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遺産分割協議がまとまらないと遺産はどうなる?

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2025/07/11 09:09


男性

60代

question

家族で遺産分割協議を始めましたが、それぞれの希望が違い、なかなかまとまりそうにありません。このまま話し合いが平行線をたどった場合、遺産の扱いはどうなるのでしょうか?預金や不動産を自由に使ったり売ったりすることはできなくなるのでしょうか?また、最終的には誰かが代わりに決めることになるのでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

遺産分割協議がまとまらない場合、相続財産は相続人全員の「共有状態」となり、それぞれが法定相続分に応じた持分を有することになります。この共有状態では、不動産の売却や預貯金の引き出しといった重要な手続きには原則として相続人全員の同意が必要となり、一人でも反対すれば手続きを進めることが難しくなります。共有の状態が長期化すると、固定資産税や管理費などの経済的な負担が増え、財産管理も煩雑になります。さらに新たな相続が起きると、権利関係がより複雑化し、トラブルが拡大する可能性も高まります。

協議が円滑に進まない場合は、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てることができます。調停では調停委員が仲裁役となり、話し合いによる合意形成を促します。それでも合意に達しないと「遺産分割審判」に移行し、最終的には裁判官が各相続人の状況や公平性を考慮して遺産の分割方法を決定します。ただし、調停や審判は時間や費用がかかるため、専門家の支援を受けつつ早期に合意点を探ることが現実的な対応です。

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遺産分割協議

遺産分割協議とは、相続人が複数いる場合に、誰がどの財産をどのように受け取るかを話し合って決める手続きのことです。預貯金や不動産、有価証券などすべての遺産が対象になります。原則として相続人全員の合意が必要で、話し合いの結果を「遺産分割協議書」という文書にまとめて、全員が署名・押印します。遺言書がない場合や、遺言があっても一部の財産について分け方が指定されていないときに行われます。もし話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所での調停手続きに進むことになります。

法定相続分

法定相続分とは、相続人が相続できる取り分について、民法であらかじめ定められている割合のことをいいます。 たとえば、被相続人に配偶者と子どもがいる場合、配偶者が2分の1、残りの2分の1を子どもたちが均等に分けるというように、法定相続分が設定されています。 相続人の組み合わせによって割合は異なり、たとえば「配偶者と親」が相続人の場合は、配偶者が3分の2、親が3分の1、「配偶者と兄弟姉妹」の場合は、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1というように決まっています。 遺言書がある場合は、その内容が優先されますが、遺言がない場合や、遺産分割協議の目安として法定相続分が使われることが一般的です。 この割合はあくまで「基準」であり、相続人間の話し合いで異なる分け方をすることも可能です。

共有状態

共有状態とは、土地や建物などの財産を複数の人が一緒に所有している状態のことを指します。たとえば、相続によって一つの不動産を兄弟姉妹で受け継いだ場合、それぞれがその不動産の一部を所有する「共有者」となります。この状態では、共有者全員の同意がないと売却や建て替えといった大きな決定ができないことが多く、意思決定に時間がかかったりトラブルになることもあります。 特に不動産のような分けづらい資産では、共有状態が長期間続くと管理や利用に支障が出ることがあります。そのため、将来的には共有状態を解消し、誰か1人が単独で所有する「単独所有」や、持ち分を売却・分割するなどの対応が取られることもあります。

遺産分割調停

遺産分割調停とは、相続人同士で遺産の分け方について話し合いがまとまらないときに、家庭裁判所に申し立てて、裁判所を通じて解決を図る手続きのことです。相続財産が不動産や株式、預貯金など多岐にわたる場合、誰がどれだけ相続するのかでもめることがあります。 そのようなとき、当事者だけで解決できない場合に、この調停を利用することで、中立な第三者である調停委員が間に入り、円満な解決を目指すことができます。調停はあくまで話し合いによる解決を前提としており、合意に至ればその内容に基づいて遺産を分割することになります。 資産運用の観点からは、相続財産の整理や名義変更、運用方針の見直しが必要となるため、遺産分割調停は相続後の資産管理にも大きな影響を与える重要な手続きです。

遺産分割審判

遺産分割審判とは、相続人同士で遺産の分け方について話し合っても合意できず、家庭裁判所の調停でも解決に至らなかった場合に、最終的に裁判所が遺産の分け方を決定する手続きのことです。 これは家庭裁判所が法的な判断を下すもので、調停のように話し合いではなく、裁判所の審理を経て一方的に分割内容が決まります。遺産分割審判では、民法第907条などの法律に基づいて、公平性や相続人の状況を考慮して判断が下されます。審判によって決まった内容には法的拘束力があり、原則として全ての相続人が従う必要があります。 資産運用の観点からは、遺産分割審判によって不動産や金融資産の持ち分が強制的に決まるため、その後の運用方針や名義変更にも大きな影響を及ぼす重要なプロセスです。

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