ペアローンは後悔するからやめたほうが良いと言われましたがなぜですか?
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2025/09/05 09:02
男性
30代
住宅購入を検討している際に、金融機関からペアローンを勧められました。しかし、インターネットや知人から「ペアローンは後悔するからやめたほうが良い」という声を耳にしました。なぜペアローンは後悔につながるのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ペアローンは夫婦それぞれが住宅ローンを契約し、二人の収入を合算することで借入可能額を増やせる仕組みです。表面的には希望する物件を購入しやすくなるメリットがありますが、実際には注意すべき点が多く「後悔する」と言われやすい商品です。
まずリスクの一つは、返済負担が二重に発生することです。夫婦それぞれが独立した債務者になるため、一方が病気や失業で返済できなくなった場合、もう一方の生活に大きな負担がのしかかります。単独ローン+連帯保証と比べてもリスクが分散されない点が問題視されます。
次に注意すべきは、団体信用生命保険(団信)のカバー範囲です。通常、単独ローンでは契約者が亡くなった場合にローン残高がゼロになりますが、ペアローンでは片方が亡くなってももう一方のローンは残り続けます。その結果、遺された配偶者が返済を続けざるを得ないケースがあり、これが「後悔」に直結しやすい要因です。
また、住宅ローン控除の手続きが複雑になる点もデメリットです。ペアローンではそれぞれが別々に住宅ローン控除を申請する必要があり、年末調整や確定申告の煩雑さが増します。さらに、万一離婚となった場合、ローンの処理や不動産の名義整理が極めて難しくなる点も無視できません。
結論として、ペアローンは「借入額を増やせる」という短期的なメリットはあるものの、長期的には返済リスクやライフイベント時の不利益が大きく、慎重な検討が必要です。安易に選択すると、後悔につながる可能性が高いため、リスクとライフプランを十分考慮することが重要です。
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関連する専門用語
ペアローン
ペアローンとは、夫婦やカップルなどが、それぞれ個別に住宅ローンを組んで、同じ物件を共同で購入するために利用するローンの仕組みです。2人がそれぞれローン契約を結ぶため、借入可能額が大きくなり、希望する物件を購入しやすくなるというメリットがあります。 また、それぞれが住宅ローン控除を受けられる可能性があるため、節税面でも有利になることがあります。ただし、ローンの契約は個別に行われるため、どちらか一方が返済できなくなった場合には、もう一方に大きな負担がかかることがあります。ペアローンを利用する際は、将来のライフプランやリスクも含めて十分な話し合いが必要です。
連帯保証
連帯保証とは、借金などの債務を負っている人が返済できない場合に、代わりに支払う責任を負う保証の形の一つです。通常の保証と違い、連帯保証人は本人とまったく同じ立場で責任を負うため、本人に請求する前にいきなり連帯保証人に全額請求されることもあります。 そのため、連帯保証になるということは、実質的に自分の借金のようなリスクを負うことになります。親族や知人の頼みで安易に引き受けてしまうと、思わぬ経済的な負担を抱える可能性があるため、慎重な判断が必要です。
団体信用生命保険(団信)
団体信用生命保険とは、住宅ローンを組んだ人が亡くなったり高度障害になったりした場合に、その時点のローン残高が保険金で返済される保険です。多くの場合、住宅ローンを借りる際に金融機関が加入を条件とすることがあり、略して「団信(だんしん)」とも呼ばれます。 この保険に加入しておけば、万が一のことがあった際に遺族がローンを引き継ぐ必要がなくなり、家に住み続けることができるため、大きな安心材料になります。保障の範囲は、死亡や高度障害に限らず、がんや三大疾病、就業不能までカバーするタイプもあり、ライフスタイルに応じて選ぶことができます。
住宅ローン控除(住宅ローン減税/住宅借入金等特別控除)
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、個人が住宅ローンを利用してマイホームを購入・新築・増改築した際に、一定の条件を満たせば、ローン残高に応じた金額が所得税から控除される制度です。控除は年末時点の住宅ローン残高の一定割合を上限として行われ、最大で13年間にわたり税負担を軽減することができます。たとえば、毎年の住宅ローン残高が多いほど、控除される所得税の金額も大きくなる仕組みです。この制度は、住宅の取得を支援し、持ち家の普及を促す目的で設けられており、対象となる住宅の広さや取得時期、所得の上限など、細かな適用条件があります。確定申告を通じて手続きを行う必要があるため、住宅購入時には制度の内容をよく確認し、早めに準備することが大切です。
確定申告
確定申告とは、1月1日から12月31日までの所得を計算して翌年の2月16日から3月15日に申告し、納税する手続き。多くの会社では年末調整を経理部がしてくれるが、確定申告をすると年末調整では受けられない控除を受けることができる場合もある。確定申告をする必要がある人が確定申告をしないと加算税や延滞税が発生する。
名義
名義とは、財産や権利、契約などの「表向きの所有者や管理者として登録されている名前」のことを指します。たとえば、銀行口座や不動産、株式などが誰のものかを記録する際に使われるのがこの「名義」です。名義人が実際の所有者であるとは限らず、実際には別の人が管理や利益を得ている場合もあります。そのため、名義と実質的な所有者が異なるケースでは、税務上や法律上の問題が生じることもあります。資産運用の場面では、誰の名義で資産が保有されているかを正確に把握することが、税金対策や相続、贈与などを適切に行ううえで非常に重要です。