投資信託の信託報酬はいつ引かれるのでしょうか?
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2025/09/19 09:02
男性
30代
投資信託の信託報酬はいつ引かれるのかを知りたいです。購入時にまとめて差し引かれるのか、それとも日々の基準価額に反映されているのでしょうか?長期運用を考えているので、実際にいつ・どのような形でコストがかかるのかを具体的に教えて下さい。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
投資信託の信託報酬は、購入時にまとめて払うものではなく、ファンドの純資産から毎日少しずつ差し引かれています。投資家が目にする基準価額は、すでに信託報酬などのコストを控除した後の数字です。例えば、信託報酬0.5%で100万円を投資すると、1日の負担はおよそ13円程度になります。
混同しやすい費用として、購入時手数料(販売手数料)、解約時の信託財産留保額、監査費用や売買委託手数料などがあります。これらは信託報酬とは別にかかるもので、ファンドの運用報告書に「実質コスト」としてまとめられます。ファンド・オブ・ファンズでは投資先のコストが上乗せされるため、注意が必要です。
ETFも基本は同じ仕組みですが、取引の際には証券会社の売買手数料やスプレッドが追加で発生します。長期投資では信託報酬の差が複利効果を通じて大きな差になります。同じ投資対象なら低コストのファンドを選ぶのが合理的です。
商品を選ぶ際は、まず交付目論見書で信託報酬やその他費用の仕組みを確認し、次に運用報告書で直近の実質コストをチェックするのがおすすめです。NISAやiDeCoを利用しても信託報酬の仕組みは変わりませんが、iDeCoでは口座管理手数料が別途かかる点だけ注意してください。
投資の成果を長期で高めるには、運用方針に合った低コスト商品の選択が欠かせません。具体的にどのファンドを選ぶべきか迷われている方は、ぜひ「投資のコンシェルジュ」の無料相談をご利用ください。専門家が中立的な立場で、あなたに合った投資の選択をサポートします。
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関連する専門用語
信託報酬
信託報酬とは、投資信託やETFの運用・管理にかかる費用として投資家が間接的に負担する手数料であり、運用会社・販売会社・受託銀行の三者に配分されます。 通常は年率〇%と表示され、その割合を基準価額にあたるNAV(Net Asset Value)に日割りで乗じる形で毎日控除されるため、投資家が口座から現金で支払う場面はありません。 したがって運用成績がマイナスでも信託報酬は必ず差し引かれ、長期にわたる複利効果を目減りさせる“見えないコスト”として意識されます。 販売時に一度だけ負担する販売手数料や、法定監査報酬などと異なり、信託報酬は保有期間中ずっと発生するランニングコストです。 実際には運用会社が3〜6割、販売会社が3〜5割、受託銀行が1〜2割前後を受け取る設計が一般的で、アクティブ型ファンドでは1%超、インデックス型では0.1%台まで低下するケースもあります。 同じファンドタイプなら総経費率 TER(Total Expense Ratio)や実質コストを比較し、長期保有ほど差が拡大する点に留意して商品選択を行うことが重要です。
基準価額
基準価額とは、主に投資信託の商品価格を表すもので、投資信託1口あたりの価値を示しています。毎営業日に一度計算され、投資信託が保有している株式や債券などの資産の時価総額から、運用にかかる費用を差し引いた金額を、発行済みの総口数で割って算出されます。 投資信託の購入や売却の際には、この基準価額が参考になりますので、価格の動きに注目することが大切です。ただし、基準価額は市場価格とは異なり、リアルタイムで変動するわけではないため、翌営業日の価格になることが多い点にもご注意ください。
信託財産留保額
信託財産留保額とは、投資信託を解約(売却)する際に、投資家が支払うことになる費用の一つで、解約代金から差し引かれてファンド内に留め置かれるお金のことです。 このお金は、運用している信託財産の中に残され、他の投資家に不利益が出ないようにするための調整の役割を持ちます。たとえば、大量の解約が発生すると、ファンドは保有資産を売却して現金化しなければならず、その際に売却コストが発生します。このコストをすべての投資家に負担させると不公平になるため、解約者に信託財産留保額という形で部分的に負担してもらうのです。つまり、長くファンドを保有する投資家の利益を守る仕組みとして設定されています。
実質コスト
実質コストとは、投資信託を1年間保有した場合に投資家が実際に負担する全ての費用を合計し、期中の平均純資産総額で割って割合として示したものです。信託報酬のほかに売買委託手数料や監査費用、保管費用など運用に付随する細かな経費も含まれるため、名目の信託報酬より高くなるのが一般的です。多くの場合、決算後に運用報告書で公表されるため事前に完全な数値を知ることはできませんが、同じカテゴリのファンド同士を費用面で比較する際に最も実態に近い指標として役立ちます。
ファンド・オブ・ファンズ
ファンド・オブ・ファンズとは、個別の株式や債券には直接投資せず、複数の投資信託やETFをまとめて保有することで分散効果を高める運用手法を取る投資信託です。投資家は一本のファンドを購入するだけで、資産クラスや地域など幅広い投資対象に間接的にアクセスでき、運用の手間や商品選定の負担を軽減できます。 一方で、下位ファンドとファンド・オブ・ファンズの双方で信託報酬が発生するため、コストが高くなりやすい点には注意が必要です。資産配分を専門家に任せながら手軽に国際分散投資を行いたい方に向いた仕組みですが、実質的な手数料水準や運用方針の重複を確認し、コスト対効果を見極めたうえで活用することが大切です。
交付目論見書
交付目論見書は、投資信託を購入する前に販売会社が投資家へ必ず渡す公式な説明資料です。ファンドの目的や運用方針、主な投資対象、リスク要因、手数料、分配方針などの重要情報が網羅されており、金融商品取引法によって内容と形式が細かく定められています。投資家は購入前にこれを読むことで商品の特徴や費用、リスクを十分に理解し、適切な判断ができるようになります。