Loading...

MENU

投資の知恵袋>

資産運用を考えたときインフレとデフレはどちらがいいのでしょうか?

回答受付中

0

2025/08/06 08:16


男性

60代

question

「資産運用をするうえで、インフレとデフレではどちらが望ましいのでしょうか?インフレになると物価が上がって生活は大変になる印象がありますが、一方で資産の価値が増えるとも聞きます。逆にデフレは物価が下がって生活が楽になるようにも感じますが、経済にはマイナスだとも言われています。投資初心者として、どちらの局面でどう資産運用に影響が出るのか、株や債券、現金などへの影響も含めて教えてください。」


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

資産運用の観点から見ると、一般的には「緩やかなインフレ」が最も望ましいとされています。なぜなら、適度な物価上昇は経済成長や企業の売上増加を後押しし、それが株価の上昇や投資収益の向上につながるからです。インフレ局面では現金の価値が目減りするため、資産を株式や不動産、インフレ連動債などに振り向けることで、実質的な価値の維持・増加が期待されます。

一方で、急激なインフレは家計の負担を増やし、企業活動にも悪影響を与えるため、投資家にとってもリスクが高くなります。特に債券や預金のような固定利回り資産は、物価上昇に追いつかず実質的な価値が目減りしてしまいます。そのため、インフレ時には金利上昇やインフレ耐性のある資産(例:コモディティやインフラ関連株)への分散が重要です。

一方、デフレは一見すると物価が下がるため生活が楽になるように感じられますが、経済全体にとってはマイナスの影響が大きくなります。企業の利益が圧迫されて株価が下がりやすくなり、給料も伸びにくくなるため、資産運用の成果も上がりにくい傾向があります。デフレ局面では、現金や定期預金などが相対的に価値を保ちやすい資産とされますが、投資による資産拡大は難しくなります。

つまり、インフレとデフレのどちらにもメリット・デメリットがありますが、資産運用の観点では「物価が年1〜2%程度で緩やかに上がり続ける環境」が最も安定的な成長を実現しやすいと考えられています。初心者にとっては、経済の局面に応じて資産配分を見直し、現金・株式・債券などのバランスを調整していくことがリスク管理の基本となります。

佐々木 辰さんに相談する
コンシェルジュ編集部に相談CTA

関連記事

物価連動国債がインフレに強い仕組み

物価連動国債はなぜインフレに強い?仕組み・メリット・デメリットを徹底解説

2025.07.11

難易度:

基礎知識資産寿命ポートフォリオ運用債券インフレ対策

関連する専門用語

資産運用

資産運用とは、個人や法人が保有する資産を効率的に増やし、長期的な財産形成や資産の保全を行うための手段です。資産運用の目的には、資産の増加だけでなく、インフレ対策や安定した収益の確保、税負担の最適化などが含まれます。市場環境や経済状況の変化に対応しながら、適切な戦略を立てることが求められます。 資産運用の手段には、株式、債券、不動産、投資信託、保険商品などの伝統的な資産クラスに加え、コモディティ(貴金属やエネルギー資源)、暗号資産、ヘッジファンドやプライベートエクイティなどのオルタナティブ投資もあります。それぞれの資産クラスには異なるリスクとリターンの特性があり、目的に応じた選択が重要です。 リスク管理の手法として、分散投資やポートフォリオのリバランスが挙げられます。分散投資は、異なる資産クラスや地域、業種に投資することでリスクを抑える方法です。リバランスは、資産配分の比率を定期的に調整し、市場環境に応じたリスク最適化を図る手法です。また、デリバティブを活用したヘッジ戦略も、下落リスクの軽減に有効です。 資産運用の戦略には、短期・中期・長期の視点があります。短期運用では、市場の変動を利用したトレードやFX取引が中心となります。中期運用では、成長が期待される企業の株式やバランス型の投資信託などが選択肢となります。長期運用では、インデックス投資や高配当株、債券などを活用し、複利の効果を生かして安定した資産形成を目指します。 ライフステージに応じた資産運用も重要です。若年層ではリスク許容度が高いため、成長資産への投資が適しています。中高年層では資産の安定性を重視し、バランス型の運用が求められます。リタイア後は、定期収入の確保を目的とした債券や配当収入を中心とした運用が適しています。 資産運用を成功させるためには、市場動向を分析し、適切な資産配分を行うことが重要です。また、税制や法制度の変更にも注意を払い、長期的な視点で計画を立てることが求められます。税理士やファイナンシャルプランナーなどの専門家の助言を活用しながら、資産を守りつつ成長させる戦略を構築することが大切です。

インフレ(インフレーション)

インフレーションとは、物価全体が持続的に上昇し、その結果、通貨の購買力が低下する現象です。経済活動が活発になり、需要が供給を上回ると価格が上昇しやすくなります。また、生産に必要な原材料費や人件費の上昇が企業のコストに転嫁されることで、さらに物価が上昇することがあります。適度なインフレーションは経済成長の一側面とされる一方、過度な物価上昇は家計の負担を増大させ、経済全体の安定性を損なうリスクがあるため、中央銀行は金利操作などの金融政策を通じてインフレーションの抑制に努めています。

デフレ(デフレーション)

デフレとは、物価が継続的に下落する現象を指します。 一見すると「モノやサービスが安く買える」という点で消費者にとっては好ましく思えますが、デフレが長く続くと経済全体に深刻な悪影響を及ぼします。 物価が下がると、企業の売上や利益が減少し、人件費の削減や設備投資の抑制が起こります。その結果、賃金の引き下げや雇用の悪化につながり、消費者の購買意欲も低下します。このように、デフレは経済活動を縮小させる「負の連鎖」を引き起こすリスクがあります。 デフレはまた、金融市場や資産運用にも影響を与えます。将来の物価が下がると予想される中では、お金の価値が相対的に高まるため、人々が現金を使わずに貯め込む傾向が強まります。これは投資意欲の減退にもつながり、株式市場や不動産市場の低迷を招くことがあります。 そのため、中央銀行はデフレを回避するために、利下げや量的緩和などの金融緩和政策を通じて物価を引き上げ、経済の活性化を図ろうとします。特に日本では、1990年代以降、長期的なデフレとその克服が大きな課題となってきました。

コモディティ

コモディティは、世界で標準化された形で売買される原材料・一次産品の総称で、貴金属(金・銀・プラチナ)、エネルギー資源(原油・天然ガス)、農産物(小麦・トウモロコシ・大豆)、産業用金属(銅・アルミニウム)などに分類される。 投資経路は大きく四つある。①現物保有(地金やコイン)、②先物取引、③商品指数連動型ETF・ETN、④コモディティファンド。実務では先物を組み込んだETFが主流で、代表的な指数にブルームバーグ・コモディティ・インデックスや S\&P GSCI がある。 価格は需給バランス、在庫統計、OPEC政策、地政学リスク、天候、為替など多様な要因で変動する。先物運用では限月乗り換え時のロールコスト(コンタンゴ)や信託報酬がリターンを圧迫し、現物保有では保管・保険料、税制(例:金地金の譲渡益は総合課税)が影響するため、コスト構造の把握が欠かせない。 コモディティは株式・債券との相関が相対的に低く、インフレ率と連動しやすいことから、分散投資とインフレヘッジに有効とされる。一方で短期的な価格変動が大きく、資産配分比率や取引手段を目的に合わせて設計し、損失許容度に応じたリスク管理を徹底することが重要となる。

インフレ連動債

インフレ連動債とは、元本や利子の支払額が消費者物価指数などの物価指標に連動して増減する仕組みを持つ国債や社債の一種です。物価が上昇すれば元本やクーポンが自動的に引き上げられるため、投資家はインフレによる購買力の目減りを抑えつつ一定の実質利回りを確保しやすくなります。反対にデフレ環境では元本が目減りすることもあるため、物価動向が投資成果に直結する点が特徴です。インフレリスクを意識した分散投資の選択肢として、年金基金や長期投資家に広く利用されています。

分散投資

分散投資とは、資産を安全に増やすための代表的な方法で、株式や債券、不動産、コモディティ(原油や金など)、さらには地域や業種など、複数の異なる投資先に資金を分けて投資する戦略です。 例えば、特定の国の株式市場が大きく下落した場合でも、債券や他の地域の資産が値上がりする可能性があれば、全体としての損失を軽減できます。このように、資金を一カ所に集中させるよりも値動きの影響が分散されるため、長期的にはより安定したリターンが期待できます。 ただし、あらゆるリスクが消えるわけではなく、世界全体の経済状況が悪化すれば同時に下落するケースもあるため、投資を行う際は目標や投資期間、リスク許容度を考慮したうえで、計画的に実行することが大切です。

無料で相談してみる

専門家に相談してみませんか?

無料で相談してみる

投資の知恵袋では、あなたの投資や資産に関する疑問や悩みを専門のアドバイザーに気軽に相談することが可能です。
ぜひご利用ください。

専門家に質問してみる

関連記事

物価連動国債がインフレに強い仕組み

物価連動国債はなぜインフレに強い?仕組み・メリット・デメリットを徹底解説

2025.07.11

難易度:

基礎知識資産寿命ポートフォリオ運用債券インフレ対策
アセットアロケーションとは?資産配分を最適化する考え方を徹底解説

アセットアロケーションとは?資産配分を最適化する考え方を徹底解説

2025.07.01

難易度:

基礎知識投資理論ポートフォリオ運用
長期金利が上がるとどうなる?短期金利との違いを含め徹底解説

長期金利が上がるとどうなる?短期金利との違いを含め徹底解説

2025.08.01

難易度:

資産運用に役立つ情報をいち早くGET!

無料LINE登録

資産運用について気軽にご相談したい方

プロへ相談する

当メディアで提供するコンテンツは、情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。 銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。 本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。 また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

投資のコンシェルジュ

運営会社: 株式会社MONO Investment

Email:

運営会社利用規約各種お問い合わせプライバシーポリシーコンテンツの二次利用について

「投資のコンシェルジュ」はMONO Investmentの登録商標です(登録商標第6527070号)。

Copyright © 2022 株式会社MONO Investment All rights reserved.

「投資のコンシェルジュ」はMONO Investmentの登録商標です(登録商標第6527070号)。

Copyright © 2022 株式会社MONO Investment All rights reserved.