REIT(リート)とは何ですか?
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2025/03/06 14:24
男性
30代
REIT(リート)は、投資家が不動産市場に少額から投資できる仕組みと聞きます。具体的にどのように資金が運用され、どのような収益を得られるのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
REIT(リート/不動産投資信託)は、投資家から集めた資金でオフィスビル・商業施設・物流倉庫・住宅など複数の物件を取得し、賃料収入と物件売却益を原資に年2〜4回の分配金を支払います。投資法人が利益の90%超を分配すれば法人税が事実上免除されるため、家賃収入の大半が投資家へ直接還元されやすい点が特徴です。銘柄は株式同様に証券取引所へ上場しており、1口数万円からリアルタイムで売買できるため、少額で分散された不動産ポートフォリオを保有できます。
一方で価格と分配金は①不動産市況(空室率・賃料水準)、②金利動向(資金調達コストや割引率)、③運用方針(増資・物件取得の成否)に左右され、景気後退や金利上昇局面では株式並みに値動きすることもあります。また大型テナント退去や災害リスクによって分配金が減額される可能性もあるため、物件用途の多様化、地域分散、LTV(総資産に対する有利子負債比率)、平均残存賃貸期間、スポンサー企業の財務力などを確認し、長期視点で組み入れることが重要です。
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REIT(Real Estate Investment Trust/不動産投資信託)
REIT(Real Estate Investment Trust/不動産投資信託)とは、多くの投資家から集めた資金を使って、オフィスビルや商業施設、マンション、物流施設などの不動産に投資し、そこで得られた賃貸収入や売却益を分配する金融商品です。 REITは証券取引所に上場されており、株式と同じように市場で売買できます。そのため、通常の不動産投資と比べて流動性が高く、少額から手軽に不動産投資を始められるのが大きな特徴です。 投資家は、REITを通じて間接的にさまざまな不動産の「オーナー」となり、不動産運用のプロによる安定した収益(インカムゲイン)を得ることができます。しかも、実物の不動産を所有するわけではないので、物件の管理や修繕といった手間がかからない点も魅力です。また、複数の物件に分散投資しているため、リスクを抑えながら収益を狙える点も人気の理由です。 一方で、REITの価格は、不動産市況や金利の動向、経済環境の変化などの影響を受けます。特に金利が上昇すると、REITの価格が下がる傾向があるため、市場環境を定期的にチェックしながら投資判断を行うことが重要です。 REITは、安定した収益を重視する人や、実物資産への投資に関心があるものの手間やコストを抑えたい人にとって、有力な選択肢となる資産運用手段の一つです。
賃料収入
賃料収入は、不動産を貸し出すことで得られる家賃や共益費などの収入を指します。物件の収益性を評価する際の重要な要素で、不動産投資の主要な収益源となります。
証券取引所
証券取引所とは、株式や債券、ETF(上場投資信託)などの金融商品を投資家同士が売買するための公的な市場(マーケット)のことです。ここでは、誰でも同じルール・条件のもとで売買が行われるため、価格の透明性や取引の公正性が確保されているのが大きな特徴です。 日本では東京証券取引所(東証)が代表的な存在で、ニューヨーク証券取引所やロンドン証券取引所など、世界各地にも重要な取引所があります。証券取引所に上場している企業の株式は、一定の基準をクリアした企業のみで構成されており、投資家にとっては「安心して取引できる場所」として機能しています。 初心者の方には、「株などを“みんなが集まってルールに沿って売買する場所”」とイメージするとわかりやすいでしょう。証券取引所は、資金を必要とする企業と、投資で利益を得たい人々をつなぐ、現代経済の基盤とも言える存在です。
価格変動リスク
価格変動リスクとは、株式や債券などの金融商品の価格が、経済状況や金利動向、企業業績などの影響で上下する可能性のことです。株式は企業業績の悪化や市場不安で急落するリスクがあります。 一方、債券の場合、発行時の固定利率と市場金利との差が変動するため、市場金利が上昇すると既発債の魅力が薄れ、途中売却時に購入時より低い価格で取引されるリスクが生じます。ただし、満期まで保有すれば額面通りに償還されるため、長期保有によってこのリスクを回避できます。
分配金
分配金とは、投資信託やREIT(不動産投資信託)などが運用によって得た収益の一部を、投資家に還元するお金のことです。これは株式でいう「配当金」に似ていますが、分配金には運用益だけでなく、元本の一部が含まれることもあります。そのため、分配金を受け取るたびに自分の投資元本が少しずつ減っている可能性もあるという点に注意が必要です。分配金の有無や頻度は投資信託の商品ごとに異なり、毎月、半年ごと、年に一度などさまざまです。投資初心者にとっては、「お金が戻ってくる」という安心感がありますが、長期的な資産形成を考えるうえでは、分配金の出し方やその内容をしっかり理解することが大切です。