ナスダック100への投資はどんな人に向いていますか?
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2025/07/30 08:19
男性
30代
成長企業への投資をしたいと考えているのですが、自分で個別銘柄を探すのは大変なので、ETFの購入を検討しています。ナスダック100は良さそうだなと思うのですが、自分にあうかイマイチよくわかりません。ナスダック100はどんな人におすすめな指数か教えて下さい。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ナスダック100(NDX)は、アップルやマイクロソフト、エヌビディアなど、世界的なテクノロジー企業を中心に構成された指数であり、上位7社だけで全体の約43%を占めるなど、銘柄の集中度が極めて高い点が特徴です。そのため、過去10年間の年率リターンが22.8%とS&P500を大きく上回る一方で、市場の変動幅を表す恐怖指数(VXN)は常にS&P500の恐怖指数(VIX)よりも数ポイント高く、価格変動の激しさを示しています。
このようなナスダック100の性質から、向いている投資家像としては、まず10年以上の長期的な視点で資産運用が可能な人が挙げられます。特に、20代から40代の若年~中堅層で安定した収入があり、投資期間を長く設定できる人ほど、一時的な下落局面でも売却せず回復を待つことができるため、適性が高いと言えます。
また、ナスダック100は特定の銘柄やセクターへの依存度が高いため、集中リスクをしっかり理解し、資産全体で分散投資を実践できる投資家にも適しています。具体的には、より広範に分散した市場指数や投資信託を資産の中核に据え、その周辺部分にナスダック100を組み入れるという「コア・サテライト戦略」を意識的に実践できる方が理想的です。
さらに、ナスダック100の構成銘柄は、金利の上昇や経済環境の変化に敏感に反応する傾向があります。そのため、一定の頻度で保有資産の比率を調整し、リスクを抑える「リバランス」という運用手法を機械的に実行できる人にも向いています。投資環境の変化を定期的にチェックし、資産構成を見直す習慣を身に着けることが、ナスダック100を効果的に活用するための重要な要素となります。
一方で、数年以内に住宅購入や教育費などまとまった資金需要が発生する予定の方や、投資経験が少なく価格の変動に心理的なストレスを強く感じる方にとっては、ナスダック100への投資はあまりおすすめできません。そうした投資家には、まずは全世界株式のような幅広く分散された指数を中心に運用を始め、経験や資金に余裕ができてからナスダック100への投資を徐々に検討していくとよいでしょう。
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ナスダック100指数(NASDAQ100)
ナスダック100指数とは、アメリカの株式市場「NASDAQ(ナスダック)」に上場している企業のうち、金融業を除いた時価総額上位100社で構成される株価指数です。アップル、マイクロソフト、アマゾン、メタ(旧フェイスブック)、エヌビディアなど、世界を代表するテクノロジー企業や成長企業が多く含まれており、ハイテク分野を中心としたアメリカ経済の先端的な動きを示す指標として高い注目を集めています。 この指数は時価総額加重平均型で、企業の規模が大きいほど指数に与える影響も大きくなります。また、ナスダック総合指数よりも選定銘柄が絞られているため、より「成長株」にフォーカスした性格が強いのが特徴です。初心者の方には、「アメリカのハイテク大手を集めた“代表選手”のような指数」と捉えるとわかりやすいでしょう。ハイテク市場の動向をつかむうえで欠かせない指標のひとつです。
コア・サテライト戦略
コア・サテライト戦略とは、資産運用において「コア資産」と「サテライト資産」を組み合わせることで、リスクとリターンのバランスを最適化する投資手法のことを指す。ポートフォリオの大部分を安定したコア資産で構成し、長期的な市場の成長に連動するリターンを確保する一方で、残りの一部をサテライト資産として運用し、高いリターンの可能性を追求する。これにより、安定性を維持しながら市場環境の変化に柔軟に対応し、資産の成長を図ることができる。
リバランス
リバランスとは、ポートフォリオを構築した後、市場の変動によって変化した資産配分比率を当初設定した目標比率に戻す投資手法です。 具体的には、値上がりした資産や銘柄を売却し、値下がりした資産や銘柄を買い増すことで、ポートフォリオ全体の資産構成比率を維持します。これは過剰なリスクを回避し、ポートフォリオの安定性を保つためのリスク管理手法として、定期的に実施されます。 例えば、株式が上昇して目標比率を超えた場合、その一部を売却して債券や現金に再配分するといった調整を行います。なお、近年では自動リバランス機能を提供する投資サービスも登場しています。
VIX指数(恐怖指数)
VIX指数は、シカゴ・オプション取引所(CBOE)が公表する、市場の「価格変動の大きさ(ボラティリティ)」を示す指数です。主にS&P500指数のオプション価格をもとに算出され、今後30日間の市場の不安感を表します。 一般に「恐怖指数」とも呼ばれ、数値が高くなるほど投資家の不安が高まり、リスク回避の動きが強くなっていることを意味します。特に金融市場が混乱する局面では、VIXが急上昇する傾向があります。
年率リターン
年率リターンとは、投資対象が一定期間で得た収益を1年あたりの利回りとして換算した数値のことで、異なる投資期間の商品同士を比較しやすくするために使われます。たとえば、3年間で合計15%のリターンが得られた場合、その年率リターンは約4.77%となります。 これは「複利計算」に基づいており、毎年のリターンが再投資されたと仮定して計算されるため、単純に年数で割った平均リターン(単純平均)よりも正確な投資成果の指標とされます。資産運用においては、過去の成績や将来の期待利回りを評価するうえで広く使われており、投資信託やETF、株式、不動産など、さまざまな商品に適用される基本的な評価軸です。