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外貨預金とは?おすすめしないと言われるデメリットや高金利などのメリットを徹底解説

外貨預金とは?おすすめしないと言われるデメリットや高金利などのメリットを徹底解説

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公開:

2025.07.31

更新:

2025.07.31

いま外貨預金が熱い注目を集めています。円安と超低金利の日本において、「高金利」をうたうネット銀行のキャンペーンは一見すると魅力的です。実際、2025年7月には米ドル定期で年14.1%相当という驚くような特別金利をauじぶん銀行が提示しました。しかし、その裏には見落とされがちなリスクも潜んでいます。為替変動や手数料の影響で、思ったほど利益が出ないばかりか、元本割れの可能性すらあるのです。この記事では、外貨預金をこれから始めようと考えている初心者の方に向けて、仕組みの基本からメリット・デメリット、そして失敗しないためのポイントまでをわかりやすく解説します。

サクッとわかる!簡単要約

この記事を読むと、「外貨預金」の仕組みを初心者でも直感的に理解でき、高金利を得ながら為替リスクや手数料で損をしないための判断軸が明確になります。具体的には、年3~4%台の米ドル定期預金が実現する理由や、2025年7月に登場した年14.1%相当のキャンペーン金利とその注意点、円高時でも損失を回避できる損益分岐点の考え方、さらに税務上のポイントである「20万円」のラインまで網羅的に学べます。読了後は、漠然とした不安を払拭し、自信をもって外貨預金を検討できるようになります。

目次

外貨預金とは「海外通貨で預金」すること

外貨預金の仕組み:円を外貨に替えて預け、金利と為替差益を狙う

円預金との3つの決定的違い|金利・為替リスク・預金保険

外貨預金の3つのメリット:高金利と為替差益で資産を増やす

メリット1:円預金より高い金利で効率的にお金を増やせる

メリット2:円安局面では「為替差益」で金利以上のリターンも

メリット3:資産の通貨分散でインフレや円安リスクに備えられる

外貨預金がおすすめしないと言われる3つの注意点とその対策

注意点1. 為替変動リスク:円高で元本割れの可能性

注意点2. 為替手数料:利益を損なうコストの存在

注意点3. 預金保険の対象外:いざとなったときに保護されない懸念

外貨預金の始め方!3ステップガイド

Step1: 金融機関を選択。手数料・金利で比較するのが基本

Step2:口座を開設し、日本円を入金する

Step3:タイミングを見て外貨を購入(預入)する

税金はかかる?為替差益が出た場合の確定申告

外貨預金の利益は2種類:利息と為替差益

利息の税金:自動的に源泉徴収されるので申告不要

為替差益の税金:条件を満たすと確定申告が必要

外貨預金に向いている人・向いていない人は?

外貨預金が「向いている人」の3つの特徴

外貨預金が「向いていない人(おすすめしない人)」の3つの特徴

外貨預金とは「海外通貨で預金」すること

外貨預金とは、日本円を米ドルなどの海外通貨に換えて預金することです。ここでは、利益の源泉となる「金利」と「為替」の仕組みから、最も重要な円預金との3つの違い(金利・為替リスク・預金保険)など、基本的な仕組みを解説します。

外貨預金の仕組み:円を外貨に替えて預け、金利と為替差益を狙う

外貨預金の基本的なプロセスは、円を外貨に交換して預け入れ、外貨のまま利息を受け取り、最終的に円に戻す、という流れで成り立っています。この過程で、海外の高い「金利」と、円と外貨の価値の変動である「為替」という2つの要素が、最終的なリターンに影響します。ここでは、その具体的な流れと預金の種類について見ていきましょう。

預け入れから引き出しまでの流れ

外貨預金とは、日本円を米ドルやユーロといった外国の通貨に交換(両替)して、銀行に預け入れる金融商品です。預け入れた外貨には、その通貨の金利に基づいて利息が付きます。そして、預けたお金を引き出す際には、再び日本円へ両替します。このとき、預け入れた時よりも円安になっていれば為替差益が、円高になっていれば為替差損が発生し、最終的な利益や損失が確定します。

預金の種類は円預金と同じ(普通・定期)

預金の種類自体は円預金と似ており、いつでも自由に出し入れできる「普通預金」と、決まった期間預け入れることで固定金利が適用される「定期預金」があります。例えば、米ドル普通預金は市場の金利に応じて利率が変動し、米ドル定期預金は契約時の利率が満期まで維持されます。利息が外貨のまま元本に加算されていく点が、円預金との大きな違いの一つです。

円預金との3つの決定的違い|金利・為替リスク・預金保険

外貨預金と円預金は、同じ「預金」という名前がついていますが、その性質は大きく異なります。特に重要なのが「金利」「為替変動リスク」「預金保険」の3点です。これらの違いを正しく理解することが、ご自身のリスク許容度に合った資産運用を行うための鍵となります。

1.金利水準

一般的に、日本の金利よりも海外の金利の方が高く設定されており、円預金に比べて多くの利息収入を期待できる可能性があります。

2.為替変動リスク

円預金は、預けた金額(元本)が変動することはありません。一方、外貨預金は為替レートの動きによって、円に換算した際の価値が変動します。円高が進むと、利息を受け取っても元本割れとなる可能性があります。

3.預金保険制度(ペイオフ)

日本の円預金は、万が一銀行が破綻しても、預金保険制度によって元本1,000万円とその利息までが保護されます。しかし、外貨預金はこの制度の対象外であり、保護されません。

詳しくは預金保険制度のこちらの公式資料をご参照ください。

外貨預金の3つのメリット:高金利と為替差益で資産を増やす

円預金に預けておくだけでは資産がほとんど増えない今、外貨預金が持つ3つの大きなメリットが注目されています。それは、①海外の「高い金利」、②円安時に利益を生む「為替差益」、そして③資産を守るための「通貨分散効果」です。

メリット1:円預金より高い金利で効率的にお金を増やせる

外貨預金最大のメリットの一つは、なんといっても円預金にはない高い金利で運用できる点です。日本の普通預金金利が年0.001%台と限りなくゼロに近い中、米ドルや豪ドルなどでは年数%台の金利がつくケースも珍しくありません。例えば米ドル定期預金なら1年ものでも年3~4%前後の金利が各銀行で提示されています。豪ドルも年2~3%程度、ユーロでも年1%超の利率が付く場合があります。これは同じ元本でも日本円の預金に比べ、遥かに多くの利息収入を期待できることを意味します。

メリット2:円安局面では「為替差益」で金利以上のリターンも

外貨預金のもう一つの醍醐味が為替差益(かわせさえき)です。為替差益とは、預けた外貨を円に戻す際に、預入時よりも円安が進んでいれば、為替レートの差によって元本に利益が生じることを指します。

為替相場の変動によっては、金利収入を大きく上回る収益を得られる可能性があります。ただし、逆に円高方向に進めば為替差損が生じるリスクもあり、この為替変動リスクとは表裏一体の関係です。

メリット3:資産の通貨分散でインフレや円安リスクに備えられる

外貨預金のメリットは、単に高いリターンを狙うだけではありません。資産を日本円だけでなく、米ドルなどの外貨にも分けて保有することは、将来の経済変動に対する強力な「保険」となります。

例えば、日本でインフレが進んだり、円の価値が下落(円安)したりした場合、外貨建ての資産価値は相対的に上昇し、円資産の目減りを補ってくれる効果が期待できます。これを資産の「通貨分散」によるリスクヘッジと呼びます。

外貨預金がおすすめしないと言われる3つの注意点とその対策

外貨預金のメリットに注目が集まる一方、当然注意点も存在します。

特に注意すべきは「為替変動リスク」「手数料というコスト」「預金保険の適用範囲」という3つの大きな論点です。これらを理解せずに始めると、予期せぬ元本割れや手数料負けに繋がる可能性があり、その結果「おすすめしない」という声にもつながっています。

ここでは、外貨預金と付き合う上での具体的な注意点と、その対策につい説明します。

注意点1. 為替変動リスク:円高で元本割れの可能性

外貨預金の価格変動要因、すなわち「為替変動リスク」は、最も注意すべき点です。為替レートの動きによって円換算後の価値が減少し、「元本割れ」となる可能性があります。特に、預入時よりも円高が進むと、たとえ金利を受け取ったとしても、それを上回る為替差損が発生することがあります。

為替レートの動きは予測が難しく、短期間で急に変動する可能性もあるため、事前の対策が重要です。

為替変動リスクの影響は以下Q&Aでも解説しています。

どのくらい円高になったら損する?損益分岐点の考え方

元本割れを避けるには、利益も損失も出ない為替レートである「損益分岐点」を把握することが重要です。この分岐点は、受け取る利息と支払う為替手数料を考慮して計算します。例えば、手数料が高く利息が少ない場合、わずかな円高でも元本割れしてしまいます。

預け入れる前に、ご自身の条件で損益分岐点がどのくらいになるか試算してみましょう。

為替変動リスクへの対策:積立や通貨分散で影響を緩和する

為替変動リスクを完全になくすことはできませんが、その影響を緩和するための有効な対策があります。一つは、購入タイミングを分ける「積立(時間分散)」です。

これにより購入価格を平準化できます。もう一つは、複数の通貨に分けて投資する「通貨分散」で、特定の通貨が急落した際の影響を抑えることができます。

時間分散の有力な方法はドルコスト平均法については、以下の記事で詳しく解説しています。

注意点2. 為替手数料:利益を損なうコストの存在

外貨預金では、高い金利に目が行きがちですが、見過ごせないデメリットが「手数料」です。特に、円と外貨を交換する際に発生する為替手数料は、知らず知らずのうちに利益を圧迫する大きな負担になり得ます。ここでは、手数料の仕組みとコストを抑えるためのポイントを見ていきましょう。

手数料の正体は「為替スプレッド」

外貨預金で円と外貨を交換する際に発生する手数料は、実質的に「為替スプレッド」として徴収されます。スプレッドとは、金融機関が提示する外貨の買値(TTS)と売値(TTB)の差額のことで、これが金融機関の利益、つまり私たちのコストになります。

預入時と払戻時の往復でこのコストがかかるため、スプレッドが狭い(手数料が安い)金融機関を選ぶことが重要です。

手数料はネット銀行が圧倒的に安い!メガバンクとの比較

為替手数料は金融機関によって大きく異なります。メガバンクなどでは1米ドルあたり1円(片道)といった手数料が一般的で、往復で大きな負担となります。

一方、ネット銀行ではこの手数料が非常に安く、1米ドルあたり数銭に抑えられています。利益への影響を最小限に抑えるためにも、必ず往復のトータルコストで比較判断することが大切です。

注意点3. 預金保険の対象外:いざとなったときに保護されない懸念

最後に、外貨預金における安全面の懸念事項として、預金保険制度(ペイオフ)の対象外である点が挙げられます。日本の円預金は、万が一金融機関が破綻しても元本1,000万円とその利息まで保護されますが、外貨預金にはこの保護が適用されません。

金融機関が破綻する可能性は極めて低いものの、万一の場合、預けた資産が戻ってこない事態も想定しておく必要があります。このため、経営が安定した信頼できる金融機関を選ぶことが一層重要になります。

外貨預金の始め方!3ステップガイド

外貨預金の仕組みやメリット・デメリットが分かったら、いよいよ実践です。「何だか難しそう」と感じるかもしれませんが、実は口座開設から預け入れまで、スマートフォン一つで完結することも多く、とても手軽に始められます。ここでは、①金融機関選び、②口座開設、③購入・預入、という3つのステップに分けて解説します。

Step1: 金融機関を選択。手数料・金利で比較するのが基本

外貨預金はほとんどの都市銀行・地方銀行、そしてネット銀行で取り扱っています。ただし金利や手数料の水準は銀行によって大きく異なるため、自分に合った金融機関を選ぶことが重要です。ここでは代表的な銀行グループの特徴を中立的に比較します。ご自身の運用スタイル(コスト重視か、安心感重視かなど)に合わせて検討してみてください。

コスト重視ならネット銀行・証券会社がおすすめ

為替手数料の安さや金利の高さで選ぶなら、ネット銀行が有力な選択肢です。スマートフォンで手軽に取引でき、独自の魅力的なサービスを展開している銀行も多くあります。

  • ソニー銀行:12通貨という豊富なラインナップと、取引状況に応じて優遇される手数料の安さが魅力。外貨のまま海外で使えるVisaデビット付きキャッシュカードも便利です。
  • PayPay銀行:普通預金金利が業界トップクラスに高く、為替手数料も一律で非常に安いのが特徴。いつでも手軽に取引したい方に適しています。
  • auじぶん銀行:通常金利は標準的ですが、新規顧客向けのキャンペーンで非常に高い金利を提供することがあります。短期でリターンを狙いたい場合に注目です。
  • SBI新生銀行:SBI証券との連携が強み。預けた外貨をそのまま米国株の購入資金に充てるなど、より幅広い資産運用を考えている方におすすめです。

安心感や窓口相談を求めるならメガバンク

コスト面ではネット銀行に劣るものの、ブランドの信頼性や、全国の店舗で直接相談できる安心感を重視するならメガバンクが選択肢となります。普段利用している銀行で、円預金とまとめて資産管理ができるのも利点です。

三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行などでは、為替手数料が1ドルあたり1円前後、金利も比較的控えめな傾向にあります。その代わり、三井住友銀行の「Olive」のように、クレジットカードのポイント還元率がアップするなど、グループ内の他サービスと連携した特典を提供している場合があります。

専門性や多通貨を求めるなら外資系・信託銀行

より専門的なサービスや、メガバンクやネット銀行では扱いの少ない通貨で運用したい場合は、外資系銀行や信託銀行も視野に入ります。例えばSMBC信託銀行プレスティアでは18通貨を扱うなど、幅広い選択肢があります。ただし、手数料はネット銀行ほど安くない場合が多いため、サービス内容とコストのバランスを比較検討することが重要です。

Step2:口座を開設し、日本円を入金する

利用したい金融機関が決まったら、次は口座開設です。最近では、ほとんどのネット銀行で、本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)とスマートフォンがあれば、オンライン上で申し込みが完結します。画面の指示に従って個人情報を入力し、書類をアップロードすれば、数日〜1週間程度で口座開設が完了します。円預金の口座をすでに持っている銀行であれば、よりスムーズに手続きが進む場合もあります。

Step3:タイミングを見て外貨を購入(預入)する

口座が開設できたら、いよいよ外貨の購入(預入)です。購入方法は、まとまった資金で一度に購入する「一括購入」と、毎月決まった額を自動で買い付ける「自動積立」が主流です。また、株式投資などと違い、1通貨単位(数百円程度)から始められる手軽さも外貨預金の魅力です。まずは少額から試して、慣れていくのが良いでしょう。

一括購入と自動積立、どっちがいい?

どちらの購入方法が良いかは、ご自身の投資スタイルや目的によって異なります。「一括購入」は、為替レートが円高のタイミングを狙って購入できれば大きな利益が期待できる反面、高値で買ってしまうリスクもあります。「自動積立」は、購入タイミングを分散させることで、価格変動のリスクを抑え、平均購入単価を安定させる効果(ドルコスト平均法)が期待できます。為替レートの予測に自信がない初心者の方には、まずは自動積立から始めるのがおすすめです。

ドルコスト平均法については以下Q&Aでも解説しています。

購入タイミングの判断は「出口戦略」も考えて慎重に

「いつ買うのがお得か」は誰もが悩むポイントですが、将来の為替レートの予測は専門家でも困難です。円安だと思って見送ったらさらに円安が進むことも、円高だと思って購入したらさらに円高が進むこともあり得ます。

タイミングの判断が難しい点は、外貨預金のデメリットの一つと言えるでしょう。また、外貨定期預金は原則として満期まで解約できないため、急に円が必要になった場合に対応できない流動性の低さも考慮が必要です。不利なレートで満期を迎えた場合は、円に戻さず外貨のまま継続保有するなどの柔軟な対応も検討しましょう。

税金はかかる?為替差益が出た場合の確定申告

外貨預金で利益が出た場合、その利益には税金がかかります。しかし、利益の種類によって税金の計算方法や納付方法が異なるため、少し複雑に感じるかもしれません。

特に、金利とは別に為替レートの変動で得た「為替差益」は、会社員の方でも確定申告が必要になるケースがあります。この章では、外貨預金にかかる税金の仕組みと、確定申告が必要な場合の手続きについて説明します。

外貨預金の利益は2種類:利息と為替差益

外貨預金の税金を理解するための第一歩は、課税対象となる利益を2つの種類に分けて考えることです。一つは預けているだけでもらえる「利息」、もう一つは為替レートの変動によって生まれる「為替差益」です。

この二つは、税法上まったく異なるルールで扱われます。それぞれの性質と課税方法の違いをしっかり押さえておきましょう。

利息の税金:自動的に源泉徴収されるので申告不要

外貨預金の利息には、国内の円預金と同じように税金がかかります。その税率は、所得税、復興特別所得税、住民税を合わせて合計20.315%です。この税金は、利息が支払われる際に金融機関によって自動的に天引きされる(源泉徴収)ため、ご自身で確定申告などの手続きをする必要はありません。

ただし、金融機関が提示する金利は税引前の年率である点には注意が必要です。実際に受け取る手取りの利息は、表示されている金利から約2割の税金が差し引かれた額になります。

為替差益の税金:条件を満たすと確定申告が必要

一方、為替差益の税金は利息よりも少し複雑です。こちらは自動的に天引きされるのではなく、ご自身で所得を計算し、条件に当てはまる場合は確定申告を通じて納税する必要があります。手間や税負担の点で、円預金より煩雑になる場合があります。

為替差益は「雑所得」として総合課税の対象に

為替差益は、税法上「雑所得」という区分に分類されます。これは給与所得などとは別の所得で、他の所得と合算した上で税額が計算される「総合課税」の対象となります。そのため、所得が多い人ほど高い税率が適用される「累進課税」が適用される点に注意が必要です。

給与所得者の場合:年間の利益が20万円を超えたら確定申告

給与を一つの会社から受け取っている会社員や公務員の場合、給与所得以外の所得(雑所得など)の合計額が、一年間(1月1日~12月31日)で20万円を超えると、確定申告が必要になります。この「20万円」には、外貨預金の為替差益だけでなく、副業で得た収入や暗号資産(仮想通貨)の利益なども含まれるため、それらをすべて合算して判断する必要があります。

為替差損が出た場合の注意点

逆に、円高によって為替差損(損失)が出てしまった場合、その損失を給与所得や事業所得など、他の区分の所得から差し引くこと(損益通算)はできません。ただし、同じ雑所得のカテゴリー内であれば、利益と損失を相殺することは可能です。例えば、A銀行の外貨預金で50万円の為替差益が出て、B銀行で20万円の為替差損が出た場合、その年の為替差益を30万円として申告できます。

外貨預金に向いている人・向いていない人は?

ここまで外貨預金のメリットや注意点を解説してきましたが、結局のところ「自分は始めるべきなんだろうか?」と迷っている方も多いかもしれません。外貨預金は、すべての人におすすめできる万能な金融商品ではありません。ご自身の資産状況や性格、お金の使い道によって、向き不向きがはっきりと分かれます。この章では、どのような人が外貨預金に向いているのか、逆に向いていないのか、具体的な特徴を挙げながら自己診断形式で解説します。

外貨預金が「向いている人」の3つの特徴

外貨預金のメリットを最大限に活かせるのは、以下のような特徴を持つ方々です。

1.円安やインフレのリスクに備えたい人

資産のほとんどを日本円で持っていると、円安やインフルエンザが進んだ際に資産全体の価値が実質的に目減りしてしまいます。資産の一部を外貨で保有することで、こうした円資産が持つ価値減少の可能性を和らげたい(リスクヘッジしたい)と考える方は、外貨預金にまさに向いています。

2.海外旅行や留学などで外貨を使う予定がある人

近い将来、海外旅行や留学、出張などで米ドルやユーロといった外貨を使う予定がある方にもおすすめです。あらかじめ外貨で資産を持っておけば、必要な時に為替レートを気にせずそのまま使えます。また、銀行によっては、外貨のままデビットカードで支払えるサービスもあり、両替手数料の節約にも繋がります。

3.中長期的な視点で余裕資金を運用できる人

外貨預金は、為替レートの短期的な変動に一喜一憂せず、数年単位の長い目で運用できる方に向いています。日々の値動きは気にせず、当面使う予定のない余裕資金で、円預金よりは少しでも高いリターンを狙いたい、というニーズにマッチする金融商品です。

外貨預金が「向いていない人(おすすめしない人)」の3つの特徴

一方で、外貨預金のデメリットがご自身の状況や考え方に合わない場合もあります。以下のような特徴に当てはまる方は、無理に始めず、他の金融商品を検討することをおすすめします。

1.元本割れのリスクを一切許容できない人

外貨預金の最大のデメリットは、為替レートの変動による元本割れの可能性があることです。「1円たりとも資産を減らしたくない」というように、元本が保証されることを最優先に考える方には、外貨預金はおすすめできません。

2.短期的に使う可能性のある資金を預けたい人

数ヶ月以内など、近い将来に使い道が決まっている生活資金や目的のあるお金を預けるのには不向きです。いざ使いたいというタイミングで円高になっていて元本割れしていたり、定期預金のためすぐに引き出せなかったりする可能性があるためです。

3.為替レートの変動に一喜一憂してしまう人

毎日の為替レートの動きが気になって、仕事や生活が手につかなくなってしまうような心配性の方も、精神的な負担が大きくなるため向いていないかもしれません。ある程度「ほったらかし」にできるくらいの、心とお金の余裕が必要です。

もしご自身が向いていないと感じた場合は、無理に始める必要はありません。まずは安全性の高い円建ての個人向け国債や定期預金を検討したり、外貨建てでも元本保証や元本確保をうたう保険商品などを探してみたりするのも一つの方法です。

この記事のまとめ

外貨預金は高金利や為替差益が魅力の投資手段ですが、為替変動リスクや手数料、預金保険の対象外といった注意点もあります。大切なのは、単に金利だけを見るのではなく、「実質利益」を意識して銀行選びや通貨を分散させることです。さらに、為替差益が年間20万円を超える場合は確定申告が必要になるため、税務面でも準備が欠かせません。まずは、手数料や損益分岐点を確認し、自分のリスク許容度に合った金額や方法から始めましょう。疑問や不安が残る場合は、金融機関や専門家に相談することも有効です。

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投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。

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外貨預金

外貨預金とは、日本円ではなく米ドルやユーロなどの外国の通貨で預ける預金のことをいいます。通常の預金と同じように銀行にお金を預ける形式ですが、外貨で運用されるため、為替レートの変動によって元本や利息の受取額が増えたり減ったりします。 たとえば、円安になると、外貨を円に戻したときの受取額が増える一方で、円高になると損をすることもあります。また、外貨預金は日本の預金保険制度の対象外であり、元本保証がない点にも注意が必要です。利率が高めに設定されていることが多く、円預金よりも高い利回りを狙える反面、為替リスクという特有のリスクを伴うため、初心者の方には慎重な検討が求められる商品です。

円預金

円預金とは、日本円で行う預金のことで、日本国内の銀行や信用金庫などにお金を預ける際の最も基本的な形式です。普通預金、定期預金、貯蓄預金などがあり、日常的な資金の出し入れから資産の一時保管まで、さまざまな目的で利用されます。日本円で運用されるため為替リスクがなく、元本保証があり、安全性が非常に高いのが特徴です。 また、多くの場合は預金保険制度の対象となっており、1金融機関あたり元本1,000万円とその利息までが保護されます。一方で、低金利環境が続いているため、資産を大きく増やす手段としては向いておらず、資産運用というよりは、資金の管理や保全を重視する用途に適しています。

為替

為替とは、取引において、現金を用いる代わりに、手形・証書・小切手などを用いて取引を済ませる方法。為替は内国為替と外国為替に分けることができ、前者は同一国内における取引を現金ではなく為替によって行うもの、後者は海外との間での取引を為替によって行うものを指す。また、外国為替は外国為替相場での為替レートを指す言葉として使われることもある。

為替差損益

為替差損益とは、外貨建ての資産を日本円に換算する際に生じる為替レートの変動による損益を指します。たとえば、1ドル=130円のときに米ドルで資産を購入し、売却時に1ドル=140円で円に戻した場合、為替差によって10円分の為替差益が発生します。逆に、売却時に円高が進行し1ドル=120円になっていれば、10円分の差損が発生することになります。この為替差損益は、外国株式、外貨建て投資信託、外債、外貨預金など、外貨を用いた資産運用において常に発生し得る重要なリスク要因です。 資産の値動きが堅調であっても、為替相場の変動によって最終的な円ベースのリターンが目減りすることがあるため、投資判断の際には為替リスクも含めて総合的に考慮する必要があります。たとえば、円安が進行すれば円換算での評価額は増えますが、円高になれば逆に資産価値は減少します。為替差損益は、こうした為替変動を通じて投資成果に直接的な影響を与える存在であり、為替動向の把握や資産配分の調整、ヘッジ戦略の活用などが求められます。 NISA口座での運用においても為替差損益は無視できません。NISAでは、外国株式や外貨建て投資信託の売却益が非課税となるため、為替差益も含めた全体の売却益が非課税対象となります。つまり、為替差によるプラスのリターンも税金がかからずそのまま受け取れるというメリットがあります。ただし、逆に為替差損が発生しても、それを他の利益と損益通算したり、繰り越して控除することはできません。NISAでは損失の税務活用ができないため、為替リスクを取る際は慎重な判断が必要です。 税務や会計上では、為替差損益には「実現損益」と「評価損益」があります。実現損益とは、外貨建て資産を実際に売却し円に換えた際に確定する損益であり、通常の課税対象となります。一方、評価損益とは、保有中の外貨建て資産を期末などに円換算した際に一時的に生じる為替差損益であり、個人投資家の場合、課税対象にはなりません。法人ではこの評価損益を会計上反映させるケースもありますが、個人の確定申告ではあくまで実現ベースでの損益が対象です。 このように、為替差損益は資産運用における見落としがちなリスク要素でありながら、運用成果に与えるインパクトは決して小さくありません。為替相場の予測は困難であるため、為替ヘッジ付き商品の活用や、複数通貨への分散投資、円建て資産とのバランス調整などを通じて、想定外の為替変動にも対応できる設計が望まれます。投資判断を行う際には、表面的なリターンだけでなく、その背後にある通貨変動の影響にも目を向けることが重要です。

円高

円高とは、ほかの国の通貨と比べて相対的に日本の円の価値が高くなること。海外から商品を購入すること(輸入)が有利で、海外に商品を販売すること(輸出)が不利になる。 (例) 1ドル=100円が1ドル=50円になる →以前よりも少ない円で1ドルを得ることができるので、円の価値が高くなっており、円高である。

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円安とは、ほかの国の通貨と比べて相対的に日本の円の価値が低くなること。海外から商品を購入すること(輸入)が不利で、海外に商品を販売すること(輸出)が有利になる。 (例) 1ドル=100円が1ドル=150円になる →以前よりもたくさんの円がないと1ドルを得られなくなっており、円の価値が低くなっているので、円安である。

元本割れ

元本割れとは、投資で使ったお金、つまり元本(がんぽん)よりも、最終的に戻ってきた金額が少なくなることをいいます。たとえば、100万円で投資信託を購入したのに、解約時に戻ってきたのが90万円だった場合、この差額10万円が損失であり、「元本割れした」という状態です。 特に、価格が変動する商品、たとえば株式や投資信託、債券などでは、将来の価格や分配金が保証されているわけではないため、元本割れのリスクがあります。「絶対に損をしたくない」と考える方にとっては、このリスクを正しく理解することがとても重要です。金融商品を選ぶときには、利回りだけでなく元本割れの可能性も十分に考慮しましょう。

預金保険制度

預金保険制度とは、金融機関が破綻した場合に、預金者の資産を一定額まで保護する制度のことである。日本では、預金保険機構がこの制度を運営しており、銀行や信用金庫などの金融機関が加入している。通常、元本1,000万円とその利息までが保護対象となるが、決済性預金(利息の付かない当座預金など)は全額保証される。この仕組みにより、金融システムの安定性が維持され、預金者の信用が確保される。一方で、投資信託や外貨預金などは預金保険の対象外であるため、資産運用においてはリスク管理が求められる。安全性を重視した資産運用を考える際に、預金保険の適用範囲を理解することが重要である

通貨分散

通貨分散とは、資産を複数の異なる通貨で保有することで、特定の通貨に偏ったリスクを抑える投資手法のことです。たとえば、すべての資産を日本円で持っていると、円の価値が下がったときに資産全体の価値も目減りしてしまいますが、米ドルやユーロなど他の通貨で一部を保有していれば、その影響をやわらげることができます。通貨分散を行うことで、為替変動による影響を平均化し、より安定した資産運用を目指すことができます。 特に外貨建ての債券や投資信託などを活用することで、自然と通貨分散が実現できます。長期的な資産形成を考えるうえで、重要なリスク管理の一つです。

インフレ(インフレーション)

インフレーションとは、物価全体が持続的に上昇し、その結果、通貨の購買力が低下する現象です。経済活動が活発になり、需要が供給を上回ると価格が上昇しやすくなります。また、生産に必要な原材料費や人件費の上昇が企業のコストに転嫁されることで、さらに物価が上昇することがあります。適度なインフレーションは経済成長の一側面とされる一方、過度な物価上昇は家計の負担を増大させ、経済全体の安定性を損なうリスクがあるため、中央銀行は金利操作などの金融政策を通じてインフレーションの抑制に努めています。

為替手数料

為替手数料とは、日本円を米ドルやユーロなどの外国通貨に両替する際にかかる手数料のことです。これは、銀行や証券会社などの金融機関が設定しており、為替レートに一定の上乗せをする形で反映されます。たとえば、実際の市場の為替レートが1ドル=150円でも、手数料が1円加わると、151円で1ドルを買うことになります。この差額が為替手数料です。 外貨預金や外貨建ての投資商品を購入する場合、また海外旅行で両替する際などに発生します。金融機関ごとに手数料が異なるため、取引前に比較することが大切です。また、為替手数料は小さなコストに見えても、取引回数が多くなると運用成績に大きな影響を与えることがあるため、注意が必要です。

為替スプレッド

為替スプレッドとは、外貨を売るときと買うときに適用される為替レートの差額のことをいいます。たとえば、ある通貨を買うときのレート(TTS)と売るときのレート(TTB)には差があり、この差がスプレッドです。銀行や証券会社などの金融機関は、このスプレッドの中に利益やコストを含めています。 投資家にとっては、スプレッドが広いほど取引コストが高くなるため、外貨預金や外国為替取引(FX)などを行う際には注意が必要です。特に頻繁に取引をする場合や、短期での為替差益を狙う取引では、このスプレッドが実質的な負担となることがあります。為替スプレッドは見えにくいコストのひとつですが、運用の成果に影響するため、取引前にレートの内訳を確認することが大切です。

TTS

TTSとは、「Time To Settlement(タイム・トゥ・セトルメント)」の略で、金融取引において取引が成立してから実際に資金や証券の受け渡しが完了するまでにかかる期間のことを指します。日本語では「受渡日までの期間」や「決済期間」と訳されることがあります。 たとえば株式や債券などの売買では、取引が成立した日(約定日)と、その代金の支払いや商品の引き渡しが実際に行われる日(受渡日)にはタイムラグがあります。この間の期間がTTSです。一般的に、T+2(ティープラスツー)という形で「約定の2営業日後に決済される」というルールが採用されています。 投資家にとっては、この期間中に資金や証券を準備しておく必要があるため、資金繰りや運用計画を立てるうえで重要な概念となります。特に短期売買や大口取引を行う際には、TTSの管理が資金リスクを抑えるポイントになります。

TTB

TTBとは「Telegraphic Transfer Buying Rate(電信買相場)」の略で、銀行が顧客から外国通貨を買い取る際に適用する為替レートのことです。たとえば、あなたが外貨預金を円に戻すときや、海外から日本に送金された外貨を円に換えるときに使われるレートがTTBです。 このレートは、金融機関が実際の為替相場に一定の手数料を加味して決定しており、通常、ニュースなどで見る「為替レート(仲値)」よりも少し低く設定されています。これは銀行側の利益分を差し引いているためです。TTS(売るときのレート)と並んで、外貨との取引で実際に使われる基準としてとても重要です。特に為替リスクを考えるときには、TTSとTTBの差(スプレッド)を理解することが、コストを把握するうえで役立ちます。

損益分岐点

損益分岐点とは、売上と費用がちょうど同じになり、利益も損失も出ない境目の売上金額のことを指します。つまり、これ以上売上が増えれば利益が出て、これより少なければ赤字になるという基準点です。企業の経営や事業の採算性を判断するうえで非常に重要な指標です。投資の場面では、企業の収益構造を理解するために損益分岐点を確認することで、どれくらいの売上規模で利益が出るのかを把握できます。また、新しく事業を始める際にも、どのくらい売上を確保すれば黒字になるかを考える材料として使われます。投資判断や事業計画を立てるうえで欠かせない基本的な概念です。

時間分散

時間分散とは、投資のタイミングを複数回に分けることで、相場の変動リスクを軽減する方法です。ドルコスト平均法はこの時間分散の考え方を活用した投資手法で、価格の高低に左右されにくく、平均購入価格を抑えることが可能です。

ドルコスト平均法

ドルコスト平均法とは、一定の金額を定期的に投資する方法です。価格が高いときは少なく、価格が低いときは多く買えるため、購入価格が平均化され、リスクを分散できます。市場のタイミングを読む必要がないため、初心者に最適な方法とされています。長期投資で効果を発揮し、特に投資信託やETFで利用されることが多い手法です。

雑所得

雑所得(ざつしょとく)とは、所得税法において定められた10種類の所得のうち、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得のいずれにも該当しない所得を指します。具体的には、公的年金や副業による収入、仮想通貨の売却益、FXの利益、非営業用貸金の利子などが該当します。 経費を差し引いた金額が課税対象となり、総合課税の対象となります。また、雑所得が年間20万円を超える場合、確定申告が必要になります。

総合課税

総合課税は、給与や年金、事業収入、不動産収入、利子、配当など、1年間に得たさまざまな所得を合算し、その合計額に累進税率を適用して所得税を計算する方式です。 所得が増えるほど税率が高くなるため、高所得者ほど税負担が大きくなる点が特徴です。一方、金融所得には総合課税以外の課税方法を選択できる場合があります。 たとえば、株式譲渡益や先物取引益などは「申告分離課税」を選ぶことで、ほかの所得と区分して一律20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)で申告できます。 また、預貯金利息や一部の公社債利子などは、支払元が税金を源泉徴収する「源泉分離課税」となり、原則として確定申告は不要です。配当や利子のように課税方式を選択できるケースでは、ご自身の所得水準や控除の有無、損益通算の可能性を踏まえ、総合課税・申告分離課税・源泉分離課税のどれを採用するかを検討することが、最終的な税負担を抑えるうえで重要になります。

累進課税

累進課税とは、所得が高くなるほど税率が上がる仕組みのことを指します。この制度は、所得の多い人ほど高い税率で税金を負担し、所得の低い人の負担を軽減することで、公平性を確保することを目的としています。 代表的な累進課税制度には、所得税や相続税があります。所得税は、課税所得に応じて税率が変わり、日本では5%から45%までの7段階の税率が設定されています。例えば、課税所得が195万円以下の場合の税率は5%ですが、4,000万円を超えると税率は45%となります。このように、所得が増えるにつれて税負担も増える仕組みになっています。 相続税も同様に累進課税が適用され、相続財産が多いほど高い税率がかかります。たとえば、相続財産が1,000万円以下の場合の税率は10%ですが、6億円を超えると55%の税率が適用されます。 累進課税は、所得の再分配を促し、経済的格差を是正する効果がある一方で、高所得者層の税負担が大きくなりすぎると、節税対策や海外移住の増加につながる可能性も指摘されています。そのため、税率のバランスを保つことが重要とされています。

源泉徴収

源泉徴収とは、給与や報酬、利子、配当などの支払いを受ける人に代わって、支払者があらかじめ所得税を差し引き、税務署に納付する制度です。特に給与所得者の場合、会社が毎月の給与から所得税を控除し、年末調整で過不足を精算します。 この制度の目的は、税金の徴収を確実に行い、納税者の負担を軽減することです。例えば、会社員は確定申告を行わずに納税が完了するケースが多くなります。ただし、個人事業主や一定の副収入がある人は、源泉徴収された金額を基に確定申告が必要になることがあります。 また、配当金や利子の源泉徴収税率は原則20.315%(所得税15.315%+住民税5%)ですが、金融商品によって異なる場合があるため、事前に確認が必要です。

確定申告

確定申告とは、1月1日から12月31日までの所得を計算して翌年の2月16日から3月15日に申告し、納税する手続き。多くの会社では年末調整を経理部がしてくれるが、確定申告をすると年末調整では受けられない控除を受けることができる場合もある。確定申告をする必要がある人が確定申告をしないと加算税や延滞税が発生する。

損益通算

投資で発生した利益と損失を相殺することで、課税対象となる利益を減らす仕組みのことです。たとえば、株式投資で50万円の利益が出た一方、別の取引で30万円の損失が発生した場合、損益通算を行うことで、課税対象となる利益は50万円から30万円を引いた20万円になります。この仕組みにより、納める税金を減らすことが可能です。 損益通算が適用されるのは、同じ「所得区分」の中でのみです。たとえば、株式や投資信託の譲渡損益や配当金などは「株式等の譲渡所得等」に分類され、この範囲内で損益通算が可能です。ただし、不動産所得や給与所得など、異なる所得区分間では基本的に通算できません。 さらに、株式投資の損失は、損益通算後も控除しきれない場合、翌年以降最長3年間繰り越して他の利益と相殺できます。これを「繰越控除」と呼び、投資初心者にとっても節税に役立つ重要なポイントです。

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