マニュライフ生命の「未来を楽しむ終身保険」の特徴とメリットは?
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2025/07/11 15:02
男性
60代
マニュライフ生命の「未来を楽しむ終身保険」は米ドルか豪ドルで一括投資する変額保険と聞きました。外貨運用と保障を同時に得られる反面、為替リスクやコストも気になります。具体的な特徴と利点、注意点を詳しく教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
マニュライフ生命の「未来を楽しむ終身保険」は、外貨建て(米ドル・豪ドル)の一時払変額保険で、契約時にまとまった資金を投入します。保険料は定額部分と変額部分に分けられ、定額部分で基本保険金が確定されるため万一の場合の保障が手厚く、変額部分で高金利通貨の運用益を狙います。
外貨運用のため為替差益が期待でき、長期的なインフレ対策にも有効です。また一時払型なので月々の保険料管理が不要で、シンプルに資産を運用できます。
しかし、最大のリスクは為替変動で、円高局面では解約返戻金が円換算で大幅に減少する恐れがあります。さらに市場価格調整が適用されると、金利上昇時に解約返戻金が減額される可能性があります。加えて保険関係費や運用関係費が発生し、FXや外貨預金より手数料負担が重くなる場合がある点にも注意が必要です。
検討時は外貨保有比率や運用期間を見直し、為替ヘッジや分散投資を組み合わせるなどリスク管理を行ったうえで、一時払資金を長期で寝かせられるかを確認してください。
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為替リスク
為替リスクとは、異なる通貨間での為替レートの変動により、外貨建て資産の価値が変動し、損失が生じる可能性のあるリスクを指します。 たとえば、日本円で生活している投資家が米ドル建ての株式や債券に投資した場合、最終的なリターンは円とドルの為替レートに大きく左右されます。仮に投資先の価格が変わらなくても、円高が進むと、日本円に換算した際の資産価値が目減りしてしまうことがあります。反対に、円安が進めば、為替差益によって収益が増える場合もあります。 為替リスクは、外国株式、外貨建て債券、海外不動産、グローバルファンドなど、外貨に関わるすべての資産に存在する基本的なリスクです。 対策としては、為替ヘッジ付きの商品を選ぶ、複数の通貨や地域に分散して投資する、長期的な視点で資産を保有するなどの方法があります。海外資産に投資する際は、リターンだけでなく、為替リスクの存在も十分に理解しておくことが大切です。
一時払
一時払とは、保険契約や年金商品などで、将来の保険料や掛金をすべて契約時にまとめて一括で支払う方式を指します。 支払いが一度で完了するため、以後の保険料負担や支払忘れのリスクがなく、長期的な保障や運用効果を早期に確定させられる点が特徴です。 利息や割引が適用されて総支払額が平準払より少なくなる場合もありますが、契約時に多額の資金を準備する必要があり、資金流動性が低下することや一括投資ゆえのタイミングリスクが生じる点には留意が必要です。
市場価格調整
市場価格調整は、利率があらかじめ保証されている終身保険・養老保険・個人年金保険などで途中解約や減額、繰上げ受取を行う際に適用される仕組みです。保険会社は契約者から預かった保険料を長期債券などで運用しているため、解約時点の市場金利と契約時(または利率更改時)の市場金利との差によって債券価格が変動します。この価格変動による損益を契約者にも反映させ、公平性を保つのが市場価格調整の目的です。 具体的には、解約時点で残存期間に相当する市場金利を取り、契約時との金利差と残存期間を掛け合わせた調整率を計算し、その分だけ解約返戻金を増減させます。金利が下がっていれば債券価格は上昇するため返戻金が増え、金利が上がっていれば返戻金は減ります。同じ金利差でも残存期間が長いほど増減幅が大きくなるのが特徴です。 なお、市場価格調整はあくまで途中解約や減額などに限定して適用され、満期保険金や死亡保険金、予定利率の更改時点での年金原資などには掛からないのが一般的です。また、契約初期費用を回収する目的で設定される「解約控除」とは仕組みも趣旨も異なりますが、多くの商品で両方が併用されています。 保険会社側にとっては、途中解約による資産売却損を契約者とシェアできるため、長期運用前提の商品でも予定利率を比較的高めに設定しやすくなるメリットがあります。一方、契約者側には、金利上昇局面で早期解約すると返戻金が大きく目減りするリスクがあるため、資金の流動性を重視する場合には不向きです。したがって、市場価格調整付きの商品は「長期にわたり保有する資金で加入する」という前提で検討することが重要です。
外貨建て資産
外貨建て資産とは、米ドルやユーロ、豪ドルなど、日本円以外の外国通貨で保有・運用されている資産のことを指します。たとえば、米ドル建ての預金、外国の株式・債券、外貨建ての保険商品や投資信託などがこれにあたります。 このような資産に投資することで、日本国内だけでは得られない金利収入や成長性にアクセスできるというメリットがあります。特に日本のような低金利環境では、高金利の外国資産への投資は魅力的な選択肢となることがあります。 一方で、外貨建て資産は為替相場の変動によって価値が上下する「為替リスク」が伴います。たとえば、外貨ベースで利益が出ていても、円高になれば日本円での評価額は下がる可能性があります。そのため、外貨建て資産を保有する際は、為替差損益やヘッジの有無にも注意を払う必要があります。 資産運用において、外貨建て資産は「分散投資」の一環としても有効ですが、リスクとリターンのバランスを考慮したうえで取り入れることが大切です。