新NISAの積立投資枠は一括投資もできますか?
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2025/07/24 09:34
男性
60代
新NISAの「積立投資枠」は名前のとおり積立を目的としていると思いますが、手元にまとまった資金があり、一度にまとめて投資を済ませたい場合、積立投資枠を使って一括購入することもできるのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
新NISAのつみたて投資枠では、一括投資は制度上認められていません。この枠は「長期・積立・分散投資」を目的に設計されているため、金融庁は「年間で最低2回以上、定期的かつ継続的に購入すること」を義務付けています。
証券会社の実務上も、購入時に「毎月」または「ボーナス月(年2回まで)」など複数回に分けた設定が必要です。例えば「月10万円ずつ12回」や、「毎月一定額+ボーナス月の増額設定」など、定期購入で年間枠を使い切る必要があります。
もし、まとまった資金を一括投資したい場合は、成長投資枠(年間240万円)を利用するとよいでしょう。この枠は購入方法に制限がなく、一括購入やタイミングを選んで投資することが自由にできます。
そのため、多くの投資家は「つみたて投資枠でコツコツ安定的に」、「成長投資枠で機動的に一括投資」と、両方の枠を組み合わせて活用しています。
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NISA
NISAとは、「少額投資非課税制度(Nippon Individual Saving Account)」の略称で、日本に住む個人が一定額までの投資について、配当金や売却益などにかかる税金が非課税になる制度です。通常、株式や投資信託などで得られる利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を使えばその税金がかからず、効率的に資産形成を行うことができます。2024年からは新しいNISA制度が始まり、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つを併用できる仕組みとなり、非課税期間も無期限化されました。年間の投資枠や口座の開設先は決められており、原則として1人1口座しか持てません。NISAは投資初心者にも利用しやすい制度として広く普及しており、長期的な資産形成を支援する国の税制優遇措置のひとつです。
つみたて投資枠
つみたて投資枠とは、2024年から始まった新しいNISA制度の中で、少額から長期的に資産形成を行うことを目的として設けられた非課税投資の枠組みです。 この枠では、一定の条件を満たした投資信託などの商品に対して、年間最大120万円までの投資額が非課税の対象となります。毎月コツコツと積み立てるスタイルの投資に向いており、長期的な資産形成を支援することが狙いです。つみたて投資枠を活用することで、運用益や分配金にかかる税金がかからず、複利の効果を最大限に活かしながら資産を増やしていくことができます。特に投資初心者にとっては、少額から手軽に始められ、長く続けることで将来の資金づくりに役立つ有効な制度です。
成長投資枠
新NISAにおける成長投資枠とは、個別株や投資信託などの成長性の高い投資商品を購入できる非課税枠のことです。2024年に始まった新NISA制度では、年間最大240万円、累計1,200万円まで投資が可能で、売却しても枠が復活しない「一生涯の上限額」が設定されています。 成長投資枠では、主に上場株式やETF、アクティブ型の投資信託などが対象となり、比較的リスクを取りながら資産を増やしたい投資家向けの仕組みになっています。一方で、レバレッジ型や一部の毎月分配型投資信託など、一部のリスクが高い商品は対象外となるため注意が必要です。 つみたて投資枠と併用でき、両方を活用すれば年間最大360万円の投資が可能です。成長投資枠を活用することで、中長期的な資産形成を非課税で行うことができ、売却益や配当金に税金がかからないため、資産を効率的に増やす手段となります。
一括投資
一括投資とは、まとまった資金を一度に投資する方法のことです。市場のタイミングが良ければ大きなリターンが期待できますが、反対に、投資直後に相場が下がると大きな損失を抱えるリスクもあります。短期間でリターンを狙いたい人や、投資タイミングを自分で判断できる人に向いています。
ドルコスト平均法
ドルコスト平均法とは、一定の金額を定期的に投資する方法です。価格が高いときは少なく、価格が低いときは多く買えるため、購入価格が平均化され、リスクを分散できます。市場のタイミングを読む必要がないため、初心者に最適な方法とされています。長期投資で効果を発揮し、特に投資信託やETFで利用されることが多い手法です。