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4資産均等がダメな理由を教えて下さい

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2025/07/24 09:34


男性

40代

question

資産運用を始める際、リスク分散が重要と聞いて「4資産均等型」のファンドに興味を持ちました。しかし調べる中で「4資産均等型はダメだ」という意見を目にして疑問を感じています。具体的にどのような点が良くないのでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

一般的に「4資産均等型」と呼ばれるポートフォリオは、日本株式・先進国株式・日本債券・先進国債券にそれぞれ25%ずつ配分する構成をとることが多く、シンプルでわかりやすい分散投資の基本形として知られています。株式と債券、国内と海外という組み合わせで4つに分類されており、資産運用の入門段階で採用しやすい戦略といえます。

ただし、この均等配分には実務上いくつかの課題もあります。まず、日本債券は超低金利が長く続いており、将来の利回りが非常に低い一方で、金利が上昇すれば債券価格が下がる「デュレーションリスク」を抱えています。安定性はあるものの、長期で保有してもリターンが乏しいという構造的な弱点があります。

また、先進国債券は外貨建てのため、円高になると資産評価が下がる為替リスクが生じます。株式市場が下落する局面で為替も同時に円高に振れると、リスク資産と安全資産がともに値下がりし、分散効果が弱まるケースもあります。為替ヘッジ付きの先進国債券を用いる方法もありますが、長期保有ではヘッジコストの影響が累積し、トータルリターンを抑える要因になります。

さらに、世界全体の時価総額に対して日本株の比率は6~7%程度しかないにもかかわらず、4資産均等型では25%を割り当てる構成となるため、日本株への配分が過大になります。その結果、米国を中心とした成長性の高い市場への投資が相対的に薄くなり、グローバルな資産配分という観点ではバランスを欠く側面もあります。

このほか、インフレ局面で有効とされる不動産投資信託(REIT)や金などの実物資産、コモディティが含まれていない点も、物価上昇による資産目減りへの耐性という面では弱点といえます。インフレリスクを重視する場合には、こうした資産の組み入れも検討する必要があります。

とはいえ、債券を多く含む4資産均等型は、相場が大きく下落した際の値動きを抑える効果があり、リスクを抑えながら運用したい投資初心者や退職後の安定運用を重視する人にとっては、一定の有効性があります。加えて、定期的にリバランスを行うファンドでは、資産の偏りを自動的に修正できるメリットもありますが、頻繁な売買による信託報酬や税金・売買コストの影響には留意が必要です。

4資産均等型は、初期の分散投資の入り口としては理にかなった選択肢ですが、万能ではありません。自身の運用目的やリスク許容度、市場環境に応じて、資産配分をカスタマイズしたり、必要に応じて補完資産を加えたりすることが、より納得感のある資産形成につながるはずです。もし判断に迷うことがあれば、自分の投資趣向に合った戦略を立てるために、資産運用に詳しい専門家に相談することをおすすめします。

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4資産均等型

4資産均等型とは、投資信託やロボアドバイザーなどで使われる資産配分(ポートフォリオ)のスタイルの一つで、国内株式・国内債券・外国株式・外国債券の4つの資産クラスに、それぞれ25%ずつ均等に投資する運用方法を指します。このスタイルは、特定の資産に偏らずに幅広く分散投資を行うことで、リスクを抑えつつ安定的な収益を目指すことが特徴です。 たとえば、株式はリターンを高める役割を担い、債券は価格変動を抑えるクッションとして機能します。また、国内と海外に分けることで、為替や地政学的リスクも分散されます。4資産均等型は初心者にも分かりやすく、長期の資産形成に適したバランス型の投資戦略として人気がありますが、相場環境によってはリターンが物足りないと感じることもあるため、目的に応じた見直しが必要です。

デュレーションリスク

デュレーションリスクとは、金利の変動によって債券の価格が変動するリスクのことを指します。一般的に、金利が上昇すると債券の価格は下落し、金利が低下すると債券の価格は上昇するという関係があります。デュレーションは、債券から得られるキャッシュフローの加重平均期間を示す指標であり、デュレーションが長いほど金利の変動による影響を受けやすくなります。これは、将来にわたって受け取る利息や元本の価値が金利の変化によって大きく変動するためです。 例えば、固定金利で年利3%の10年債を保有している場合、市場の金利が5%に上昇すると、新たに発行される債券の利回りが高くなるため、既存の3%の債券の魅力が低下し、価格が下がります。特にデュレーションの長い債券ほど価格の下落幅が大きくなり、デュレーションリスクが高まります。そのため、債券投資を行う際にはデュレーションリスクを考慮し、ポートフォリオのバランスを取ることが重要です。 デュレーションリスクを抑える方法として、デュレーションの短い債券を選ぶことで金利変動の影響を軽減できる場合があります。また、異なるデュレーションの債券を組み合わせることでリスクを分散することも有効です。さらに、将来的な金利動向を注視し、金利上昇が予想される局面ではデュレーションの長い債券の割合を抑えるといった対応が求められます。債券投資においては、金利変動が資産価値に与える影響を十分に理解し、適切なリスク管理を行うことが大切です。

為替ヘッジ

為替ヘッジとは、為替取引をする際に、将来交換する為替レートをあらかじめ予約しておくことによって、為替変動のリスクを抑える仕組み。海外の株や債券に投資する際は、その株や債券の価値が下がるリスクだけでなく、為替の変動により円に換算した時の価値が下がるリスクも負うことになるので、後者のリスクを抑えるために為替ヘッジが行われる。

ヘッジコスト

ヘッジコストとは、為替や金利などの市場変動リスクを抑えるために先物取引やスワップ取引などでポジションを置き換える際に発生する費用の総称です。たとえば外貨建て資産を円で評価する投資家が為替リスクを避けるために為替ヘッジをかける場合、将来の円・外貨交換レートを予約する代わりに金利差や手数料に基づくコストが発生します。 このコストは通貨間の金利差が大きいほど高くなり、投資収益の差し引き後リターンに直接影響します。資産運用の成果を正しく評価するには、表面的な収益だけでなくヘッジコストを加味してネットリターンを把握することが大切です。

時価総額

時価総額、株式時価総額とは、ある上場企業の株価に発行済株式数を掛けたものであり、企業価値や規模を評価する際の指標。 時価総額が大きいということは、業績だけではなく将来の成長に対する期待も大きいことを意味する。

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