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熟年離婚する際の財産分与はどうなりますか?

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2025/09/05 09:02


男性

60代

question

熟年離婚を考える際、長年連れ添った夫婦の場合は結婚生活中に築いた財産が多岐にわたると思います。年金や退職金、不動産や預貯金なども対象になると聞きますが、具体的にどのように分与されるのでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

熟年離婚における財産分与は、夫婦が結婚期間中に協力して築いた財産を公平に分けることを目的としています。ここで大切なのは「誰の名義か」ではなく「婚姻中に形成された財産かどうか」です。たとえ片方の名義であっても、夫婦が協力して築いたものであれば分与の対象になります。

分与の対象となる主な財産には、預貯金、不動産、株式・投資信託、生命保険の解約返戻金、退職金(見込み額を含むこともある)、そして年金分割があります。特に熟年離婚では退職金や年金が大きな割合を占めるため、老後の生活設計に直結する重要な要素です。

一方で、結婚前から所有していた財産や、親からの相続・贈与による資産は「特有財産」とされ、原則として分与の対象にはなりません。ただし、特有財産を維持・管理するために夫婦で協力していた場合には、一定の考慮がなされる可能性もあります。

専業主婦の場合でも、家庭を支え、家事や育児に従事したこと自体が「寄与」とみなされます。そのため、収入がなかったとしても財産分与の権利は認められ、長年の無償労働も夫婦財産形成への貢献と評価されます。

さらに、年金分割制度により、婚姻期間中に夫が厚生年金に加入していた場合には、妻もその一部を分割して受け取れる仕組みがあります。特に熟年離婚では、この年金分割が老後の生活を支える重要な収入源となるケースが少なくありません。

したがって、熟年離婚の財産分与においては「対象財産の洗い出し」「特有財産の確認」「年金分割の適用範囲」の3点が大きなポイントです。将来の生活に直結するため、弁護士やファイナンシャルプランナーに相談し、シミュレーションを行って備えることが安心につながるでしょう。

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関連する専門用語

財産分与

財産分与とは、離婚に際して夫婦が結婚生活中に築いた共有財産を公平に分け合う手続きのことです。たとえば、現金、預貯金、不動産、自動車、退職金、年金分割などが対象となり、名義が夫婦どちらか一方になっている財産であっても、原則として共同で形成されたものであれば分与の対象となります。 財産分与には、単なる「清算的分与」だけでなく、離婚後の生活保障を目的とした「扶養的分与」、不貞行為などに対する「慰謝的分与」も含まれる場合があります。分与の方法は、当事者の話し合い(協議)によって決められますが、合意できない場合は家庭裁判所に調停や審判を申し立てることも可能です。財産分与は、離婚後の経済的安定や公正な清算のために重要な役割を果たす制度です。

熟年離婚

熟年離婚とは、結婚生活が長く続いた後に、中高年や定年を迎える時期に夫婦が離婚することをいいます。若い時期の離婚と異なり、長年積み上げてきた財産の分け方や年金の分割など、資産運用や老後の生活設計に大きな影響を及ぼす点が特徴です。 熟年離婚を考える際には、生活費や住居の確保だけでなく、退職金や年金、投資によって築かれた資産をどのように分けるかを理解しておくことがとても大切です。

特有財産

特有財産とは、夫婦の一方が個人的に所有している財産のことで、婚姻関係にあっても共有財産とは区別されるものを指します。具体的には、結婚前から所有していた資産や、婚姻中であっても相続や贈与によって得た財産などが特有財産にあたります。 たとえば、独身時代に購入した不動産や、親から相続した預金、贈与された車などは、結婚後もその人だけの財産として扱われ、原則として配偶者との共有にはなりません。離婚や相続の場面では、財産分与の対象にはならず、本人に帰属する財産として取り扱われます。 ただし、特有財産であっても、婚姻後にその資産をもとに新たな投資や改築などを行った場合には、共有財産との境界が不明確になることもあるため、資産の管理と記録が重要です。ライフプランや相続対策を考える上でも、特有財産を明確にしておくことが、将来的なトラブルを避けるポイントになります。

解約返戻金

解約返戻金とは、生命保険などの保険契約を途中で解約したときに、契約者が受け取ることができる払い戻し金のことをいいます。これは、これまでに支払ってきた保険料の一部が積み立てられていたものから、保険会社の手数料や運用実績などを差し引いた金額です。 契約からの経過年数が短いうちに解約すると、解約返戻金が少なかったり、まったく戻らなかったりすることもあるため、注意が必要です。一方で、長期間契約を続けた場合には、返戻金が支払った保険料を上回ることもあり、貯蓄性のある保険商品として活用されることもあります。資産運用やライフプランを考えるうえで、保険の解約によって現金化できる金額がいくらになるかを把握しておくことはとても大切です。

退職金

退職金とは、長年勤務した従業員が退職する際に企業から支給される一時金のことです。その金額は、勤務年数や役職、企業の規模や方針などによって決まり、退職後の生活を支える目的で支給されます。また、従業員にとっては将来への安心感を得るための制度であり、企業にとっては長年の貢献に対する感謝の意を示すとともに、円滑な人事の移行を促す役割も果たします。 退職金は、通常の給与とは異なり、特別な支払いとして扱われるため、税金の計算方法も異なります。一定の条件を満たすと税優遇措置が適用され、受け取る金額に対する税負担が軽減されることがあります。そのため、退職金を受け取る際には、税制や受け取り方法について事前に確認しておくことが大切です。 退職金の制度や金額の決め方は、企業の就業規則や雇用契約によって定められています。また、一括で受け取る方法と分割して受け取る方法があり、運用方法によっては老後の資産形成にも活用できます。退職金をどのように管理・運用するかは、将来の生活設計に大きく影響するため、計画的に活用することが重要です。

年金分割

年金分割とは、主に離婚時に夫婦の一方が受け取る厚生年金の記録(報酬比例部分)を、もう一方の配偶者と分け合う制度のことをいいます。専業主婦(または主夫)や収入の少なかった配偶者が、結婚中に働いていた配偶者の年金保険料に間接的に貢献していたことを考慮し、公平に将来の年金受給を調整する目的で設けられています。 この制度には主に2つのタイプがあります。 合意分割:夫婦双方の合意または裁判所の決定によって、婚姻期間中の厚生年金記録を最大で50%まで分割できる制度。 3号分割:2008年以降、配偶者が第3号被保険者(主に専業主婦・主夫)であった場合、自動的に50%を分割できる制度。 年金分割は「年金を現金で渡す」わけではなく、年金受給の基礎となる記録を分けるという制度です。そのため、実際に受け取れる金額は年金の受給開始時に反映されます。 老後の生活設計に大きく関わるため、離婚時の財産分与と並んで重要な話し合いの対象となります。特に長期間の婚姻関係があった場合、年金分割の有無が将来の生活に大きな差を生むことがあります。

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