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SBI・Vシリーズとは?S&P500・全米・全世界・高配当の違いと活用法を徹底解説!

SBI・Vシリーズとは?S&P500・全米・全世界・高配当の違いと活用法を徹底解説!

SBI・Vシリーズとは?S&P500・全米・全世界・高配当の違いと活用法を徹底解説!

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執筆者:

公開:

2025.11.06

更新:

2025.11.06

投資信託・ETF

低コストで人気の投資信託「SBI・Vシリーズ」は、シリーズ純資産総額が1兆円を突破するなど、多くの投資家に支持されています。特に2024年に始まった新NISAをきっかけに、資産形成の核となる投資先として注目度はますます高まっています。

しかし、「ライバルのeMAXIS Slimと何が違うの?」「S&P500や全世界株式など、結局どれを選べばいい?」といった具体的な疑問を持つ方も少なくありません。この記事では、SBI・Vシリーズの魅力から主要5ファンドの選び方までを徹底解説し、あなたに最適な一本を見つけるための判断基準を示します。

サクッとわかる!簡単要約

この記事を読むと、人気の「SBI・Vシリーズ」について、なぜそのファンドを選ぶべきかの判断材料を得ることができます。特に、S&P500や全世界株式といった主要5ファンドの個性、低い信託報酬の価値、そしてライバルeMAXIS Slimとの賢い使い分け方が、明確に理解できます。投資シナリオ例や活用例も踏まえることで、自分の投資戦略に合った一本を自信を持って選び、納得して資産運用をスタートできる土台を作ることができます。

目次

SBI・Vシリーズとは、低コストで優良な米国ETFに投資できるファンドのこと

SBI・Vシリーズの3つの特徴

「eMAXIS Slim」や「楽天Vシリーズ」との違いは?投資対象とコスト構造を比較

SBI・Vシリーズがおすすめな人、おすすめしない人の特徴

SBI・Vシリーズの主要ファンド5選|S&P500・全米・全世界・高配当・増配を徹底比較

1.SBI・V・S&P500|米国経済を牽引する王道500社に投資(VOO連動)

2.SBI・V・全米株式|大型〜小型株まで米国市場を丸ごと買うなら(VTI連動)

3.SBI・V・全世界株式|これ1本で世界中の株に分散投資(VT連動)

4.SBI・V・米国高配当株式|安定した配当収入を狙う方に(VYM連動)

5.SBI・V・米国増配株式|着実な成長と配当増が期待できる優良株へ(VIG連動)

SBI・Vシリーズの活用例:3つの投資シナリオ

シナリオA:『全世界株式』1本で手間なく世界平均点を目指す

シナリオB:『S&P500 or 全米株式』で米国の成長に賭ける

シナリオC:コア(全世界/全米)+サテライト(高配当/増配)で自分好みに調整

新NISA・iDeCoで賢く活用!SBI・Vシリーズの始め方

つみたて投資枠:「S&P500・全米・全世界」のいずれかを毎月自動で積立が王道

成長投資枠:「高配当・増配」をプラスしてポートフォリオを強化

iDeCoで買うなら?SBI証券の取扱商品と注意点(60歳まで引出不可)

どこで買うのがお得?SBI証券・楽天証券のポイント還元や手数料を比較

SBI・VシリーズとeMAXIS Slimはどっちを選ぶ?人気ファンド4つの比較ポイント

ポイント1.実質コスト:手数料で本当に安いのはどっち?

ポイント2.連動指数:小型株を含むかどうかが大きな違い

ポイント3.純資産総額:ファンドの安定性と規模で比較

ポイント4.トラッキングエラー:指数への連動精度は?

バンガード社のETFにこだわるならSBI・V、コストや安心感重視ならeMAXIS Slim

SBI・Vシリーズとは、低コストで優良な米国ETFに投資できるファンドのこと

新しいNISA制度の開始を機に、低コストなインデックス投資への関心が高まっています。この記事では、資産運用初心者から中級者向けに、SBIアセットマネジメントが提供するSBI・Vシリーズの魅力と特徴を分かりやすく解説します。

SBI・Vシリーズの3つの特徴

SBI・Vシリーズが多くの投資家から支持される理由は、主に3つの特徴に集約されます。ここでは、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

特徴1:世界最大級の運用会社バンガード社のETFに手軽に投資できる

SBI・Vシリーズの最大の特徴は、世界最大級の運用会社であるバンガード社が運用するETF(上場投資信託)に投資する点です。S&P500に連動する「VOO」や全世界株式に投資する「VT」といった、世界中の投資家から支持される優良なETFが投資対象となっており、その投資成果を円建てで手軽に享受できます。

特徴2:業界最安水準の信託報酬で長期的なリターン向上が期待できる

投資信託は保有期間中ずっとコストがかかり続けるため、わずかな差が将来の受取額に大きく影響します。SBI・Vシリーズは、信託報酬が年率0.1%前後と業界最安水準に設定されています。コストを極限まで抑えることで、長期にわたる資産形成において効率的にリターンを追求することが可能です。

特徴3:少額からの積立に対応し、新NISAでの資産形成に最適

毎月100円といった少額から積立設定ができるため、投資初心者でも無理なく始められます。非課税の恩恵が大きい新NISAの「つみたて投資枠」などを活用し、コツコツと資産を育てるのに非常に適した商品設計となっています。低コストで長期・分散投資に適した性質は、まさに新NISAに最適な選択肢の一つと言えるでしょう。

「eMAXIS Slim」や「楽天Vシリーズ」との違いは?投資対象とコスト構造を比較

SBI・Vシリーズは、バンガード社のETF(VOO、VTIなど)を投資信託の形にパッケージ化した商品です。ETFが持つ低コストの利点を活かしつつ、円建てで少額から積立できる手軽さを両立させています。一方、eMAXIS Slimシリーズなどは特定の株価指数に直接連動することを目指して運用されます。この運用方針の違いが、コストや投資対象の細かな差となって現れます。

SBI・Vシリーズがおすすめな人、おすすめしない人の特徴

SBI・Vシリーズは、多くの人にとって有力な選択肢ですが、投資スタイルによっては他の商品が適している場合もあります。ここでは、どのような方にSBI・Vシリーズが向いているか、また逆に向いていないケースはどのようなものかを具体的に解説します。

おすすめな人:手数料を抑え、米国や全世界へコツコツ長期投資したい初心者

SBI・Vシリーズは、特にこれから新NISAで資産形成を始める初心者の方に最適です。手数料をできるだけ抑えつつ、王道である米国株式や全世界株式へコツコツと長期で積立投資をしたいと考えている方にぴったりの商品と言えるでしょう。また、世界的に評価の高いバンガード社のETFに魅力を感じているものの、ドル建てでの直接購入には抵抗がある方にとっても、円建てで手軽に投資できる有力な選択肢となります。

おすすめしない人:短期的なリターンを狙いたい、個別株に集中投資したい人

一方で、長期的な資産形成よりも短期的なリターンを重視する投資スタイルの方には、他の選択肢が適しています。例えば、日中の価格変動を捉えてタイミングよく売買したい方や、AIやクリーンエネルギーといった特定のテーマ、あるいは個別企業の成長に集中投資したい方には不向きです。また、定期的に現金で分配金(配当)を受け取りたい場合も、自動で再投資されるSBI・Vシリーズよりは、ETFを直接保有するなどの方法が向いています。

SBI・Vシリーズの主要ファンド5選|S&P500・全米・全世界・高配当・増配を徹底比較

2019年9月に第1号ファンドが設定されて以降、ラインナップは拡充し続け、シリーズ合計の純資産残高が1兆円を突破するほど、多くの投資家から支持を集めています。ここでは主要なファンドについて、投資対象となる米国ETFとの比較も交えて解説します。

1.SBI・V・S&P500|米国経済を牽引する王道500社に投資(VOO連動)

商品名信託報酬(目安)NISA対応位置づけ特徴
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド0.0938% 程度〇(つみたて枠・成長枠)コア米国大型株500社に広く分散。円建て・100円から積立可。VOOを実質的投資対象。

このファンドは、米国の代表的な指数であるS&P500に連動し、バンガード社のVOO(S&P500 ETF)を主な投資対象とします。信託報酬は年0.0938%程度と低く、アップルやマイクロソフトといった米国の大型優良株に分散投資します。

投資対象であるVOOの経費率は年0.03%とさらに低いですが、SBI・V・S&P500は為替手数料やドル転の手間なく、100円という少額から円建てで購入できる手軽さが魅力です。コスト差も年間約0.06%と僅かなため、特に初心者の方には利用しやすいでしょう。

2.SBI・V・全米株式|大型〜小型株まで米国市場を丸ごと買うなら(VTI連動)

商品名信託報酬(目安)NISA対応位置づけ特徴
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド0.0938% 程度〇(つみたて枠・成長枠)コア米国市場の大型~小型まで網羅。VTIを実質的投資対象。S&P500より分散が広い。

米国株式市場のほぼ全体をカバーするCRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動するファンドです。投資対象はバンガード社のVTIで、信託報酬は年0.0938%程度。大型株から小型株まで約3,900銘柄に分散投資できるのが特徴です。

S&P500が大型株中心であるのに対し、このファンドは中小型株まで含むため、米国市場の成長をより幅広く捉えたい投資家に適しています。VTIとの実質的なコスト差は約0.06%で、競合の全米株式ファンドと比較してもコスト競争力が高い商品です。

VTIについては以下記事で詳しく解説しています。

3.SBI・V・全世界株式|これ1本で世界中の株に分散投資(VT連動)

商品名信託報酬(目安)NISA対応位置づけ特徴
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド0.1238% 程度〇(つみたて枠・成長枠)コア先進国+新興国の全世界に一括分散。VTを実質的投資対象。小型株まで幅広い。

日本を含む先進国と新興国の株式市場全体を対象とする、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動します。投資対象はバンガード社のVTで、信託報酬は年0.1238%程度。これ一本で世界約9,000銘柄に分散投資が可能です。

このファンドの大きな特徴は、全世界の大型・中型株だけでなく小型株まで網羅している点です。競合する他の全世界株式ファンドには小型株を含まないものもあるため、より徹底した分散投資を志向する方に向いています。

4.SBI・V・米国高配当株式|安定した配当収入を狙う方に(VYM連動)

商品名信託報酬(目安)NISA対応位置づけ特徴
SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド0.1238% 程度〇(成長枠)サブコア/サテライト高配当大型株中心。VYMを実質的投資対象。分配金は原則ファンド内で再投資。

米国の配当利回りが高い約400銘柄で構成される、FTSEハイ・ディビデンド・イールド指数に連動するファンドです。バンガード社のVYMを投資対象とし、信託報酬は年0.1238%程度です。

VYMを直接保有すると配当金が支払われますが、このファンドは配当を自動で再投資するため、複利効果で効率的に資産を増やしたい場合に適しています。なお、新NISAでは「つみたて投資枠」の対象外であり、「成長投資枠」での投資となります。

5.SBI・V・米国増配株式|着実な成長と配当増が期待できる優良株へ(VIG連動)

商品名信託報酬(目安)NISA対応位置づけ特徴
SBI・V・米国増配株式インデックス・ファンド0.1138% 程度〇(成長枠)サテライト連続増配銘柄中心。VIGを実質的投資対象。配当“成長”を取り込みたい層に。

過去10年以上にわたり連続して増配している米国の優良企業群に投資するファンドです。バンガード社のVIGを投資対象とし、信託報酬は年0.1138%程度です。

配当の再投資効率や積立の利便性を重視するならこのファンド、配当を自分で受け取りたいならETFの直接保有という選択になります。また、このファンドには分配金を再投資する「年1回決算型」と、年4回受け取れる「年4回決算型」があり、目的に応じて選べます。

SBI・Vシリーズの活用例:3つの投資シナリオ

どのファンドを選ぶか迷う方のために、代表的な3つの投資シナリオを紹介します。ご自身の投資方針に合わせて選択の参考にしてください。

シナリオA:『全世界株式』1本で手間なく世界平均点を目指す

「どの国が成長するか分からないので世界全体に投資したい」「難しいことは考えず、ほったらかしで運用したい」という方に最適な、最もシンプルな戦略です。

この戦略には、SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドが適しています。これ1本で先進国から新興国、大型株から小型株まで自動的に分散投資できるため、資産配分の調整(リバランス)といった手間もかかりません。

シナリオB:『S&P500 or 全米株式』で米国の成長に賭ける

「これからも世界経済を牽引するのは米国だ」と、米国の成長性に期待する方向けの戦略です。全世界株式に比べて高いリターンを期待できる可能性がある一方、投資先が米国市場に集中するリスクも伴います。

この戦略には、SBI・V・S&P500やSBI・V・全米株式が該当します。より幅広い分散を好むなら「全米株式」、代表的な優良企業に絞って投資したいなら「S&P500」を選ぶとよいでしょう。

シナリオC:コア(全世界/全米)+サテライト(高配当/増配)で自分好みに調整

資産の大部分(コア)を安定的なファンドで運用し、残りの一部(サテライト)で異なる特性を持つファンドを組み合わせる、一歩進んだ戦略です。例えば、ポートフォリオに高配当や増配といった要素を加えたい場合に有効です。

具体的には、コアとしてSBI・V・全世界株式や全米株式を選び、サテライトとしてSBI・V・米国高配当株式や増配株式を組み合わせます。資産の90%をコア、10%をサテライトといったように、自分なりの比率でポートフォリオを構築します。

新NISA・iDeCoで賢く活用!SBI・Vシリーズの始め方

2024年に始まった新NISAは、年間合計360万円までの投資が非課税となる、税制優遇の大きな制度です。SBI・Vシリーズをどのように活用できるか、iDeCoとの併用もあわせて解説します。

つみたて投資枠:「S&P500・全米・全世界」のいずれかを毎月自動で積立が王道

つみたて投資枠(年間120万円まで)は、長期・積立・分散投資に適したファンドが対象です。SBI・Vシリーズの中では、SBI・V・S&P500、SBI・V・全米株式、SBI・V・全世界株式の3本がこの枠の対象となります。

この枠では、毎月一定額をコツコツ積み立てる運用が基本です。例えば「SBI・V・全米株式に毎月5万円」のように設定すれば、年間60万円の非課税投資が可能です。非課税で保有できる期間は無期限なので、長期投資との相性は抜群です。

S&P500・全米株式・全世界株式の選び方については以下記事で詳しく解説しています。

成長投資枠:「高配当・増配」をプラスしてポートフォリオを強化

成長投資枠(年間240万円まで)は、より幅広い商品が投資対象となります。つみたて投資枠の対象外だった、SBI・V・米国高配当株式やSBI・V・米国増配株式なども、この枠で購入できます。

ボーナスなどのまとまった資金で一度に購入したり、つみたて投資枠での積立に加えて追加投資したりと、柔軟な使い方が魅力です。例えば「つみたて枠でS&P500を積立しつつ、成長枠で高配当株式をスポット購入する」といった活用法で、ポートフォリオを強化できます。

全米株式とS&P500の違いは?

米国市場全体をより広くカバーしたいなら「全米株式」、厳選された大型優良企業に集中したいなら「S&P500」が適しています。過去のリターンに大きな差はありませんが、分散性を重視するなら全米株式がやや優位と言えます。

全米株式とS&P500の選び方は以下Q&Aでも説明しています。

全世界株式と全米株式の選び分けは?

世界経済全体の成長に乗る安心感を重視するなら「全世界株式」、米国の成長性を信じてより高いリターンを狙うなら「全米株式」が選択肢となります。これはご自身の今後の経済に対する見方や、どこまでリスクを取れるかによって判断するとよいでしょう。

iDeCoで買うなら?SBI証券の取扱商品と注意点(60歳まで引出不可)

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、掛金が所得控除になるなど税制優遇が大きい制度ですが、原則として60歳まで資金を引き出せない点に注意が必要です。

2025年10月現在、SBI・VシリーズのファンドはいずれもiDeCoの商品ラインナップには含まれていません。しかし、SBI証券のiDeCoでは「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」など、同等の低コストインデックスファンドが提供されています。

このため、「老後資金の準備としてiDeCoではeMAXIS Slimを積立し、中期的な資産形成のために新NISAでSBI・Vシリーズを活用する」といった賢い使い分けが可能です。

iDeCoについては以下Q&Aでも説明しています。

どこで買うのがお得?SBI証券・楽天証券のポイント還元や手数料を比較

SBI・VシリーズはSBI証券だけでなく、楽天証券やマネックス証券といった主要なネット証券でも購入できます。買付手数料は無料で、最低100円から始められる点も共通しています。

強いて言えば、SBI証券は投信マイレージサービスによるポイント還元が受けられるメリットがあります。しかし、楽天証券などでも独自のポイント還元サービスが提供されているため、最終的にはご自身が普段利用している、あるいは使いやすいと感じる証券会社で購入するのが良いでしょう。

SBI・VシリーズとeMAXIS Slimはどっちを選ぶ?人気ファンド4つの比較ポイント

SBI・Vシリーズの強力なライバルが、三菱UFJアセットマネジメント(旧:三菱UFJ国際投信)の「eMAXIS Slimシリーズ」です。どちらも超低コストで人気のシリーズですが、どちらを選ぶべきか、4つのポイントで比較します。

eMAXIS Slimについては以下記事で詳しく解説しています。

ポイント1.実質コスト:手数料で本当に安いのはどっち?

S&P500連動ファンドで比較すると、eMAXIS Slimシリーズは「業界最低水準のコストを目指し続ける」という方針を掲げており、信託報酬はSBI・Vシリーズをわずかに下回る水準で推移する傾向があります。

この傾向は全世界株式ファンドでも同様です。したがって、わずかな差でもコストの安さを最優先するなら、eMAXIS Slimシリーズが有力な候補となるでしょう。

ポイント2.連動指数:小型株を含むかどうかが大きな違い

全世界株式ファンドで比較した場合、両シリーズには投資対象の指数に明確な違いがあります。SBI・V・全世界株式は小型株まで投資対象に含みますが、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は大型・中型株が中心です。

より広く分散したいという考え方ならSBI・Vシリーズが、コストを抑えつつ主要な企業に分散できれば十分と考えるならeMAXIS Slimが、それぞれ適していると言えます。

ポイント3.純資産総額:ファンドの安定性と規模で比較

純資産総額はファンドの人気や信頼性を示す指標であり、大きいほど安定した運用が期待できます。eMAXIS Slimシリーズは多くのカテゴリで業界最大級の純資産総額を誇ります。

SBI・Vシリーズも急速に規模を拡大していますが、2025年10月時点では、多くのファンドでeMAXIS Slimシリーズが先行しています。

ポイント4.トラッキングエラー:指数への連動精度は?

両シリーズともに、目標とする指数やETFからの価格の乖離(トラッキングエラー)は非常に小さく、運用成績に目立った差はありません。どちらもインデックスファンドとして非常に優秀であり、安心して長期保有できると評価できます。

バンガード社のETFにこだわるならSBI・V、コストや安心感重視ならeMAXIS Slim

これまでの比較を踏まえると、ご自身の投資方針によってどちらのシリーズが適しているかが変わってきます。

例えば、1円でもコストを低く抑えたい方や、運用実績や純資産総額の大きさからくる安心感を重視する方には、eMAXIS Slimシリーズが向いているでしょう。

一方で、バンガード社のETFに投資したいという明確な意向がある方や、全世界株式で小型株まで含めた徹底的な分散を重視する方には、SBI・Vシリーズが適しています。また、SBI証券のポイント還元を最大限活用したい場合も有力な選択肢となります。

この記事のまとめ

SBI・Vシリーズは、低コストで米国や全世界の分散を円建てで取り込みやすいのが強みです。コアは全世界または全米・S&P500、必要に応じて高配当・増配をサテライトで補い、新NISAのつみたて枠と成長枠を組み合わせて非課税メリットを最大化しましょう。実質コストや規模で優位な場面もあるeMAXIS Slimと比較し、毎月の積立額と比率を決めて自動化するのが第一歩です。迷う場合は目的とリスク許容度を整理し、必要に応じて専門家に相談してください。

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投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。

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インデックス投資(指数投資)とは、特定の株価指数(インデックス)と同じ動きを目指して投資する方法のことを指します。たとえば、日経平均株価やS&P500といった市場全体の動きを示す指数に連動するように、同じ銘柄を同じ比率で組み入れることで、指数全体の成績を再現しようとする投資手法です。個別の銘柄を選ぶのではなく、幅広い銘柄に分散して投資するため、リスクが抑えられやすく、長期的な資産形成に向いているとされています。運用コストも比較的低く、初心者にも始めやすいのが特徴です。近年では、ETFやインデックスファンドを通じて指数投資を行う投資家が増えており、資産運用の基本的な選択肢の一つとなっています。

ETF(上場投資信託)

ETF(上場投資信託)とは、証券取引所で株式のように売買できる投資信託のことです。日経平均やS&P500といった株価指数、コモディティ(原油や金など)に連動するものが多く、1つのETFを買うだけで幅広い銘柄に分散投資できるのが特徴です。通常の投資信託に比べて手数料が低く、価格がリアルタイムで変動するため、売買のタイミングを柔軟に選べます。コストを抑えながら分散投資をしたい人や、長期運用を考えている投資家にとって便利な選択肢です。

投資信託

投資信託は、多くの投資家から集めた資金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。運用によって得られた成果は、各投資家の投資額に応じて分配される仕組みとなっています。 この商品の特徴は、少額から始められることと分散投資の効果が得やすい点にあります。ただし、運用管理に必要な信託報酬や購入時手数料などのコストが発生することにも注意が必要です。また、投資信託ごとに運用方針やリスクの水準が異なり、運用の専門家がその方針に基づいて投資先を選定し、資金を運用していきます。

信託報酬

信託報酬とは、投資信託やETFの運用・管理にかかる費用として投資家が間接的に負担する手数料であり、運用会社・販売会社・受託銀行の三者に配分されます。 通常は年率〇%と表示され、その割合を基準価額にあたるNAV(Net Asset Value)に日割りで乗じる形で毎日控除されるため、投資家が口座から現金で支払う場面はありません。 したがって運用成績がマイナスでも信託報酬は必ず差し引かれ、長期にわたる複利効果を目減りさせる“見えないコスト”として意識されます。 販売時に一度だけ負担する販売手数料や、法定監査報酬などと異なり、信託報酬は保有期間中ずっと発生するランニングコストです。 実際には運用会社が3〜6割、販売会社が3〜5割、受託銀行が1〜2割前後を受け取る設計が一般的で、アクティブ型ファンドでは1%超、インデックス型では0.1%台まで低下するケースもあります。 同じファンドタイプなら総経費率 TER(Total Expense Ratio)や実質コストを比較し、長期保有ほど差が拡大する点に留意して商品選択を行うことが重要です。

分散投資

分散投資とは、資産を安全に増やすための代表的な方法で、株式や債券、不動産、コモディティ(原油や金など)、さらには地域や業種など、複数の異なる投資先に資金を分けて投資する戦略です。 例えば、特定の国の株式市場が大きく下落した場合でも、債券や他の地域の資産が値上がりする可能性があれば、全体としての損失を軽減できます。このように、資金を一カ所に集中させるよりも値動きの影響が分散されるため、長期的にはより安定したリターンが期待できます。 ただし、あらゆるリスクが消えるわけではなく、世界全体の経済状況が悪化すれば同時に下落するケースもあるため、投資を行う際は目標や投資期間、リスク許容度を考慮したうえで、計画的に実行することが大切です。

積立投資

積立投資とは、一定のサイクル(例:毎月や毎週など)で、あらかじめ決めた金額ずつ同じ銘柄や投資信託などを購入していく投資手法です。 この方法は、一度にまとまった資金を投じる「一括投資」とは異なり、少額から始められるのが特徴です。また、購入時期を複数回に分散できるため、相場が高いタイミングで一度に大量購入してしまうリスク(いわゆる高値づかみ)を抑えられると期待されています。 具体的には、「相場が下がったときはより多くの口数や株数を買える」「相場が高いときは割高な投資を抑えられる」という形で、平均取得単価が平準化される効果があります。この仕組みは英語で「ドルコスト平均法(Dollar Cost Averaging)」とも呼ばれ、特に長期運用を考えている初心者からベテランまで、多くの投資家が活用している戦略です。 ただし、積立投資を行ったからといって必ずリスクが軽減されるわけではなく、投資対象自体の価格が大きく下落した場合には損失が出る可能性もあります。したがって、積立する商品や期間、目標リスクなどをしっかり考えたうえで、自分の資産配分に合った方法を選ぶことが大切です。

新NISA

新NISAとは、2024年からスタートした日本の新しい少額投資非課税制度のことで、従来のNISA制度を見直して、より長期的で柔軟な資産形成を支援する目的で導入されました。この制度では、投資で得られた利益(配当や売却益)が一定の条件のもとで非課税になるため、税負担を気にせずに投資ができます。新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠が用意されており、年間の投資可能額や総額の上限も大幅に引き上げられました。 また、非課税期間が無期限となったことで、より長期的な運用が可能となっています。投資初心者にも利用しやすい仕組みとなっており、老後資金や将来の資産形成の手段として注目されています。

つみたて投資枠

つみたて投資枠とは、2024年から始まった新しいNISA制度の中で、少額から長期的に資産形成を行うことを目的として設けられた非課税投資の枠組みです。 この枠では、一定の条件を満たした投資信託などの商品に対して、年間最大120万円までの投資額が非課税の対象となります。毎月コツコツと積み立てるスタイルの投資に向いており、長期的な資産形成を支援することが狙いです。つみたて投資枠を活用することで、運用益や分配金にかかる税金がかからず、複利の効果を最大限に活かしながら資産を増やしていくことができます。特に投資初心者にとっては、少額から手軽に始められ、長く続けることで将来の資金づくりに役立つ有効な制度です。

成長投資枠

新NISAにおける成長投資枠とは、個別株や投資信託などの成長性の高い投資商品を購入できる非課税枠のことです。2024年に始まった新NISA制度では、年間最大240万円、累計1,200万円まで投資が可能で、売却しても枠が復活しない「一生涯の上限額」が設定されています。 成長投資枠では、主に上場株式やETF、アクティブ型の投資信託などが対象となり、比較的リスクを取りながら資産を増やしたい投資家向けの仕組みになっています。一方で、レバレッジ型や一部の毎月分配型投資信託など、一部のリスクが高い商品は対象外となるため注意が必要です。 つみたて投資枠と併用でき、両方を活用すれば年間最大360万円の投資が可能です。成長投資枠を活用することで、中長期的な資産形成を非課税で行うことができ、売却益や配当金に税金がかからないため、資産を効率的に増やす手段となります。

非課税枠

非課税枠とは、税金が課されない金額の上限を指し、様々な税制に適用される制度。 例えば相続税では基礎控除額として「3,000万円+600万円×法定相続人数」が非課税枠となる。贈与税では年間110万円までの贈与が非課税。また、NISA(少額投資非課税制度)では年間の投資上限額に対する運用益が非課税となる。 このような非課税枠は、税負担の軽減や特定の政策目的(資産形成促進など)のために設定されており、納税者にとって税金対策の重要な要素となっている。

iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)

iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の愛称で、老後の資金を作るための私的年金制度です。20歳以上65歳未満の人が加入でき、掛け金は65歳まで拠出可能。60歳まで原則引き出せません。 加入者は毎月の掛け金を決めて積み立て、選んだ金融商品で長期運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取ります。加入には金融機関選択、口座開設、申込書類提出などの手続きが必要です。 投資信託や定期預金、生命保険などの金融商品で運用し、税制優遇を受けられます。積立時は掛金が全額所得控除の対象となり、運用時は運用益が非課税、受取時も一定額が非課税になるなどのメリットがあります。 一方で、証券口座と異なり各種手数料がかかること、途中引き出しが原則できない、というデメリットもあります。

ポートフォリオ

ポートフォリオとは、資産運用における投資対象の組み合わせを指します。分散投資を目的として、株式、債券、不動産、オルタナティブ資産などの異なる資産クラスを適切な比率で構成します。投資家のリスク許容度や目標に応じてポートフォリオを設計し、リスクとリターンのバランスを最適化します。また、運用期間中に市場状況が変化した場合には、リバランスを通じて当初の配分比率を維持します。ポートフォリオ管理は、リスク管理の重要な手法です。

コアサテライト戦略

コアサテライト戦略とは、資産運用において「コア資産」と「サテライト資産」を組み合わせることで、リスクとリターンのバランスを最適化する投資手法のことを指す。ポートフォリオの大部分を安定したコア資産で構成し、長期的な市場の成長に連動するリターンを確保する一方で、残りの一部をサテライト資産として運用し、高いリターンの可能性を追求する。これにより、安定性を維持しながら市場環境の変化に柔軟に対応し、資産の成長を図ることができる。

配当(配当金)

配当とは、会社が得た利益の一部を株主に分配するお金のことをいいます。企業は利益を出したあと、その一部を将来の投資に使い、残った分を株主に還元することがあります。このときに支払われるお金が配当金です。株を持っていると、持ち株数に応じて定期的に配当金を受け取ることができます。多くの場合、年に1回または2回支払われ、企業によって金額や支払い時期は異なります。配当は企業からの「お礼」のようなもので、株を長く持ち続ける理由の一つになることがあります。

再投資

再投資とは、株式や投資信託などの運用から得られた配当金・利息・分配金などを現金化せず、再び同じ資産や他の金融商品に振り向けることを指します。たとえば、受け取った配当金で同じ株式を買い増したり、投資信託の分配金を再度そのファンドに組み入れるような方法です。 この再投資によって、得られた収益が次の投資原資となり、元本が増加することでさらに多くの収益を生み出す「複利効果」が働きます。特に長期的な資産形成を目指す場合、複利の積み上げはリターンの差を大きく左右する重要な要素です。 また、再投資は相場のタイミングに依存しない「継続的・機械的な投資行動」でもあるため、長期的な投資規律を保ちやすく、感情的な売買を避ける上でも有効です。インデックス投資や積立投資においても再投資の活用は基本戦略のひとつであり、資産運用の効率性と安定性を高めるために欠かせない視点と言えるでしょう。

S&P500指数

S&P500指数とは、アメリカの代表的な株価指数の一つで、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出しています。米国を代表する主要企業500社の株価をもとに構成されており、テクノロジー、金融、ヘルスケアなど幅広い業種が含まれるのが特徴です。 この指数は、米国株式市場全体の動向を示す指標として世界中の投資家に注目されており、投資信託やETF(上場投資信託)のベンチマークとしても広く活用されています。「アメリカ経済の健康状態を測る体温計」とも言われる、非常に重要な指標です。

VTI(全米株式)

VTIとは、米国の大手資産運用会社バンガードが運用するETF(上場投資信託)の一つで、正式名称は「Vanguard Total Stock Market ETF」です。日本語では「全米株式」と呼ばれることが多く、アメリカの上場株式市場全体に分散投資できることが特徴です。 このETFは、大型株から中小型株まで含めた約4,000銘柄以上を対象としており、米国市場全体の動きを捉えることを目的としています。代表的なインデックスであるCRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動しており、個別株を選ぶことなく、アメリカ経済全体の成長に広く投資できる仕組みです。 低コストで長期保有に向いているため、資産形成を目指す個人投資家にも人気があり、特にインデックス投資や米国株投資を始めたい初心者にとって、シンプルかつ効率的な選択肢となっています。分配金(配当)も定期的に支払われる点も魅力の一つです。

VT

VTとは、「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」という名称の、全世界の株式市場に投資できる上場投資信託(ETF)です。アメリカだけでなく、日本やヨーロッパ、新興国を含む約50か国以上の株式に分散して投資する仕組みになっており、これ1本で世界経済全体に広く投資することができます。 運用はアメリカのバンガード社によって行われており、運用コストも比較的低く設定されています。資産運用初心者の方にとっても、VTを保有するだけで世界中の企業の成長に参加できるため、非常にバランスの良い選択肢と言えます。特定の国や業種に偏らず、グローバルに分散されているため、リスクを抑えながら長期的な成長を目指したい人に向いています。

バンガード(Vanguard)

バンガード(Vanguard)とは、アメリカに本社を置く世界有数の資産運用会社であり、特にインデックスファンドの普及に大きく貢献した存在として知られています。1975年に創業者のジョン・C・ボーグル氏が世界初の個人向けインデックスファンドを提供したことがきっかけで、「低コスト・長期・分散」の投資哲学が広まりました。バンガードの特徴は、投資家がファンドの“実質的な所有者”であるという独自の構造で、利益を投資家に還元する形で運用コストを抑える仕組みを持っています。また、ETF市場でも「VTI」や「VOO」などの人気商品を展開しており、個人投資家から機関投資家まで幅広く利用されています。長期的で安定した資産形成を支援する運用方針により、初心者にも安心して利用されている運用会社のひとつです。

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