特買い・特売りといった特別気配はどのような状態ですか?
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2025/08/15 08:42
男性
30代
株式取引のニュースで「特買い」や「特売り」、「特別気配」という言葉をよく見かけます。これらはどのような状態なのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
「特買い・特売り」と呼ばれる特別気配は、売りや買いの注文が一方向に大きく偏り、直前の約定値段から大きく離れた“飛び値”で次の取引が成立しそうなときに表示されます。取引所は価格の連続性を守るため、即時約定をいったん止め、反対方向の注文を呼び込むための目安価格(気配)を掲示します。買いが大きく優勢なら「特別買気配(特買い)」、売りが優勢なら「特別売気配(特売り)」と呼ばれます。
東証では、直前の価格から一定幅(「気配の更新値幅」)を超える水準で約定しそうな場合、更新値幅の範囲内で特別気配を出します。例えば直前値が1,000円で、次の約定見込みが1,050円、更新値幅が30円なら、まず1,030円に買特別気配を出して「この近辺で売り注文はありませんか」と市場に呼びかけます。約定が成立しなければ、おおむね3分ごとに気配値を更新し、成立可能な水準まで段階的に近づけます。
特別気配は急激な価格変動を抑え、価格の連続性を保つための制度です。似たような表示には「注意気配」と「連続約定気配」があります。注意気配は直前値から一定幅以上乖離した注文が出たときに表示される軽い段階の注意喚起で、連続約定気配は約定を伴いながら短時間で価格が大きく動きそうなときに表示されます。連続約定気配は原則1分間反対注文を呼び込み、それでも足りなければ特別気配に移行します。
投資家にとっては、特別気配が出ると約定まで時間がかかり、特に寄り付き直後やニュース流入時に出やすいことを理解しておく必要があります。成行注文だと思わぬ価格で約定することがあるため、指値注文で管理するのが基本です。また、特別気配は需給が一方向に大きく傾いているサインでもあり、解除直後は値動きが荒くなりやすいので、板の厚さや更新のペースを確認するとよいでしょう。
さらに、特別気配はその日の制限値幅の範囲内で更新されます。制限値幅いっぱいでも反対注文が集まらない場合は、長時間寄り付かないこともあります。このため、特別気配は単なる一時的な売買停止ではなく、市場全体の安定を守るための重要な仕組みといえます。
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特別気配
特別気配とは、株式市場で通常の取引が成立しないほど注文が一方に偏っているときに表示される特別な価格情報のことです。たとえば、買い注文が非常に多くて売り注文が少ない、またはその逆の状態になると、取引所は「特別気配」としてその銘柄の板情報に目立つ形で表示します。 この制度は、急激な値動きが起きないように投資家に状況を知らせ、冷静に注文を出す時間を与えるために導入されています。特別気配が出ると、その間は取引が一時停止され、注文が整理されるまで売買が成立しません。市場の需給バランスが崩れた際によく見られる現象で、上場廃止や業績修正、経営統合のニュースなどが原因になることがあります。
特別売気配(特売り)
特別売気配(特売り)とは、株式市場で寄付き前や取引中に売り注文が買い注文を大きく上回り、通常の値幅で取引を開始できない場合に、取引所が一時的に売買を停止して新しい基準値段を提示する状態のことです。 この措置は急激な価格下落を防ぎ、需給を徐々に均衡させるために行われます。特売りの状態では「特別気配」として板情報に表示され、指定された基準値段より安い価格で売りたい注文が多く集まっていることを意味します。悪材料の発表や需給の急変が原因で発生することが多く、寄付き後には株価が大きく下落する可能性があります。
特別買気配(特買い)
特別買気配(特買い)とは、株式市場で寄付き前や取引中に買い注文が売り注文を大きく上回り、通常の値幅で取引を開始できない場合に、取引所が一時的に売買を停止して新しい基準値段を提示する状態のことです。 この措置は、急激な価格変動を抑えつつ需給のバランスを取るために行われます。特買いの状態では「特別気配」として板情報に表示され、指定された基準値段より高い価格で買いたい注文が多く集まっていることを意味します。好材料の発表や需給の急変が原因となることが多く、寄付き後に大きく株価が動く可能性があります。
注意気配
注意気配とは、株式市場で寄付き前や取引中に、注文が一方に大きく偏って通常の値幅では取引が成立しにくいと取引所が判断した場合に表示される状態のことです。特別買気配や特別売気配の前段階として使われることが多く、価格の急変が予想される際に投資家へ注意を促す役割があります。 注意気配が表示されると、取引所は直ちに売買を停止するわけではなく、板情報に注意喚起を行い、需給のバランスが整うかどうかを見極めます。資産運用の実務では、この表示が出た時点で材料やニュースを確認し、取引リスクを再評価することが重要です。
連続約定気配
連続約定気配とは、株式市場で短時間に大量の売買が成立し、価格が急激に変動している状況を示す気配のことです。主に大口注文や重要なニュースの発表をきっかけに発生し、株価が一方向に大きく動く際に見られます。 取引所はこの状態を板情報で表示し、投資家に対して価格変動の激しさや売買集中を知らせます。連続約定気配が続くと、一時的に売買停止(トレーディング・ハルト)が行われることもあります。資産運用の現場では、この表示が出た場合、急変動の背景やリスクを速やかに確認することが重要です。