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役員が分掌変更した場合の退職金はどうなりますか?

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2025/09/25 08:50

退職金
退職金

男性

60代

question

代表取締役から平取締役へ分掌変更した場合、形式的には退職ではなく役職の変更にすぎませんが、実質的に経営から退いたとみなされることもあります。このようなケースでは退職金を支給することは可能なのでしょうか。また、その場合に税務上は退職給与として認められるのでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

代表取締役から平取締役に分掌変更した場合でも、実質的に経営から退いたと認められるなら退職金を支給することは可能であり、税務上も退職給与として扱われます。ただし形式的な肩書変更だけで従前と同じように経営関与を続けていると、退職金としては認められず役員賞与とみなされるリスクが高くなります。

退職給与として認められるためには、代表権を失い決裁権や経営上の権限から外れていること、職務内容が大幅に縮小していること、報酬水準が実態に合わせて減額されていることなどが重要です。さらに、株主総会の決議や登記、分掌表の改定など、変更の実態を裏づける社内文書を整えておく必要があります。退職金額についても功績倍率法など客観的な算定根拠を備えておくことが求められます。

一方で、名目上の分掌変更にすぎず経営判断や報酬水準が従来どおりである場合、税務上は退職扱いと認められません。その場合には損金算入が否認され、法人税・所得税の両面で不利になります。

結論として、分掌変更に伴う退職金の支給は「実態」と「証拠」が決め手です。代表権の喪失、職務権限の縮小、報酬の見直し、社内文書整備、算定根拠の明確化といった要素を満たすことで、税務上も退職給与として認められる可能性が高まります。

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代表取締役とは、株式会社において会社を代表し、業務を執行する権限を持つ取締役のことを指します。取締役会を設置している会社では、取締役会の決議によって選任され、会社の顔として契約の締結や資金の調達などを行います。法律上は会社の代理人として位置づけられているため、代表取締役が行った取引は原則として会社に効力が及びます。 資産運用や投資の視点からは、代表取締役は企業の経営方針や戦略を実際に指揮する立場にあり、その人物の手腕や経営姿勢は企業の成長性や株価に大きな影響を与える重要な要素となります。

取締役

取締役とは、株式会社の経営において意思決定を行う役割を担う人のことを指します。会社法に基づき選任され、株主総会で承認されて就任します。取締役は取締役会に参加し、会社の方針や重要な業務を決める立場にあります。 また、日常の業務執行を担当する場合もあり、会社全体の運営に大きな責任を持っています。投資家にとって取締役は、その会社の経営方針やガバナンスを理解するうえで重要な存在です。初心者にとっては「会社の経営を決める人」と覚えておくと分かりやすいでしょう。

退職金

退職金とは、長年勤務した従業員が退職する際に企業から支給される一時金のことです。その金額は、勤務年数や役職、企業の規模や方針などによって決まり、退職後の生活を支える目的で支給されます。また、従業員にとっては将来への安心感を得るための制度であり、企業にとっては長年の貢献に対する感謝の意を示すとともに、円滑な人事の移行を促す役割も果たします。 退職金は、通常の給与とは異なり、特別な支払いとして扱われるため、税金の計算方法も異なります。一定の条件を満たすと税優遇措置が適用され、受け取る金額に対する税負担が軽減されることがあります。そのため、退職金を受け取る際には、税制や受け取り方法について事前に確認しておくことが大切です。 退職金の制度や金額の決め方は、企業の就業規則や雇用契約によって定められています。また、一括で受け取る方法と分割して受け取る方法があり、運用方法によっては老後の資産形成にも活用できます。退職金をどのように管理・運用するかは、将来の生活設計に大きく影響するため、計画的に活用することが重要です。

役員賞与

役員賞与とは、会社の取締役や執行役員などに対して、会社の業績や貢献度に応じて支給される特別な報酬を指します。従業員への賞与と似ていますが、役員の場合は会社の経営に直接関与する立場であるため、支給するには株主総会の決議など特別な手続きが必要です。税務上も役員賞与は損金(経費)として認められにくく、法人税の計算に影響を与える点が特徴です。 資産運用の観点では、役員賞与の制度は企業のコーポレートガバナンスや経営陣のインセンティブ設計に深く関わっており、投資家にとっては企業価値の向上に資する仕組みかどうかを見極める手がかりとなります。

株主総会

株主総会は株式会社における最高意思決定機関である。 会社が定めた要件を満たす株主によって議決権が行使され、定款の変更や役員の選解任、配当金額の決定、計算書類の承認など、会社の基本方針や重要な事項を決定する。 株主総会には、決算期毎に開かれる定時株主総会と必要な際に開かれる臨時株主総会がある。一般的には、定時株主総会では、役員の選任や計算書類の承認などが行われることが多く、臨時株主総会では、株式・新株予約権の発行や組織再編に関する意思決定など、緊急性の高い案件が議題となることが多い。

功績倍率法

功績倍率法とは、役員退職金の金額を決める際に使われる代表的な計算方法のひとつです。この方法では、役員の最終報酬月額に在任年数をかけ、さらに「功績倍率」と呼ばれる係数をかけて退職金を算出します。 功績倍率は、その役員の会社への貢献度や役職の重要性、業績への影響などを考慮して決められます。たとえば、社長であれば高い倍率が設定されることが多く、在任期間が長ければ長いほど退職金も高くなる傾向があります。 税務上の適正額を判断する際にもこの方法がよく使われ、過大な支給とみなされると法人税の課税対象になる場合もあるため、適切な倍率の設定が重要です。資産運用や事業承継を考える際には、将来の退職金額を予測するうえで非常に役立つ考え方です。

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