
SBI生命の医療保険「終身医療保険Neo」完全ガイド|保険料が安い理由と評判・口コミを徹底解説
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公開:
2025.08.01
更新:
2025.08.01
SBI生命の「終身医療保険Neo」は、非喫煙かつBMI18.0〜27.0の優良体に該当すれば保険料を大幅に抑えられる一方、先進医療特約は10年更新で保険料が上昇する懸念があります。
こちらの記事では、割安さの裏にある注意点と特別保険料制度・8大疾病無制限特則の活用術を整理し、就業不能保険「働く人のたより」とのセット運用まで詳しく解説します。
サクッとわかる!簡単要約
SBI生命の「終身医療保険Neo」は、優良体なら月1,000円台で入院日額5,000円を一生涯確保しつつ、8大疾病は入院日数無制限、先進医療も通算2,000万円まで備えられるのがNeoの強みです。
本記事で、健康割引の使い方、10年更新特約のリスク管理、特別保険料制度や女性疾病特約の最適化、就業不能保険との連携を体系的に理解できます。評判・口コミで語られるメリットとデメリット、告知義務や91日待機期間の落とし穴までチェックでき、保険選びの迷いが解消します。
目次
民間の医療保険とは何か
民間の医療保険とは、保険会社が提供する医療費の保障制度です。国民健康保険や社会保険などの公的医療保険とは別に、個人が任意で加入する保険です。
公的保険では自己負担が3割となりますが、民間医療保険はその自己負担分や差額ベッド代、先進医療費などをカバーします。入院時には1日あたり5,000円や10,000円といった定額給付金が支払われるタイプが一般的で、手術給付金や通院給付金が付いている商品もあります。
保険料は年齢や性別、保障内容によって決まり、若いうちに加入すると保険料が安く抑えられます。終身型は一生涯保障が続き、定期型は保障期間が一定期間です。
民間医療保険の最大のメリットは、公的保険だけでは不足しがちな医療費の自己負担部分を補えることです。特に長期入院や高額な治療が必要になった場合の経済的負担を軽減できます。ただし、既往症がある場合は加入が制限されることもあるため、健康なうちに検討することが重要です。
医療保険の特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。
SBI生命の終身医療保険Neoとは?基本概要
SBI生命の終身医療保険Neoは、一生涯にわたって医療保障が続く終身タイプの医療保険です。病気やケガによる入院・手術に備えながら、健康状態に応じた保険料設定により、多くの方がお手頃な保険料で加入できます。
2022年11月1日に発売された同商品は、SBIグループだから実現した保険料を特徴とし、非喫煙者や健康な方に特に有利な料率設定となっています。シンプルながら必要な保障を網羅し、特約による充実した保障の組み合わせも可能です。
商品の基本スペック
項目 | 内容 |
---|---|
商品名 | SBI生命の終身医療保険Neo |
商品タイプ | 終身医療保険(無解約返戻金型) |
保険期間 | 終身 |
保険料払込期間 | 終身 |
契約年齢 | ネット申込:満69歳まで 対面・郵送申込:満75歳まで |
入院給付金日額 | 5,000円~15,000円(1,000円単位) |
手術給付金 | 入院中:日額×10倍 外来:日額×5倍 |
支払限度日数 | 60日型・120日型(通算1,095日) |
SBIグループの信頼性
SBI生命は、SBIホールディングス(東証プライム市場上場)およびSBIインシュアランスグループ(東証グロース市場上場)のグループ会社として運営されています。
SBIグループは金融サービス業界で高い実績を持つ企業グループで、その一員であるSBI生命も安定した経営基盤のもとで保険事業を展開しています。上場企業グループならではの透明性の高い経営と、グループ全体のスケールメリットを活かした競争力のある保険料設定が強みです。
また、生命保険契約者保護機構に加入しており、万が一の経営破綻時でも契約者保護の仕組みが整備されています。責任準備金等の90%まで(高予定利率契約を除く)が補償対象となるため、契約者にとって一定の安心材料となっています。
SBI生命の終身医療保険Neo5つの特徴
SBI生命の終身医療保険Neoは、他社にはない独自の特徴を持つ医療保険です。優良体料率による保険料割引制度をはじめ、特別保険料制度による幅広い引受、短期入院への対応、充実した付帯サービス、8大疾病への無制限保障など、多角的なメリットを提供しています。
優良体料率による保険料割引
SBI生命の終身医療保険Neoの最大の特徴は、過去1年以内にタバコを吸っていなく、BMIが18.0以上27.0未満の条件を満たすと、優良体料率が適用され保険料が安くなることです。
BMI(ボディ・マス・インデックス)の基準範囲は比較的広く設定されており、身長が160cmの人だと体重は46~68kg、170cmの人だと52~77kgが対象となります。この基準により、多くの健康な方が割安な保険料で加入できる仕組みとなっています。
特別保険料制度で幅広い引受
医療保険では珍しい「特別保険料制度」を採用しているのも大きな特徴です。健康状態に不安がある方でも、通常の引受基準では加入が困難な場合に、割増保険料で加入できる場合があります。
この制度により、既往歴や持病がある方でも医療保険への加入の道が開かれており、より多くの方に保障の機会を提供しています。ただし、すべてのケースで引受可能というわけではなく、健康状態によっては引受できない場合もある点には注意が必要です。
短期入院に対応した保障設計
近年の入院日数短期化傾向に対応した保障設計も特徴のひとつです。5,000〜15,000円まで1,000円単位で設定できる入院給付金に加え、日帰り入院から対応する一時給付金特約も用意されています。
終身入院一時給付金特約は日帰り入院から、終身三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)一時給付金特約は1日以上の入院(または手術)でまとまった額の給付金を受け取れます。短期入院でも経済的負担をカバーできる設計です。
充実した付帯サービス
契約者向けの付帯サービスも充実しています。ベストドクターズ・サービスが無料で利用でき、優秀な専門医の紹介を受けることができます。
さらに、健康・医療や相続等に関する相談に対して、24時間365日無料で答えてくれる専用のサービス「SBI生命 安心健康サービス」も提供されています。これらのサービスは保険料に含まれており、追加費用なしで利用可能です。
8大疾病無制限保障
特則の付加により、がん・心疾患・脳血管疾患・糖尿病・高血圧性疾患・腎疾患・肝疾患・膵疾患の8大疾病による入院については、支払日数が無制限となります。
8大疾病支払日数限度無制限特則が付加されている場合、8大疾病による入院は日数無制限となり、長期入院が必要な重大疾病にもしっかりと備えられます。
SBI生命の終身医療保険Neoのメリット
SBI生命の終身医療保険Neoには、契約者にとって魅力的な3つの主要メリットがあります。業界最安水準の保険料による経済的負担の軽減、豊富な特約オプションによるカスタマイズ性、そしてシンプルで理解しやすい保障内容による分かりやすさです。これらのメリットにより、多くの方にとって検討価値の高い医療保険となっています。
業界最安水準の保険料
優良体料率の適用により、同等の保障内容を持つ他社商品と比較して競争力のある保険料水準を実現しています。SBIグループだから実現した保険料として、コストパフォーマンスの高さが大きな魅力です。
非喫煙者で標準的な体格の方であれば、月額保険料を大幅に抑えながら充実した医療保障を確保できます。終身払いであっても、長期的に見た保険料負担の軽減効果は大きいといえるでしょう。
豊富な特約オプション
ニーズに応じて選択できる特約・特則が豊富に用意されています。
特約・特則名 | 保障内容 |
---|---|
先進医療特約(2022) | 先進医療技術料の実額保障(通算2,000万円限度) |
終身女性疾病特約 | 女性特有の疾病による入院の上乗せ保障 |
終身女性特定手術特約 | 女性特定部位の手術給付金 |
乳房再建特約 | 乳房再建術を受けた場合の給付金 |
終身通院特約 | 退院後の通院保障 |
3大疾病保険料払込免除特約 | 3大疾病時の保険料払込免除 |
終身3大疾病一時給付金特約 | 3大疾病時の一時給付金 |
終身在宅医療特約 | 在宅医療時の保障 |
必要に応じて特約をカスタマイズすれば、必要な保障を得られます。
なお、三大疾病保険の必要性については、以下の記事でも解説しています。あわせて参考にしてみてください。
シンプルで理解しやすい保障内容
複雑な条件や制限が少なく、保障内容が分かりやすいのも大きなメリットです。基本保障は入院・手術給付金のシンプルな構成で、必要に応じて特約を追加する形となっています。
保険用語や支払条件も理解しやすく記載されており、初めて医療保険に加入する方でも内容を把握しやすい設計です。
なお、民間の医療保険に加入するメリットについては、以下のFAQも参考にしてみてください。
SBI生命の終身医療保険Neoのデメリット・注意点
どのような医療保険にもデメリットや注意すべき点があり、SBI生命の終身医療保険Neoも例外ではありません。主な注意点として、先進医療特約の更新型設計、抗がん剤治療特約の不在、解約返戻金の少なさが挙げられます。これらの点を理解したうえで、自身のニーズと照らし合わせて検討することが重要です。
先進医療特約が10年更新
先進医療特約(2022)の保険期間は10年で、90歳まで自動更新となっている点は注意が必要です。更新時に保険料が上がる可能性があり、長期的な保険料負担を考慮する必要があります。
主契約は終身保障・終身払いですが、先進医療特約については定期更新のため、将来的な保険料変動リスクがあることを理解したうえで加入を検討することが重要です。
抗がん剤治療特約がない
がん治療において重要な抗がん剤治療に特化した特約が用意されていない点は、考慮すべきデメリットです。がん診断一時金や入院保障はありますが、外来での抗がん剤治療費用を直接カバーする特約はありません。
がん治療の多様化により、外来での抗がん剤治療が増えている現状を考えると、この保障の不足は検討材料のひとつとなるでしょう。
解約返戻金が少ない
無解約返戻金型の商品設計のため、主契約・特約に解約返戻金はありません(保険料払込期間満了後を除く)。保険料を抑える代わりに、貯蓄性はほとんどありません。
途中解約した場合の返戻金は期待できないため、長期継続を前提とした加入検討が必要です。
告知義務と契約前の注意点
医療保険加入時には正確な告知が必要です。過去の病歴、現在の健康状態、服薬状況などを正確に申告する必要があり、告知義務違反があった場合は契約解除や給付金不払いの対象となる可能性があります。
また、がん保障に関しては、契約日から91日間の待機期間が設けられています。この期間中にがんと診断確定された場合、がん関連の保障は対象外となるため注意が必要です。契約前には必ず「契約概要および重要事項のお知らせ」「ご契約のしおり・約款」を熟読することをお勧めします。
なお、民間の医療保険に加入するデメリットについては、以下のFAQも参考にしてみてください。
SBI生命の終身医療保険Neoが向いている人
SBI生命の終身医療保険Neoは、特定のニーズを持つ方に特に適した商品設計となっています。保険料を抑えながら医療保障を確保したい方や健康状態に不安があるものの保険加入を希望する方にとって、メリットの大きい選択肢となるでしょう。
保険料を抑えたい人
健康で非喫煙の方であれば、優良体料率により業界最安水準の保険料で医療保障を確保できます。月々の保険料負担を最小限に抑えながら、必要十分な医療保障を求める方に最適です。
特に若い世代や家計に余裕のない方でも、無理のない保険料で一生涯の医療保障を準備できる点は大きな魅力といえるでしょう。
健康に不安がある人
特別保険料制度により、他社では引受が困難なケースでも加入できる可能性があります。既往歴や持病がある方でも、条件付きでの引受により医療保障を確保できる場合があります。
健康状態に不安があるものの医療保険への加入を希望する方にとって、選択肢のひとつとして検討価値の高い商品です。
シンプルな保障を求める人
複雑な保障内容ではなく、基本的な入院・手術保障をメインとしたシンプルな保障を求める方に適しています。必要に応じて特約を追加できるため、自分に必要な保障だけを選択できます。
保険の内容を理解しやすく、無駄のない保障設計を重視する方におすすめできる商品です。
SBI生命の終身医療保険Neoが向いていない人
一方で、特定のニーズや期待を持つ方には、SBI生命の終身医療保険Neoが最適な選択肢とならない場合もあります。貯蓄性を重視する方、がん保障の充実を求める方、先進医療特約の終身保障を希望する方は、他の選択肢も含めて慎重に検討する必要があるでしょう。
貯蓄性を重視する人
無解約返戻金型のため、保険料の積立機能や貯蓄性を期待する方には向きません。保険料を安く抑える代わりに、解約時の返戻金はほとんど期待できない設計となっています。
保険を通じた資産形成や将来の解約返戻金を期待する方は、他の商品を検討することをおすすめします。
手厚いがん保障を求める人
がん治療の多様化に対応した専用特約が限定的で、特に外来での抗がん剤治療に対する直接的な保障がありません。がんに対する手厚い保障を重視する方には、がん保険の併用や他社商品の検討が必要かもしれません。
がん診断一時金や入院保障はありますが、がん治療全般をカバーする包括的な保障を求める方には物足りない可能性があります。
終身型の先進医療特約希望者
先進医療特約が10年更新型のため、終身にわたって保険料が変わらない先進医療保障を求める方には適しません。更新時の保険料上昇リスクを避けたい方は、終身型の先進医療特約を提供する他社商品を検討する必要があります。
長期的な保険料の安定性を重視する方にとっては、この点がデメリットとなる可能性があります。
就業不能保険「働く人のたより」とセットで加入するとより安心
SBI生命が取り扱っている「終身医療保険Neo」と併せて、就業不能保険「働く人のたより」に同時加入すれば、より安心感は大きくなります。この組み合わせにより、短期の医療費と長期の生活費(収入)の両面をカバーできる包括的な保障体制を構築することが可能です。
医療保険は入院や手術時の医療費をカバーしますが、長期療養により働けなくなった場合の生活費までは保障できません。特に、精神疾患やがん治療などで長期間の休職が必要になった場合、医療費以上に生活費の確保が重要な課題となります。
就業不能保険「働く人のたより」は、病気やケガで働けなくなった場合に毎月給付金を受け取れる保険です。SBI生命の終身医療保険Neoとセットで加入することで、入院時の医療費は医療保険で、働けない期間の生活費は就業不能保険でカバーする「二重の安心」が得られます。
両商品ともSBIグループならではのお手頃な保険料を実現しており、家計負担を抑えながら充実した保障を確保できます。また、同一保険会社での契約により、契約管理や給付金請求手続きの簡素化というメリットもあります。特に自営業者や家計の大黒柱となる方には、医療保険と就業不能保険のセット加入をおすすめします。
医療保険と就業不能保険の違いについては、以下のFAQも参考にしてみてください。
実際に加入している人からの評判・口コミ
投資のコンシェルジュでは、独自にSBI生命の「終身医療保険Neo」の加入者から評判を集めました。ポジティブな内容とネガティブな内容をそれぞれ紹介するため、参考にしてみてください。
良い口コミ
タバコを吸わず、BMIも基準内なので《優良体料率》が適用されました。月々1,000円弱で日帰り入院から給付が出るのはうれしいですね。女性疾病の保障もセットにできるので、将来の妊娠や婦人科系リスクまで広くカバーできる安心感があります。(30代 女性)
先進医療も2,000万円まで備えられる一方で、保険料は想像より安かった。三大疾病一時金も1年ごとにリセットされるので、コスパの高い終身医療と感じる。(40代 男性)
「終身医療保険Neo」は、非喫煙・適正体重なら業界最低水準クラスの保険料で、入院初日から重症化のリスクまで効率的にカバーできます。通院・在宅医療特約を付ければ退院後の自己負担も抑えられ、長期保障としての完成度は高いです。
悪い口コミ
先進医療特約が10年更新タイプと知って不安に。終身部分は保険料固定でも、特約が10年ごとに上がるかもしれない点は長期加入を考えるとマイナスに感じる。(30代 女性)
「終身医療保険Neo」は設計自体のコスパは良好ですが、先進医療特約は10年更新で将来の保険料上昇リスクが残り、外来抗がん剤給付特約がない点も治療トレンドに追随していません。
喫煙歴やBMI基準外だと優良体料率を享受できず、標準体料率でもネット系医療保険より割高となる場合があります。加入前に健康改善計画や他社商品との比較検討を行い、あなたの治療費リスクと保険料負担のバランスを必ず確認しましょう。
この記事のまとめ
SBI生命の終身医療保険Neoは、非喫煙・適正BMIなら保険料を抑えつつ、8大疾病無制限
と先進医療2,000万円を備えられる終身医療です。健康割引外でも特別保険料制度で加入余地があり、就業不能保険と組み合わせれば収入面も補えます。
ただし、先進医療特約は10年更新で保険料上昇リスクがあり、解約返戻金や抗がん剤特約は乏しい点に注意が必要です。
保険料を抑えたい健康な方、健康に不安があるものの医療保障を求める方、シンプルな保障を重視する方に向いています。なお、保険加入の最終判断は必ず契約概要や重要事項説明書を十分に確認し、不明な点は保険会社や専門家に確認したうえで行うことが大切です。

金融系ライター
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
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入院給付日額
入院給付日額とは、民間の医療保険や共済に加入した際に、被保険者が入院した日数に応じて1日あたりいくら受け取れるかを定めた金額です。 たとえば日額1万円と契約していれば、10日間入院した場合に10万円が給付されます。公的医療保険でカバーしきれない自己負担分や、入院中の生活費・家族の交通費などを補う目的で設定されるため、金額が高過ぎても保険料負担が重くなり、逆に低過ぎると入院時の支出を賄い切れない恐れがあります。 資産運用の観点では、万一の医療費リスクを事前にヘッジすることで、手元資金を投資に回す余裕を保ちやすくなるため、適切な日額設定が長期的な資産形成を左右する重要なポイントとなります。
手術給付金
手術給付金とは、病気やけがで医師の管理下において所定の手術を受けた場合に、医療保険やがん保険などから一時金として受け取れる給付金のことです。手術の種類や入院の有無、保険商品ごとに定められた給付倍率によって支払額が決まり、入院給付金の日額に10倍・20倍を掛ける方式や、あらかじめ定額を設定する方式などがあります。 これにより、高額になりやすい手術関連費用や術後の生活費を早期に確保できるため、家計への負担軽減に役立ちます。ただし、対象となる手術の範囲や給付回数、同一部位の再手術に関する待機期間などは保険ごとに条件が異なるため、約款を確認したうえで保障内容を選ぶことが大切です。
支払限度日数
支払限度日数とは、医療保険において入院給付金などが支払われる上限の日数のことを指します。たとえば「入院1日につき給付金が出るが、1回の入院につき60日まで」といったように、保険会社ごとに定められた日数制限があります。 この上限を超えた入院日数に対しては、原則として給付金は支払われません。そのため、長期入院のリスクに備えるには、支払限度日数が十分に長いか、あるいは延長保障があるかどうかを確認することが大切です。 保険選びの際には、保障内容や保険料と合わせてこの支払限度日数も比較検討することが重要です。
八大疾病(しっぺい)
八大疾病とは、がん(悪性新生物)や急性心筋梗塞、脳卒中など重篤な治療や長期療養が必要となりやすい八つの病気をまとめた呼び方で、生命保険や医療保険の特約で用いられることが多い概念です。 対象となる病気は保険会社によって若干異なるものの、一般的には三大疾病に加えて、腎不全、肝硬変、慢性膵炎、糖尿病の合併症、そして高血圧性疾患などが含まれています。 これらの病気に備えることで、治療費や生活費の急な負担を軽減し、長期の資産形成を妨げないようにするという観点から資産運用の一環として重要視されています。早期から保障を用意しておくことで、投資計画や老後資金計画を中断せずに続けられる点がメリットです。
先進医療特約
先進医療特約とは、民間の医療保険やがん保険に追加して付けられる保障で、厚生労働大臣が承認した先進医療を受けた際にかかる技術料や治療費の自己負担分を所定の限度額まで補填する仕組みです。先進医療は公的医療保険の対象外で、粒子線治療など一回数百万円に上るケースもあるため、特約を付けることで大きな費用負担を回避できます。 一般的に保険料は月数百円程度と比較的低く抑えられており、加入時の年齢や支払方法によって決まります。給付を受けるには治療前に保険会社へ連絡し、指定医療機関で先進医療の実施が確定したことを証明する書類を提出する必要があります。医療技術は日々進化しており、承認される先進医療の数も変動するため、加入後も特約の対象範囲が最新の治療に対応しているか確認しておくと安心です。
三大疾病保険
三大疾病保険とは、がん・急性心筋梗塞・脳卒中のいずれかと医師に診断されたとき、あるいは所定の状態に該当したときに、一時金が支払われる保険です。治療費はもちろん、仕事を休むことで減少する収入や、介護・生活環境の整備などの費用にも充てられるため、医療保険や公的医療保障を補完しながら家計への影響を抑える役割を果たします。保険会社や商品によって給付条件や支払上限、診断後の免責期間に違いがありますので、契約前に内容をよく確認し、自分のライフプランや貯蓄状況に合った保障額を選ぶことが大切です。
就業不能保険
就業不能保険とは、病気やけがで働けなくなり、収入が得られなくなった場合に、一定期間ごとに保険金が支払われる民間の保険商品です。この保険は、入院や自宅療養などで仕事を続けられない状況が長引いたときに、生活費やローン返済などの家計の負担を軽減するために設けられています。 公的な障害年金制度ではカバーしきれない部分を補う目的があり、自営業者やフリーランスなど、収入の保障が不安定な人に特に注目されています。保障内容や支払期間、免責期間などは契約ごとに異なるため、自分の職業やライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。
待機期間
待機期間とは、保険契約を結んでから実際に保障が始まるまでの一定期間のことを指します。たとえば、医療保険やがん保険では、契約してすぐに病気になった場合でも、待機期間中に発病したものについては保険金が支払われない仕組みになっています。これは、保険契約時にすでに病気が進行していた場合などに、不当な請求を防ぐための制度です。
保険契約者保護機構
保険契約者保護機構とは、万が一、保険会社が経営破綻した場合に、契約者の保険契約を保護するために設立された公的な法人です。生命保険会社や損害保険会社がこの機構に加入しており、破綻時には一定の補償や契約の引き継ぎを行う仕組みが整えられています。 たとえば、生命保険の契約があっても、保険会社が破綻すると通常は支払いが困難になりますが、この機構が関与することで契約内容の一部が維持され、最低限の保障が確保されます。資産運用の観点からは、長期契約となる保険商品に安心して加入できるようにするためのセーフティネットとして、保険契約者保護機構の存在は非常に重要です。加入している保険会社がこの制度に加入しているかを確認することは、安全性の判断材料にもなります。