テクニカル分析とは何か、基本の指標と売買判断の使い方を知りたいです。
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2025/06/30 10:25
男性
40代
株式投資では、売買のタイミングを判断する方法の一つとして「テクニカル分析」という手法があると聞きました。これは株価チャートを使って今後の値動きを予測する方法のようですが、そもそもテクニカル分析とは何なのか、どんな考え方に基づいているのかがよく分かりません。また、どのような指標を見れば「買い時」や「売り時」の判断に使えるのかも知りたいです。初心者にもわかるように、基本的な仕組みや指標の見方を教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
テクニカル分析とは、株価や出来高など過去の市場データをもとに、将来の値動きを予測する手法です。株式市場では多くの投資家が似た情報に基づいて行動するため、過去の価格パターンやチャートの動きに一定の傾向が現れると考えられています。ファンダメンタル分析(企業業績や経済指標をもとに価値を見極める手法)とは異なり、企業の中身ではなく市場の動きそのものに注目するのが特徴です。
テクニカル分析では、主に2種類の指標が使われます。「トレンド系指標」は株価の方向性(上昇か下降か)を判断し、「オシレーター系指標」は相場が過熱していないか(買われすぎ・売られすぎ)を見極めます。以下に、初心者でも使いやすい代表的な指標をまとめます。
テクニカル指標の分類と特徴
種類 | 指標名 | 主な役割 | 買い・売りの判断目安 |
---|---|---|---|
トレンド系 | 移動平均線(MA) | 株価の流れを滑らかにし、方向を示す | 短期線が長期線を上抜け:買い(ゴールデンクロス) |
短期線が下抜け:売り(デッドクロス) | |||
トレンド系 | MACD | 価格の勢いと方向の変化を示す | MACDがシグナルを上抜け:買い |
下抜け:売り | |||
オシレーター系 | RSI | 過去の値動きから相場の強さを測る | 70以上:買われすぎ(売りシグナル) |
30以下:売られすぎ(買いシグナル) | |||
オシレーター系 | RCI | 株価と時間の順位相関で勢いを測る | 上限・下限に達すると反転の可能性あり |
これらの指標は単独で使うのではなく、複数を組み合わせて使うと信頼性が高まります。また、テクニカル分析は「確実な予測」ではなく「傾向の読み取り」による参考材料であるため、リスク管理を意識した運用が大切です。初めは過去のチャートを見ながら練習し、徐々に判断力を身につけていくと良いでしょう。
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テクニカル分析
テクニカル分析とは、過去の株価や出来高などの市場データをもとに、今後の値動きを予測しようとする投資手法のことです。ニュースや企業の業績などの情報を重視する「ファンダメンタル分析」とは異なり、チャートや数値パターンに注目して売買のタイミングを見極めます。 たとえば、移動平均線やローソク足、RSIやMACDといった指標がよく使われます。テクニカル分析は、短期的な売買やタイミング投資に強みがあり、特にデイトレードやスイングトレードを行う投資家に重宝されています。ただし、未来の値動きを確実に当てられるわけではないため、リスク管理や他の情報との併用が重要です。資産運用を始めるうえで、チャートを読む力は判断材料のひとつとして有用なスキルです。
ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ分析は、株価の元になる「企業そのものの実力」と「経済環境」を数字と質の両面から評価し、適正株価や将来性を見極める方法です。 手順は大きく三つあります。第一にマクロ分析で景気、金利、為替など外部環境を確認します。第二に業界分析で需要構造や競合の強さを把握し、最後に個別企業を定量・定性の両面から調べます。 定量面では売上成長率、営業利益率、自己資本比率、EPS、フリーキャッシュフロー(FCF)などの実績データを、割安度の目安としてはPERやPBR、収益効率を測るROEを使います。 定性面ではビジネスモデル、シェア、経営陣の実行力、ESG姿勢など数字に表れにくい要素をチェックします。同業他社と比べて指標が優れているか、将来の利益成長を支える強みがあるかを確認できれば、株価が一時的に下がっていても「本質的価値に対し割安」と判断できます。ただし決算が粉飾されていたり、外部ショックで業績が急変したりすると見通しは外れるため、四半期ごとの決算更新やニュースで仮説を検証し続けることが欠かせません。 短期的な売買ポイントはチャートや出来高で補い、ファンダメンタルズ分析は中長期の銘柄選定に活用するのが基本です。
移動平均線
移動平均線とは、株価や為替レートなどの価格の動きを滑らかにして、相場のトレンド(方向性)をわかりやすくするための線のことをいいます。 たとえば、ある株の過去5日間の終値を毎日平均して、その平均値を線でつないでいくと「5日移動平均線」ができます。これにより、日々の細かい値動きに左右されず、価格の流れや傾向をつかみやすくなります。 投資の世界では、短期(例:5日)、中期(例:25日)、長期(例:75日や200日)といったさまざまな期間の移動平均線が使われ、それぞれが売買のタイミングを見極める目安とされます。特に初心者でも視覚的にトレンドを把握しやすいため、テクニカル分析の基本として広く利用されています。
MACD(マックディー)
MACD(マックディー)とは、株価や為替などの値動きに基づいて、売買のタイミングを見極めるために使われるテクニカル分析の指標のひとつです。日本語では「移動平均収束拡散法」とも呼ばれますが、実際には「マックディー」という名前で広く使われています。 これは、2本の移動平均線の差から計算されるラインと、その平均線からなるチャート上の指標で、両者の交差や傾きから相場の流れを読むことができます。MACDがシグナル線を上に抜けると「買いサイン」、下に抜けると「売りサイン」とされることが多く、視覚的にもわかりやすいため、多くの投資家が売買判断の補助として活用しています。ただし、あくまで過去のデータに基づいた分析であるため、他の指標と組み合わせて使うのが一般的です。
RSI(アールエスアイ)
RSIとは、株価や為替などの金融商品の値動きから、その銘柄が「買われすぎ」か「売られすぎ」かを判断するためのテクニカル分析指標のひとつです。一定期間の値上がり幅と値下がり幅を比べて数値化し、0%から100%の間で表示されます。 一般的には、RSIが70%を超えると「買われすぎ」、30%を下回ると「売られすぎ」とされ、相場が反転する可能性のあるタイミングを探るヒントになります。RSIは主に短期的な値動きに注目する投資家に好まれており、シンプルで直感的に理解しやすいのが特徴です。ただし、強いトレンドが出ている場面では必ずしも機能しないこともあるため、他の指標と組み合わせて使うことが一般的です。
オシレーター系指標
オシレーター系指標とは、株価や為替レートなどの金融商品の価格が「買われすぎ」や「売られすぎ」の状態にあるかどうかを判断するために使われるテクニカル分析の指標の一種です。これらの指標は、一定の範囲内(たとえば0~100)で数値が上下に振れるように設計されており、その動きが振り子(オシレーター)のように見えることからこの名前がついています。 たとえば、数値が高すぎれば「買われすぎ」とされ、価格が下がる可能性が示唆されます。逆に、数値が低すぎれば「売られすぎ」と判断され、反発が期待されることがあります。代表的なオシレーター系指標には、RSI(相対力指数)やストキャスティクス、RCIなどがあり、短期的な売買タイミングを判断する際に用いられます。