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含み益に税金はかかりますか?実現していなくても課税されるか教えて下さい

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2025/07/28 08:00


男性

30代

question

最近投資を始めたばかりなのですが、保有している株式や投資信託の価格が上がって利益が出ています。ただ、この利益はまだ売却して現金化していないため手元に入っていません。このように実際に利益が確定していない状態でも税金はかかるのでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

保有している株式や投資信託の価格が上がって利益が出ていても、売却して現金化しない限り、その含み益に対しては基本的に税金はかかりません。日本の税制では「実現課税」が原則とされており、値上がりしても売却などで利益が確定(=実現)するまで課税対象にはなりません。

たとえば、上場株式・ETF・公募投資信託などで利益が出ている場合、その資産を売却して譲渡益が確定した段階で初めて、所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%の合計20.315%が課税されます。特定口座(源泉徴収あり)を利用していれば、証券会社が自動的に税金を計算・納付してくれるため、確定申告は原則不要です。

一方で、配当金や分配金は、受け取った時点で実現した所得とみなされ、課税の対象となります。特定口座を使っていればこちらも自動的に源泉徴収されますが、NISA口座であれば、売却益・配当金のいずれも非課税となるため、活用すれば税負担を軽減できます。

ただし、例外的に「含み益がある状態で課税されるケース」も存在します。たとえば、一定の資産規模(有価証券などの時価総額が1億円超)を持つ人が海外に転居する場合には、「出国時課税制度(出国税)」が適用されることがあります。これは、保有資産を売却したと“みなして”譲渡益に課税される仕組みで、実際に売却していなくても課税対象になります。

また、相続や贈与の場合も、保有資産の含み益に対して「時価ベース」で相続税や贈与税が計算されるため、結果的に未実現の利益に課税がかかるケースと言えます。

このように、通常の株式や投資信託の含み益については、売却しない限り課税されることはありませんが、一定の特例や税制上の例外も存在します。特に海外移住や相続・贈与を考えている方は、早めに制度を確認し、必要に応じて税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

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含み損益

含み損益とは、保有している資産をまだ売却していない段階で発生している、見かけ上の利益や損失のことを指します。たとえば、購入時よりも価格が上がっている株を持っていれば「含み益」、逆に価格が下がっていれば「含み損」となります。 これはあくまで現在の評価額と購入額の差であり、実際に売却して現金化しない限り、確定した損益とはなりません。そのため、「含み」とは「まだ確定していない」という意味を含んでいます。 投資判断をする際には、この含み損益をもとに、売却のタイミングや資産配分の見直しを検討することがあります。また、税金は原則として実際に売却して利益が確定した時点で課税されるため、含み益があるだけでは課税対象にはなりません。資産運用において、現在の状況を把握する重要な指標のひとつです。

譲渡益

譲渡益とは、株式や不動産などの資産を売却した際に得られる利益のことを指します。具体的には、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いた金額が譲渡益となります。個人が株式を売却して利益を得た場合、通常は譲渡所得として申告分離課税(税率20.315%)の対象になります。不動産の場合、所有期間が5年以下の短期譲渡は税率39.63%、5年超の長期譲渡は20.315%の税率が適用されます。 また、投資信託の売却益も譲渡所得に分類されますが、分配金の一部は配当所得として課税される場合があります。税制上の優遇措置として、NISA(少額投資非課税制度)や居住用不動産の3000万円特別控除などがあり、適用条件を理解することが重要です。 資産運用においては、売却のタイミングや税制の影響を考慮し、適切な税対策を行うことが求められます。

実現課税

実現課税とは、資産を売却して利益が確定したときに初めて税金がかかる仕組みのことです。たとえば、株式や投資信託などを保有していて値上がりしていたとしても、それを売らずに持ち続けている間は利益が「未実現」とされ、課税はされません。 しかし、実際にその資産を売って利益が「実現」した段階で、譲渡所得として課税対象になります。この制度により、含み益のある資産を売るタイミングによって、いつ税金が発生するかをコントロールすることが可能です。投資の売買戦略や節税の観点から、非常に重要な考え方となっています。

特定口座

特定口座とは、投資家の税金計算を簡便にするための口座形式です。証券会社が運用益や損益を自動計算し、年間取引報告書を発行します。特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類があり、「源泉徴収あり」を選択すれば、税金が取引時点で自動的に納付されます。これにより、確定申告が不要になるため、多くの投資家に利用されています。ただし、損益通算や損失の繰越控除を行う場合は確定申告が必要です。

NISA

NISAとは、「少額投資非課税制度(Nippon Individual Saving Account)」の略称で、日本に住む個人が一定額までの投資について、配当金や売却益などにかかる税金が非課税になる制度です。通常、株式や投資信託などで得られる利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を使えばその税金がかからず、効率的に資産形成を行うことができます。2024年からは新しいNISA制度が始まり、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つを併用できる仕組みとなり、非課税期間も無期限化されました。年間の投資枠や口座の開設先は決められており、原則として1人1口座しか持てません。NISAは投資初心者にも利用しやすい制度として広く普及しており、長期的な資産形成を支援する国の税制優遇措置のひとつです。

源泉徴収

源泉徴収とは、給与や報酬、利子、配当などの支払いを受ける人に代わって、支払者があらかじめ所得税を差し引き、税務署に納付する制度です。特に給与所得者の場合、会社が毎月の給与から所得税を控除し、年末調整で過不足を精算します。 この制度の目的は、税金の徴収を確実に行い、納税者の負担を軽減することです。例えば、会社員は確定申告を行わずに納税が完了するケースが多くなります。ただし、個人事業主や一定の副収入がある人は、源泉徴収された金額を基に確定申告が必要になることがあります。 また、配当金や利子の源泉徴収税率は原則20.315%(所得税15.315%+住民税5%)ですが、金融商品によって異なる場合があるため、事前に確認が必要です。

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