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個人事業主は雇用保険と労災保険に加入できますか?
回答済み
1
2025/10/27 09:46
男性
40代
個人事業主として働く場合、会社員のように自動的に雇用保険や労災保険に加入できるのか疑問です。自分で保険料を払って加入する方法があるのか、あるいは特別な手続きが必要なのかを知りたいです。また、業務中のけがや仕事が減った場合にどのような保障が受けられるのかも気になります。
回答をひとことでまとめると...
個人事業主は雇用保険に加入できませんが、労災保険は特別加入で補償を受けられます。仕事減少時は求職者支援制度などの活用が可能です。
佐々木 辰
38歳
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
個人事業主は、会社員のように自動的に雇用保険や労災保険に加入することはできません。雇用保険はあくまで「労働者を守る制度」であり、事業主本人は対象外です。従業員を雇っている場合は、従業員についてのみ雇用保険に加入させる必要があります。一方で、自分自身を守る手段としては「労災保険の特別加入制度」を利用することができます。
労災保険の特別加入とは、一人親方や中小事業主などが任意で加入できる制度です。業務中や通勤中にけがをした場合、治療費が全額補償されるほか、休業中の所得補償として給付基礎日額の60%に加えて特別支給金20%、合計で実質8割程度が支給されます。また、後遺障害が残った場合や死亡した場合には、障害年金や遺族給付も受けられます。
特別加入をするには、労働保険事務組合や特別加入団体を通じて手続きを行います。自分の区分(一人親方、中小事業主など)を確認し、給付基礎日額を選んで申請します。給付基礎日額は保障と保険料の基準になるため、休業したときに必要な生活費から逆算して設定するとよいでしょう。保険料はこの基礎日額と業種ごとの料率で決まります。
仕事が減った場合、個人事業主本人は雇用保険の失業給付を受けることはできません。ただし、廃業したり再就職を目指す場合には、求職者支援制度を利用できる可能性があります。この制度では職業訓練を受けながら給付金を受け取ることができ、再出発を支援してくれます。また、事業を続ける場合には、公的融資や自治体の支援策などを活用するのが現実的です。
一方で、業務外の病気やけがによる休業には、国民健康保険では原則として傷病手当金がありません。民間の就業不能保険や所得補償保険などでカバーしておくことが安心です。老後や廃業に備えては、小規模企業共済(掛金全額所得控除)やiDeCo、国民年金基金などの制度を併用するのが有効です。
まとめると、個人事業主は会社員とは異なり、自ら必要な保障を選び取る姿勢が求められます。雇用保険の対象外でも、労災保険特別加入で業務災害への備えが可能ですし、仕事減少時や将来に向けて利用できる制度も複数あります。まずは自分の働き方に合った制度を確認し、リスクに応じた補償を確保することが大切です。
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“個人事業主が法人化を検討すべきタイミングを教えてください。”
A. 課税所得が900万〜1,200万円を超え、今後も事業拡大が見込まれるなら法人化を検討すべきです。税負担軽減に加え、信用力向上や取引の円滑化などの実務的メリットも得られます。
2025.10.27
“個人事業主として独立するとき、事業計画書の作成は必要ですか?”
A. 事業計画書は法的には不要ですが、融資や補助金申請、将来の資金管理のために作成しておくと有効です。開業届だけでは不十分です。
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“フリーランスが扶養内で働く場合の注意点はありますか?”
A. フリーランスが扶養内で働くには、所得基準を守り経費計上や申告を適切に行い、社会保険料負担も見据えて収入管理することが重要です。
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“個人事業主でも扶養に入れますか?”
A. 個人事業主でも条件を満たせば扶養に入れます。税法上は所得48万円以下、健康保険は収入130万円未満が目安です。
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“個人事業主の国民健康保険料は年収いくらでどのくらいかかりますか?計算方法や上限額も知りたいです。”
A. 国民健康保険料は、所得と加入人数によって決まり、自治体ごとに料率が異なります。扶養の概念はなく、家族が多いほど保険料は増えます。
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“個人事業主が納めた年金保険料は、経費になりますか?”
A. 個人事業主が自分のために支払う年金保険料は経費にはなりません。確定申告では「所得控除」として扱います。
関連する専門用語
雇用保険
雇用保険とは、労働者が失業した際に一定期間、給付金を受け取ることができる公的保険制度です。日本では、労働者と事業主がそれぞれ保険料を負担しており、失業給付だけでなく、教育訓練給付や育児休業給付なども提供されます。 この制度は、収入が途絶えた際の生活資金を一定期間補う役割を果たし、資産の取り崩しを抑えるという意味でも、資産運用と補完的な関係にあります。雇用の安定を図るとともに、労働市場のセーフティネットとして重要な位置を占めています。
労災保険
労災保険とは、働いている人が仕事中や通勤中にけがをしたり、病気になったり、あるいは亡くなってしまった場合に、その人や遺族を金銭的に支援するための公的保険制度です。正式には「労働者災害補償保険」といい、すべての労働者が対象となります。保険料は事業主(雇用主)が全額負担し、労働者自身が支払うことはありません。 治療費の補償だけでなく、働けない期間の生活費を支える給付や、障害が残った場合の補償、遺族への年金など多くの給付内容が含まれています。資産運用の視点から見ると、万が一の事態に備えるセーフティネットとして、この制度を理解しておくことが安心につながります。
労災保険の特別加入
労災保険の特別加入とは、原則として労働者を対象とする労働者災害補償保険(労災保険)に、事業主や個人事業主、一人親方、フリーランスなどの「労働者ではない人」が自ら希望して加入できる制度のことです。通常、労災保険は雇用契約に基づいて働く労働者が対象ですが、特別加入制度を利用すれば、自分で仕事を請け負う立場の人も業務中や通勤中の事故によるケガ・病気・死亡に対して補償を受けることができます。 加入するには、所属する業種ごとに設けられた「労働保険事務組合」を通じて手続きを行う必要があります。特別加入者は、保険料を自己負担しつつも、労働者と同様の補償を受けられるため、建設業の一人親方や個人タクシー運転手、フリーランスのデザイナーなど、幅広い職種で利用されています。この制度は、個人で働く人の安全と生活を守るために設けられた重要な社会保障の仕組みです。
給付基礎日額
給付基礎日額とは、雇用保険などの各種給付金を計算する際の基準となる1日あたりの金額のことです。主に、失業給付(基本手当)をはじめ、育児休業給付や傷病手当金などの支給額を決める際に使われます。計算の基本は、退職前の賃金(給与)の総額を基にして算出され、原則として離職前6か月間の賃金総額を180で割った金額が「給付基礎日額」となります。 この金額に一定の給付率をかけて、実際に支給される給付金額(1日あたりの支給額)が決まります。なお、給付基礎日額には上限と下限が設けられており、高収入者でも給付額が一定以上にならないよう調整されています。給付基礎日額は、個人の収入実態を反映しつつ、生活の安定を支援するための公正な基準として設けられています。
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求職者支援制度とは、雇用保険を受給できない求職者に対して、職業訓練と生活支援を行う国の公的制度のことです。主に、離職後に雇用保険の受給資格がない人や、自営業の廃業などで職を失った人が対象となります。この制度では、無料で職業訓練を受けながら、一定の条件を満たす場合に「職業訓練受講給付金」という生活費の支援が受けられます。 訓練は、パソコンスキルや経理、介護、プログラミングなど、就職に役立つ実践的な内容で構成されています。利用には、ハローワークでの相談・申請が必要で、就職意欲や出席状況などが給付の条件とされています。求職者支援制度は、再就職を目指す人がスキルを身につけ、安定した職業に就くことを後押しする仕組みとして、多くの人に活用されています。
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小規模企業共済とは、中小企業の経営者や役員、個人事業主の方のための退職金制度です。「小規模企業」という文言が含まれているとおり、一定の要件を満たす中小企業や個人事業主が対象です。 小規模企業共済制度は、独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)が運営している「小規模企業共済法」という法令に基づいた共済制度です。 掛金は全額所得控除され、加入者は事業資金の借入れも可能です。 加入資格は、従業員が20人以下(商業・サービス業では5人以下)の個人事業主や会社役員などです。ただし、兼業で会社員をしているなど、給与所得を得ている場合は加入資格がないため注意が必要です。
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