医療費控除の内容と適用条件を教えてください。
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2025/06/27 17:03
男性
50代
家計を同一にする家族の医療費が高額になった年に医療費控除を使うと聞きましたが、具体的にどの費用が対象となり、計算方法や手続きはどう進めればよいのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
医療費控除は、1月1日から12月31日までに支払った自己負担医療費のうち、保険金などで補填されない部分が10万円(総所得200万円未満は総所得の5%)を超えた額を所得から差し引ける所得控除です。
対象費用は診察料、治療・手術費、出産費用、医師の処方薬購入費、通院に必要な公共交通機関の交通費などです。一方、美容目的の施術や健康食品費用は対象外です。
控除額の上限は200万円で、差し引かれた分だけ課税所得が減り、所得税と翌年度の住民税が軽減されます。適用には領収書や医療費通知をまとめた「医療費控除の明細書」と裏付け書類を添付した確定申告が必要です。
申告期間は翌年2月16日から3月15日ですが、還付申告は5年間可能です。家族分をまとめて最も所得が高い人が申告すると控除効果を最大化しやすい点も実務上のポイントです。
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医療費控除
医療費控除とは、納税者が1年間に支払った医療費の一部を所得から控除できる税制上の制度を指す。自己や家族のために支払った医療費が一定額を超える場合に適用され、所得税や住民税の負担を軽減できる。対象となる費用には、病院での診療費や処方薬の費用のほか、一定の条件を満たす介護費用なども含まれる。確定申告が必要であり、領収書の保管が重要となる。
所得控除
所得控除とは、個人の所得にかかる税金を計算する際に、特定の支出や条件に基づいて課税対象となる所得額を減らす仕組みである。日本では、医療費控除や生命保険料控除、扶養控除などがあり、納税者の生活状況に応じて税負担を軽減する役割を果たす。これにより、所得が同じでも控除を活用することで実際の税額が変わることがある。控除額が大きいほど課税所得が減少し、納税者の手取り額が増えるため、適切な活用が重要である。
確定申告
確定申告とは、1月1日から12月31日までの所得を計算して翌年の2月16日から3月15日に申告し、納税する手続き。多くの会社では年末調整を経理部がしてくれるが、確定申告をすると年末調整では受けられない控除を受けることができる場合もある。確定申告をする必要がある人が確定申告をしないと加算税や延滞税が発生する。
総所得金額
総所得金額とは、その年1年間に得た給与や事業収入、年金、利子・配当など、所得税の対象となるすべての所得を合計した金額のことです。 まだ控除や経費を差し引く前の“入り口”の数字であり、この金額を基に各種控除を差し引いていくことで課税所得が計算されます。資産運用を行ううえで、自分の投資利益がどれだけ全体の所得に影響するかを把握する第一歩となる概念です。
課税対象所得
課税対象所得とは、税金を計算するためのもとになる所得のことです。たとえば、給与や事業などで得た収入から、必要経費や各種控除(医療費控除や扶養控除など)を差し引いた後に残る金額がこれにあたります。この金額に基づいて所得税や住民税が決まるため、「いくら稼いだか」ではなく、「いくらに対して税金がかかるか」という点が重要になります。 投資の場合も、配当金や売却益から必要な経費や控除を差し引いた後の金額が課税対象所得になります。税金の負担を正しく理解するために、この考え方はとても大切です。
医療費控除の明細書
医療費控除の明細書とは、年間に支払った医療費の内容と金額を一覧にまとめ、確定申告の際に提出する書類です。 平成29年分(2017年分)から領収書の提出が不要となった代わりに、この明細書の添付が義務化され、支払先や支払日、金額などを正確に記載することで医療費控除を受けられます。領収書は自宅で5年間保存する必要があり、税務署から求められたときに提示できるようにしておくことが大切です。