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障害者医療費受給証から後期高齢者医療制度に変更するメリットとデメリットについて

障害者医療費受給証から後期高齢者医療制度に変更するメリットとデメリットについて

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2025/12/13 11:15


女性

60代

question

今年12月下旬に65歳になる身体障害者手帳を持つ姉ですが、市役所から後期高齢者医療制度に加入できるとの案内通知が届きました。 支払う保険料の違いやメリットやデメリットについて教えてください。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

65歳を迎えると、障害者医療費助成制度と後期高齢者医療制度の関係が大きく変わります。まず前提として理解したいのは、65〜74歳の障害者の方については後期高齢者医療制度への加入が自動ではなく、本人の申請による任意加入である点です。ただし自治体によっては、65歳以降も障害者医療費助成を受け続けるために後期高齢者医療制度への加入を条件とする場合があり、形式上は任意でも、実務上は加入しなければ実質的に不利益が生じるケースもあります。この点を確認しないまま判断すると、負担が予想外に変動する可能性があります。

現在利用されている障害者医療費助成制度は、市区町村が独自に運用する自己負担軽減制度であり、本来の医療保険で発生する一〜三割の窓口負担について、自治体が大部分を補助する仕組みです。そのため、受給者の多くは窓口負担がほぼゼロ、あるいは月額でわずかな自己負担に抑えられています。ただし、この助成制度は全国共通ではなく自治体ごとに内容が異なり、65歳以降も継続される自治体もあれば、65歳で助成が終了する自治体、あるいは後期高齢者医療制度への加入を条件に継続される自治体に分かれます。この違いが、その後の医療費負担に最も大きく影響します。

後期高齢者医療制度に加入した場合の利点としては、医療機関の窓口負担が原則として一割、所得が一定水準を超える場合には二割または三割となりますが、全体としては現役世代より低く抑えられることが挙げられます。また、高額療養費制度の上限額が高齢者向けの基準に変わるため、医療費がかかりやすい方にとっては、一定範囲に負担が収まる安心感があります。自治体によっては、後期高齢者医療制度に移行しても障害者医療費助成が上乗せされることがあり、この場合は65歳以前とほとんど変わらない負担で医療を受けられる可能性もあります。

一方で、加入に伴って新たに保険料が発生する点は見逃せません。後期高齢者医療制度では、均等割と所得割を組み合わせた保険料が課され、所得がある程度ある場合は年額で数万円の負担が見込まれます。また、65歳を境に障害者医療費助成が終了する自治体では、これまで無料だった医療費が一割負担となり、通院や投薬の頻度が高い方にとっては目に見える負担増となります。後期高齢者への加入が助成継続の条件になっている場合でも、その後の負担水準は助成の内容によって変わるため、慎重な確認が欠かせません。

最終的な負担を正確に把握するためには、まずお住まいの自治体で65歳以降の助成制度の扱いを確認し、後期高齢者医療制度に加入することでどの程度の自己負担に変わるのかを試算してもらうことが重要です。また、前年所得に基づく保険料の見込み額や、高額療養費制度の区分がどこに該当するのかもあわせて確認しておくことで、移行後の負担がより明確になります。

まとめると、65〜74歳の障害者の方にとって後期高齢者医療制度は申請による加入が原則ですが、自治体の助成制度の設計によっては加入が実質的な前提となることもあります。加入後の負担がこれまでと変わらないのか、はっきり増えるのかは、自治体の制度設計と個々の医療利用状況、所得水準の組み合わせで異なります。

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