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ストップ安になった株の買い方を教えて下さい

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2025/08/09 08:19


男性

40代

question

ストップ安になった株に興味がありますが、値がつかず取引が成立しにくいと聞きました。このような状況で実際に株を購入するには、どのような注文方法を使えばよいのか、また注意すべき点についても教えていただけますか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

ストップ安になった株は、理論上は「安く買えるチャンス」ともいえますが、実際に買おうとすると取引が成立しづらいという特徴があります。その理由は、値幅制限というルールによって、前日の終値から一定以上に安くなることができないからです。ストップ安では売り注文が殺到し、買い注文よりも圧倒的に多くなることが多いため、「買いたい」と思っても注文が通らず、売買が成立しないケースが多くなります。

実際にストップ安の株を買いたい場合、いくつかのコツがあります。まず、重要なのは「いつ」「いくらで」注文を出すかということです。多くの証券会社では、翌営業日の注文を前日の夜から受け付けており、この「夜間受付」の時間帯にストップ安値ぴったりで指値注文を出しておくことが、買える可能性を少しでも高めるポイントです。これは、注文を出した順番がそのまま「並び順」になるためで、できるだけ早く並ぶことで買えるチャンスが増します。

また、注文価格は必ず「ストップ安の値段」に設定する必要があります。それより高くても安くても意味がなく、実質的に注文が通らないか、順番が後ろになるだけです。たとえば成行注文(価格を指定しない注文)を出しても、実際にはストップ安の値段での注文として処理されるため、最初からピンポイントで価格を指定することが重要です。

加えて、証券会社によっては夜間のPTS(私設取引システム)という市場で売買できる場合があります。こちらは値幅制限がないため、日中よりも早く売買が成立することもありますが、流動性が低く、必ずしも取引ができるとは限りません。

ただし、これらの工夫をしても、必ず株が買えるとは限りません。人気のない銘柄や悪材料が出た銘柄の場合は、何日も約定しない可能性もあります。さらに、ストップ安が連続すると、3日目以降には値幅制限が拡大され、さらに大きく下落するリスクもあります。いわゆる「落ちるナイフ」に手を出すことになりかねないため、慎重に状況を見極める必要があります。

企業の決算内容やニュースなどを事前に調べて、「一時的な下げ」であるか、それとも「根本的な問題があるのか」を見極めることも重要です。また、たとえ買えたとしても、その後に株価が回復する保証はありません。投資資金を一度に多く使わず、あくまで全体資産の一部としてリスク管理を徹底することが、資産運用初心者にとっては最も大切なポイントです。

ストップ安株は、魅力的に見える一方で、経験や判断力が問われる非常にリスクの高い取引でもあります。短期的な値動きに惑わされず、冷静に情報を集めた上で慎重に判断してください。

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ストップ安

ストップ安とは、株式市場で一日に下がることのできる最大限の価格まで株価が下落し、それ以上は取引ができなくなる状態のことです。これは、株価の急激な下落による混乱を防ぐために、取引所があらかじめ決めている制度です。株価が大きく下がり続けると投資家の不安が広がり、市場がパニックに陥る可能性があります。そのような極端な変動を一時的に食い止めることで、冷静な判断ができるように時間を確保する役割を果たしています。ストップ安になると、その銘柄の売買は可能ですが、価格はそれ以上下がらず、買い注文が非常に少ない場合は売りたい人がいても売れないことがあります。特に企業の業績悪化や不祥事、経済の悪材料などが原因で発生することが多いです。

指値注文

指値注文とは、自分が売買したい価格をあらかじめ指定して出す注文方法のことをいいます。たとえば「この株を1,000円になったら買いたい」や「1,200円以上になったら売りたい」といったように、自分が希望する価格を指定して注文します。 指定した価格に達しない限り売買は成立しないため、思い通りの価格で取引できる一方で、注文が成立しないまま終わる可能性もあります。投資家が損失を抑えたり、利益をしっかり確保したりするために、計画的に使われる注文方法です。特に相場が急変したときに冷静に売買するための手段として、初心者にも役立つ仕組みです。

夜間取引

夜間取引とは、通常の証券取引所が営業を終了した後の時間帯に行われる株式などの取引のことを指します。日本では、東京証券取引所の取引時間が平日9時から15時までですが、その終了後の夕方から深夜にかけて、一部の私設取引システム(PTS)を通じて取引を行うことが可能です。代表的な例が「Cboe Japan PTS」などで、夜間取引ではリアルタイムに株式を売買できるほか、日中に発表された企業の決算情報や経済指標に即座に反応して取引できる点が特徴です。忙しい日中に取引の時間が取れない個人投資家や、情報に素早く反応したい短期トレーダーにとって重宝される仕組みですが、取引量が少なく、価格の変動が激しくなるリスクもあるため注意が必要です。

値幅制限

値幅制限とは、株式などの金融商品が一日に変動できる価格の幅をあらかじめ定めておく制度のことです。この制度によって、ある銘柄の価格が急激に上がったり下がったりすることを防ぎ、市場の混乱やパニックを抑える役割を果たします。たとえば、ある株が前日に1,000円で終わった場合、値幅制限によってその翌日に取引できる範囲は上限1,100円、下限900円といったように決まります。 この上限まで株価が上がると「ストップ高」、下限まで下がると「ストップ安」と呼ばれます。値幅制限の幅は、株価の水準や市場の状況、特別な材料があるかどうかなどによって異なり、東証などの取引所がルールとして細かく定めています。

約定

約定とは、株式や投資信託、FXなどの金融商品を売買する際に、買い手と売り手の条件が一致して取引が成立することを指します。注文を出しただけでは取引は完了しておらず、実際にその注文が市場で相手とマッチして取引が成立した瞬間に「約定した」と表現されます。 たとえば、ある株を「1,000円で買う」という注文を出し、売りたい人が同じ価格で売り注文を出していれば、その時点で売買が成立し、これが約定となります。投資では、この約定が実際の資産の動きを決定づける重要なタイミングであり、注文方法(指値や成行など)や市場の状況によって、約定のタイミングや可否が左右されることもあります。

PTS(私設取引システム)

PTS(私設取引システム)とは、証券取引所を介さずに株式などを売買できる、民間事業者が運営する電子取引市場のことです。日本語では「私設取引システム」と呼ばれ、東京証券取引所のような公設取引所とは異なる仕組みとして位置付けられています。金融商品取引法に基づく登録を受けた業者が運営しており、上場企業の株式などを東証と並行して取引することができます。 現在、国内で代表的なPTSには「SBIジャパンネクストPTS(J-Market)」と「Cboe Japan PTS(旧Chi-X Japan)」の2つがあります。これらのPTSは、個人投資家と証券会社をつなぎ、主に上場株式やETF、REITなどの売買を可能にしています。取引方式はいずれも連続約定型で、買い注文や売り注文の価格・数量がリアルタイムで公開される「リット市場(注文情報が可視化された市場)」として運営されています。つまり、取引の透明性が高く、東証と同様に板情報を見ながら売買判断ができる仕組みです。 PTSの大きな特徴は、東京証券取引所の取引時間外にも売買ができる点です。たとえばSBIジャパンネクストPTSでは、午前8時20分から午後4時までの「デイセッション」に加えて、午後5時から深夜11時59分までの「ナイトセッション」も開設されており、東証が閉まった後でも株式の売買が可能です。このような柔軟な取引時間は、仕事帰りなどに投資判断を行いたい個人投資家にとって大きな利便性となっています。 また、PTSでは東証よりも有利な価格で約定できる可能性があることや、証券会社によっては取引手数料が無料または低水準に抑えられていることも魅力です。特に、市場の急変時や企業のIR発表直後など、夜間でも即座に売買を行いたい場合に重宝されます。 一方で、PTSは東証と比べると流動性が限定的で、すべての上場銘柄を網羅しているわけではありません。取引量が少ない時間帯ではスプレッドが広がりやすく、成行注文では想定外の価格で約定してしまうリスクもあります。また、PTSの取引には証券会社ごとの接続可否が影響するため、自身が利用している証券会社がどのPTSに対応しているかを事前に確認しておく必要があります。 このようにPTSは、取引機会の拡大やコスト面でのメリットを享受できる一方で、流動性や銘柄カバレッジの面では東証に比べて制約があります。東証の補完的な市場として活用するという位置づけで、取引時間や価格動向を見極めながら慎重に使いこなすことが重要です。

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