VYMはどのような投資家におすすめですか?
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2025/06/26 11:59
男性
60代
米国高配当ETFを初めて検討しています。老後資金づくりにVYMが良いと聞きましたが、値動きや利回りの特徴を踏まえ、どのような運用スタイル・リスク許容度の投資家に適している商品なのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
VYMは米国大型優良株約500銘柄を組み込むことで、年2%台後半の配当と年5〜6%の増配を安定的に提供します。生活必需品・ヘルスケア・金融などディフェンシブセクターが多いため、急落局面でもS&P500より下値が堅く、長期のインカムと緩やかな資本成長を同時に狙いたい投資家に向きます。
経費率は0.06%と低コストで、10年以上の積立を前提に分配金を老後資金や再投資に充てたい安定志向の初心者に特に適合します。また、VOOやNASDAQ100など成長資産に偏ったポートフォリオの利回りを底上げし、全体のボラティリティを緩和する“配当クッション”としても有効です。
ドル建て資産を適度に組み入れてインフレヘッジを図りたい日本の投資家にも役立ちますが、円高局面では評価額と配当が目減りする点は理解が必要です。さらに、iDeCoや新NISAで分配金を非課税再投資すれば複利効果が高まり、実質利回りを押し上げられます。
一方で、4%超の高配当だけを求める投資家や短期売買で大きな値幅を狙うスタイルには物足りないため、自身のリスク許容度と運用目的を十分確認したうえで組み入れることが重要です。
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配当利回り
配当利回りは、株式を1株保有したときに1年間で受け取れる配当金が株価の何%に当たるかを示す指標です。計算式は「年間配当金÷株価×100」で、株価1,000円・配当40円なら4%になります。 指標には、実際に支払われた金額で計算する実績利回りと、会社予想やアナリスト予想を用いる予想利回りの2種類があります。株価が下がれば利回りは見かけ上上昇するため、高利回りが必ずしも割安や安全を意味するわけではありません。 安定配当の見極めには、配当性向が30~50%程度であること、フリーキャッシュフローに余裕があることが重要です。また、権利付き最終日の翌営業日には理論上配当金相当分だけ株価が下がる「配当落ち」が起こります。 日本株の配当は通常20.315%課税されますが、新NISA口座内で受け取る配当は非課税です。配当利回りは預金金利や債券利回りと比較でき、インカム収益を重視する長期投資家が銘柄や高配当ETFを選ぶ際の判断材料となります。
経費率
経費率(Expense Ratio)は、投資信託やETF(上場投資信託)などの運用にかかる年間コストを、運用資産総額に対する割合で示した指標です。投資家はこの経費率を負担するため、経費率が低いほど投資のコストが抑えられ、リターンが高まりやすくなります。 例えば、あるETFの経費率が0.2%の場合、年間で運用資産の0.2%が管理費用などに充てられます。経費率には、ファンドの管理費用、売買手数料、監査費用などが含まれます。 一般的に、インデックス型ETFは経費率が低く(0.1%~0.5%程度)、アクティブ運用のファンドは高くなる(1%~2%程度)傾向があります。経費率が高すぎると、長期的に資産が目減りする可能性があるため、投資先を選ぶ際は経費率の低い商品を選ぶことが重要です。
増配率
増配率とは、企業が株主に支払う配当金をどのくらいの割合で増やしているかを示す指標で、前年と比較して配当金がどれだけ増えたかをパーセンテージで表します。 たとえば、昨年の配当が1株あたり100円で、今年が120円なら、増配率は20%になります。安定して高い増配率を維持している企業は、収益力が高く、株主還元に積極的であると評価されることが多く、投資家にとっては長期的な資産形成における安心材料になります。 将来の配当収入の成長を期待する場合、増配率の推移は重要な判断材料の一つです。
ボラティリティ
ボラティリティは、投資商品の価格変動の幅を示す重要な指標であり、投資におけるリスクの大きさを測る目安として使われています。一般的に、値動きが大きい商品ほどそのリスクも高くなります。 具体的には、ボラティリティが大きい商品は価格変動が激しく、逆にボラティリティが小さい商品は価格変動が穏やかであることを示します。現代ポートフォリオ理論などでは、このボラティリティを標準偏差という統計的手法で数値化し、それを商品のリスク度合いとして評価するのが一般的です。このため、投資判断においては、ボラティリティの大きい商品は高リスク、小さい商品は低リスクと判断されます。
為替リスク
為替リスクとは、異なる通貨間での為替レートの変動により、外貨建て資産の価値が変動し、損失が生じる可能性のあるリスクを指します。 たとえば、日本円で生活している投資家が米ドル建ての株式や債券に投資した場合、最終的なリターンは円とドルの為替レートに大きく左右されます。仮に投資先の価格が変わらなくても、円高が進むと、日本円に換算した際の資産価値が目減りしてしまうことがあります。反対に、円安が進めば、為替差益によって収益が増える場合もあります。 為替リスクは、外国株式、外貨建て債券、海外不動産、グローバルファンドなど、外貨に関わるすべての資産に存在する基本的なリスクです。 対策としては、為替ヘッジ付きの商品を選ぶ、複数の通貨や地域に分散して投資する、長期的な視点で資産を保有するなどの方法があります。海外資産に投資する際は、リターンだけでなく、為替リスクの存在も十分に理解しておくことが大切です。
NISA
NISAとは、「少額投資非課税制度(Nippon Individual Saving Account)」の略称で、日本に住む個人が一定額までの投資について、配当金や売却益などにかかる税金が非課税になる制度です。通常、株式や投資信託などで得られる利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を使えばその税金がかからず、効率的に資産形成を行うことができます。2024年からは新しいNISA制度が始まり、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つを併用できる仕組みとなり、非課税期間も無期限化されました。年間の投資枠や口座の開設先は決められており、原則として1人1口座しか持てません。NISAは投資初心者にも利用しやすい制度として広く普及しており、長期的な資産形成を支援する国の税制優遇措置のひとつです。