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常務取締役と専務取締役にはどんな違いがありますか?
回答済み
1
2025/10/27 09:46
男性
50代
常務取締役と専務取締役の違いが分かりません。どちらが上位の役職なのか、会社の経営体制の中でそれぞれがどんな役割を担っているのかを知りたいです。
回答をひとことでまとめると...
専務取締役と常務取締役はどちらも会社法上の「取締役」ですが、実務上は序列と役割範囲が異なります。一般的に専務は全社戦略や経営全体の統括を担い、常務は特定部門の業績管理や実務執行に責任を持つ立場です。
佐々木 辰
38歳
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
結論から言うと、専務取締役と常務取締役はどちらも会社法上は同じ「取締役」であり、法律に肩書ごとの固有権限の規定はありません。違いは各社が定める序列と役割設計に基づく運用上の位置づけで、一般に「専務>常務」の順で責任範囲と全社的な関与度が広く、意思決定における影響力も専務の方が大きく設定されます。
序列の観点では、多くの企業で「社長・副社長→専務取締役→常務取締役→取締役」という階層が採用されます。専務取締役は社長・副社長の直下で、全社横断のテーマや中期経営計画、人材・資本配分、リスクマネジメントなどを統括し、部門間の利害調整と全体最適の確保を担います。
常務取締役は重要部門や事業本部の所管責任者として、売上・利益・品質などの業績責任を負い、領域最適のマネジメントに重心が置かれるのが通例です。
意思決定プロセスでは、専務取締役が経営会議・執行会議の副議長や主査を務め、重要投資・提携・組織再編などの案件で最終整理・レビューを担う場面が多く、社長不在時の代務者に指名されることもあります。常務取締役は自部門案件の起案と執行を主導し、横断案件では専務の下で実務調整と実行管理のハブになります。
法的権限の点では、両者とも取締役会での議決権は同等で、外部に対する会社の代表権は肩書きではなく「代表取締役」の地位に紐づきます。したがって、「専務」「常務」という称号だけで会社を単独代表することはできず、契約締結などの最終署名権限は代表権や社内の職務権限規程による個別委任の有無で決まります。
人事・報酬は株主総会で定めた報酬枠の範囲で取締役会等が個別に決定し、一般には全社統括度の高い専務が常務より高位の処遇・評価となる傾向があります。
ただし実際の裁量や影響力は、企業規模、業態、ガバナンス形態(監査役会設置会社か監査等委員会設置会社か、指名委員会等設置会社か)や、社長の権限配分方針によって大きく変わります。
執行役員制度を併用する会社では、「取締役(監督)」と「執行役員(業務執行)」の二層化が進み、専務取締役が執行全体の統括や執行役員の指揮を担い、常務取締役が主要ラインの執行責任者を兼ねる、といった設計がよく見られます。
一方、中小企業やオーナー企業では称号の使い分け自体を行わない、または実態に合わせて柔軟に付与する例も珍しくありません。
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関連質問
2025.06.23
“取締役と執行役員の最大の違いは何ですか?”
A. 取締役は法定機関として経営を決定・監督し重い責任を負う一方、執行役員は社内任命で方針を実行し責任は比較的軽いです。
2025.06.23
“執行役員は取締役と比べて法的責任が軽いと言われますが、本当ですか?”
A. はい、会社法上の役員ではないため取締役より法的責任は限定的ですが、不正・重大過失には懲戒や損害賠償等のリスクが残ります。
2025.06.23
“執行役員の報酬は取締役と比べてどの程度の違いがありますか?”
A. 一般に執行役員は取締役より年収が数百万~数千万円低めですが、上場大企業の専務・常務級ではほぼ同水準となる例もあります。
2025.09.02
“上席執行役員とはどんな役割で、どのような責任を負うのでしょうか?”
A. 上席執行役員は経営方針の実行や事業統括を担う上位役職で、法的責任は限定的ですが実務上の成果責任は極めて重い立場です。
2025.06.23
“執行役員になると、退職金や企業年金に影響がありますか?”
A. 社員身分を維持すれば従来通りですが、委任契約や取締役兼務に切替えると退職金制度と企業年金の加入資格を失う可能性が高いです。
関連する専門用語
専務取締役
専務取締役とは、株式会社における取締役の中でも特に経営の中心的な役割を担う役職の一つです。社長や代表取締役の補佐として、企業全体の経営戦略や重要な意思決定に関与します。専務取締役は一般的に、複数ある事業部門を統括したり、会社全体の運営方針を実行したりする責任を持っています。社長不在時には代行として職務を行うこともあり、経営トップ層の中でも非常に重要な立場にあります。 ただし、法律上「専務取締役」という肩書きが明確に定められているわけではなく、企業の内部規定や慣習によって役割や権限が異なる点が特徴です。
常務取締役
常務取締役とは、株式会社の取締役の中で、経営実務の中心を担う役職の一つです。会社法上で明確に定義されているわけではありませんが、企業の内部規定によって位置づけられており、通常は専務取締役の下位に位置します。常務取締役は特定の事業部門や業務領域を担当し、その分野の方針決定や実行を主導します。例えば、営業、経理、人事などの部門を統括し、社長や専務取締役の指示のもとで日々の経営を運営します。 企業規模が大きいほど、常務取締役の数は複数に分かれ、それぞれの専門分野に特化して業務を遂行する傾向があります。経営層の中では「実務を動かす要」としての役割を果たす存在です。
代表取締役
代表取締役とは、株式会社において会社を代表し、業務を執行する権限を持つ取締役のことを指します。取締役会を設置している会社では、取締役会の決議によって選任され、会社の顔として契約の締結や資金の調達などを行います。法律上は会社の代理人として位置づけられているため、代表取締役が行った取引は原則として会社に効力が及びます。 資産運用や投資の視点からは、代表取締役は企業の経営方針や戦略を実際に指揮する立場にあり、その人物の手腕や経営姿勢は企業の成長性や株価に大きな影響を与える重要な要素となります。
取締役会
取締役会とは、企業の経営方針を決定し、業務執行を監督するための機関であり、取締役で構成されます。株式投資においては、企業の経営体制や意思決定プロセスを理解することが、将来の業績や株主リターンを見極めるうえで重要です。取締役会では、重要な経営戦略の決定、役員の選任・解任、業務執行の監視などが行われ、企業のガバナンスを強化し、株主の利益を守る役割を果たします。日本の会社法では、一定規模以上の株式会社には取締役会の設置が義務付けられています。投資家にとっては、取締役会の構成やその透明性が、企業価値の評価に影響を与える要素となります。
コーポレートガバナンス
コーポレートガバナンスとは、企業が経営を適切に行い、株主をはじめとする利害関係者(ステークホルダー)に対して責任ある経営を果たすための仕組みのことを指します。直訳すると「企業統治」で、企業の経営陣が独断的な行動を取らず、透明性のある判断を行うように監視・制御する体制全般を意味します。 たとえば、社外取締役の設置、内部統制の整備、情報開示の充実、株主の意見を反映させる仕組みなどがコーポレートガバナンスの具体的な取り組みにあたります。これにより、不正や粉飾決算の予防、長期的な企業価値の向上、投資家からの信頼獲得が期待されます。 資産運用の観点からは、コーポレートガバナンスがしっかりしている企業は、経営の安定性や成長性が高く、長期的に投資対象として魅力があると判断されやすいため、重要な評価項目の一つとなっています。特にESG投資や株主アクティビズムの広がりの中で、その重要性は年々高まっています。
執行役員制度
執行役員制度とは、企業経営において「経営の意思決定」と「業務の執行」を明確に分けるために導入される制度です。取締役会が会社の方針や戦略などの意思決定を行い、その決定を実際に実行する役割を担うのが執行役員です。この制度を導入することで、取締役は経営の監督や戦略立案に集中でき、執行役員は日々の業務運営や現場対応に専念することが可能になります。 執行役員は会社法上の「役員」ではなく、あくまで企業が独自に設ける職制上の役職です。そのため、取締役と異なり法律上の責任や任期の制限はありませんが、企業の経営方針に沿って実務を遂行する重要なポジションです。特に大企業では、経営のスピードと柔軟性を高める目的で導入が進んでいます。
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“執行役員の報酬は取締役と比べてどの程度の違いがありますか?”
A. 一般に執行役員は取締役より年収が数百万~数千万円低めですが、上場大企業の専務・常務級ではほぼ同水準となる例もあります。





