NISAで投資するなら一括投資と積立投資どちらがいいのでしょうか?
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2025/09/12 09:02
男性
30代
NISAを活用して資産運用を始めたいと考えていますが、投資方法として一括でまとめて投資するのと、毎月一定額を積み立てていく方法のどちらがよいのかわかりません。それぞれのメリットや注意点について教えていただけますか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
結論から言うと、「期待リターンを最大化でき、短期的な値下がりに耐えられる」方には一括投資が有利です。一方、「投資タイミングの失敗リスクや心理的負担を減らしたい」方には積立投資(ドルコスト平均法)が適しています。
株式市場は長期的に上昇する傾向があるため、理論的には一括投資の方が「より長期間市場に資金を投入している」メリットを得やすくなります。ただし、投資直後に市場が下落すると大きな含み損を抱えるリスクがあります。積立投資は購入時期を分散できるため、市場タイミングに左右されにくく、価格変動による心理的ストレスを軽減できますが、上昇相場では一括投資よりもリターンが低くなる可能性があります。
NISA制度では、つみたて投資枠は定期的な積立を前提とした商品に最適で、成長投資枠は一括購入に適しています。年間の非課税上限や対象商品が異なるため、自分の目的や資金計画に合わせて適切な枠を選ぶことが重要です。投資方法にかかわらず、まずは生活防衛資金として6〜12か月分の現金を確保し、低コストで十分に分散されたインデックスファンドを中心に資産配分を決めることを優先すべきです。また、年に1回程度のリバランスを行うことで、より安定した資産運用が実現できます。
実際の運用方法としては、資金状況や性格に応じて「ハイブリッド型」がおすすめです。例えば、手元資金の30~50%をすぐに投資し、残りを6~12か月かけて積み立てていく方法です。これにより、「市場への早期参入」のメリットと「投資タイミングの分散」による安心感を両立できます。短期的な含み損に不安を感じやすい方は積立比率を高め、価格変動に耐えられる方は一括投資の比率を増やすなど、自分のリスク許容度に合わせて調整するとよいでしょう。
最後に、投資の成果を大きく左右するのは「一括か積立か」という手法よりも、「継続できる仕組み」を持てるかどうかです。自動積立や定期的な見直しを取り入れ、自分のリスク許容度や家計の余力に応じた投資設計を行うことが、長期的な成功への鍵となります。
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NISA
NISAとは、「少額投資非課税制度(Nippon Individual Saving Account)」の略称で、日本に住む個人が一定額までの投資について、配当金や売却益などにかかる税金が非課税になる制度です。通常、株式や投資信託などで得られる利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を使えばその税金がかからず、効率的に資産形成を行うことができます。2024年からは新しいNISA制度が始まり、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つを併用できる仕組みとなり、非課税期間も無期限化されました。年間の投資枠や口座の開設先は決められており、原則として1人1口座しか持てません。NISAは投資初心者にも利用しやすい制度として広く普及しており、長期的な資産形成を支援する国の税制優遇措置のひとつです。
一括投資
一括投資とは、まとまった資金を一度に投資する方法のことです。市場のタイミングが良ければ大きなリターンが期待できますが、反対に、投資直後に相場が下がると大きな損失を抱えるリスクもあります。短期間でリターンを狙いたい人や、投資タイミングを自分で判断できる人に向いています。
積立投資
積立投資とは、一定のサイクル(例:毎月や毎週など)で、あらかじめ決めた金額ずつ同じ銘柄や投資信託などを購入していく投資手法です。 この方法は、一度にまとまった資金を投じる「一括投資」とは異なり、少額から始められるのが特徴です。また、購入時期を複数回に分散できるため、相場が高いタイミングで一度に大量購入してしまうリスク(いわゆる高値づかみ)を抑えられると期待されています。 具体的には、「相場が下がったときはより多くの口数や株数を買える」「相場が高いときは割高な投資を抑えられる」という形で、平均取得単価が平準化される効果があります。この仕組みは英語で「ドルコスト平均法(Dollar Cost Averaging)」とも呼ばれ、特に長期運用を考えている初心者からベテランまで、多くの投資家が活用している戦略です。 ただし、積立投資を行ったからといって必ずリスクが軽減されるわけではなく、投資対象自体の価格が大きく下落した場合には損失が出る可能性もあります。したがって、積立する商品や期間、目標リスクなどをしっかり考えたうえで、自分の資産配分に合った方法を選ぶことが大切です。
ドルコスト平均法
ドルコスト平均法とは、一定の金額を定期的に投資する方法です。価格が高いときは少なく、価格が低いときは多く買えるため、購入価格が平均化され、リスクを分散できます。市場のタイミングを読む必要がないため、初心者に最適な方法とされています。長期投資で効果を発揮し、特に投資信託やETFで利用されることが多い手法です。
インデックスファンド
インデックスファンドとは、特定の株価指数(インデックス)と同じ動きを目指して運用される投資信託のことです。たとえば「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」などの市場全体の動きを示す指数に連動するように設計されています。この仕組みにより、個別の銘柄を選ぶ手間がなく、市場全体に分散投資ができるのが特徴です。また、運用の手間が少ないため、手数料が比較的安いことも魅力の一つです。投資初心者にとっては、安定した長期運用の第一歩として選びやすいファンドの一つです。
リバランス
リバランスとは、ポートフォリオを構築した後、市場の変動によって変化した資産配分比率を当初設定した目標比率に戻す投資手法です。 具体的には、値上がりした資産や銘柄を売却し、値下がりした資産や銘柄を買い増すことで、ポートフォリオ全体の資産構成比率を維持します。これは過剰なリスクを回避し、ポートフォリオの安定性を保つためのリスク管理手法として、定期的に実施されます。 例えば、株式が上昇して目標比率を超えた場合、その一部を売却して債券や現金に再配分するといった調整を行います。なお、近年では自動リバランス機能を提供する投資サービスも登場しています。





