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マイホーム購入の前に知っておきたい住宅ローンの仕組みとは?3タイプの金利や返済・借り換え戦略、相談先まで徹底解説

マイホーム購入の前に知っておきたい住宅ローンの仕組みとは?3タイプの金利や返済・借り換え戦略、相談先まで徹底解説

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公開:

2025.09.04

更新:

2025.09.04

住宅ローンは「家を買うための借金」として単純に捉えられがちですが、実際には金利タイプ、返済方式、控除制度など複数の仕組みが複雑に関わっています。特に検索ニーズが多い「住宅ローンとは?」や「住宅ローン相談」では、そもそもの仕組みを理解せずに金利だけで比較して失敗するケースも少なくありません。

2025年以降は住宅ローン控除の要件に省エネ基準が加わり、子育て特例など制度変更も進んでいます。本記事では、金利の選び方から返済計画、控除制度の活用、相談時に押さえるべきポイントまで整理し、安心して判断できる知識を得られます。

サクッとわかる!簡単要約

この記事を読むと、住宅ローンの基本的な仕組みから3つの金利タイプの特徴、元利均等・元金均等といった返済方式の違いまで一気に理解できます。さらに、繰り上げ返済で総返済額を減らすコツや、借り換えで得をする条件(年1%以上の金利差・残高1,000万円以上・残期間10年以上)も具体的に把握できます。

加えて、0.7%×最大13年・最大455万円の住宅ローン控除や2025年の省エネ要件・子育て特例といった最新制度も整理されており、読了後には返済負担率20〜25%内での安心できる借入戦略を描けるようになります。

目次

住宅ローンとは?まずは仕組みと全体の流れを理解しよう

住宅ローンは「家を買うための借金」、でも使い道にはルールがある

借入先は3種類|銀行の「民間ローン」と公的な「フラット35」が基本

住宅ローンの金利タイプ:変動・全期間固定・固定期間選択型の違いと金利変動の仕組み

変動金利:金利は低いが上昇リスクも。仕組みと注意点を解説

全期間固定金利:返済額が変わらない安心感が最大のメリット

固定期間選択型:「変動」と「固定」のハイブリッドタイプ

金利動向と選び方のポイント

変動金利・固定期間選択型・全期間固定金利はどっちが得?選び方のポイント

変動金利・固定期間選択型・全期間固定金利比較のポイント

変動金利がおすすめな人:金利上昇リスクを許容でき、総支払額を抑えたい方

固定期間選択型がおすすめな人:特定の期間だけ家計を安定させたい方

全期間固定金利がおすすめな人:将来の金利変動を気にせず、計画的に返済したい方

住宅ローンの返済方法と賢い返済計画の立て方

「元利均等」と「元金均等」の違いは?総返済額が少ないのは元金均等

ボーナス払いは慎重に!繰り上げ返済で将来の利息を賢く減らそう

繰り上げ返済を成功させる3つのコツ

住宅ローンはいくら借りられる?年収から見る「無理のない借入額」の目安

まずは「返済負担率」を理解しよう:審査基準は年収の30〜35%

「年収の何倍まで借りられる?」は危険!金利や期間も考慮しよう

金利だけじゃない!住宅ローンの「見えないコスト」諸費用と総支払額のすべて

住宅購入時にかかる諸費用の内訳と相場

購入後にかかる維持費(ランニングコスト)も忘れずに

忘れずに活用したい税金の軽減措置

住宅ローンの借り換えは本当にお得?得する3つの条件と損益分岐点

借り換えで得する3つの条件

借り換えの流れとシミュレーションの考え方

住宅ローン控除(減税)とは?最大455万円のうちいくら戻る?

制度の仕組みと適用要件|対象者・控除額の上限・期間をチェック

結局いくら戻ってくる?所得税・住民税からの還付額の計算方法

手続きの初年度は「確定申告」、2年目以降は「年末調整」

住宅ローンの相談をするなら誰が正解?目的別の選び方

まずは相談先の全体像を比較!役割と使い分け一覧

各相談先の役割と活用法

住宅ローンとは?まずは仕組みと全体の流れを理解しよう

住宅ローンとは、マイホームの購入資金を金融機関から長期で借り入れる仕組みのことです。借入額が数千万円と大きく、返済も最長35年と長期間にわたるため、家計への影響は少なくありません。まずは住宅ローンの基本的な仕組みや種類を理解することが、賢い選択への第一歩です。

住宅ローンは「家を買うための借金」、でも使い道にはルールがある

住宅ローンは、銀行などの金融機関から住宅の購入資金を借り、長期で返済していく仕組みです。購入する家と土地を担保に入れるのが一般的で、審査によって借入額や金利が決まります。

借入額が大きいため、わずか0.1%の金利差でも総返済額に大きな影響を与えます。例えば3,000万円を30年で借りた場合、利息総額に約50万円もの差が生まれることもあります。だからこそ金利は重要ですが、単に低いだけで選ぶのは危険です。金利タイプごとの特徴とリスクを理解し、ご自身の計画に合ったローンを選ぶことが何よりも大切です。

対象は建物・土地・諸費用まで!家具・家電は対象外なので注意

住宅ローンで借りたお金は、建物の建築費や土地の購入費だけでなく、登記費用や仲介手数料といった諸費用にも充当できます。ただし、原則として家具や家電、引っ越し代などは対象外です。金融機関によっては諸費用ローンを別途用意している場合もあるため、どこまでが対象になるか事前に確認しておくと安心です。

借入先は3種類|銀行の「民間ローン」と公的な「フラット35」が基本

住宅ローンの借入先は、大きく分けて都市銀行やネット銀行などの「民間金融機関」と、住宅金融支援機構が提供する「公的ローン」の2種類があります。民間ローンは金利タイプやサービスが多様で、公的ローンの代表格である「フラット35」は長期固定金利が特徴です。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合った借入先を選ぶことが重要です。

「フラット35」とは?国が支援する長期固定金利の代表格

固定金利型の代表的な商品が、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する「フラット35」です。これは最長35年間、借入時の金利が変わらない全期間固定金利のため、将来の金利上昇リスクがなく、返済計画を立てやすいという大きなメリットがあります。

フラット35については以下記事で詳しく解説しています。

住宅ローンの金利タイプ:変動・全期間固定・固定期間選択型の違いと金利変動の仕組み

住宅ローンの金利タイプは、総返済額や返済計画に大きく影響します。主に「変動金利」「全期間固定金利」「固定期間選択型」の3種類があり、金利が変わるか否かが最大の違いです。それぞれの仕組みとメリット・デメリットを理解し、ご自身に最適な選択をしましょう。

変動金利:金利は低いが上昇リスクも。仕組みと注意点を解説

変動金利とは、ローン契約後も市場金利に応じて定期的に金利が見直されるタイプです。金利の見直しは一般的に半年ごとに行われ、民間銀行の変動金利は「短期プライムレート」という指標に連動します。これは日本銀行の金融政策や経済情勢によって変動するため、景気の動向がご自身の住宅ローン金利に直接反映される仕組みです。

変動金利のメリット

当初の適用金利が他のタイプより低く設定されるのが一般的で、借入当初の毎月の返済額を抑えられます。固定金利より1%近く低い場合もあり、総支払利息を減らせる可能性があります。また、金利が低下する局面では、その恩恵を受けて返済額が減少します。

変動金利のデメリット

将来の金利変動リスクを負う点が最大のデメリットです。景気回復などで金利が上昇すれば、返済額が増え総支払額も増加します。返済計画に不確実性があり、急激な金利上昇時には「未払い利息」が発生して元金が減りにくくなるリスクも考慮すべきです。これらの特徴から、変動金利は金利が上昇しても家計に余裕をもって対応できる人に向いています。

「5年・125%ルール」が返済額の急変を防ぐが、未払い利息に要注意

変動金利には、金利が見直されてもすぐに毎月の返済額が変わらない仕組みがあります。多くの銀行で採用されているのが「5年ルール」と「125%ルール」です。5年ルールとは金利が変わっても5年間は返済額を据え置く決まりで、125%ルールとは5年後の返済額見直し時に増額幅を直前の1.25倍までに抑える決まりです。これにより返済額の急変は避けられますが、増えた分の利息は「未払い利息」として残り、最終的な返済額が大きくなるリスクがあります。

全期間固定金利:返済額が変わらない安心感が最大のメリット

全期間固定金利とは、その名の通り、借入時から返済完了まで金利が一切変わらないタイプです。将来の金利上昇を心配する必要がなく、毎月の返済額がずっと一定のため、長期的な家計管理がしやすい点が最大の魅力です。金利は変動金利より高めに設定される傾向があります。

全期間固定金利のメリット

借入時に完済までの金利と返済額が確定するため、将来の金利変動リスクを完全に回避できます。返済計画が立てやすく、子どもの教育費など将来の大きな支出とも両立しやすい安心感があります。低金利の時期に借り入れれば、その有利な金利を完済まで維持できることも魅力です。

全期間固定金利のデメリット

一般的に変動金利より金利水準が高めに設定されるため、当初の返済額や総支払額は大きくなります。また、将来さらに金利が下がっても、その恩恵を受けられない点もデメリットです。これらの特徴から、毎月の返済額を一定にして計画的に返済したい人に向いています。

固定期間選択型:「変動」と「固定」のハイブリッドタイプ

「固定期間選択型」とは、契約から一定期間だけ金利を固定するタイプです。例えば「10年固定」なら、最初の10年間は金利が変わりません。固定期間の終了後は、その時点の金利で改めて変動金利か固定金利かを選び直します。ただし、手続きをしない場合、自動的に変動金利へ移行する契約が多い点には注意が必要です。

固定期間選択型のメリット

契約から一定期間は返済額が変わらないため、子どもの進学など特定の期間だけ家計を安定させたい場合に有効です。固定期間終了時に金利が下がっていれば、変動金利に切り替えて返済額を抑えられる可能性も残されています。

固定期間選択型の注意点:固定期間終了後の金利上昇リスク

このタイプには変動金利のような5年・125%ルールは適用されません。そのため、固定期間が終わった時点で市場金利が大幅に上昇していると、返済額が一気に跳ね上がるリスクがあります。将来の金利動向に返済計画が左右される点には注意が必要です。

金利動向と選び方のポイント

変動金利の基準となる短期プライムレートは、日銀の金融政策に大きく影響されます。2025年8月現在、日銀は政策金利の引き上げに慎重ですが、市場では利上げが近いとの見方も出ています。仮に2025年末までに利上げされた場合、2026年4月頃に変動金利が上昇する可能性も考えられます。ご自身の家計の状況やリスク許容度を踏まえ、最適な金利タイプを選択しましょう。

長期金利の上昇が住宅ローンに与える影響は以下Q&Aで説明しています。

変動金利・固定期間選択型・全期間固定金利はどっちが得?選び方のポイント

変動金利、固定期間選択型、全期間固定金利のどれを選ぶべきか、悩ましい問題です。「どの金利タイプが得か」という問いへの答えは、2025年8月現在の金利上昇局面においては特に、将来の動向次第であり断言はできません。しかし、ご自身のライフプランやリスクに対する考え方に応じて、最適な選択をすることは可能です。

変動金利・固定期間選択型・全期間固定金利比較のポイント

金利タイプを比較検討する際は、以下の3つのポイントを総合的に判断することが重要です。

ポイント1:「総支払額の安さ」と「金利上昇リスク」のバランス

金利が低い変動金利は、金利が変わらなければ総支払額を最も抑えられます。しかし、将来金利が上昇すれば返済額が増えるリスクを伴います。コストメリットを重視しつつ、そのリスクをどれだけ許容できるかが最初のポイントです。

ポイント2:「返済計画の安定性」と「高めの金利」のバランス

返済額が変わらない固定金利は、将来にわたって家計の計画を立てやすい大きな安心感があります。一方で、金利は変動金利より高めに設定される傾向があります。将来の安心のために、変動金利との金利差というコストを支払えるかが第二のポイントです。

ポイント3:現在の金利状況と今後の見通し

2023年末から続く金融緩和策の調整により、住宅ローン金利は上昇傾向にあります。2025年8月時点では、固定金利は既に上昇していますが、変動金利はまだ低水準を維持しています。ただし、市場では日銀による追加利上げも予測されており、今後の変動金利上昇も視野に入れて判断する必要があります。

変動金利がおすすめな人:金利上昇リスクを許容でき、総支払額を抑えたい方

現在の低金利メリットを最大限に活かしたい方です。借入額に対して収入に十分な余裕があり、将来金利が上昇しても繰り上げ返済や家計の見直しで対応できる資金力や柔軟性がある場合に向いています。

固定期間選択型がおすすめな人:特定の期間だけ家計を安定させたい方

「子どもの教育費がかかる今後10年間だけは返済額を固定したいが、その後は金利状況を見て判断したい」など、ライフプランに合わせてリスクとメリットのバランスを取りたい方に向いています。

全期間固定金利がおすすめな人:将来の金利変動を気にせず、計画的に返済したい方

将来の金利上昇が心配で、返済額が変わらない「安心」を最優先したい方です。また、教育費や老後資金など、住宅ローン以外の支出計画をきっちりと立てており、返済額の変動で計画が崩れる事態を避けたい場合にも最適な選択です。

住宅ローンの返済方法と賢い返済計画の立て方

住宅ローンは最長35年と長期にわたるため、無理のない返済計画が不可欠です。この章では、毎月の返済額の決まり方である「元利均等」「元金均等」の違いや、総返済額を減らす「繰り上げ返済」のコツなど、賢い返済計画を立てるための基本を解説します。

「元利均等」と「元金均等」の違いは?総返済額が少ないのは元金均等

住宅ローンの毎月の返済方法には、主に「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。どちらを選ぶかによって毎月の返済額の推移や総返済額が変わるため、それぞれの特徴を理解しておきましょう。

元利均等返済:毎月の返済額が一定で家計管理しやすい

毎月の「元金+利息」の合計返済額が一定になる方法です。

  • メリット:返済額が変わらないため、長期的な資金計画や家計管理がしやすい点が魅力です。多くの金融機関で主流の返済方法です。
  • デメリット:返済当初は利息の割合が多く元金の減りが遅いため、元金均等返済に比べて総返済額は多くなります。金利上昇時には「未払い利息」が発生するリスクもあります。

元金均等返済:返済が進むほど月々の負担が軽くなる

毎月の「元金」の返済額が一定になる方法で、利息は残高に応じて計算されます。

  • メリット:元金が早く減るため、元利均等返済に比べて利息の総額を抑えられます。
  • デメリット:返済当初は元金残高が多いため、月々の返済額が最も高くなります。当初の負担が重いため、収入に余裕がある方向けの方法です。

ボーナス払いは慎重に!繰り上げ返済で将来の利息を賢く減らそう

毎月の返済に加え、ボーナス払いや繰り上げ返済を上手に活用することで、総支払額を大きく減らすことができます。特に繰り上げ返済は利息軽減効果が高く、計画的に行うことが重要です。ただし、手元の資金とのバランスを考え、無理のない範囲で実行しましょう。

住宅ローンを繰り上げ返済しないほうがいい場合については以下Q&Aで説明しています。

繰り上げ返済とは?「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類

繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別に、まとまった資金で元金の一部を前倒しで返済することです。これにより将来支払うはずだった利息を減らせます。方法には、返済期間を短くする「期間短縮型」と、毎月の返済額を軽くする「返済額軽減型」の2種類があります。

どちらを選ぶべき?それぞれのメリットとおすすめな人

利息の軽減効果がより高いのは「期間短縮型」です。総支払額を少しでも減らしたい方におすすめです。

例えば3,000万円を金利1%・35年で借りた場合、5年目に200万円を期間短縮型で繰り上げ返済すると、利息を約50万円以上節約できます。

一方、「返済額軽減型」は、毎月の返済負担を直接減らせるのがメリットです。子どもの進学などで月々の支出が増える時期に、キャッシュフローに余裕を持たせたい方に向いています。

繰り上げ返済を成功させる3つのコツ

繰り上げ返済は、やみくもに行うと逆効果になることも。家計とのバランスを保ち、金利が上昇するタイミングを狙うなど、戦略的に行うことが重要です。手数料や最低金額も事前に確認し、賢く総返済額を減らしましょう。

1.無理のない範囲でコツコツと実行する

教育費や緊急時のための予備資金まで繰り上げ返済に充てるのは避け、手元の資金に余裕がある時に行いましょう。最近は1万円など少額から手数料無料で実行できる銀行も増えています。

2.金利上昇局面では優先度を上げる

変動金利で借りていて金利が上昇してきた場合、繰り上げ返済で元金を減らせば、将来支払う高金利期間の利息を大きく圧縮でき、節約効果が高まります。

3.手数料や最低金額を確認する

金融機関によっては、繰り上げ返済に手数料がかかったり、最低金額が設定されていたりする場合があります。事前に契約内容を確認しておきましょう。

住宅ローンはいくら借りられる?年収から見る「無理のない借入額」の目安

住宅ローンの借入額は、「いくら借りられるか」という上限額ではなく、「いくらなら無理なく返せるか」という視点で決めることが最も重要です。その基準となるのが、年収に占める年間返済額の割合「返済負担率」です。この章では、安全な返済負担率の目安や、ご自身の家計に合った借入額の考え方を解説します。

まずは「返済負担率」を理解しよう:審査基準は年収の30〜35%

返済負担率とは、年収に対して年間の住宅ローン返済額が占める割合のことです。金融機関は審査の際、この返済負担率が30~35%以下になるように融資額の上限を算出しますが、これはあくまで「貸せる上限」であり、「無理なく返せる額」とは異なる点に注意が必要です。

プロが推奨する「無理のない返済比率」は手取り年収の20〜25%以内

一般的に、返済負担率は25%以内に抑えるのが安全な水準です。理想は20%程度に収めることで、将来の急な出費や収入の変化にも対応しやすくなります。例えば年収600万円の世帯なら、年間返済額150万円(月々約12.5万円)が目安となり、借入額はおおよそ3,500万円前後が一つの基準となるでしょう。

「年収の何倍まで借りられる?」は危険!金利や期間も考慮しよう

「年収の〇倍まで」という考え方は、金利や返済期間が考慮されていないため危険です。無理のない借入額を考える上では、返済負担率を基準にシミュレーションすることが大切です。返済負担率を低めに設定しておけば、将来の教育費や車の購入、急な医療費など予期せぬ出費にも柔軟に対応できます。逆に返済負担率が高すぎると、少しの家計の変化で返済が苦しくなるリスクが高まります。

借入額を最終決定する際は、現在の収支だけでなく、将来の家計をシミュレーションすることが重要です。お子様の進学、車の買い替え、老後資金の準備など、今後のライフイベントとそれに伴う支出の変化を予測します。その上で、毎年の住宅ローン返済に充てられる上限額を逆算することで、「本当に無理なく返せる額」が明確になります。

金利だけじゃない!住宅ローンの「見えないコスト」諸費用と総支払額のすべて

住宅ローンの総支払額は金利だけで決まるわけではありません。購入時には手数料や税金などの「諸費用」が、購入後には税金や修繕費などの「維持費」が必要です。これら見えないコストも把握し、資金計画に含めることが、無理のない返済の鍵となります。

住宅購入時にかかる諸費用の内訳と相場

住宅購入時には、物件価格とは別に諸費用がかかります。主なものに事務手数料、保証料、登記費用、各種税金などがあり、目安は物件価格の3〜10%程度です。現金で支払う場合が多いため、事前に準備しておきましょう。

事務手数料は「定率型」と「定額型」がある!総額で比較しよう

金融機関に支払う手数料で、「定率型(借入額の2.2%など)」と「定額型(3万円など)」があります。一般的に定率型は金利が低いネット銀行で、定額型は金利が高めの従来型銀行で採用される傾向があります。総支払額で比較検討しましょう。

保証料とは?「金利上乗せ型」と「一括前払い型」の違い

万が一返済が困難になった際に、保証会社に返済を肩代わりしてもらうための費用です。支払い方法は、契約時に一括で支払う「前払い型」と、金利に年0.2%程度上乗せして毎月支払う「金利上乗せ型」があります。

購入後にかかる維持費(ランニングコスト)も忘れずに

マイホームの購入後も、様々な維持費が継続的に発生します。代表的なものに、毎年かかる固定資産税・都市計画税や、将来の修繕に備えるメンテナンス費用があります。マンションの場合は、これに加えて管理費や修繕積立金も毎月必要です。これらの維持費も見込んで、無理のない借入額を設定することが大切です。

忘れずに活用したい税金の軽減措置

住宅取得時には、税金の負担を軽くする様々な特例があります。例えば、不動産取得税や登記時の登録免許税には軽減措置が設けられています。また、新築住宅は固定資産税が一定期間減額される制度もあります。適用条件を確認し、忘れずに申請しましょう。

住宅取得資金の非課税贈与の注意点は以下Q&Aで説明しています。

住宅ローンの借り換えは本当にお得?得する3つの条件と損益分岐点

現在返済中の住宅ローンを、より金利の低い別のローンに乗り換える「借り換え」。総返済額を数百万円単位で減らせる可能性があり、金利上昇局面では特に有効な手段です。ただし、手数料などの諸費用もかかるため、本当に得する条件と損益分岐点をしっかり見極めましょう。

借り換えで得する3つの条件

借り換えを検討する際は、感情的に判断せず、以下の3つの条件を満たしているか客観的にチェックすることが成功の鍵です。

条件1:金利差・残高・残期間の目安をクリアしている

現在のローンと借り換え先の金利差が年1%以上、ローン残高が1,000万円以上、残りの返済期間が10年以上あるのが、一般的にメリットが出やすい目安です。これらの条件を満たすほど、利息の軽減効果は大きくなります。

条件2:諸費用を上回る利息軽減効果がある

借り換え時には、事務手数料や登記費用、保証料などの諸費用が数十万円単位でかかります。将来減らせる利息の総額が、この諸費用を明確に上回るかどうかをシミュレーションで確認することが不可欠です。

条件3:今後の金利動向も有利に働く

特に変動金利で返済中の方は、今後の金利上昇リスクを避けるために固定金利へ借り換える、という考え方もあります。現在の金利差だけでなく、将来の市場動向も考慮して判断しましょう。

借り換えの流れとシミュレーションの考え方

借り換えの検討を始めたら、まずは複数の金融機関で諸費用を含めたシミュレーションを行いましょう。総返済額で明確なメリットが出ることが確認できたら、次に具体的な手続きのステップへと進みます。全体の流れと必要書類を事前に知っておくことが、スムーズな借り換えの鍵です。

諸費用も含めたシミュレーションが必須

借り換えを検討する際は、必ず複数の金融機関で見積もりを取り、諸費用を含めた総返済額をシミュレーションしましょう。ネット銀行は金利が低い一方、事務手数料が借入額の2.2%程度と高めに設定されている場合もあります。表面的な金利だけでなく、総コストで比較することが重要です。

一般的な借り換えの流れと必要書類

借り換えの基本的な流れは、①情報収集と比較、②金融機関へ相談と事前審査、③本審査、④現在のローンの一括返済と新規契約、となります。源泉徴収票や返済予定表などが必要になるため、早めに準備しておくとスムーズです。

住宅ローン控除(減税)とは?最大455万円のうちいくら戻る?

住宅ローン控除とは、年末のローン残高に応じて所得税などが戻ってくる国の制度です。条件を満たせば最大13年間、税金の負担を大きく軽減できます。例えば省エネ性能の高い住宅なら最大455万円が控除されることも。制度を正しく理解し、賢く活用しましょう。

制度の仕組みと適用要件|対象者・控除額の上限・期間をチェック

住宅ローン控除は、年末のローン残高の0.7%が最大13年間、所得税などから控除される仕組みです。ただし、誰でも利用できるわけではなく、所得や物件に関する適用要件を満たす必要があります。ここではその基本要件と最新の注意点を解説します。

控除を受けるための主な適用要件

住宅ローン控除を受けるには、主に以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 居住要件:取得後6ヶ月以内に入居し、年末まで住み続けていること。
  • 収入要件:合計所得金額が2,000万円以下であること。
  • 住宅要件:床面積が原則50㎡以上で、返済期間10年以上のローンであること。
  • その他:他の特定の税制特例と併用していないこと。

【2025年最新情報】省エネ基準と子育て世帯特例に注意

近年の制度改正で、物件の「省エネ性能」が重要な要件になっています。2025年からは原則として、国の定める省エネ基準を満たす住宅でないと控除を受けられません。

また、子育て世帯・若者夫婦世帯への優遇措置が2025年末の入居まで延長されました。該当する世帯は、長期優良住宅などの高性能な住宅で最大5,000万円までが控除対象となる借入限度額の上乗せが適用されます。

結局いくら戻ってくる?所得税・住民税からの還付額の計算方法

控除額は、毎年末の住宅ローン残高に0.7%を掛けて算出します。例えば、年末のローン残高が3,000万円なら、その年の控除額は21万円です。この控除は最大13年間続き、物件によっては最大で数百万円の税負担軽減が見込めます。

この金額がまず所得税から差し引かれ、引ききれない場合は翌年の住民税からも一部(最大9.75万円/年)が控除されます。結果として、納めた税金が還付されたり、翌年の住民税が安くなったりします。

手続きの初年度は「確定申告」、2年目以降は「年末調整」

住宅ローン控除を受けるには手続きが必要です。会社員の場合、入居した翌年の初年度のみご自身で確定申告を行う必要があります。2年目以降は、金融機関から送られてくる「残高証明書」などの書類を勤務先に提出すれば、年末調整で手続きが完了します。

住宅ローンの相談をするなら誰が正解?目的別の選び方

住宅ローンの相談は、商品の金利だけでなく、家計とのバランスや税務・登記手続きまで多岐にわたります。誰に何を相談すればよいか迷いがちですが、各専門家の役割を理解し、目的別に組み合わせることが後悔しないための鍵です。この記事では、相談先ごとの強みや注意点を比較し、最適な相談の順番を解説します。

まずは相談先の全体像を比較!役割と使い分け一覧

まずは、どんな相談先があり、それぞれ何が得意なのかを一覧で確認しましょう。ご自身の状況に合わせて、誰に相談すべきかの当たりをつけられます。

相談先     何を相談できるか  強み        相性の良いケース  注意点       
金融機関(銀行)商品条件・審査傾向・手数料・団信公式条件と審査の生情報具体商品が決まっている/事前審査に進む他行比較は自分で。店舗とネットで手数料が異なることも
住宅ローン仲介複数行の横断比較・申込・進行管理一括比較と事務の一本化多忙で比較に時間を割けない/借り換え検討取扱先に偏りあり。手数料や紹介料の有無を確認
独立系FP無理なく返せる額の設計、ライフプラン中立・家計起点の最適化教育費などとの両立を精緻化したい有料が中心。報酬体系を事前確認
不動産会社スケジュール設計、つなぎ融資の段取り売買と資金実行の整合建売・注文住宅と同時並行提携ローンが最適とは限らない。他行と比較
税理士住宅ローン控除・贈与・買い替え時の税務税負担最適化と申告の確実性初年度の確定申告/親から資金援助契約前の相談がベスト。事後は選択肢が狭まる
司法書士登記、持分・名義の設計登記の正確性・スピード共有持分・離婚に伴う名義整理名義・持分は税務と連動。税理士との連携が重要
保険の専門家団信の特約と既存保険の見直し保障の過不足を俯瞰健康告知に不安/特約の是非を評価金利上乗せか保険料外付けかで総コストが変わる
公的窓口長期固定や支援制度の一般情報公式・中立の制度情報フラット35や優遇制度を俯瞰個別の与信判断や価格交渉は対象外

各相談先の役割と活用法

全体像を把握した上で、それぞれの相談先で「何を聞き、何を得るべきか」を具体的に見ていきましょう。

金融機関|商品の詳細と審査の相談

自社商品の詳細や審査の傾向について、最も正確な情報を得られます。借りたい商品がある程度固まった段階で、適用金利の条件や手数料、団信の内容などを具体的に確認しましょう。事前審査もここで行います。

住宅ローン仲介|複数商品をまとめて比較・検討

複数の金融機関から、自身の希望や属性に合ったローンを提案してもらえます。多忙で自分で比較する時間がない方や、どの金融機関が合っているかわからない場合に、手間を省きながら中立的な比較ができるのが魅力です。

独立系FP|「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」を算出

家計の専門家として、教育費や老後資金など将来のライフプラン全体を見据えた上で、「本当に無理なく返せる借入額」を算出してくれます。物件を探し始める前の、最も早い段階で相談することで、その後の計画がスムーズに進みます。

不動産会社|購入スケジュールと資金繰りの調整

物件の売買契約から引き渡しまでのスケジュールと、住宅ローンの実行タイミングを調整する上で頼りになります。家が完成するまでの「つなぎ融資」が必要な場合も、不動産会社が段取りを主導することが一般的です。

税理士・司法書士|税金と登記の専門手続き

住宅ローン控除の確定申告や、親からの資金援助(贈与税)、不動産の所有権登記など、専門的な手続きを依頼します。特に夫婦の共有名義や持分割合は、税額に直結するため、必ず契約前に相談することが重要です。

この記事のまとめ

住宅ローンを選ぶ際は、単に低金利を追うのではなく、返済負担率やライフプランに合った金利タイプ・返済方式を選ぶことが大切です。繰り上げ返済や借り換えは条件次第で総返済額を大きく減らせる一方、諸費用や金利上昇リスクも考慮が必要です。また、住宅ローン控除は最大455万円と大きなメリットがあるため、制度の適用要件や申告手続きも忘れずに押さえましょう。不安や迷いがある場合は、早めに専門家へ相談し、複数の金融機関で事前審査・試算を行うことが安心への近道です。

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投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。

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2025.09.03

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住宅ローン

住宅ローンとは、自宅を購入したり新築・リフォームしたりする際に、金融機関から長期的にお金を借りるための貸付制度のことを指します。通常、借りた資金は数十年かけて分割返済され、元金と利息を毎月支払っていく仕組みです。 多くの場合、担保として購入する住宅や土地が差し入れられます。住宅ローンには金利のタイプ(固定金利・変動金利)や返済方法(元利均等返済・元金均等返済)など、さまざまな選択肢があり、自分の収入やライフプランに合わせて慎重に選ぶことが大切です。 また、一定の条件を満たせば住宅ローン控除などの税制優遇を受けられる場合もあります。家という大きな買い物を実現する手段として、多くの人が利用する金融商品です。

担保

担保とは、お金を借りるときに「万が一返済できなかった場合にはこれを使って返済します」として提供される資産や保証のことです。たとえば、住宅ローンでは購入する家そのものが担保となることが一般的で、返済できなければ金融機関はその家を売却して貸したお金を回収します。 投資の世界では、企業が社債を発行する際に自社の資産を担保に差し出すこともあります。担保があることで、貸す側にとってはリスクが下がるため、金利も低めに設定される傾向があります。逆に担保がない貸付(無担保)は、リスクが高いため金利も高めになります。担保の種類や価値は、投資や融資の安全性を判断するうえでとても重要な要素です。

フラット35

フラット35とは、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する、最長35年間の全期間固定金利型の住宅ローンです。最大の特徴は、借入時に決まった金利が返済終了まで変わらない点にあります。これにより、将来の金利上昇による返済額の増加リスクを回避することができ、長期の資金計画を立てやすくなるメリットがあります。 主にマイホームの新築・購入・リフォームに利用され、一定の技術基準や住宅性能(例:省エネ性、耐震性)を満たす住宅が対象です。また、所得制限がなく、自営業者やフリーランスの方にも利用しやすいローンとして知られています。金融機関ごとに取り扱い条件や金利は異なりますが、公的性格を持つ制度として、住宅取得支援の重要な選択肢となっています。

変動金利

変動金利とは、市場の金利動向に応じて一定の期間ごとに金利が見直される仕組みのことを指します。住宅ローンや投資信託の分野でよく使われ、金利が低下すれば支払い負担が軽くなる一方で、金利上昇時には支払額が増加するリスクがあります。短期的な金利低下が見込まれる場合に有利ですが、将来的な金利上昇に備えた資金計画が重要です。

全期間固定金利

全期間固定金利とは、住宅ローンなどの借入において、返済が終わるまでのすべての期間にわたって金利が変わらないタイプの金利のことです。契約時に決められた金利が、景気の変動や金融政策の影響を受けずに最後まで維持されるため、返済額がずっと一定で予測しやすいという特徴があります。 将来の金利上昇リスクを避けたい方や、家計の見通しを立てやすくしたい方に向いている選択肢です。ただし、一般的に変動金利よりも初期の金利は高めに設定されていることが多いため、長期的な視点で比較検討することが大切です。

固定期間選択型

固定期間選択型とは、住宅ローンにおいて、最初の一定期間(たとえば3年、5年、10年など)だけ金利を固定し、その期間が終了した後は変動金利に切り替わるタイプの金利プランのことです。 この方式では、最初の固定期間中は金利が変わらないため、家計の見通しを立てやすく、将来の金利上昇に対するリスクを一時的に抑えることができます。固定期間が終わると、その時点の金利状況や金融機関の方針に基づいて、新たな金利が適用されるため、返済額が増減する可能性があります。初めて住宅ローンを利用する人にとっては、固定と変動の両方のメリットを取り入れられる選択肢として人気がありますが、将来の金利変動や更新時の条件も考慮したうえで選ぶことが大切です。

短期プライムレート

短期プライムレートとは、銀行が企業などの信用力が高い優良な取引先に対して、1年未満の短期間でお金を貸すときに適用する最も優遇された金利のことです。この金利は、一般の人が預金などで受け取る金利よりも高くありませんが、企業向けの短期融資では基準となる重要な金利です。 日本では大手銀行がそれぞれ設定しており、日本銀行の政策金利の動きや市場金利の変動に応じて見直されることが一般的です。また、変動金利型の住宅ローンや投資用ローンでは、この短期プライムレートに一定の上乗せをした金利が適用されることもあるため、金利動向に敏感な投資家にとってはチェックしておくべき指標の一つです。

未払利息

未払利息とは、ローンや借入金などに対して発生しているものの、まだ実際には支払われていない利息のことです。たとえば、住宅ローンや投資用ローンなどでは、毎月の返済日までに利息が日々発生していきますが、その時点でまだ支払っていない分が未払利息として扱われます。 帳簿上ではすでに費用として計上されていても、現金としての支払いは後になるため、企業や個人の財務状況を把握するうえで重要な項目となります。また、返済が滞った場合には未払利息が積み重なり、元本とは別に負担が増すことがあるため、注意が必要です。資産運用や不動産投資においても、返済計画の見直しやキャッシュフロー管理を行う際に、未払利息の存在を正確に把握しておくことが大切です。

元利均等返済

元利均等返済とは、住宅ローンやその他のローンを返済する際に、元金(借りたお金)と利息を合わせた毎月の返済額を一定に保つ返済方法のことを指します。この方式では、返済開始当初は利息の占める割合が多く、時間の経過とともに元金の割合が増えていきます。 毎月の返済額が変わらないため、家計の計画が立てやすく、特に返済初期の負担を抑えたい方に向いている方法です。一方で、元金均等返済に比べると総支払利息は多くなる傾向がありますが、安定した返済を重視する人にとっては選ばれやすい返済プランです。

元金均等返済

元金均等返済とは、ローンの返済方法の一つで、借りた元金を返済期間で均等に分けて返していく方式のことを指します。毎回の返済額のうち元金部分は一定で、利息は残りの借入残高に応じて計算されるため、返済が進むにつれて利息部分が減り、毎月の返済総額も徐々に少なくなっていきます。 最初のうちは返済額が多く負担が大きいですが、時間の経過とともに負担が軽くなるのが特徴です。特に長期的に返済する住宅ローンなどで利用され、総返済額を抑えたい人に向いています。一方で、返済開始直後の負担が大きいため、資金計画をしっかり立てることが大切です。

繰り上げ返済

繰り上げ返済は、ローンや債務に対して予定された支払いスケジュールよりも早く、元本の一部または全部を返済することを指します。この方法は、住宅ローン、自動車ローン、学生ローンなど、さまざまなタイプの借入れに適用されることがあります。繰り上げ返済を行う主な目的は、支払う利息の総額を減らし、ローンの期間を短縮することです。 繰り上げ返済は、追加の資金が手に入った場合や、より良い投資先がない場合に特に有効です。早期に借入金を返済することで、将来の利息負担が減少し、長期的な財務的な余裕が生まれます。しかし、全てのローンが繰り上げ返済に対応しているわけではなく、場合によっては繰り上げ返済手数料が発生することもあります。この手数料は、金融機関が予定していた利息収入の一部を補填するために設定されることが多いです。 繰り上げ返済を検討する際には、手数料の有無、返済後の金融状況、その他の投資機会との比較など、様々な要因を考慮することが重要です。適切な計画と分析を行うことで、繰り上げ返済が個人の財務目標に合致するかどうかを判断することができます。

期間短縮型

期間短縮型とは、住宅ローンの繰上返済において、返済額はそのままにしながらローンの返済期間を短くする方法のことです。繰上返済によって元本の一部をまとめて返すことで、将来支払うはずだった利息が軽減され、結果として総返済額が減るという効果があります。 この方式は、利息負担を抑えつつ、できるだけ早くローンを完済したい人に向いています。もう一つの方法である「返済額軽減型」とは異なり、月々の返済額に変化はないものの、返済が終わる時期が早まるため、将来の家計の余裕や資金計画にも良い影響を与えることがあります。ただし、手元資金に余裕があることが前提であり、繰上返済を行うタイミングや金額によって、効果に差が出るため慎重に検討する必要があります。

返済額軽減型

返済額軽減型とは、住宅ローン控除の制度において、所得税や住民税から差し引ききれなかった控除額がある場合に、その一部を翌年度の住民税から控除するしくみのことです。 特に所得の水準がそれほど高くない人や、控除可能な額に対して納めている所得税が少ない人にとっては、控除の恩恵を最大限に受けるための手段となります。正式には「住宅借入金等特別控除における住民税からの控除」として制度化されており、年末の住宅ローン残高に応じて算出された控除額のうち、所得税で差し引けなかった分が住民税から差し引かれます。 税務署への確定申告後、翌年の住民税が自動的に減額されるしくみのため、追加の手続きは原則不要です。これにより、住宅ローン控除のメリットをより多くの人が享受できるようになっています。

借り換え

借り換えとは、すでに利用しているローンや借入金を、新たなローンで返済することをいいます。主な目的は、金利がより低いローンに乗り換えて利息の支払いを減らしたり、返済期間を延ばして月々の負担を軽くしたりすることです。 特に住宅ローンでは、金利が下がったタイミングで借り換えを行うことで、長期的に大きな節約につながる可能性があります。ただし、借り換えには手数料や手続きの負担がかかることもあるため、総合的に得になるかをしっかりと見極めることが大切です。

住宅ローン控除(住宅ローン減税/住宅借入金等特別控除)

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、個人が住宅ローンを利用してマイホームを購入・新築・増改築した際に、一定の条件を満たせば、ローン残高に応じた金額が所得税から控除される制度です。控除は年末時点の住宅ローン残高の一定割合を上限として行われ、最大で13年間にわたり税負担を軽減することができます。たとえば、毎年の住宅ローン残高が多いほど、控除される所得税の金額も大きくなる仕組みです。この制度は、住宅の取得を支援し、持ち家の普及を促す目的で設けられており、対象となる住宅の広さや取得時期、所得の上限など、細かな適用条件があります。確定申告を通じて手続きを行う必要があるため、住宅購入時には制度の内容をよく確認し、早めに準備することが大切です。

住宅借入金等特別控除

住宅借入金等特別控除とは、住宅ローンを利用してマイホームを購入・新築・増改築した人が、一定の条件を満たすことで、年末時点のローン残高の一部を所得税や住民税から控除できる制度のことです。 一般には「住宅ローン控除」とも呼ばれ、毎年の年末ローン残高に対して所定の割合をかけた金額が、その年の所得税から差し引かれます。控除しきれない分がある場合は、翌年の住民税からも一部が控除される仕組みです。 この制度は、住宅取得を支援し、家計の負担を軽減する目的で設けられており、一定期間にわたって節税効果が続く点が魅力です。適用には住宅の床面積やローンの種類、年収などの条件があるため、事前にしっかり確認することが重要です。

確定申告

確定申告とは、1月1日から12月31日までの所得を計算して翌年の2月16日から3月15日に申告し、納税する手続き。多くの会社では年末調整を経理部がしてくれるが、確定申告をすると年末調整では受けられない控除を受けることができる場合もある。確定申告をする必要がある人が確定申告をしないと加算税や延滞税が発生する。

年末調整

年末調整とは、会社員や公務員などの給与所得者が1年間に納めるべき所得税の額を、年末に雇用主が計算し直して精算する手続きのことです。通常、毎月の給与からあらかじめ見込みで所得税が源泉徴収されていますが、年末に実際の収入や各種控除(配偶者控除、扶養控除、保険料控除など)を反映させて正確な税額を算出し、過不足を調整します。 税金を払いすぎていた場合には還付され、足りなかった場合は追加で徴収されることがあります。年末調整によって、多くの給与所得者は確定申告をしなくても納税が完結する仕組みになっており、手間の軽減と課税の公平性を両立させる重要な制度です。ただし、自営業者や副業収入がある人、医療費控除や住宅ローン控除を受けたい人などは、年末調整だけでは対応できず、別途確定申告が必要になります。

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