住宅ローンに八大疾病や三大疾病を付ける人はどれくらいいますか?
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2025/09/22 09:25
女性
30代
住宅ローンを組む際に、がんや心筋梗塞などに備えるために「三大疾病保障」や「八大疾病保障」を付帯できると聞きました。実際にどのくらいの人がこうした特約を選んでいるのか、利用割合や傾向について知りたいです。保険料負担や加入審査との関係も含めて、初心者でも理解できるように教えていただけますか。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
住宅ローンに三大疾病や八大疾病の特約を付ける人は、民間調査によると全体で4〜7割程度います。特に直近ではがん保障を選ぶ人が最も多く、約半数が加入しているというデータもあります。つまり、特約を付ける人は年々増えており、保障内容の中でもがんに備える傾向が強いといえます。
金利の上乗せ幅はがん保障で0.1〜0.2%程度、三大疾病で0.2〜0.3%程度、八大疾病では0.3%前後が一般的です。借入額3,000〜4,000万円、35年返済で試算すると、0.1%上乗せごとに月1,000〜2,000円程度の返済増になるイメージです。したがって、八大疾病を付けると月2,000〜6,000円ほど負担が増える場合があります。
団信には健康状態に関する告知審査があり、既往症などで加入できないケースもあります。その場合は引受基準が緩和されたワイド団信を検討する方法があります。また、フラット35は団信が任意のため、健康上の理由で加入できない人でも利用可能です。
特約を付けるかどうかは、既に加入している生命保険や医療保険とのバランスで考えるのが基本です。家計の主な担い手で貯蓄が少ない場合は手厚い保障が役立ちますが、既に十分な保険に加入している場合は、無理に追加せず返済負担を抑える選択もあります。
結論として、特約付き団信は多くの人が選んでいますが、実際に付けるべきかはコスト負担と家庭の保障状況のバランスで判断することが大切です。
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