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株式投資とは?仕組みと始め方5ステップ・いくらから買えるかをわかりやすく解説
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執筆者:
公開:
2025.06.30
更新:
2026.09.01
NISAの普及をきっかけに株式投資へ関心を持っても、「いくら必要なのか」「損をして生活に影響しないか」「何から始めればよいのか」が分からず、行動できない人は少なくありません。株式投資は仕組みとリスクを理解し、余裕資金で始めることが重要です。この記事では、株式投資の基本から必要資金、口座開設、銘柄選び、購入方法、リスク管理、税金やNISAまで、初心者が実際に投資を始めるための流れを具体的に解説します。
株式投資とは?企業の株主になって利益を得る仕組み
株式投資とは、株式会社が発行する「株式」を売買して利益を狙う投資です。株式とは、企業が事業資金を集めるために発行する有価証券で、その正体は企業の所有権を細かく分けたものです。
企業は株式を発行することで返済不要の資金を得られ、投資家は株主としてその企業の一部を所有します。株主になると、経営に参加する権利(議決権)、利益の分配を受ける権利(配当)などが与えられます。株式投資とは、株主として企業の成長に参加し、株価の値上がりや配当などを通じて、その成果を受け取ることを目指す投資です。
株式投資で得られる3つの利益
株式投資のリターンは、大きく3種類あります。
| 利益の種類 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 値上がり益(キャピタルゲイン) | 買った価格より高く売ったときの差額 | 大きな利益を狙える半面、値下がりすれば損失(キャピタルロス)になる |
| 配当金(インカムゲイン) | 企業が利益の一部を株主に分配するお金 | 保有しているだけで年1〜2回受け取れる。業績次第で減配もある |
| 株主優待 | 自社製品や優待券などの現物サービス | 日本独特の制度。実施企業や条件は企業ごとに異なる |
たとえば100万円で買った株が120万円になって売却すれば20万円の値上がり益、保有中に受け取る配当が年2万円なら、その分がインカムゲインです。初心者は値上がり益ばかりに目が向きがちですが、配当を受け取りながら長く持つ戦略のほうが、日々の値動きに振り回されずに続けやすくなります。
- インカムゲインは長期保有による安定収入をもたらし、キャピタルゲインは売買タイミング次第で大きな利益を狙える点が特徴です。配当を重視する投資と値上がり益を重視する投資では、収益の得方や確認すべきポイントが異なります。いずれの場合も、株価下落や減配などのリスクがあることを理解しておきましょう。
インカムゲインとキャピタルゲインについてく詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
個人株主は延べ9,198万人|株式投資はもはや特別ではない
株式投資は、いまや幅広い層に広がっています。日本取引所グループなどの調査によると、2025年度末(2026年3月末)の上場会社の個人株主数は延べ9,198万人で、前年度から839万人増加し、12年連続で過去最高を更新しました。
この数字は「1人が10銘柄持てば10人分」と数える延べ人数です。証券保管振替機構の統計で重複を除いた実際の個人株主数は約1,677万人で、こちらも前年度の約1,599万人から増えています。NISAの普及を追い風に、若い世代を含めて株主のすそ野が広がっているのが実情です。
- 株主は会社の成長による利益の一部を享受でき、株価の値上がり益も得られます。このように株式は企業と投資家を結ぶ橋渡しであり、企業は返済不要の資金を獲得し、投資家は企業の成長に参加する機会を得るのです。
出典:日本取引所グループ「2025年度株式分布状況調査の調査結果について」
株式投資はいくらから始められる?1株なら数百円から
株式投資に必要な金額は、買い方によって大きく変わります。通常の売買では10万〜50万円程度が必要ですが、1株単位で買えるサービスを使えば数百円から始められます。
通常は100株単位(単元株)|株価×100が必要
日本の株式市場では、売買の最低単位が原則100株に統一されています。この100株を「1単元」と呼びます。つまり必要な金額は「株価×100株」です。
| 株価 | 100株の購入金額 | 1株の購入金額 |
|---|---|---|
| 500円 | 5万円 | 500円 |
| 1,500円 | 15万円 | 1,500円 |
| 3,000円 | 30万円 | 3,000円 |
| 8,000円 | 80万円 | 8,000円 |
有名企業には株価が数千円の銘柄も多く、100株買うとなると数十万円が必要です。これが「株式投資はお金がかかる」と言われてきた理由でした。
単元未満株なら1株から買える|主要ネット証券のサービス
現在は、100株未満で売買できる「単元未満株」のサービスが普及しています。SBI証券の「S株」、楽天証券の「かぶミニ」、マネックス証券の「ワン株」などが代表例で、いずれも1株から購入可能です。株価1,500円の銘柄なら1,500円で株主になれます。
買付手数料を無料としている証券会社も多く、少額で複数の企業に分散することも容易です。ただし、リアルタイムでの売買ができない場合がある、議決権が得られない、株主優待の対象外になることが多いといった制約もあります。まずは単元未満株で経験を積み、慣れてから単元株に進むのが現実的な進め方です。
NISAなら投資による利益を非課税にできる
金額の話とあわせて押さえたいのがNISAです。通常、課税口座で上場株式から得た利益には税金がかかりますが、NISA口座で購入した株式の値上がり益は非課税です。国内上場株式の配当をNISAで非課税にするには、受取方法を「株式数比例配分方式」に設定する必要があります。
NISAの年間投資枠は、成長投資枠240万円とつみたて投資枠120万円の合計360万円です。非課税保有限度額は全体で1,800万円ですが、個別株を購入できる成長投資枠はそのうち1,200万円が上限です。売却した商品の取得額分は、翌年以降に非課税保有限度額を再利用できます。
NISA制度については、こちらの記事も参考にしてみてください。
株式投資の始め方5ステップ|口座開設から購入まで
株式投資は、次の5ステップで始められます。証券会社によっては、口座開設の申し込みから取引開始まで最短で翌営業日程度です。
| ステップ | やること | ポイント |
|---|---|---|
| ①証券会社を選ぶ | ネット証券か対面証券かを決める | コスト重視ならネット証券。相談したいなら対面証券やIFA |
| ②口座を開設する | 本人確認書類とマイナンバーを提出 | 「特定口座(源泉徴収あり)」とNISA口座を同時に申し込む |
| ③入金する | 証券口座へ資金を移す | 生活防衛資金を除いた余裕資金で。まずは少額から |
| ④銘柄を選ぶ | 投資する企業を決める | 身近な企業+業績・割安度・配当をチェック |
| ⑤注文して購入する | 株数と注文方法を指定して発注 | 初心者は価格を指定する「指値注文」が安心 |
ステップ1:証券会社を選ぶ
証券会社は「ネット証券」と「対面(店舗型)証券」に分かれます。ネット証券は手数料が安く、国内株式の売買手数料を無料にしている会社もあります。スマートフォンで24時間注文でき、少額から始めたい初心者に向いています。
対面証券は担当者に相談しながら進められる半面、手数料は高めです。「自分で調べて判断したいならネット証券、伴走してほしいなら対面証券やIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」という基準で選びましょう。
ステップ2:口座を開設する|「特定口座(源泉徴収あり)」を選ぶ
口座開設には、マイナンバー確認書類と本人確認書類が必要です。スマートフォンで撮影して提出すれば、最短で翌営業日には取引を始められます。
申し込み時に迷いやすいのが口座の種類です。結論として、初心者は「特定口座(源泉徴収あり)」を選べば問題ありません。証券会社が利益を集計し、税金の納付まで代行してくれるため、原則として確定申告が不要になるからです。「一般口座」は自分で取引を集計する必要があり、手間が大きくなります。あわせてNISA口座も同時に申し込んでおきましょう。
| 口座の種類 | 税金の扱い | 向いている人 |
|---|---|---|
| 特定口座(源泉徴収あり) | 証券会社が自動で計算・納付。確定申告は原則不要 | 初心者・会社員(最もおすすめ) |
| 特定口座(源泉徴収なし) | 年間取引報告書をもとに自分で申告 | 他社との損益通算をしたい人 |
| 一般口座 | 取引の集計から申告まですべて自分で行う | 特別な事情がある人(初心者は避ける) |
| NISA口座 | 利益・配当が非課税 | 長期で資産形成したい人(併用推奨) |
ステップ3:入金する
口座が開設できたら、銀行から証券口座へ入金します。ネット証券なら提携銀行からの即時入金サービスが使え、手数料無料で即座に反映されるのが一般的です。投資に回すのは、生活費や近く使う予定のお金を除いた余裕資金にとどめましょう。
ステップ4:銘柄を選ぶ
次に、どの企業の株を買うかを決めます。最初は自分がよく知っている企業、普段使っている商品やサービスの会社から候補を挙げると、事業内容を理解しやすくなります。選び方の具体的な視点は次章で解説します。
ステップ5:注文して購入する|取引時間は15時30分まで
銘柄が決まったら、株数と価格を指定して注文します。注文方法には、価格を指定せず「いくらでもよいから買う」成行注文と、「1,500円以下なら買う」と価格を指定する指値注文があります。初心者は、想定外の高値で約定するのを防げる指値注文が安心です。
東京証券取引所の取引時間は、平日の9時から11時30分(前場)と、12時30分から15時30分(後場)です。2024年11月5日から取引終了時刻が15時00分から15時30分に延長され、あわせて15時25分から5分間、注文を受け付けて最後に約定させる「クロージング・オークション」が導入されました。
東証の立会時間外は東証では約定しません。時間外に注文を出せるか、当日または翌営業日のどちらの注文として扱われるかは、証券会社や注文方法によって異なります。
初心者向け・銘柄の選び方4つの視点
銘柄選びで大切なのは、値動きの予想よりも「この会社は何で稼いでいて、その稼ぎは続きそうか」を理解することです。初心者が最初に見るべき4つの視点を紹介します。
銘柄選びの視点
- 事業内容を説明できるか:自分が商品やサービスを知っている企業から選ぶ。何で利益を出しているか説明できない会社には投資しない
- 業績が伸びているか:売上高と利益が数年にわたって増えているかを確認する。増収増益が続く企業は成長企業と判断しやすい
- 株価が割高すぎないか:PER(株価収益率=株価÷1株あたり利益)を、同業他社やその企業の過去の水準などと比較する。PERの適正水準は業種や成長性、市場環境によって異なる
- 配当や株主優待があるか:利回りだけでなく、業績や配当性向、減配リスクもあわせて確認する
これらの情報は、証券会社のアプリや『会社四季報』で確認できます。四季報には業績予想や記者のコメントが1社ずつまとまっており、「新製品がヒットし業績上振れ」「原材料高で利益圧迫」といった一言から、企業の追い風と逆風を読み取れます。
会社四季報の使い方や読み方についてくわしく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
株式投資のリスクと失敗を避ける4つのコツ
株式投資には元本保証がありません。企業の業績悪化や景気後退で株価が下がれば損失が出ますし、企業が倒産すれば株式の価値はゼロになることもあります。
ここでいうリスクとは「危険」ではなく、リターンの振れ幅の大きさを指します。大きな利益を狙えるということは、大きく減る可能性もあるということです。
このリスクと付き合うためのコツは4つあります。
銘柄選びの視点
- 余裕資金で始める:生活費や数年内に使う予定のお金は投資に回さない。焦って売る事態を防ぐ最大の防御になる
- 分散する:1銘柄に集中させず、複数の企業・業種に分ける。1社の不振が資産全体を揺るがす事態を避けられる
- 長期で考える:短期的な値動きだけで売買を繰り返さず、中長期の業績や企業価値を確認しながら投資する。ただし、個別企業の業績悪化などにより、長く保有しても損失が生じる場合がある
- 自分のルールを決めておく:業績悪化や投資した前提の変化など、保有を見直す条件を事前に整理しておくと、感情だけで売買することを避けやすくなる
ドルコスト平均法や積立投資の効果は、こちらの記事で詳しく解説しています。
株式投資の利益には20.315%が課税される
株式投資で得た利益には、20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の税金がかかります。10万円の利益が出ても、手取りは約7万9,700円です。値上がり益にも配当金にも同じ税率が適用されます。
この税負担をゼロにできるのがNISAです。NISA口座内の利益と配当は非課税なので、長期で資産を育てるほど差が広がります。ただし、NISAには損失が出た場合に他の口座の利益と相殺する損益通算ができないという制約もあります。長期保有を前提とした資産形成にはNISA、短期売買や損益通算を考える場合は特定口座と、目的で使い分けるとよいでしょう。
- なお、NISA口座で配当金を非課税で受け取るには、配当金の受け取り方法を「株式数比例配分方式」(証券口座で受け取る方式)に設定する必要があります。銀行振込を選んでいると課税されてしまうため、口座開設後に必ず確認してください。
長期投資の重要性と心構え
「早く儲けたい」と思って投資を始めた人の多くが、相場の上下に振り回され、結果として損を出してしまうことがあります。短期売買にはスピードと判断力が求められ、常に市場に張りつける余裕や専門知識も必要です。
一方、長期投資であれば、企業の成長や経済の成長に乗って、時間と複利の力で資産をゆっくり増やすことができます。売買回数が少なくなることで手数料負担も抑えられ、日々の値動きに神経質にならずに済むという精神的なメリットもあります。
なお、個別銘柄を選ぶ自信がない場合は、投資信託やETFで多くの企業にまとめて投資する方法もあります。1社に集中するリスクを避けられるため、初心者の現実的な選択肢です。詳しくは、こちらの記事も参考にしてみてください。
この記事のまとめ
株式投資は、企業の株主となり、値上がり益や配当などを通じて利益を得る投資です。現在は単元未満株を利用して少額から始めることもでき、NISAを活用すれば利益や配当への税負担も抑えられます。一方、元本保証はないため、余裕資金での運用や分散、長期保有などのリスク管理が欠かせません。まずは自分が投資に回せる金額を確認し、証券会社や口座の種類を比較するところから始めましょう。銘柄選びに不安がある場合は、専門家への相談も選択肢です。

MONO Investment
投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。
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関連する専門用語
インカムゲイン(インカム)
インカムゲイン(インカム)とは、株式や債券、不動産などの資産を保有していることで定期的または継続的に得られる収益のことを指します。具体的には、株式の配当金、債券の利息、不動産の家賃収入などが代表的な例です。一方で、資産の売買差益から生まれるキャピタルゲインとは異なり、保有し続けることで一定のペースで収入を得る点が特徴です。 インカムゲインを重視する投資では、安定したキャッシュフローを得られることが大きな魅力となります。例えば、株式の配当金は企業の利益から支払われますが、企業の業績や配当方針に応じて増減があるため、定期的なチェックが必要です。債券の利息は発行体の信用力や金利情勢に大きく左右され、金利が上昇すると既存債券の価格が下落するリスクがあります。不動産投資では家賃収入がインカムゲインとなりますが、空室が続いたり修繕費がかさんだりするリスクがあるほか、売却時の価格も景気や立地に左右されるため、投資額の回収が遅れる可能性があります。 これらのリスクを考慮する一方で、インカムゲインには安定性というメリットがあります。資産を保有しているだけでも定期的に資金が手に入り、再投資や生活費に回すことで資産形成を円滑に進めやすい面があります。また、いざ急に資金が必要になった場合には、すぐに売却しなくても配当金や利息で一定の収入を得られる可能性があるため、心理的な安心感につながることもあります。 ただし、インカムゲインを得ようとするあまり、高配当や高利回りをうたう投資商品ばかりに偏ると、発行体の信用リスクや価格変動リスクが高まるケースも考えられます。特に、株式の配当は企業の業績が悪化すれば減配や無配となる恐れがあり、債券の場合でも発行体の破綻リスクや金利上昇リスクが存在します。不動産投資では物件管理の手間や費用が大きく、地方物件などでは買い手が少なく流動性リスクも高くなるため、分散投資の観点で他の資産とバランス良く組み合わせるのが望ましいでしょう。 総じて、インカムゲインは、投資から生まれる継続的な収益を得るための有力なアプローチです。特に、キャピタルゲインだけに頼らず、配当や利息、家賃収入などの定期的な収入源を得ることでリスクを分散しながら安定した資産運用を目指すことができます。ただし、投資対象の選定やリスク管理は欠かせないポイントであり、投資する資金やライフプラン、リスク許容度に応じて最適なバランスを見極める必要があります。
キャピタルゲイン(売却益/譲渡所得)
キャピタルゲインとは、株式や不動産、投資信託などの資産を購入した価格よりも高く売却したことによって得られる利益のことです。一般的な経済用語としては「売却益」と呼ばれ、資産運用における収益のひとつとして広く使われています。日本の税法においては、このキャピタルゲインは「譲渡所得」として分類され、確定申告などで所得として扱われます。つまり、経済的な意味ではキャピタルゲインと譲渡所得は同様の概念を指しますが、前者が広義の利益、後者が課税対象としての所得という違いがあります。投資の成果を判断したり、税金を計算したりするうえで、両者の使われ方を正しく理解することが大切です。
リスク
リスクとは、資産運用において、期待している結果とは異なる結果が生じる可能性のことを指します。具体的には、投資による損失が発生するかもしれない不確実性を意味しますが、必ずしも悪い結果だけを指すわけではなく、期待以上の利益が出る可能性もリスクの一部とされます。リスクには、株価の変動、金利の変動、為替レートの変動などさまざまな種類があり、それぞれに応じた対策が求められます。資産運用を行う上では、自分がどの程度のリスクを受け入れられるかを理解し、それに応じた投資戦略を立てることが非常に重要です。
キャピタルロス(売却損/譲渡損)
キャピタルロス(売却損/譲渡損)とは、保有していた資産を取得時より低い価格で売却した結果として確定する損失を指す用語です。 キャピタルロスは、株式や投資信託、債券、不動産など、価格変動を前提とする資産を手放す場面で使われる言葉であり、資産運用の成果を測る際の基本的な構成要素として位置づけられます。価格が下落した資産を売却することで、その差額が損失として確定した状態を表す点に、この用語の意味の中心があります。 この用語が登場する典型的な場面は、投資結果の振り返りや、利益と損失を整理する局面です。キャピタルゲイン(売却益)と対になる概念として用いられ、両者を合算することで、資産運用全体の結果が把握されます。そのため、キャピタルロスは単独で語られるというよりも、投資成果の一部として文脈上扱われることが一般的です。 誤解されやすい点として、「価格が下がった時点でキャピタルロスが発生している」という認識があります。しかし、評価額が下がっているだけの状態は含み損に過ぎず、売却などによって取引が完結しない限り、キャピタルロスにはなりません。また、「キャピタルロスは避けるべき失敗の証拠である」と捉えることも、判断を誤らせやすい考え方です。損失であること自体は事実ですが、価格変動を伴う投資においては、結果として自然に発生し得る中立的な事象でもあります。 たとえば、ある資産を購入時より低い価格で売却した場合、その差額はキャピタルロスとして確定します。この損失だけを切り取って投資の成否を判断するのではなく、同じ期間に得られたキャピタルゲインと合わせて全体を捉えることが重要です。ここで問われるのは、損失が出たかどうかではなく、その損失をどのように位置づけ、投資判断に組み込むかという視点です。 キャピタルロスは、資産運用において例外的な出来事ではありません。価格変動リスクを引き受ける以上、常に発生し得る概念です。この言葉を正しく理解しておくことは、短期的な値動きに振り回されず、投資判断を構造的に考えるための出発点になります。
リターン
リターンとは、投資によって得られる利益や収益のことを指します。たとえば、株式を購入して値上がりした場合の売却益(キャピタルゲイン)や、債券の利息、投資信託の分配金(インカムゲイン)などがリターンにあたります。 これらを合計したものは「トータルリターン」と呼ばれ、投資の成果を総合的に示す指標です。リターンは、元本に対してどれだけ増えたかを「%(パーセント)」で表し、特に長期投資では「年率リターン」で比較されることが一般的です。 リターンが高いほど投資先として魅力的に感じられますが、そのぶんリスク(価格変動の可能性)も高くなる傾向があるため、自分の目的やリスク許容度に応じて、適切なリターンを見込むことが大切です。
ハイリスク・ハイリターン
「ハイリスク・ハイリターン」とは、リスクが高い投資ほど、リターン(利益)も大きくなる可能性があるという投資の原則を指します。リスクが高い投資とは、価格の変動が激しい、予測が難しいなどの特徴があり、その分、投資で得られる利益も大きくなることがあります。しかし、反対に損失を被るリスクも大きくなるため、慎重に判断する必要があります。 例えば、株式投資や暗号資産などはハイリスク・ハイリターンの代表例です。短期間で大きな利益を得る可能性がある一方で、急激な価格下落によって大きな損失を被るリスクもあります。投資初心者にとっては、自分のリスク許容度をしっかり把握し、慎重に投資判断を行うことが大切です。







