インデックス投資にはどんなリスクがありますか?
回答受付中
0
2025/02/03 19:58
男性
40代
インデックス投資は分散が効いているため比較的安全と聞きますが、それでもリスクはあると思います。具体的にどのようなリスクに注意すべきでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
インデックス投資で警戒すべきリスクは七つあります。第一は市場全体の下落リスクで、景気後退や金融危機が起きると指数そのものが下落し、分散の効果を超えて損失を被ります。第二は指数の構成バイアスです。時価総額加重指数は大型ハイテク株など特定セクターに偏りがちで、そこが不振になると指数全体が影響を受けます。第三は為替リスクで、海外株指数を円建てで買っても実質は外貨資産保有となり、円高進行で円換算リターンが目減りします。第四は金利変動リスクで、金利上昇は株価と債券価格の双方にマイナスとなり、特に長期成長株主体の指数に響きます。第五は追随誤差と運用コストで、信託報酬や売買コストが指数との乖離を生み、長期では複利効果を削ります。第六は流動性・取引停止リスクで、ETFの場合は市場急変時に基準価額と市場価格が乖離したり一時停止が起こる可能性があります。最後に行動リスクがあり、急落局面で感情的に売却すると理論上の長期リターンを逃してしまいます。
完全に回避はできませんが、国内外株式・債券・REITなど複数資産への分散、為替ヘッジ、定期的なリバランス、そして「長期・積立・低コスト」の三原則を守ることで影響を緩和できます。自分のリスク許容度と資金計画に合ったインデックス運用を粘り強く続けることが最善の対策です。
関連記事
関連質問
関連する専門用語
インデックス
インデックス(Index)は、市場の動きを把握するための重要な指標です。複数の銘柄を一定の基準で組み合わせることで、市場全体や特定分野の値動きを分かりやすく数値化しています。 代表的なものには、日本の株式市場を代表する日経平均株価やTOPIX、米国市場の代表格であるS&P500などがあります。これらのインデックスは、投資信託などの運用成果を評価する際の基準として広く活用されており、特にパッシブ運用(インデックス運用)では、この指標と同じような値動きを実現することを目標としています。
インデックスファンド
インデックスファンドとは、特定の株価指数(インデックス)と同じ動きを目指して運用される投資信託のことです。たとえば「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」などの市場全体の動きを示す指数に連動するように設計されています。この仕組みにより、個別の銘柄を選ぶ手間がなく、市場全体に分散投資ができるのが特徴です。また、運用の手間が少ないため、手数料が比較的安いことも魅力の一つです。投資初心者にとっては、安定した長期運用の第一歩として選びやすいファンドの一つです。
ETF(上場投資信託)
ETF(上場投資信託)とは、証券取引所で株式のように売買できる投資信託のことです。日経平均やS&P500といった株価指数、コモディティ(原油や金など)に連動するものが多く、1つのETFを買うだけで幅広い銘柄に分散投資できるのが特徴です。通常の投資信託に比べて手数料が低く、価格がリアルタイムで変動するため、売買のタイミングを柔軟に選べます。コストを抑えながら分散投資をしたい人や、長期運用を考えている投資家にとって便利な選択肢です。
リスク
リスクとは、資産運用において、期待している結果とは異なる結果が生じる可能性のことを指します。具体的には、投資による損失が発生するかもしれない不確実性を意味しますが、必ずしも悪い結果だけを指すわけではなく、期待以上の利益が出る可能性もリスクの一部とされます。リスクには、株価の変動、金利の変動、為替レートの変動などさまざまな種類があり、それぞれに応じた対策が求められます。資産運用を行う上では、自分がどの程度のリスクを受け入れられるかを理解し、それに応じた投資戦略を立てることが非常に重要です。
リスク分散
資産運用における「リスク分散」とは、簡単に言うと「一つのカゴにすべての卵を入れない」という考え方です。たとえば、資産を特定の株式や投資信託だけに集中させてしまうと、それが値下がりしたときに大きな損失を受ける可能性があります。 リスク分散は、このリスクを減らすために、異なる種類の投資商品や地域、産業に資金を分けて投資する方法です。これにより、一つの商品が値下がりしても、他の商品が値上がりすることで全体の損失を抑える効果が期待できます。たとえば、国内株式だけでなく、海外株式や債券など複数の商品に投資することで、安定した資産運用が目指せます。 「たくさんの場所に投資して安全ネットを張る」というイメージを持つとわかりやすいでしょう。
インデックス運用
インデックス運用は、市場全体の動きを示す指標(インデックス)に連動するように設計された運用手法です。例えば、日経平均株価やS&P500などのインデックスに基づき、同様の構成比率で資産を運用します。 市場全体に投資するためリスク分散が図りやすく、運用コストが低いのが特徴です。一方で、大きな利益を狙うというよりも、市場平均と同程度のリターンを目指す保守的な運用スタイルです。