国民健康保険料はどう決まりますか?年収・世帯構成・資産状況による違いもあれば教えて下さい。
国民健康保険料はどう決まりますか?年収・世帯構成・資産状況による違いもあれば教えて下さい。
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2025/10/03 09:04
男性
国民健康保険料はどのような基準で決まるのかが分からず、不安を感じています。年収や世帯の人数、資産などによって変わると聞きますが、実際にはどの要素が影響し、どのような計算方法で算出されるのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
国民健康保険料は、世帯ごとに前年の所得や世帯人数を基準に決まります。主な仕組みは、前年の所得に応じた「所得割」と、加入人数に応じた「均等割」、世帯にかかる「平等割」を合算する形で計算されます。一部の自治体では固定資産に応じた「資産割」も加わる場合があります。
保険料は医療分、後期高齢者支援金分、介護分に分かれており、それぞれで所得割や均等割を計算して合算します。算出に使う所得は前年の総所得金額等から基礎控除43万円を差し引いた額で、高所得者は控除額が段階的に縮小されます。自治体ごとに料率や定額部分が異なるため、住んでいる地域によって負担額は大きく変わります。
保険料には年間の上限があり、2025年度は世帯合計で109万円が最大です。所得が高い世帯でも、この限度額を超えることはありません。また、低所得世帯向けに均等割や平等割が7割・5割・2割と軽減される仕組みがあり、未就学児は一律で均等割が半額になります。後期高齢者制度へ移行した人がいる世帯では、平等割が軽減される場合もあります。
計算の対象となる所得は前年のものなので、今年の節税や所得調整は翌年度の国民健康保険料に反映されます。事業所得の経費や損益通算、NISAやiDeCoといった制度の活用は、住民税だけでなく国保料にも影響することを意識しておくとよいでしょう。子育て世帯は未就学児の軽減措置で人数が増えても一定の負担軽減があります。
通知は多くの自治体で6月頃に届き、その年度の4月から翌年3月までの保険料が決まります。年度途中で就職や退職、転入出がある場合は、加入や喪失した月に応じて月割で負担額が計算されます。年金受給者は口座引き落としや年金天引きが適用される場合もあり、詳細は自治体から届く決定通知で確認する必要があります。
結論として、国民健康保険料は「前年の所得」と「世帯人数」を中心に自治体ごとの料率で決まります。上限額や軽減措置もあるため、家計や資産運用を考える際は、自分の世帯状況と居住地の計算方法を確認しておくことが大切です。
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所得割
所得割とは、住民税や社会保険料などの一部で用いられる仕組みで、個人の所得の大きさに応じて金額が決まる課税方法を指します。例えば、給与や事業収入、年金収入などの所得が多い人は負担する金額が大きくなり、所得が少ない人は負担が小さくなります。資産運用の場面では、投資から得られる利益も所得に含まれるため、所得割の対象になることがあります。投資による利益が増えると、所得割に基づいて課税額も増える仕組みとなっているため、自分の投資計画を考える際には税金面を意識することが大切です。
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均等割とは、所得の多い少ないにかかわらず、住民税としてすべての納税者に一律で課される税額のことを指します。例えば、住んでいる市町村や都道府県に対して一定の金額を支払う形で、地域社会の行政サービスを維持するために使われます。金額は自治体ごとに定められていますが、全国的に大きな差はありません。所得に応じて課税される「所得割」と並び、住民税を構成する二つの柱の一つです。投資や資産運用を考える上では、均等割は収入に関係なく発生するため、最低限の税負担として家計管理に織り込んでおくことが大切です。
平等割
平等割とは、介護保険料や国民健康保険料などで用いられる算定方式の一つで、加入者一人ひとりに対して同じ金額を負担させる仕組みのことを指します。所得の多寡にかかわらず、人数に応じて一律に課されるため、家族の人数が多いほど負担が大きくなる特徴があります。均等割と似ていますが、平等割は「世帯単位」で一律に課されることが多く、制度ごとに使い分けられています。投資や資産運用を考える上では直接的な関わりは薄いですが、毎月の固定的な出費として家計管理に影響するため、把握しておくことが大切です。
資産割
資産割とは、国民健康保険料を計算する際に、その世帯が保有している資産に応じて課される保険料の一部のことです。たとえば土地や建物といった不動産などの固定資産を所有している場合、その評価額に基づいて一定の保険料が加算されます。これは「所得が少なくても資産を多く持っている世帯は支払い能力がある」と見なされる考え方に基づいています。ただし、すべての自治体で採用されているわけではなく、市区町村ごとに資産割を導入するかどうかや、その割合、対象資産の範囲などが異なります。そのため、実際の保険料を確認する際は、お住まいの自治体のルールを確認することが大切です。
基礎控除
基礎控除とは、所得税の計算において、すべての納税者に一律で適用される控除のことを指す。一定額の所得については課税対象から除外されるため、納税者の負担を軽減する役割を持つ。所得に応じて控除額が変動する場合もあり、申告不要で自動適用される。
損益通算
投資で発生した利益と損失を相殺することで、課税対象となる利益を減らす仕組みのことです。たとえば、株式投資で50万円の利益が出た一方、別の取引で30万円の損失が発生した場合、損益通算を行うことで、課税対象となる利益は50万円から30万円を引いた20万円になります。この仕組みにより、納める税金を減らすことが可能です。 損益通算が適用されるのは、同じ「所得区分」の中でのみです。たとえば、株式や投資信託の譲渡損益や配当金などは「株式等の譲渡所得等」に分類され、この範囲内で損益通算が可能です。ただし、不動産所得や給与所得など、異なる所得区分間では基本的に通算できません。 さらに、株式投資の損失は、損益通算後も控除しきれない場合、翌年以降最長3年間繰り越して他の利益と相殺できます。これを「繰越控除」と呼び、投資初心者にとっても節税に役立つ重要なポイントです。




