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個人年金は入らない方がいいと言われましたが、なぜでしょうか?

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2025/08/24 09:03

生命保険
生命保険

男性

30代

question

知人から「個人年金はあまりおすすめできない」と聞きましたが、その理由がよく分かりません。老後の生活資金を準備するために検討しているのですが、デメリットが多いと聞きます。本当に個人年金に加入するのは不利なのかでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

個人年金保険は「老後資金の積み立て手段」として広く販売されていますが、加入に慎重な意見が多いのは、いくつかの構造的なデメリットがあるためです。

まず、運用効率の低さが挙げられます。個人年金保険の多くは予定利率が低く、長期にわたって支払った保険料に対して大きく増えるわけではありません。さらにインフレが進むと、受け取る年金の実質的な価値が目減りしてしまう点は大きなリスクです。

次に、流動性の低さも問題です。途中解約すると解約返戻金は受け取れますが、支払額を下回って「元本割れ」する可能性が高くなります。急に資金が必要になったときに柔軟に引き出せないことは、預金や投資信託と比べて不便です。

また、保険料や管理コストが内包されているため、同じ「積立」でも投資信託やiDeCo・NISAなどを利用した方が効率的に資産形成できるケースが少なくありません。税制優遇も限定的で、控除額が小さいため大きな節税効果は期待しにくいのが現実です。

一方で、メリットもあります。強制的な積み立てを続けられる点や、将来の収入を一定化できる点は安心材料となります。「自分だけでは積み立てを続けられない」と感じる人や、銀行預金だけでは不安な人にとっては有効な手段になることもあります。

結論として、個人年金保険は「老後資金の絶対的な中心手段」ではなく、数ある選択肢のひとつに過ぎません。他の制度や商品と比較し、流動性やインフレ対応力も踏まえて、自分のライフプランやリスク許容度に合うかどうかを判断することが重要です。

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個人年金保険

個人年金保険とは、公的年金だけでは不足しがちな老後資金を、自助努力で補うために設計された私的年金商品です。契約者が決められた期間にわたり保険料を払い込み、あらかじめ設定した開始年齢(60歳・65歳など)に達すると年金形式で受け取りが始まります。受取方法には、決められた年数だけ確実に受け取る「確定年金型」と、生存している限り終身で受け取れる「終身年金型」があり、どちらを選ぶかによって総受取額や万一の際の遺族保障の形が異なります。変額型や外貨建て型など、インフレ対応や為替分散を意識したバリエーションも登場しています。 大きな魅力の一つは税制優遇です。一定の要件(受取人が契約者本人または配偶者、払込期間が10年以上など)を満たす契約であれば、払込保険料は「個人年金保険料控除」として所得控除の対象になります。たとえば年間保険料が8万円の場合、所得税で最大4万円、住民税で最大2万8千円が控除され、課税所得を圧縮できるため実質負担を抑えながら老後資金を積み立てられる点がメリットです。 一方で注意すべき点もあります。途中解約時には元本割れが生じやすく、解約返戻金が払込総額を下回るケースが多いこと、固定利率型の商品ではインフレに追いつけない可能性があること、そして保険会社が破綻した場合でも保険契約者保護機構による補償は責任準備金の90%が上限となることです。また、税優遇制度としては個人型確定拠出年金(iDeCo)や新NISAも利用できるため、流動性・運用商品の自由度・掛金上限などを比較し、自分に合った組み合わせを検討する必要があります。 これらの特徴を踏まえると、個人年金保険は「計画的に積立を続け、税制メリットを生かしながら老後の生活費を補完したい」人に適した選択肢といえます。生活防衛資金や他の運用枠を確保したうえで長期的な資産形成の一環として活用すれば、老後のキャッシュフローに安定感をもたらす手段となるでしょう。

インフレ(インフレーション)

インフレーションとは、物価全体が持続的に上昇し、その結果、通貨の購買力が低下する現象です。経済活動が活発になり、需要が供給を上回ると価格が上昇しやすくなります。また、生産に必要な原材料費や人件費の上昇が企業のコストに転嫁されることで、さらに物価が上昇することがあります。適度なインフレーションは経済成長の一側面とされる一方、過度な物価上昇は家計の負担を増大させ、経済全体の安定性を損なうリスクがあるため、中央銀行は金利操作などの金融政策を通じてインフレーションの抑制に努めています。

予定利率

予定利率は、生命保険会社が保険契約者に対してあらかじめ約束する運用利回りのことです。これは保険会社が保険料を計算する際に用いる重要な指標の一つで、契約者から払い込まれた保険料を運用して得られると予想される運用利回りを表します。 予定利率は保険料の設定に大きな影響を与えます。予定利率が高い場合は保険料が安くなり、低い場合は高くなります。これは、高い予定利率では将来の運用によるリターンを多く見込めるため、保険料を低く抑えることができるからです。 予定利率の決定方法は、まず金融庁が国債の利回りなどを参考に「標準利率」を設定し、その後各保険会社が標準利率を基準に自社の状況を反映して決定します。 予定利率には特徴があり、契約時点の率が適用され、基本的には支払い終了時や更新時まで同率で変わりません。バブル経済期には高い予定利率の保険が多く販売され、これらは「お宝保険」と呼ばれています。近年は低金利環境により、予定利率は低下傾向にあります。 保険料の計算には予定利率以外にも、予定死亡率(性別、年齢別に想定される死亡率)や予定事業費率(保険会社の運営に必要な経費の割合)も影響します。これら3つの要因を合わせて「予定基礎率」と呼びます。

元本割れ

元本割れとは、投資で使ったお金、つまり元本(がんぽん)よりも、最終的に戻ってきた金額が少なくなることをいいます。たとえば、100万円で投資信託を購入したのに、解約時に戻ってきたのが90万円だった場合、この差額10万円が損失であり、「元本割れした」という状態です。 特に、価格が変動する商品、たとえば株式や投資信託、債券などでは、将来の価格や分配金が保証されているわけではないため、元本割れのリスクがあります。「絶対に損をしたくない」と考える方にとっては、このリスクを正しく理解することがとても重要です。金融商品を選ぶときには、利回りだけでなく元本割れの可能性も十分に考慮しましょう。

解約返戻金

解約返戻金とは、生命保険などの保険契約を途中で解約したときに、契約者が受け取ることができる払い戻し金のことをいいます。これは、これまでに支払ってきた保険料の一部が積み立てられていたものから、保険会社の手数料や運用実績などを差し引いた金額です。 契約からの経過年数が短いうちに解約すると、解約返戻金が少なかったり、まったく戻らなかったりすることもあるため、注意が必要です。一方で、長期間契約を続けた場合には、返戻金が支払った保険料を上回ることもあり、貯蓄性のある保険商品として活用されることもあります。資産運用やライフプランを考えるうえで、保険の解約によって現金化できる金額がいくらになるかを把握しておくことはとても大切です。

税制優遇措置

税制優遇措置とは、政府が特定の経済活動や投資を促進するために、税負担を軽減する制度のことを指す。具体的には、法人税の減税、所得控除、減価償却の特例などが含まれる。例えば、中小企業やスタートアップに対する税制優遇、特定の産業への投資促進策などがある。これにより、企業や個人は資金負担を抑えつつ、事業成長や投資の拡大を図ることができる。政策目的に応じて適用範囲や内容が変わるため、適用条件の確認が重要である。

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