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高配当株投資のメリットとデメリットは何ですか?

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2025/07/21 10:45


男性

60代

question

配当生活に憧れています。将来のことを考えても、配当による不労所得があると安心だなと思っており、高配当株を調べています。高配当株投資のメリットやデメリットにはどういうものがありますか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

高配当株投資の魅力は、何といっても安定した配当収入(インカムゲイン)を定期的に得られる点にあります。株式市場が不安定なときでも、一定の現金収入が得られることで心理的な支えとなり、配当を再投資することで資産形成のスピードを高める「複利効果」も期待できます。特に高配当株は、成熟した大企業や景気に左右されにくい安定業種に多く、比較的ボラティリティ(価格変動)が小さい傾向もあります。

さらに、物価が上昇しても企業が増配を続ければ、実質的な購買力を維持しやすく、インフレに強い資産としての側面もあります。また、国債などの債券に比べて配当利回りが高ければ、より高いキャッシュフローを得られる「債券代替」としての役割も果たします。

ただし注意すべき点も多くあります。まず、企業の業績が悪化すれば減配や無配に転じる可能性があり、安定収入を期待していたのに収入が途絶えるリスクがあります。また、表面的に配当利回りが高く見えても、株価が大きく下落した結果である場合、「高配当の罠」と呼ばれる状態に陥っている可能性もあります。そのため、単に利回りの高さだけで判断せず、配当の持続力(配当性向やフリーキャッシュフロー配当性向)、財務の健全性(自己資本比率やD/Eレシオ)、収益性(ROEやROIC)といった指標を複合的に確認する必要があります。

また、配当金には通常20.315%の税金がかかるため、受け取った配当の一部が手取りとして目減りします。特に海外株では為替変動や外国税額控除の制度により、実質的な利回りに影響が出ることもあります。非課税口座(新NISAなど)を活用することで、こうした税負担を軽減することが可能です。

加えて、高配当株は特定の業種(電力、通信、金融、資源など)に集中しがちです。これらの業種が同時に業績悪化に陥ると、ポートフォリオ全体の配当が不安定になります。そのため、業種・地域・通貨などを分散させて投資することもリスク管理の面で非常に重要です。

高配当株は、うまく運用すれば不労所得の柱として大きな安心感をもたらしてくれますが、配当だけに目を奪われず、企業の総合力と市場環境を見ながら慎重に選ぶ姿勢が求められます。

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高配当株

高配当株とは、企業が株主に支払う配当金の利回りが相対的に高い株式のことを指します。一般的に、配当利回り(1株当たりの年間配当金 ÷ 株価)が高い銘柄が高配当株とされ、安定したキャッシュフローを求める投資家に人気があります。特に、金融、エネルギー、インフラ関連など、景気の影響を受けにくい業種に多い傾向があります。 高配当株への投資は、定期的なインカムゲイン(配当収入)を得ることができるため、長期投資や老後資産形成にも適しています。ただし、企業の業績悪化や減配リスク、株価下落の可能性にも注意が必要です。配当だけでなく、企業の財務健全性や成長性を考慮しながら投資判断を行うことが重要です。

インカムゲイン(インカム)

インカムゲイン(インカム)とは、株式や債券、不動産などの資産を保有していることで定期的または継続的に得られる収益のことを指します。具体的には、株式の配当金、債券の利息、不動産の家賃収入などが代表的な例です。一方で、資産の売買差益から生まれるキャピタルゲインとは異なり、保有し続けることで一定のペースで収入を得る点が特徴です。 インカムゲインを重視する投資では、安定したキャッシュフローを得られることが大きな魅力となります。例えば、株式の配当金は企業の利益から支払われますが、企業の業績や配当方針に応じて増減があるため、定期的なチェックが必要です。債券の利息は発行体の信用力や金利情勢に大きく左右され、金利が上昇すると既存債券の価格が下落するリスクがあります。不動産投資では家賃収入がインカムゲインとなりますが、空室が続いたり修繕費がかさんだりするリスクがあるほか、売却時の価格も景気や立地に左右されるため、投資額の回収が遅れる可能性があります。 これらのリスクを考慮する一方で、インカムゲインには安定性というメリットがあります。資産を保有しているだけでも定期的に資金が手に入り、再投資や生活費に回すことで資産形成を円滑に進めやすい面があります。また、いざ急に資金が必要になった場合には、すぐに売却しなくても配当金や利息で一定の収入を得られる可能性があるため、心理的な安心感につながることもあります。 ただし、インカムゲインを得ようとするあまり、高配当や高利回りをうたう投資商品ばかりに偏ると、発行体の信用リスクや価格変動リスクが高まるケースも考えられます。特に、株式の配当は企業の業績が悪化すれば減配や無配となる恐れがあり、債券の場合でも発行体の破綻リスクや金利上昇リスクが存在します。不動産投資では物件管理の手間や費用が大きく、地方物件などでは買い手が少なく流動性リスクも高くなるため、分散投資の観点で他の資産とバランス良く組み合わせるのが望ましいでしょう。 総じて、インカムゲインは、投資から生まれる継続的な収益を得るための有力なアプローチです。特に、キャピタルゲインだけに頼らず、配当や利息、家賃収入などの定期的な収入源を得ることでリスクを分散しながら安定した資産運用を目指すことができます。ただし、投資対象の選定やリスク管理は欠かせないポイントであり、投資する資金やライフプラン、リスク許容度に応じて最適なバランスを見極める必要があります。

複利

複利とは、利息などの運用成果を元本に加え、その合計額を新たな元本として収益拡大を図る効果。利息が利息を生むメリットがあり、運用成果をその都度受け取る単利に比べ、高い収益を期待できるのが特徴。短期間では両者の差は小さいものの、期間が長くなるほどその差は大きくなる。

減配

減配とは、企業が前期より一株当たりの年間配当金を減額することで、主に業績悪化や設備投資・借入返済など資金需要の高まりを背景に、株主還元を抑制する方針を示すものです。 配当が減ると配当利回りは一時的に低下しがちで、市場では経営の先行きに対する警戒感から株価が下落するケースも少なくありません。もっとも、減配は必ずしも財務悪化だけを意味するわけではなく、大型M&Aや研究開発など長期的な成長投資を優先する際に選択されることもあります。 このため投資家は、削減後の配当額と利益水準との関係を示す配当性向やキャッシュフロー計画を確認し、減配が一時的な施策なのか、配当方針そのものの見直しなのかを見極める必要があります。また、無配転落や配当据え置きへの移行リスクも念頭に置きつつ、連続減配年数や将来の増配回復余地を企業の事業構造と資本政策の観点から総合的に判断することが重要です。

無配

無配とは、企業が株主に対して配当金を支払わないことを意味します。通常、企業は利益が出るとその一部を株主に配当金として還元しますが、業績不振や将来への投資を優先する場合などには、配当を出さないという選択をすることがあります。このような状態を「無配」と呼びます。 無配は、必ずしもその企業が危険というわけではなく、将来の成長に向けた資金確保を意図しているケースもあります。ただし、配当を目的に投資をしている人にとっては、無配企業への投資は収入を得にくいため注意が必要です。長期間にわたる無配が続く場合、投資家の信頼が下がることもあるため、無配の背景や企業の財務状況をしっかり確認することが大切です。

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