ペアローンの場合住宅ローン控除はどのように適用されますか?
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2025/09/05 09:02
男性
30代
私は夫婦で住宅購入を検討しており、ペアローンを利用する場合を考えています。住宅ローン控除はこの場合どのように適用されるのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ペアローンを利用した場合、住宅ローン控除は夫婦それぞれのローン契約に対して個別に適用されます。夫婦がそれぞれ契約者であり返済義務を負っているため、一人ずつ住宅ローン控除を受けられるのが特徴です。
控除額の上限は個人ごとに決まっています。たとえば、新築住宅の場合、年末ローン残高の0.7%が13年間控除される制度が利用できるとすると、夫も妻もそれぞれ上限まで控除を受けられます。そのため、合計すると夫婦合わせて大きな控除メリットを得られる可能性があります。
一方で、注意点もあります。控除はその人の所得税や住民税から差し引かれるため、所得が少ない人は控除枠を使い切れないことがあります。また、ペアローンは契約も返済も完全に別扱いのため、離婚や片方の返済不能といった事態に備えにくい点もリスクになります。
他の借入方法と比べると違いもあります。連帯債務では一つの契約を夫婦が共同で負担する形となり、二人とも住宅ローン控除を受けられます。収入合算方式では主債務者だけが控除対象となるため、恩恵は一人に集中します。ペアローンは夫婦それぞれが平等に控除を受けられる点が大きな利点といえるでしょう。
総合的に見ると、ペアローンは控除を最大限活用したい夫婦には有効ですが、返済リスクやライフイベント時の対応も考えたうえで慎重に選択することが大切です。
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住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、個人が住宅ローンを利用してマイホームを購入・新築・増改築した際に、一定の条件を満たせば、ローン残高に応じた金額が所得税から控除される制度です。控除は年末時点の住宅ローン残高の一定割合を上限として行われ、最大で13年間にわたり税負担を軽減することができます。たとえば、毎年の住宅ローン残高が多いほど、控除される所得税の金額も大きくなる仕組みです。この制度は、住宅の取得を支援し、持ち家の普及を促す目的で設けられており、対象となる住宅の広さや取得時期、所得の上限など、細かな適用条件があります。確定申告を通じて手続きを行う必要があるため、住宅購入時には制度の内容をよく確認し、早めに準備することが大切です。
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住民税は、居住地の自治体(市区町村および都道府県)に納める地方税で、地域の行政サービスを賄うために使われます。住民税は「所得割」と「均等割」の2つで構成されます。 所得割は、前年の所得に基づき一律の税率(多くの場合10%)で計算されます。一方、均等割は所得に関わらず一律の金額(全国基準では年額5,000円程度)を納める部分です。 住民税は、所得税のような累進課税ではなく比例課税が基本で、納税額は所得や扶養状況などにより異なります。また、住民税は原則として前年の所得に基づき計算されるため、納税は翌年度に行われます。これにより、地域社会の運営を支える重要な財源となっています。
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