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ブラックロックが運営しているファンド(投資信託)について教えてください

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2025/08/09 08:19


男性

40代

question

資産運用に興味があり調べていると、ブラックロックという会社の名前をよく聞きます。具体的にどのような投資信託を運営しているか、また、どんな特徴があるか教えていただけますか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

ブラックロックは、世界最大の資産運用会社であり、2025年3月末時点での運用資産残高(AUM)は過去最高の11.58兆ドルに達しています。その圧倒的な規模に加え、リスク管理プラットフォーム「Aladdin(アラジン)」などの高度なテクノロジーを駆使することで、低コストなETFから高度なアクティブファンドまで、多様な投資商品を展開しています。

ブラックロックが提供するファンドは大きく3つのタイプに分類できます。まず、iShares(アイシェアーズ)というブランドで展開されている「パッシブ型ETF」は、市場平均に連動するインデックス型の投資信託で、信託報酬も非常に低く抑えられています。次に、BGF(ブラックロック・グローバル・ファンズ)などの「アクティブ型投資信託」は、ファンドマネージャーの判断によって運用され、より高いリターンを目指す商品です。最後に、「テーマ型ファンド」や「ESGファンド」もあり、特定の分野や社会的責任投資に特化した商品を選ぶことができます。

代表的なファンドとしては、米国の代表的な株価指数であるS&P500に連動する「iShares Core S&P 500 ETF(IVV)」や、全世界の株式に投資できる「iShares MSCI ACWI ETF(ACWI)」があります。これらは長期投資の“コア資産”として広く活用されており、信託報酬も0.03%〜0.3%程度と非常に低コストです。

さらに、新興国市場に投資する「iShares Core MSCI Emerging Markets ETF(IEMG)」や、債券を対象とした「iShares Core Global Aggregate Bond UCITS ETF(AGGG)」もあります。株式だけでなく債券にも分散することで、リスクの抑制が期待できます。

一方、アクティブ型として代表的なのは「BGF Global Allocation Fund」や「BGF World Technology Fund」です。前者は株式・債券・現金を柔軟に組み合わせて運用されるバランス型ファンドで、世界的に著名な運用者によって管理されています。後者はテクノロジー分野に特化し、AIや半導体などの成長企業に集中投資する攻めのスタイルのファンドです。

コスト面では、ETFは信託報酬が非常に低いため、長期的な資産形成には適しています。ただし、購入時には売買手数料やスプレッドが発生することがあります。一方で、アクティブ型は年1%以上の信託報酬が一般的であるため、想定されるリターンとコストのバランスを慎重に検討する必要があります。

投資信託にはさまざまなリスクも伴います。市場の変動による「価格変動リスク」や、「為替リスク」、テーマや地域に集中することによる「集中リスク」、ETFの場合は指数と完全に一致しない「トラッキングエラー」などがあります。また、規模の小さいファンドでは「流動性リスク」にも注意が必要です。

初心者がファンドを選ぶ際は、まず投資の目的や期間を明確にすることが重要です。たとえば、20年以上先の老後資金を目的とするならば、株式の比率を高めにするなど、時間軸に応じた資産配分を検討します。そして、リスク許容度(例:一時的に20%の下落があっても耐えられるか)を把握したうえで、コアとなる低コストETFを選び、余裕があればテーマ型ファンドなどを加えるとよいでしょう。

情報収集においては、ファンドの目論見書、月次レポート、ファクトシートなどをしっかり確認することが基本です。また、Morningstarなどの評価サイトやブラックロックの公式サイトで最新情報を得ることも大切です。日本の証券会社を通じて購入する場合は、NISAやつみたてNISAの対象かどうか、為替手数料や購入単位にも注意しましょう。

まとめとして、ブラックロックは「低コストかつ高品質なETF」と「高度な戦略をもつアクティブファンド」を両立している数少ない運用会社です。初心者の方には、まずコアとなるインデックスETFから始め、経験を積んだうえでテーマ型ファンドを加えるという方法がおすすめです。最終的には、目的や投資期間、リスク許容度に応じて、自分に合った商品を選ぶことが成功のカギとなります。なお、これらの情報は一般的な参考情報であり、実際に投資を行う際は、必ず目論見書などの公式資料をご確認のうえ、ご自身の判断または専門家のアドバイスをもとにご決定ください。

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関連する専門用語

ブラックロック

ブラックロックとは、アメリカに本社を置く世界最大級の資産運用会社の名前です。個人投資家から年金基金、政府系ファンドに至るまで、世界中の幅広い顧客の資産を運用しています。取り扱う資産の総額は数千兆円規模にのぼり、株式や債券、インデックスファンド、ETF(特にiシェアーズというブランド)など、多様な金融商品を提供しています。長期的で安定した運用を重視しており、インデックス連動型の商品を多数展開していることでも知られています。また、AIを活用したリスク管理システム「アラディン(Aladdin)」を開発・活用するなど、最先端のテクノロジーを取り入れた運用体制も特徴のひとつです。個人投資家にとっても、ブラックロックの商品は信頼性が高く、低コストで分散投資が可能な手段としてよく利用されています。

ETF(上場投資信託)

ETF(上場投資信託)とは、証券取引所で株式のように売買できる投資信託のことです。日経平均やS&P500といった株価指数、コモディティ(原油や金など)に連動するものが多く、1つのETFを買うだけで幅広い銘柄に分散投資できるのが特徴です。通常の投資信託に比べて手数料が低く、価格がリアルタイムで変動するため、売買のタイミングを柔軟に選べます。コストを抑えながら分散投資をしたい人や、長期運用を考えている投資家にとって便利な選択肢です。

パッシブ運用

パッシブ運用とは、投資信託を選ぶ際の運用手法の一つ(対義語:アクティブ運用)。比較のために用いる指標であるベンチマーク(日経平均やNASDAQなど)と同様の動きを目標とする運用手法で、組み入れ銘柄数は多くなる傾向がある。パッシブ運用はアクティブ運用に比べて販売手数料や信託報酬などのコストは安くて済むが、リスクが分散される分、リターンも小さくなるという特徴がある。

信託報酬

信託報酬とは、投資信託やETFの運用・管理にかかる費用として投資家が間接的に負担する手数料であり、運用会社・販売会社・受託銀行の三者に配分されます。 通常は年率〇%と表示され、その割合を基準価額にあたるNAV(Net Asset Value)に日割りで乗じる形で毎日控除されるため、投資家が口座から現金で支払う場面はありません。 したがって運用成績がマイナスでも信託報酬は必ず差し引かれ、長期にわたる複利効果を目減りさせる“見えないコスト”として意識されます。 販売時に一度だけ負担する販売手数料や、法定監査報酬などと異なり、信託報酬は保有期間中ずっと発生するランニングコストです。 実際には運用会社が3〜6割、販売会社が3〜5割、受託銀行が1〜2割前後を受け取る設計が一般的で、アクティブ型ファンドでは1%超、インデックス型では0.1%台まで低下するケースもあります。 同じファンドタイプなら総経費率 TER(Total Expense Ratio)や実質コストを比較し、長期保有ほど差が拡大する点に留意して商品選択を行うことが重要です。

アクティブ運用

アクティブ運用は、日経平均やNASDAQなどの市場指標(ベンチマーク)を上回る運用成績を目指す投資手法です。この手法では、ファンドマネージャーが特定の銘柄やセクターを積極的に選別して投資を行います。 運用手法には主に2つのアプローチがあります。トップダウンアプローチは市場全体を俯瞰して投資環境を予測し、そこから投資対象を決定します。一方、ボトムアップアプローチは、個別企業への調査や訪問を通じて投資対象を選定していきます。 アクティブ運用は、パッシブ運用と比べて高いリターンが期待できる反面、運用コストが高くなり、リスクも増大する傾向があります。また、運用成績はファンドマネージャーの運用能力に大きく依存するという特徴があります。

トラッキングエラー

トラッキングエラーとは、主にインデックスファンドなどの運用成績が、目標とする指数(たとえば日経平均株価やS&P500など)とどれくらいズレているかを示す指標です。ファンドは基本的に指数に連動するように運用されますが、運用コストや売買のタイミングの違いなどにより、実際の成績が指数と完全に一致することはまれです。 この差が大きいほど、運用が指数とずれていると評価されます。トラッキングエラーが小さいほど、より正確に指数に連動しているとされ、インデックス投資においては重要な確認ポイントとなります。

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