとどまるうえ、1カ月の間に為替が1円動くだけで約6,300円の差が生まれます。キャンペーン金利は「年率」ではなく「期間中に受け取る実額」で評価し、為替の影響と比べて考えることが大切です。
外貨預金のメリット4つ
外貨預金には、円預金にはない4つのメリットがあります。それぞれの内容と、どのような人に効果が大きいかを見ていきましょう。
1.円預金より高い金利で運用できる
もっとも大きなメリットは金利です。米ドル定期預金では年3%台の金利を提示する銀行があり、円定期の年0.5%前後と比べると数倍の利息を受け取れます。
1万ドル(約158万円)を年3.5%の1年定期に預けた場合、税引後の利息は約279ドル、円換算で約4.4万円です。同じ158万円を年0.5%の円定期に預けた場合の税引後利息は約6,300円ですから、為替が動かなければ利息の差は明確です。
2.円安になれば為替差益が得られる
預け入れたときより円安になっていれば、円に戻す際に為替差益が生じます。1万ドルを1ドル=158円で預け、1年後に162円で戻せば、為替だけで約4万円のプラスです。
ただし、為替差益は円高になれば為替差損に変わります。利益の源泉であると同時に、後述する最大のリスク要因でもある点は押さえておきましょう。
3.通貨を分散してインフレや円安に備えられる
資産のすべてを円で持っていると、円安やインフレが進んだときに資産の実質的な価値が目減りします。一部を外貨で保有しておけば、円の価値が下がった局面で外貨建て資産の円換算額が増え、資産全体の目減りを和らげる効果が期待できます。
- これは「儲ける」というより「守る」ための使い方です。生活費や将来の支出が円建てである以上、外貨は資産の一部にとどめるのが基本になります。
インフレが起こっている状況における生活や資産運用への影響については、こちらの記事で詳しく解説しています。
4.少額から始められ、外貨のまま使える
外貨預金は少額から預け入れでき、株式や債券に比べて手軽です。たとえばソニー銀行では、外貨普通預金は1米ドルから、外貨定期預金は1,000円または10米ドルから預け入れできます。銀行によっては、外貨のまま海外でデビットカード決済ができたり、海外送金に使えたりするサービスもあります。
海外旅行や留学、海外在住の家族への送金など、外貨を使う予定がある人にとっては、両替のタイミングを分散して準備しておける実用的な手段です。
外貨預金のデメリット4つ
メリットの裏返しとして、外貨預金には4つのデメリットがあります。いずれも「知らずに始めると損をしやすい」点であり、対策とセットで理解しておきましょう。
1.為替変動で元本割れする可能性がある
預け入れたときより円高になると、利息を受け取っても円換算では元本を下回ることがあります。円預金にはない、外貨預金特有のリスクです。
- 2026年に入ってからもドル円相場は、2月の1ドル=152円台から7月の163円台まで11円以上動きました。数カ月で5円以上変動することも珍しくありません。1万ドルを預けていれば、1円の変動で円換算額は1万円変わります。対策としては、預け入れ時期を分ける積立や、複数の通貨への分散が有効です。
時間分散の有力な方法である積立投資、ドルコスト平均法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
出典:FRED(セントルイス連邦準備銀行)「Japanese Yen to U.S. Dollar Spot Exchange Rate」
2.為替手数料が往復でかかる
円と外貨を交換するときには、銀行が定める為替手数料がかかります。預け入れ時と引き出し時の往復で発生するため、金利で得た利益を目減りさせる要因です。手数料の水準は銀行によって10倍以上の開きがあります(詳しくは後述)。
3.預金保険の対象外である
円預金は、銀行が破綻しても預金保険制度により元本1,000万円までとその利息が保護されます。一方、外貨預金は預金保険の対象外です。破綻時には、破綻した金融機関の財産の状況に応じて支払われ、一部がカットされることがあります。
銀行が破綻する可能性自体は高くありませんが、「預金だから安全」という円預金の感覚は当てはまりません。
出典:金融庁・預金保険機構「預金保険制度(ペイオフとは?)」
4.定期預金は原則中途解約できず、税金の手続きにも手間がかかる
外貨定期預金は、原則として満期まで解約できないのが一般的です。やむを得ない場合に限って中途解約を受け付けられる可能性があるものの、金利は「当初の約定金利の10%」などに大きく下がり、預け入れ日にさかのぼって適用されます。急に円が必要になっても、円高と低金利が重なるうえ、すぐに引き出せない可能性がある点に注意しましょう。
また、為替差益が出た場合は原則として確定申告が必要です。利息のように自動的に納税が完結しないため、円預金にはない手間が生じる点も覚えておきましょう。
為替手数料の比較|銀行でここまで違う
為替手数料は、金融機関が提示する外貨の買値(TTS)と売値(TTB)の差として組み込まれています。1米ドルあたりの手数料は、次のように銀行によって大きく異なるのが実情です。
| 銀行 | 為替手数料(片道) | 1万ドルを往復した場合の手数料 |
|---|---|---|
| 三菱UFJ銀行(窓口) | 1円(外貨定期優遇プラン利用時は50銭) | 20,000円(優遇プラン時10,000円) |
| 三菱UFJ銀行(インターネットバンキング) | 25銭 | 5,000円 |
| auじぶん銀行 | 12銭(往復24銭) | 2,400円 |
| ドコモSMTBネット銀行 | 6銭(購入時) | 1,200円 |
| PayPay銀行 | 5銭 | 1,000円 |
| ソニー銀行 | 4〜15銭(優遇ステージによる) | 800〜3,000円 |
出典:三菱UFJ銀行「外貨預金の為替手数料」、auじぶん銀行「外貨預金」、ドコモSMTBネット銀行「外貨定期預金」、ソニー銀行「外貨預金」、株探ネット銀行比較「外貨預金おすすめランキング【2026年】」
同じ1万ドルを往復させても、手数料は1,000円から2万円まで20倍の差が生まれます。金利が同じなら、手数料の安い銀行を選ぶほど手元に残る利益は増えます。窓口での相談や円預金との一元管理を重視する場合は、その分のコストを納得したうえで選ぶとよいでしょう。
どこまで円高になると元本割れ?損益分岐点の考え方
外貨預金で損をしないためには、「どのレートまで円高になっても利息でカバーできるか」を知っておくことが役立ちます。ここでは、1万ドルを年3.5%の1年定期に預けた場合を例に試算します。
| 為替手数料(片道) | 預入時の円貨額 | 元本割れしない為替レート(仲値) | 許容できる円高幅 |
|---|---|---|---|
| 50銭 | 1,585,000円 | 約154.7円 | 約3.3円(約2.1%) |
| 25銭 | 1,582,500円 | 約154.2円 | 約3.8円(約2.4%) |
| 5銭 | 1,580,500円 | 約153.8円 | 約4.2円(約2.7%) |
※預入時の仲値を1ドル=158円、利息は税引後(年3.5%×(1−20.315%))で計算した編集部試算です。
年3.5%の金利でも、1年間に吸収できる円高は3〜4円程度です。それ以上円高が進めば元本割れになります。逆に円安に振れれば、利息に加えて為替差益が上乗せされます。為替シナリオ別の結果を見てみましょう。
| 1年後の仲値 | 円換算額(税引後利息込み) | 預入時との差 |
|---|---|---|
| 150円(8円の円高) | 約1,539,000円 | 約−43,000円 |
| 154円(4円の円高) | 約1,580,000円 | 約−2,000円 |
| 158円(変わらず) | 約1,621,000円 | 約+39,000円 |
| 162円(4円の円安) | 約1,663,000円 | 約+80,000円 |
| 166円(8円の円安) | 約1,704,000円 | 約+121,000円 |
※税引後利息を含む元利合計を、1年後の仲値から手数料25銭を引いたレートで円換算した編集部試算です。
- このように、1年程度の運用では為替の影響が利息の影響を上回りやすくなります。外貨預金の損益は「金利で稼ぐ」というより「為替次第」と考えて、余裕資金で、期間に幅をもたせて臨むのが現実的です。
外貨預金の税金|利息と為替差益で扱いが違う
外貨預金の利益には、利息と為替差益の2種類があり、税金の扱いが異なるので注意が必要です。
| 利益の種類 | 所得区分 | 課税方法 | 手続き |
|---|---|---|---|
| 利息 | 利子所得 | 20.315%の源泉分離課税 | 受取時に天引きされ、申告不要 |
| 為替差益 | 雑所得 | 総合課税(他の所得と合算して累進税率) | 原則として確定申告が必要 |
出典:国税庁「No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得)」
利息は円預金と同じく、所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%が受け取り時に差し引かれます。銀行が示す金利は税引前のため、手取りは約2割少なくなる計算です。
為替差益は雑所得として確定申告する
円に戻したときの為替差益は雑所得として総合課税の対象になり、給与などと合算して税率が決まります。給与を1カ所から受けている会社員などは、給与以外の所得の合計が年20万円を超える場合に確定申告が必要です。
なお、円高で為替差損が出た場合、給与所得など他の区分の所得とは損益通算できません。同じ雑所得の中でのみ相殺できる点に注意しましょう。
損益通算の仕組みについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。
出典:国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
外貨のまま預け替えれば課税されないが、他の商品に移すと課税される
国税庁の質疑応答事例によると、満期になった米ドル定期預金を、同じ米ドルのまま別の銀行の預金に預け入れた場合、その時点で為替差益を認識する必要はありません。外貨を持ち続けている状態と変わらないためです。
一方、外貨預金を払い出して外貨建てMMFに投資した場合や、外貨で不動産を購入した場合は、円に戻していなくても為替差益が実現したものとして課税対象になります。外貨を「預金以外の資産」に換えるときは、税務上の扱いが変わる点を覚えておきましょう。
出典:国税庁「外貨建預貯金の預入及び払出に係る為替差損益の取扱い」
出典:国税庁「預け入れていた外貨建預貯金を払い出して外貨建MMFに投資した場合の為替差損益の取扱い」
外貨建てMMF・外国債券・FX・外貨建て保険との違い
外貨で運用する手段は預金だけではありません。似た商品と比べると、外貨預金の位置づけがはっきりします。
| 商品 | 主な収益 | 為替差益の税金 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 外貨預金 | 利息(元本は外貨建てで確定) | 雑所得・総合課税 | 仕組みが簡単。預金保険の対象外 |
| 外貨建てMMF | 分配金(短期の公社債で運用) | 譲渡益として20.315%の申告分離課税(為替差益を含む) | いつでも換金可能。証券会社で購入 |
| 外国債券 | 利子・償還差益 | 譲渡益として20.315%の申告分離課税 | 満期まで持てば外貨ベースの元本が戻る。発行体の信用リスクあり |
| FX(外国為替証拠金取引) | 為替差益・スワップポイント | 20.315%の申告分離課税 | レバレッジで損益が拡大。短期売買向き |
| 外貨建て保険 | 運用益・保障 | 商品により異なる | 保障が付く反面、手数料が高く早期解約で元本割れしやすい |
出典:資産運用業協会「投資信託の税金」、国税庁「No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」
外貨建てMMFは、外貨預金と同じように外貨を保有しながら運用できる商品で、為替差益を含めた利益が申告分離課税になる点が外貨預金と異なります。利益が大きくなるほど、総合課税の外貨預金より税負担が軽くなる場合があります。目的が「外貨を持つこと」なら、預金以外の選択肢も含めて比べてみましょう。
MRFやMMF、外国債券の詳細は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
外貨預金が向いている人・向いていない人
外貨預金は、誰にとっても正解になる商品ではありません。資金の性質と目的によって、向き不向きがはっきり分かれます。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 資産の一部を外貨にして、円安やインフレに備えたい人 | 元本割れをまったく受け入れられない人 |
| 海外旅行や留学、海外送金などで外貨を使う予定がある人 | 数カ月以内に使う予定のある資金を預けたい人 |
| 数年単位で持ち続けられる余裕資金がある人 | 為替の値動きが気になって落ち着かない人 |
| 仕組みの単純さを重視し、証券口座を開くまでは考えていない人 | 税負担を含めた効率を最優先したい人(外貨建てMMFなどが候補) |
向いていない項目に当てはまる場合でも、外貨での運用自体をあきらめる必要はありません。元本保証を重視するなら円建ての個人向け国債や定期預金、税効率を重視するなら外貨建てMMFや外国債券といった代替手段があります。
なお、円安時に投資家がやるべきことについては、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。
外貨預金の始め方3ステップ
外貨預金を始める手順はシンプルです。ここでは、失敗を減らすための判断基準とあわせて3つのステップを紹介します。
ステップ1:為替手数料と金利で金融機関を選ぶ
比較の軸は「為替手数料」「金利」「取扱通貨と付帯サービス」の3つです。為替手数料は往復で見て、1米ドルあたり10銭前後以下なら低い水準といえます。金利はキャンペーンの適用期間と条件(円からの預け入れ限定、初回のみなど)を必ず確認しましょう。
ネット銀行は手数料の安さ、メガバンクは窓口相談や円預金との一元管理、外資系・信託銀行は取扱通貨の多さが特徴です。どれが優れているかではなく、自分が何を重視するかで選びます。
ステップ2:口座を開設して円を入金する
多くの銀行では、本人確認書類とスマートフォンがあればオンラインで口座開設が完結します。外貨預金の申し込み時には、為替リスクや預金保険の対象外であることの説明を受け、確認する手続きが必要です。
ステップ3:一括か積立かを決めて預け入れる
預け入れ方は、まとまった資金を一度に換える「一括」と、毎月一定額を換える「積立」があります。一括は円高のタイミングで換えられれば有利ですが、高値づかみのリスクもあります。積立は購入レートが平準化され、タイミングの判断に悩まずに済むのが利点です。
将来の為替を正確に予測することは専門家でも困難です。少額の積立から始めて、値動きへの慣れと自分の許容度を確かめながら金額を調整する方法が、多くの人にとって現実的でしょう。
お金を増やすためには、預金だけでは非効率です。具体的なアプローチ方法については、こちらの記事もご覧ください。
相談現場で多い外貨預金の誤解3つ
外貨預金に関する相談では、次のような誤解がよく見られます。始める前に確認しておきましょう。
誤解1:「金利7%なら1年で7%増える」
年7%のキャンペーン金利の多くは1カ月ものです。年率表示のため、1カ月間で受け取る利息は7%の12分の1にあたる約0.58%にすぎません(6カ月ものなら2分の1)。満期後は通常の金利に戻るため、期間と条件を確認してから判断しましょう。
誤解2:「外貨預金も預金だから元本は安全」
外貨建てでは元本が減りませんが、円に戻すときのレートによっては円換算の元本が減ります。さらに預金保険の対象外です。円預金と同じ感覚で「安全資産」とみなすのは避けましょう。
誤解3:「円に戻さなければ税金はかからない」
同じ外貨のまま預金として持ち続けている間は、為替差益は認識されません。しかし、外貨建てMMFや外貨建ての不動産など別の資産に換えた時点で、為替差益が実現したとして課税されます。外貨のまま使い道を変えるときは、税務上の扱いも確認しましょう。
この記事のまとめ
外貨預金を検討する際は、高金利や通貨分散のメリットに加え、為替による元本割れ、往復の手数料、預金保険の対象外である点を押さえることが大切です。キャンペーンの適用期間や税金も、手元に残る金額を左右します。まずは資金を使う時期と通貨、受け入れられる損失の範囲を整理し、候補となる銀行の条件と円高時の損益を確認しましょう。外貨建てMMFなどとも比較し、自分の目的に合うと判断できた場合に、余裕資金で少額から始めることを検討してください。

金融系ライター
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
関連する専門用語
外貨預金
外貨預金とは、日本円ではなく米ドルやユーロなどの外国の通貨で預ける預金のことをいいます。通常の預金と同じように銀行にお金を預ける形式ですが、外貨で運用されるため、為替レートの変動によって元本や利息の受取額が増えたり減ったりします。 たとえば、円安になると、外貨を円に戻したときの受取額が増える一方で、円高になると損をすることもあります。また、外貨預金は日本の預金保険制度の対象外であり、元本保証がない点にも注意が必要です。利率が高めに設定されていることが多く、円預金よりも高い利回りを狙える反面、為替リスクという特有のリスクを伴うため、初心者の方には慎重な検討が求められる商品です。
円預金
円預金とは、日本円で行う預金のことで、日本国内の銀行や信用金庫などにお金を預ける際の最も基本的な形式です。普通預金、定期預金、貯蓄預金などがあり、日常的な資金の出し入れから資産の一時保管まで、さまざまな目的で利用されます。日本円で運用されるため為替リスクがなく、元本保証があり、安全性が非常に高いのが特徴です。 また、多くの場合は預金保険制度の対象となっており、1金融機関あたり元本1,000万円とその利息までが保護されます。一方で、低金利環境が続いているため、資産を大きく増やす手段としては向いておらず、資産運用というよりは、資金の管理や保全を重視する用途に適しています。
外国為替(為替)
外国為替(為替)とは、異なる通貨を交換する仕組みおよびその交換比率が経済活動や資産価値に影響を及ぼす関係全体を指す用語です。 この用語は、海外と関わる取引や資産評価を行う場面で必ず登場します。輸入や輸出といった企業活動だけでなく、外国株式や海外投資信託、外貨建て資産を保有する個人投資家にとっても、為替は価格変動の前提条件として存在します。円と他国通貨との関係が変化することで、同じ資産であっても円換算の価値や損益が変わるため、投資判断や成果の解釈に影響します。 為替が問題になるのは、「通貨を交換する瞬間」だけではありません。実際には、外貨建て資産を保有している期間全体にわたり、為替は見えない変動要因として作用します。そのため、投資の成果を考える際に、価格変動と為替変動が混同されやすく、判断を誤る原因になりがちです。たとえば、海外資産の評価額が増減した理由を、投資対象そのものの値動きだと理解していたものの、実際には為替変動の影響が大きかった、というケースは典型的です。 誤解されやすい点として、「為替は短期売買を行う人だけが意識すればよい」という思い込みがあります。しかし、為替は取引頻度に関係なく、外貨と関わる資産を持つ限り影響を及ぼします。長期投資であっても、円高・円安の局面によって最終的な成果が変わるため、為替を無視した評価は成り立ちません。為替は独立した投資対象である以前に、資産価値を測る尺度そのものの一部だと捉える必要があります。 また、「為替=相場」という理解も不十分です。為替は市場で形成される交換比率だけでなく、国や地域の通貨制度、決済慣行、国際的な資金移動の仕組みを含んだ概念です。為替レートはその結果として表れる数値であり、外国為替という言葉は、より広い関係性や構造を含んで使われます。この違いを意識しないと、為替変動の意味を単なる価格の上下としてしか捉えられなくなります。 外国為替を正しく理解することは、海外と関わる経済行動を評価する際の基礎になります。為替は利益を生む手段そのものではなく、資産や取引の価値を左右する前提条件として存在する概念であり、その位置づけを整理しておくことが重要です。
円高
円高とは、ほかの国の通貨と比べて相対的に日本の円の価値が高くなること。海外から商品を購入すること(輸入)が有利で、海外に商品を販売すること(輸出)が不利になる。 (例) 1ドル=100円が1ドル=50円になる →以前よりも少ない円で1ドルを得ることができるので、円の価値が高くなっており、円高である。
円安
円安とは、ほかの国の通貨と比べて相対的に日本の円の価値が低くなること。海外から商品を購入すること(輸入)が不利で、海外に商品を販売すること(輸出)が有利になる。 (例) 1ドル=100円が1ドル=150円になる →以前よりもたくさんの円がないと1ドルを得られなくなっており、円の価値が低くなっているので、円安である。
元本割れ
元本割れとは、投資で使ったお金、つまり元本(がんぽん)よりも、最終的に戻ってきた金額が少なくなることをいいます。たとえば、100万円で投資信託を購入したのに、解約時に戻ってきたのが90万円だった場合、この差額10万円が損失であり、「元本割れした」という状態です。 特に、価格が変動する商品、たとえば株式や投資信託、債券などでは、将来の価格や分配金が保証されているわけではないため、元本割れのリスクがあります。「絶対に損をしたくない」と考える方にとっては、このリスクを正しく理解することがとても重要です。金融商品を選ぶときには、利回りだけでなく元本割れの可能性も十分に考慮しましょう。







