
マニュライフ生命の「未来を楽しむ終身保険」を徹底解説!メリットや解約時の注意点、評判などを解説
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公開:
2025.07.24
更新:
2025.07.25
円安と金利差が拡大する2025年、保障と運用を同時に設計できる外貨建て終身保険が再注目されています。マニュライフ生命の「未来を楽しむ終身保険」は、定額部分で元本を守り、変額部分で年3%台の利率と120〜200%の目標設定で収益確定を狙う二層構造が特長です。
しかし、為替変動、契約後1年移行制限、複数手数料など見落としやすい要素もあります。本稿では仕組み・費用・メリットとデメリットを整理し、「今選ぶべきか」を判断できる視点を提示します。
サクッとわかる!簡単要約
この記事を読むと、ターゲットタイプで120%達成を3年で実現した成功例と150%未達で元本割れ寸前に陥った失敗例を通じ、外貨建て終身保険が生むリターンとリスクを具体的に把握できます。為替スプレッドや解約控除が実質利回りをどこまで削るのか、相続税非課税枠500万円の活用場面など実務データを確認し、自分が「長期保有に向く人」か「避けるべき人」かを短時間で判定できるようになります。
そもそも終身保険とは
終身保険は、被保険者が死亡または高度障害状態になった際に保険金が支払われる生命保険の一種です。「終身」という名前の通り、保障期間に期限がなく一生涯にわたって保障が続く点が大きな特徴となっています。
定期保険のような掛け捨て型とは異なり、終身保険には解約払戻金があるため、貯蓄性があります。保険料は加入時から変わらない平準保険料制を採用しており、年齢による保険料上昇の心配がありません。
終身保険の主な活用目的は、葬儀費用の準備、相続対策、老後資金の積立などがあります。死亡保険金には相続税の非課税枠(500万円×法定相続人の数)が適用されるため、相続税対策としても有効です。
なお、終身保険の詳しい仕組みや選び方については以下の記事を参考にしてみてください。
マニュライフ生命の「未来を楽しむ終身保険」の基本情報
マニュライフ生命の「未来を楽しむ終身保険」は、定額部分と変額部分を組み合わせた外貨建て終身保険です。この商品は米ドルまたは豪ドルで運用され、保障と資産形成の両方を目的とした設計になっています。
項目 | 内容 |
---|---|
正式商品名 | 通貨選択型変額終身保険(積立利率更改型定額部分付) |
商品略称 | 未来を楽しむ終身保険 |
保険会社 | マニュライフ生命保険株式会社 |
保険種類 | 一時払終身保険 |
運用通貨 | 米ドル建て または 豪ドル建て |
保険料の分割 | 定額部分と変額部分に分けて運用 |
定額部分 | 積立利率により安定的に運用、一時払保険料最低保証割合を保証 |
変額部分 | 特別勘定で運用、プラスαの運用成果を期待 |
保証内容 | 死亡保険金は基本保険金額(契約通貨建て)の100%を最低保証 |
契約者は保険料の一部を定額部分で確保しながら、残りの部分を特別勘定で運用することで、より高いリターンを期待できます。また、健康告知が不要なため、健康状態に不安がある方でも加入しやすい点が特徴です。
ただし、外貨建て商品のため為替変動の影響を受けることや、複雑な商品構造を理解したうえで契約する必要があります。長期的な資産形成と相続対策を同時に検討している方に適した商品といえるでしょう。
保険料の決まり方
保険料は基本保険金額、契約者の年齢・性別、選択する通貨(米ドルまたは豪ドル)、定額部分と変額部分の配分割合によって算出されます。また、契約時の為替レートも円換算保険料に影響を与えます。
年払い、半年払い、月払いから支払方法を選択でき、まとめて支払うほど保険料率が有利になる設定です。ただし、外貨建てのため、支払時期によって円換算額が変動することを理解しておく必要があります。
保障内容と受取方法
死亡保険金は基本保険金額に運用実績を加味した金額が支払われます。変額部分の運用が好調な場合、当初契約した保険金額を大幅に上回る受取が可能になることもあります。
高度障害保険金は死亡保険金と同額が支払われ、受け取ると契約は消滅します。受取方法は一括受取のほか、年金形式での分割受取も選択でき、税務上の取り扱いも考慮して選択できます。
契約可能年齢と条件
契約可能年齢は0歳から85歳までと幅広く設定されており、幅広い年代の方が加入できます。健康告知は不要ですが、保険金額には上限が設けられており、他の契約との通算で制限される場合があります。
最低保険金額は通貨によって異なり、米ドル建ての場合は10,000ドル、豪ドル建ての場合は15,000ドルからとなっています。契約時には本人確認書類と印鑑が必要です。
マニュライフ生命の「未来を楽しむ終身保険」の仕組み
マニュライフ生命の「未来を楽しむ終身保険」は、定額部分と変額部分を組み合わせた独特な仕組みを採用しています。この構造により、元本保証機能と運用益獲得の可能性を両立させています。
契約者が支払った保険料は、まず定額部分で一定額が確保され、残りの部分が特別勘定で運用される仕組みです。さらに、ターゲットタイプと定期引出タイプの2つから選択でき、それぞれ異なる特徴を持っています。
定額部分と変額部分の仕組み
定額部分は契約時に決められた利率で運用され、元本割れのリスクがない安全な部分です。一方、変額部分は特別勘定を通じて株式や債券などで運用され、市場の動向によって運用成果が変動します。
この二段構えの構造により、リスクを抑えながらも成長性を期待できる商品設計となっています。定額部分の割合は契約時に設定でき、リスク許容度に応じて調整が可能です。
2つのタイプの違い
契約者は運用方針に応じて、ターゲットタイプまたは定期引出タイプのいずれかを選択できます。それぞれ異なる運用戦略と受取方法を提供しています。
ターゲットタイプ
ターゲットタイプは、設定した目標額に到達した時点で運用を停止し、その後は定額部分のみで運用を継続するタイプです。利益確定機能により、一定の運用成果を得た後はリスクを回避できます。
項目 | 内容 |
---|---|
目標値選択 | 120%、130%、140%、150%、200%のいずれかを選択 |
目標額計算式 | 円換算一時払保険料×目標値 |
目標到達時期 | 契約日の1年経過後から |
目標到達時 | 円建終身保険に移行し運用成果を確保 |
積立利率適用期間 | 10年後または15年後まで |
最低保証 | 定額部分の積立金額は一時払保険料の100%または110%を保証 |
目標達成後は元本保証の範囲内での運用となるため、市場の下落局面でも資産価値が減少する心配がありません。確実性を重視する方に適したタイプといえるでしょう。
定期引出タイプ
定期引出タイプは、運用期間中に定期的に一部を引き出しながら、残りの部分は継続して運用するタイプです。年金のような形で定期的な収入を得ながら、資産形成も並行して行えます。
項目 | 内容 |
---|---|
引出開始 | 契約日の1年経過後の契約応当日以降 |
引出条件 | 被保険者が生存している限り毎年受取り可能 |
引出元 | 変額部分の積立金から運用成果に応じて |
積立利率適用期間 | 15年後まで |
最低保証 | 定額部分の積立金額は一時払保険料の105%を保証 |
引き出し頻度や金額は契約時に設定でき、ライフプランに合わせた柔軟な設計が可能です。退職後の生活資金として活用したい方に向いています。
特別勘定による運用
変額部分の運用は、マニュライフ生命が設定した特別勘定を通じて行われます。特別勘定とは、保険会社が運用する専用のファンドです。
特別勘定では、株式や債券、不動産投資信託(REIT)など様々な資産クラスに投資することで、リスク分散を図っています。運用実績は月次で公開され、契約者は運用状況を定期的に確認できる仕組みになっています。
マニュライフ生命の「未来を楽しむ終身保険」の魅力・メリット
マニュライフ生命の「未来を楽しむ終身保険」は、従来の終身保険にはない独特な優位性を持っています。定額部分による安全性と変額部分による成長性を兼ね備えた設計が最大の特徴です。
特に、健康告知不要での加入や相続税対策としての活用など、他の保険商品では得られないメリットが数多くあります。これらの利点を理解することで、自身の資産形成戦略に適しているかを判断できるでしょう。
定額部分による元本保証機能がある
定額部分は契約時に決められた利率で運用されるため、元本割れのリスクがありません。この仕組みにより、市場が大幅に下落した場合でも、一定額の資産価値は保たれます。
特に金融危機のような市場の混乱期においても、定額部分は安定した価値を維持するため、資産全体のリスクを軽減する効果があります。保守的な運用を求める方にとって心強い機能といえるでしょう。
変額部分は高利率で運用益を狙える
変額部分は特別勘定を通じて積極的な運用が行われるため、市場環境が良好な場合は大きな運用益を期待できます。株式市場の上昇局面では、定額部分だけでは得られない高いリターンを獲得する可能性があります。
長期的な資産形成においては、インフレに対応する実質的な資産価値の向上が期待できます。特に若い世代の契約者にとっては、時間を味方につけた資産成長を図れる貴重な機会となるでしょう。
健康告知不要で加入可能
通常の生命保険では健康状態について詳細な告知が必要ですが、この商品は健康告知が不要です。持病がある方や健康状態に不安がある方でも、年齢要件を満たせば加入できます。
ただし、健康告知不要の代わりに保険金額の上限が設けられており、他の保険契約との通算で制限される仕組みになっています。それでも、健康上の理由で他の保険に加入できない方には貴重な選択肢となります。
相続税対策としての活用
生命保険の死亡保険金は、法定相続人1人あたり500万円まで相続税の非課税枠が適用されます。この制度を活用することで、相続税の負担を軽減しながら資産を次世代に移転できます。
特に外貨建てという特性により、円安局面では受取金額が増加する可能性があり、相続時の資産価値向上も期待できます。富裕層の相続対策として有効な手段の一つといえるでしょう。
生命保険の非課税枠を活用するための条件については、以下のFAQをご覧ください。
マイページで運用状況を確認できる
「未来を楽しむ終身保険」に加入している方は、専用のマイページで運用管理から契約確認まで、様々な手続きがオンラインで完結できます。マイページ上で積立金の移転(スイッチング)や運用状況を把握できます。
また、積立金額推移グラフで変額部分と定額部分の内訳が一目で分かり、円・ドル表示の切り替えも可能です。
契約内容の確認や契約者情報の変更手続き、給付金・保険金の請求手続きなどもマイページから行えます。
マニュライフ生命の「未来を楽しむ終身保険」のデメリット・注意点
マニュライフ生命の「未来を楽しむ終身保険」には多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。特に外貨建て商品特有のリスクや複雑な商品構造は、契約前に十分理解しておく必要があります。
これらのデメリットを事前に把握することで、想定外の損失を避け、適切な判断ができるでしょう。リスクとリターンのバランスを慎重に検討することが重要です。
為替リスクの存在
外貨建て商品のため、円と外貨の為替レート変動により、円換算での資産価値が大きく変動します。円高局面では、外貨建ての資産価値が目減りし、期待していたリターンを得られない可能性があります。
項目 | 内容 |
---|---|
為替リスク | 円換算時に為替変動により元本割れの可能性 |
運用リスク | 変額部分は運用実績により増減 |
解約時期 | 早期解約時は解約控除が適用 |
最低保証の範囲 | 契約通貨建てでの保証(円換算額は保証対象外) |
特に解約時や保険金受取時の為替レートが契約時より円高になっている場合、元本割れが生じるリスクがあります。為替変動は予測が困難なため、長期的な視点での判断が必要です。
外貨建て保険の仕組みと特徴については、以下のFAQでも詳しく解説しています。
手数料・諸費用の負担
保険契約の維持には様々な手数料が発生します。契約初期費用、保険関係費、運用関係費、為替手数料などが保険料や積立金から差し引かれるため、実質的な運用利回りは表面利回りより低くなります。
費用項目 | 内容 |
---|---|
保険関係費 | 死亡保険金の最低保証費用、契約締結・維持費用 |
運用関係費 | 特別勘定の運用にかかる費用 |
解約控除 | 解約時に経過年数に応じて控除 |
為替手数料 | 外貨取扱いによる費用 |
スイッチング手数料 | 積立金移転時の費用(年12回まで無料) |
特に契約初期の数年間は初期費用の負担が大きく、早期解約した場合は大幅な元本割れが生じる可能性があります。手数料体系を事前に確認し、長期保有を前提とした契約が必要です。
早期解約時の元本割れリスク
契約から短期間で解約した場合、支払った保険料を下回る解約返戻金しか受け取れない可能性が高くなります。これは初期費用や各種手数料が解約返戻金から差し引かれるためです。
特に契約から5年未満での解約では、大幅な元本割れが生じるケースが多いため、資金の流動性を重視する方には適さない商品といえます。契約前に資金計画を十分検討することが重要です。
複雑な商品構造
定額部分と変額部分の組み合わせ、2つのタイプの選択、特別勘定での運用など、商品構造が複雑で理解が困難な面があります。仕組みを十分に理解せずに契約すると、想定と異なる結果になるリスクがあります。
また、運用実績の確認や各種手続きにも専門知識が必要な場合があり、金融商品に詳しくない方には負担となる可能性があります。契約前の十分な説明と理解が不可欠です。
加入を検討する際に確認すべきポイント
マニュライフ生命の「未来を楽しむ終身保険」への加入を検討する際は、契約内容を詳細に確認し、自身の資金計画やリスク許容度と照らし合わせることが重要です。
外貨建て商品特有の注意点や解約時の手続きについて事前に理解しておくことで、後のトラブルを避けられます。専門家の意見も参考にしながら、慎重に判断しましょう。
契約前に確認すべき事項
契約前には、以下の要素を必ず確認しましょう。
- 保険料
- 保険金額
- 定額部分と変額部分の配分
- 選択する通貨
- 手数料体系
特に為替手数料や運用関係費は、長期的に大きな負担となる可能性があります。
また、契約者貸付制度の有無や貸付条件、保険料払込免除特約の内容についても確認が必要です。将来の資金需要に備えて、契約者貸付が利用できるかどうかは重要なポイントです。
解約時の手続きと費用
解約時には所定の手続きが必要で、解約控除や為替手数料が差し引かれます。解約返戻金の計算方法や受取時期についても事前に確認しておきましょう。
特に外貨建てのため、解約時の為替レートにより円換算での受取金額が大きく変動します。解約タイミングの判断も重要な要素となるため、市場動向を注視する必要があります。
マニュライフ生命の「未来を楽しむ終身保険」が向いている人の特徴
マニュライフ生命の「未来を楽しむ終身保険」は、特定のニーズや特徴を持つ方に特に適した商品です。自身の状況と照らし合わせて、この商品が最適かどうかを判断する参考にしてください。
資産運用と保障を両立したい人
生命保険による死亡保障を確保しながら、同時に資産運用も行いたい方に最適です。従来の終身保険では得られない運用性と、投資商品にはない保障機能を兼ね備えています。
特に30代から40代の働き盛りの世代で、家族への保障を維持しながら将来の資産形成も図りたい方にとって、効率的な資産活用手段となるでしょう。一つの商品で保障と運用の両方をカバーできるため、商品選択の手間を省きながら資産管理を効率化できます。
また、企業経営者や自営業者など、退職金制度がない方の老後資金準備としても有効です。事業収入が安定している間に保険料を支払い、将来の生活資金と万一の保障を同時に確保できる点が魅力的といえます。
外貨建て資産でリスク分散を図りたい人
資産の大部分を円建てで保有している方が、通貨分散を図る手段として活用できます。円安局面では資産価値の向上が期待でき、インフレに対するヘッジ効果も期待できるでしょう。
国際分散投資の一環として、外貨建て保険を組み入れたいと考えている方に適しています。特に日本の長期的な経済成長に不安を感じる方や、海外移住を将来的に検討している方にとって、外貨建て資産の保有は有意義です。
また、子どもの海外留学費用や海外不動産購入など、将来的に外貨需要が見込まれる方にも適しています。保険として積み立てながら、必要時に外貨で受け取れるため、為替手数料の負担を軽減しながら外貨資金を準備することが可能です。
相続対策を重視する富裕層
相続税の非課税枠を活用した節税効果と、外貨建てによる資産価値向上の可能性を両立できます。特に多額の資産を保有する富裕層にとって、効果的な相続対策手段です。
法定相続人1人あたり500万円の非課税枠を最大限活用することで、相続税負担を大幅に軽減できます。例えば、配偶者と子ども2人がいる場合、1,500万円まで非課税で相続できるため、この枠を有効活用する手段として有効です。
さらに、外貨建ての特性により、円安進行時には相続財産の評価額が上昇し、結果的により多くの資産を次世代に残せる可能性があります。不動産などの換金性に乏しい資産を多く保有する方にとって、流動性の高い相続資金の準備手段としても活用できるでしょう。
長期的な資産形成を目指す人
20年以上の長期にわたって資産形成を考えている方に、マニュライフ生命の「未来を楽しむ終身保険」が適しています。長期保有により手数料負担の影響を軽減でき、複利効果による資産成長を期待できます。
特に20代から30代前半の若い世代にとって、時間を味方につけた資産形成が可能です。変額部分の運用により、インフレ率を上回るリターンを期待でき、購買力の維持・向上を図れます。定額部分による元本保証機能があるため、運用初心者でも安心して長期投資に取り組めるでしょう。
また、定年退職までの期間が長い公務員や大企業の会社員など、安定した収入が見込める方の老後資金準備としても有用です。毎月の保険料支払いを通じて、無理なく資産形成を継続できる仕組みが整っています。
投資経験がある金融リテラシーの高い人
外貨建て商品や投資商品に関する知識があり、為替リスクや運用リスクを理解している方に向いています。定期的な運用状況の確認や適切な判断ができる方に適しています。
株式投資や投資信託の運用経験があり、市場の変動に一喜一憂しない精神的な余裕のある方に特におすすめです。運用レポートを読み解く能力があり、必要に応じて定額部分と変額部分の配分変更などの判断ができる方であれば、この商品の特徴を最大限活用できるでしょう。
また、ファイナンシャルプランナーの資格を持つ方や、金融機関での勤務経験がある方など、専門知識を持つ方にとっては、商品の仕組みを理解しやすく、適切な活用が期待できます。
健康状態に不安がある人
健康告知が不要なため、持病がある方や健康状態に不安がある方でも加入可能です。他の生命保険に加入できない方にとって貴重な選択肢です。
糖尿病や高血圧などの生活習慣病を患っている方、過去にがんや心疾患の治療歴がある方でも、年齢要件を満たせば加入できます。通常の生命保険では引受謝絶となるケースでも、この商品であれば保障を確保できる可能性があります。
ただし、健康告知不要の代わりに保険金額の上限が設けられているため、高額な保障が必要な場合は他の手段との組み合わせを検討する必要があります。それでも、最低限の保障と資産形成機能を確保できることは大きなメリットといえるでしょう。
マニュライフ生命の「未来を楽しむ終身保険」が向いていない人の特徴
一方で、この商品が適さない方の特徴も明確にあります。以下に該当する場合は、他の金融商品や保険商品を検討することをおすすめします。
短期間での解約を考えている人
契約から数年以内に解約する可能性がある方には適していません。初期費用や各種手数料により、短期解約では大幅な元本割れが生じるリスクが高いためです。
特に契約から5年以内の解約では、支払った保険料の70~80%程度しか戻らない可能性があります。転職や結婚、出産などのライフイベントにより、近い将来に資金が必要になる可能性が高い方は避けるべきでしょう。
また、事業資金として活用する予定がある自営業者や、住宅購入の頭金として使う可能性がある方も注意が必要です。急な資金需要に備えて流動性を重視する方は、定期預金や短期の投資信託など、いつでも元本を維持しながら解約できる商品を選択すべきです。
為替リスクを避けたい人
円高による資産価値の目減りを避けたい方や、為替変動に一喜一憂したくない方には不向きです。円建ての安定した商品を選択することをおすすめします。
特に年金生活者など、安定した資産価値の維持を最優先に考える方には適していません。為替レートの変動により、月々の生活費に影響が出ることを避けたい方は、円建ての終身保険や個人年金保険を検討すべきでしょう。
また、海外旅行や外貨での支出予定がなく、将来的にも円での受取しか考えていない方にとって、為替リスクは純粋にデメリットとなります。リスクを取らずに安定した資産形成を求める方は、他の選択肢を検討することをおすすめします。
シンプルな保険商品を求める人
複雑な商品構造を理解することに負担を感じる方や、シンプルな仕組みの保険を求める方には適していません。定期保険や円建て終身保険などの検討をおすすめします。
定額部分と変額部分の仕組み、特別勘定での運用、2つのタイプの違いなど、理解すべき要素が多く、保険本来の「安心」を得るために複雑な学習が必要になります。保険は「万一の備え」として考えており、投資的な要素を求めていない方には不向きです。
また、高齢の方や金融商品について詳しく学ぶ時間や意欲がない方にとって、この商品の複雑さは大きな負担となるでしょう。シンプルで分かりやすい保障を求める方は、掛け捨ての定期保険や貯蓄型の円建て終身保険を選択することをおすすめします。
流動性を重視する人
いつでも元本を維持しながら解約したい方には不向きです。早期解約時の元本割れリスクや解約手続きの複雑さを考慮すると、流動性の高い金融商品が適しているでしょう。
特に自営業者や個人事業主など、収入が不安定で急な資金需要が発生しやすい方は注意が必要です。事業の運転資金や設備投資資金として、いつでもアクセスできる資金を確保しておきたい方には不適切です。
また、医療費や介護費用など、予期しない大きな支出に備えたい方も、より流動性の高い商品を選択すべきです。普通預金や定期預金、MRF(マネー・リザーブ・ファンド)など、元本割れリスクがなく、いつでも引き出せる商品の方が適しています。
投資経験が少ない初心者
為替や投資に関する知識が乏しい方は、商品の特性を十分理解できずに不適切な判断をするリスクがあります。まずは基礎知識を身につけてから検討することをおすすめします。
株式投資や投資信託の経験がない方にとって、変額部分の運用や特別勘定の仕組みは理解が困難です。運用レポートを読んでも内容を把握できず、適切な判断ができない可能性があります。
投資初心者の方は、まず少額から始められる投資信託の積立投資などで経験を積み、市場の変動に慣れてからこのような複合的な商品を検討することをおすすめします。金融リテラシーを向上させることが、適切な商品選択の前提条件といえるでしょう。
保障額の大きさを最優先する人
死亡保障の額を最大化したい方には、掛け捨て型の定期保険の方が効率的です。保険料に対する保障額の割合では、この商品は必ずしも有利ではありません。
例えば、同じ月額3万円の保険料で比較した場合、定期保険なら3,000万円以上の保障を得られる可能性がありますが、この商品では保障額はそれより少なくなります。住宅ローンの残債が多い方や、まだ幼い子どもがいる家庭では、保障額の大きさが重要な判断基準となります。
また、社会保険の遺族年金だけでは不十分で、高額な死亡保障が必要な方は、定期保険で大きな保障を確保し、貯蓄は別の手段で行う方が合理的です。保障と貯蓄を分けて考えることで、より効率的な資産形成が可能になるでしょう。
手数料を極力抑えたい人
各種手数料の負担を最小限に抑えたい方には、手数料の安い投資信託や円建て保険商品の方が適しています。コスト重視の方は他の選択肢を検討すべきでしょう。
この商品では契約初期費用、保険関係費、運用関係費、為替手数料など複数の手数料が発生し、これらが長期的に運用成果に大きな影響を与えるためです。特にネット証券で購入できるインデックスファンドなどと比較すると、手数料負担は相当に重くなります。
コストを重視する投資家の方は、ネット証券でのNISAを活用した投資信託の積立投資と、掛け捨ての定期保険を組み合わせるほうが、手数料を抑えながら保障と資産形成の両方を実現できます。運用コストの差は、長期的には大きなリターンの差となって現れます。
マニュライフ生命の「未来を楽しむ終身保険」に関する評判・口コミ
投資のコンシェルジュでは、独自にマニュライフ生命「未来を楽しむ終身保険」に加入している人から口コミを集めました。
良い内容と悪い内容をそれぞれ紹介します。
良い評判・口コミ
ターゲットタイプで120%を設定していたところ、3年目に円換算解約返戻金が目標額に到達し、自動で円建終身へ移行しました。為替と特別勘定の好調が重なり、予定より早く運用益を確保できたのは大きな安心材料です。(50代 男性)
契約時に適用された定額部分の積立利率が年3%台と高めで、さらに死亡保険金は基本保険金額100%が最低保証されているので安心(40代 男性)
「未来を楽しむ終身保険」は、外貨建て変額終身の中でも収益確保と保障の確保を両立しやすい特徴があります。にターゲットタイプは、120〜200%の目標値を選び「契約後1年経過かつ目標額到達」で自動移行する仕組みがあるため、市場が好調な局面での利益確定タイミングを機械的にとらえられます。
定額部分に積立利率(積立利率更改型)が適用されることで、変額部分の市場変動リスクを一定程度平準化できる構造も「安心材料」として好意的な口コミにつながっています
悪い評判・口コミ
一時払保険料を円高局面でドルに替えて払込んだ後、円安が進まず円換算の返戻金が思ったほど増えなかった(50代 男性)
信託報酬や為替スプレッド、管理費用などが差し引かれると、表面上の積立利率ほど手取りリターンは高くない印象(30代 男性)
注意点として挙げられるのは、解約返戻金には最低保証がなく元本割れリスクが残ること、変額部分の信託報酬や為替スプレッド・管理費用などで実質利回りが低下しやすいことです。
外貨建てである以上、為替変動が運用成果を大きく左右し、円安メリットを享受できなければ目標額に届かない可能性があります。
リスクとコストを十分に理解したうえで、長期運用前提で資金性格とリスク許容度を照らし合わせることが不可欠です。
外貨建て保険に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
この記事のまとめ
マニュライフ生命の「未来を楽しむ終身保険」は、定額部分による安全性と変額部分による成長性を兼ね備えた独特な外貨建て終身保険です。健康告知不要での加入や相続税対策としての活用など、他の商品にはない特徴を持っています。
一方で、為替リスクや複雑な商品構造、各種手数料の負担などのデメリットも存在します。特に短期での解約を考えている方や、為替リスクを避けたい方には適していません。
加入を検討する際は、自身の資金計画やリスク許容度を十分に検討し、専門家への相談も活用することをおすすめします。複雑な商品だからこそ、慎重な判断が重要です。

金融系ライター
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
関連する専門用語
一時払い終身保険
一時払い終身保険とは、契約時に保険料を一括で支払うことで、一生涯にわたる死亡保障を得られる生命保険です。途中で保険料を払い続ける必要がないため、まとまった資金を活用して効率的に保障を確保したい方に向いています。 また、解約返戻金が比較的早い時期から増えやすい設計になっていることが多く、相続対策や資産の一部を安全に運用したいと考える方にも選ばれています。保障は一生続くため、万が一の際には確実に保険金を遺すことができ、残された家族の安心につながります。加入後の保険料の負担がないというシンプルさも、大きな特徴です。
終身保険
終身保険とは、被保険者が亡くなるまで一生涯にわたって保障が続く生命保険のことです。契約が有効である限り、いつ亡くなっても保険金が支払われる点が大きな特徴です。また、長く契約を続けることで、解約した際に戻ってくるお金である「解約返戻金」も一定程度蓄積されるため、保障と同時に資産形成の手段としても利用されます。 保険料は一定期間で払い終えるものや、生涯支払い続けるものなど、契約によってさまざまです。遺族への経済的保障を目的に契約されることが多く、老後の資金準備や相続対策としても活用されます。途中で解約すると、払い込んだ金額よりも少ない返戻金しか戻らないこともあるため、長期の視点で加入することが前提となる保険です。
特別勘定
特別勘定とは、主に保険会社が提供する変額保険や年金商品などで使われる仕組みで、契約者から預かったお金を、会社の他の資産とは分けて管理するための専用の勘定のことです。 この仕組みにより、運用による損益は契約者に直接反映され、保険会社の経営状況とは切り離して資産が守られる仕組みになっています。 たとえば、変額保険では、特別勘定の中で株式や債券などの資産を運用し、その運用結果によって将来受け取る金額が変動します。初心者にとっては、特別勘定は「自分のお金がどのように運用されているかが見える透明な箱」とイメージすると理解しやすいです。
積立利率
積立利率とは、保険や年金型の金融商品などで、積み立てられたお金に対して適用される利率のことをいいます。契約者が支払った保険料や掛金のうち、将来の給付や解約返戻金の原資として積み立てられる部分に、この利率が使われて運用されます。 この利率が高ければ、同じ金額を積み立てた場合でも将来の受取額が多くなり、逆に低ければ受取額も少なくなります。積立利率には「予定利率」と呼ばれるあらかじめ定められた利率と、市場金利の動向に応じて変動する「変動利率型」のものがあります。保険商品を選ぶ際には、この利率がどのように決まるのか、固定か変動か、そして実際にどれくらいの利回りが期待できるかを確認することが、将来の受取額を正しく見積もるうえで重要です。
解約控除
解約控除とは、保険や一部の投資商品を契約期間の途中で解約した場合に、契約者が受け取る解約返戻金などから差し引かれる手数料のことをいいます。特に契約から数年以内など、早い段階で解約した際に高めに設定されていることが多く、実際に受け取れる金額が大きく減ってしまうことがあります。 この制度は、販売時にかかった初期費用や運用の準備にかかるコストを回収するために設けられていますが、契約者にとっては思ったよりも少ない金額しか戻ってこないというリスクにつながります。そのため、商品選びの際には解約控除の有無やその金額、期間などをよく確認し、「途中で解約したらどうなるか」をあらかじめ理解しておくことがとても大切です。長期での運用を前提とした商品には特に注意が必要です。
保険金
保険金とは、生命保険や損害保険などの保険契約に基づき、あらかじめ決められた事由が発生したときに保険会社から受取人へ支払われるお金を指します。 たとえば死亡や入院、事故による損害などが起こると、契約内容に応じた金額が支払われます。これは万一の経済的損失を補うために設計されており、受け取った人は生活費や治療費、修理費などに充てることができます。
非課税枠
非課税枠とは、税金が課されない金額の上限を指し、様々な税制に適用される制度。 例えば相続税では基礎控除額として「3,000万円+600万円×法定相続人数」が非課税枠となる。贈与税では年間110万円までの贈与が非課税。また、NISA(少額投資非課税制度)では年間の投資上限額に対する運用益が非課税となる。 このような非課税枠は、税負担の軽減や特定の政策目的(資産形成促進など)のために設定されており、納税者にとって税金対策の重要な要素となっている。
信託報酬
信託報酬とは、投資信託やETFの運用・管理にかかる費用として投資家が間接的に負担する手数料であり、運用会社・販売会社・受託銀行の三者に配分されます。 通常は年率〇%と表示され、その割合を基準価額にあたるNAV(Net Asset Value)に日割りで乗じる形で毎日控除されるため、投資家が口座から現金で支払う場面はありません。 したがって運用成績がマイナスでも信託報酬は必ず差し引かれ、長期にわたる複利効果を目減りさせる“見えないコスト”として意識されます。 販売時に一度だけ負担する販売手数料や、法定監査報酬などと異なり、信託報酬は保有期間中ずっと発生するランニングコストです。 実際には運用会社が3〜6割、販売会社が3〜5割、受託銀行が1〜2割前後を受け取る設計が一般的で、アクティブ型ファンドでは1%超、インデックス型では0.1%台まで低下するケースもあります。 同じファンドタイプなら総経費率 TER(Total Expense Ratio)や実質コストを比較し、長期保有ほど差が拡大する点に留意して商品選択を行うことが重要です。
為替スプレッド
為替スプレッドとは、外貨を売るときと買うときに適用される為替レートの差額のことをいいます。たとえば、ある通貨を買うときのレート(TTS)と売るときのレート(TTB)には差があり、この差がスプレッドです。銀行や証券会社などの金融機関は、このスプレッドの中に利益やコストを含めています。 投資家にとっては、スプレッドが広いほど取引コストが高くなるため、外貨預金や外国為替取引(FX)などを行う際には注意が必要です。特に頻繁に取引をする場合や、短期での為替差益を狙う取引では、このスプレッドが実質的な負担となることがあります。為替スプレッドは見えにくいコストのひとつですが、運用の成果に影響するため、取引前にレートの内訳を確認することが大切です。
複利
複利とは、利息などの運用成果を元本に加え、その合計額を新たな元本として収益拡大を図る効果。利息が利息を生むメリットがあり、運用成果をその都度受け取る単利に比べ、高い収益を期待できるのが特徴。短期間では両者の差は小さいものの、期間が長くなるほどその差は大きくなる。
無告知型終身保険
無告知型終身保険とは、健康状態の告知や医師の診査なしで加入できる終身保険です。 通常の生命保険では、申し込み時に過去の病歴や現在の健康状態について詳しく告知する必要がありますが、無告知型ではこうした手続きが不要なため、持病がある方や高齢の方でも加入しやすいのが大きな特徴です。 ただし、その分保険料は一般の保険よりも割高になる傾向があります。さらに、契約直後からすぐに全額の死亡保険金が支払われるわけではなく、一定期間(たとえば2年間など)は保険金の支払いが制限される「免責期間」が設けられているのが一般的です。 そのため、加入前には保障内容や免責期間の条件をしっかり確認することが大切です。 「健康に不安はあるけれど、万が一のために備えておきたい」という方にとって、有力な選択肢のひとつとなる保険商品と言えるでしょう。