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個人事業主になれない人の特徴を教えてください。

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2025/10/27 09:46


男性

30代

question

個人事業主として働くことに興味がありますが、向き不向きがあると聞き、不安に感じています。そもそも法律的・契約的に個人事業主になれない人や、独立に向いていない人の特徴があれば具体的に知りたいです。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

個人事業主になることは、多くの人にとって可能ですが、法律的・契約的な制約によってそもそもなれない、または許可が必要な場合があります。特に注意すべきなのは、在留資格、公務員の兼業規制、雇用契約上の競業避止義務、そして業種による許認可の要件です。たとえば、公務員は原則として営利活動が禁止されており、許可を得ないまま副業や自営業を行うと懲戒処分の対象になります。また、外国籍の方は在留資格が「経営・管理」や「永住者」など、自営活動を認めるものでなければ個人事業主として働けません。さらに、飲食業や不動産業などは、営業許可や資格登録がない状態で開業すると法律違反になります。

会社員の場合も、就業規則や雇用契約の内容によって制約がかかる場合があります。特に、退職後も一定期間同業他社での活動を禁止する「競業避止義務」や、社外への情報持ち出しを禁じる「守秘義務」は注意が必要です。契約内容を確認せずに独立や副業を始めると、後々トラブルになる可能性があります。

一方で、法的な制限がなくても、個人事業主としての働き方に向き不向きがあります。最大のポイントは、収入の変動に耐えられるかどうかです。収入が不安定になりやすく、入金の遅れや顧客の都合によって生活資金が圧迫されるケースもあります。加えて、仕事の管理、契約、請求、税務処理をすべて自分でこなす必要があるため、自己管理能力と事務処理力が欠かせません。営業や交渉が苦手な人、契約や税金に抵抗がある人も独立後に苦労しやすい傾向にあります。

また、個人で働くということは、職場や上司の支援がないため、自分で顧客を見つけ、価格を設定し、トラブルが起きた場合には自分で対応しなければなりません。孤立しやすく、相談相手がいない環境だと精神的にも負担が大きくなります。こうした点で、自ら考え、行動できるタイプの人は独立に向いていますが、指示待ちや環境依存型の人は苦労しやすいです。

反対に、独立に向いている人の特徴としては、不確実な状況でも柔軟に判断できること、提供価値を明確に伝えられること、そして仕事の流れを型化して効率化できることが挙げられます。特に、契約や請求の仕組みをテンプレート化し、顧客と信頼関係を築ける人は成功しやすい傾向があります。

独立を検討する際は、まず自分が法的に開業できる立場かを確認し、在留資格、公務員の兼業規定、業種の許可要件、雇用契約上の制限を整理しましょう。そのうえで、副業として少額案件を試し、収入の波や仕事の流れを体験することが安全です。また、生活防衛資金を半年から1年分確保し、支払いサイト(入金までの期間)を考慮した請求の仕組みを整えておくと安心です。

最後に、2024年施行のフリーランス新法によって、発注者側には契約内容の書面明示や支払期日の60日以内設定などの義務が定められています。これらのルールを理解し、自分の契約にも反映することで、トラブルを未然に防ぐことができます。

まとめると、個人事業主になる前に確認すべきは「法律・契約上の可否」と「自分の適性」です。どちらもクリアしたうえで、実際に副業から始めてみることが、最も現実的で安全な独立準備の方法といえます。

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在留資格

在留資格とは、外国人が日本に滞在するために必要な法的な資格であり、「どのような目的で、どのくらいの期間、日本に滞在できるか」を定めるものです。日本に入国する外国人は、原則としていずれかの在留資格を取得する必要があり、その資格の範囲内で活動することが求められます。たとえば、「留学」「技術・人文知識・国際業務」「技能実習」「経営・管理」「永住者」「日本人の配偶者等」など、活動内容に応じて複数の種類が設けられています。 各在留資格には許可される活動内容や在留期間の上限が定められており、それを超えて活動することは「資格外活動」として禁止されています。また、在留資格の変更や更新は、出入国在留管理庁(入管)が審査を行い、許可を与えます。適切な在留資格を取得することは、日本での就労や生活を法的に安定させるために欠かせない手続きです。

兼業規制

兼業規制とは、会社員などの労働者が本業以外に別の仕事を行う、いわゆる「副業」や「兼業」に対して、企業や法律が設けている制限やルールのことです。もともと多くの企業では、社員が本業に専念するよう求める目的で就業規則により兼業を禁止してきました。 しかし、近年では働き方改革の流れを受けて、副業・兼業を推奨または容認する企業も増えています。兼業規制の目的は、労働者の過重労働防止や、企業の機密情報の漏えい防止、利益相反の回避などにあります。 法律上は、会社員が兼業すること自体を直接禁止する規定はなく、主に就業規則や雇用契約書でルールが定められています。また、公務員については国家公務員法や地方公務員法によって、原則として営利目的の兼業が禁止されています。兼業を行う場合は、会社への事前申請や許可が必要なケースが多いため、トラブルを避けるためにも自社の規定を確認することが重要です。

競業避止義務

競業避止義務とは、企業の役員や従業員が在職中または退職後に、会社の競争相手となる事業を行ったり、競争企業に就職したりすることを制限する義務のことを指す。企業の機密情報やノウハウの流出を防ぐために設けられており、契約などで具体的な範囲や期間が定められることが多い。ただし、不当に制限すると労働者の職業選択の自由を侵害するため、適正なバランスが求められる。

守秘義務

守秘義務とは、業務上知り得た他人の秘密や機密情報を、正当な理由なく第三者に漏らしてはならないという法的・倫理的な義務のことです。これは、会社員や公務員、医師、弁護士、税理士など、職務を通じて個人情報や企業情報を扱う人に課せられています。 守秘義務は、雇用契約や就業規則に基づく社内ルールとして定められている場合もあれば、法律で明確に規定されている職業もあります。たとえば、医師や弁護士には「職業上の守秘義務」があり、患者や依頼人の個人情報を外部に漏らすことは法律で禁止されています。また、会社員が退職後に社内の取引情報や顧客データを他社へ持ち出すことも守秘義務違反となり、損害賠償の対象になることがあります。守秘義務は信頼関係を保ち、個人や組織の利益を守るための基本的かつ重要なルールです。

営業許可

営業許可とは、特定の業種や事業を行う際に、法律で定められた行政機関からの許可を得ることを指します。すべての事業に必要なわけではありませんが、国民の安全や衛生、消費者保護などの観点から、一定の業種では営業を始める前に許可を取得することが義務付けられています。 たとえば、飲食店を開業する場合は「食品衛生法」に基づく保健所の営業許可が必要です。また、美容室、旅館、古物商、不動産業、酒類販売業なども、それぞれの業法に基づいて許可が求められます。営業許可を得るためには、施設や設備の基準を満たすこと、必要な資格者を配置すること、書類を提出して審査を受けることなどが必要です。無許可で営業した場合は、営業停止や罰則が科される場合があります。営業許可は、事業の信頼性を高めるための重要な手続きでもあり、開業前にしっかり確認しておくことが大切です。

フリーランス新法

「フリーランス新法」とは、正式名称を「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」といい、2024年11月1日に施行された法律です。企業などから業務委託を受けて働く個人、いわゆるフリーランスが安心して仕事を続けられるよう、取引ルールを整備することを目的としています。 これまでフリーランスは、労働基準法の保護を受けにくく、報酬の支払い遅延やハラスメントなどのトラブルが起きても法的な救済が難しいという課題がありました。 この法律では、発注する企業側に対して ・契約内容や報酬条件を明確にすること ・報酬を一定の期限までに支払うこと ・ハラスメント防止など、働く環境の整備に努めること といった義務を課しています。フリーランスと企業の取引をより公正で透明なものにし、安心して働ける環境づくりを目指した制度です。

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