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ムーディーズの信用格付けはどのような手順で決定されますか?

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2025/06/04 18:31


男性

60代

question

ムーディーズの格付けは単なるアナリストの意見ではなく、複数の専門家が関与すると聞きます。契約から公表、継続的なフォローまで、どのようなプロセスを経て最終的な格付けが決まるのでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

発行体がムーディーズと正式に契約すると、まず当該業界に精通した複数のアナリストでチームが編成されます。発行体は財務諸表、事業計画、ガバナンス体制など詳細資料を提出し、チームは経営陣との面談を通じて潜在リスクや将来戦略を確認します。その後、定量・定性情報をモデルに落とし込み暫定評価を作成し、社内の「格付け委員会」に付議します。

委員会には部門横断のシニアアナリストが参加し、多角的な質疑と過半数の投票で最終格付けとアウトルック(見通し)を決定します。この多層審査により個人の主観を排し、グローバルに整合した評価基準を担保しています。決定結果はリリースや発行体への通知を通じ市場に公表され、その後も四半期決算や業界環境の変化、重大イベントがあれば随時レビューを実施し、必要に応じてウォッチリスト指定や格下げを迅速に行います。

投資家は格付け変更だけでなくアウトルックやウォッチリスト入りの兆候にも注意を払い、売買判断やヘッジ戦略に活用することが推奨されます。

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発行体

発行体とは、債券や株式などの金融商品を市場に出して資金を調達する側のことを指します。債券であれば、お金を借りる側であり、投資家から集めた資金を使って事業活動や設備投資などを行います。発行体には、国や地方自治体、企業、政府機関などさまざまな種類があります。投資家にとっては、発行体の信用力や財務状況がその金融商品の安全性や利回りに大きく影響するため、誰が発行しているのかをしっかりと確認することが重要です。信頼できる発行体であれば、安定した利息や元本の返済が期待できます。

財務諸表(決算資料)

財務諸表とは、企業の経営状況やお金の流れを数字でわかりやすくまとめた報告書のことです。主に「貸借対照表(バランスシート)」「損益計算書(P/L)」「キャッシュ・フロー計算書(C/F)」の3つが中心となり、それぞれ企業がどれだけの資産や負債を持っているか、どれだけ利益を出しているか、実際にお金がどう動いているかを表します。 これらの書類は、投資家や銀行、経営者が企業の健全性や成長性を判断するための重要な情報源です。初心者の方にとっては、企業を“健康診断”するためのレントゲンのようなものであり、数字を見ることでその会社がしっかり運営されているかを確認することができます。資産運用を考える上では、企業の財務諸表を読み解く力が、投資判断の大きな手助けになります。 決算のタイミングで企業から発表されるため、「決算資料」とも呼ばれます。

格付け(信用格付け)

格付け(信用格付け)とは、取引をする際に参考にされる基準の一つで、取引の相手側の信用度を確認するために支払い能力や財務状況、安全性などを総合的にランク付けしたものである。アルファベットや数字で表されるのが一般的である。 (例)格付投資情報センター(https://www.r-i.co.jp/index.html) による発行体格付の定義 AAA:信用力は最も高く、多くの優れた要素がある。 AA:信用力は極めて高く、優れた要素がある。 A:信用力は高く、部分的に優れた要素がある。 BBB:信用力は十分であるが、将来環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある。 BB:信用力は当面問題ないが、将来環境が変化する場合、十分注意すべき要素がある。 B:信用力に問題があり、絶えず注意すべき要素がある。 CCC:発行体の金融債務が不履行に陥る懸念が強い。 CC:発行体の金融債務が不履行に陥っているか、その懸念が極めて強い。 C:発行体のすべての金融債務が不履行に陥っているとR&Iが判断する格付。

アウトルック

アウトルックとは、信用格付機関が発行体(企業や国など)の将来の信用状況について、今後1~2年程度で格付がどの方向に変わる可能性があるかを示す見通しのことです。たとえば、「ポジティブ(改善方向)」「ネガティブ(悪化方向)」「ステーブル(安定的)」などの形で表され、現時点では格付が変わらなくても、今後変更される可能性があることを投資家に示唆します。 アウトルックは、格付そのものではありませんが、将来の信用リスクを予測するための重要な補足情報として使われます。債券投資や信用分析を行う際に、格付だけでなくアウトルックもあわせて確認することで、より立体的なリスク判断が可能になります。

ウォッチリスト

ウォッチリストとは、信用格付機関などが企業や国、金融商品などの信用力について、将来的に格付変更の可能性があると判断した際に、その注目対象として一時的にリストに掲載する制度です。一般的に「ポジティブ(引き上げ方向)」「ネガティブ(引き下げ方向)」「方向性未定」の3つに分類され、短期的(通常90日以内)に格付が変動する可能性があることを示唆します。 これは「アウトルック(見通し)」が中長期的な視点に基づくのに対し、ウォッチリストはより差し迫った動きに対応するツールです。格付の変動が市場に与える影響が大きいため、投資家にとってはリスクの予兆として重視される情報であり、発行体の財務・経営状況に急変があった場合などに用いられます。

格上げ・格下げ

格上げ・格下げとは、信用格付機関が発行体(企業、政府など)や金融商品の信用力を見直し、その評価を引き上げること(格上げ)、あるいは引き下げること(格下げ)を指します。これらは、財務内容の改善や悪化、業績の変動、マクロ経済環境の変化などを踏まえて、格付機関が定期的または臨時に実施します。 格上げが行われると、信用リスクが低くなったと見なされ、金利負担の軽減や投資家からの評価向上につながる一方、格下げは資金調達コストの上昇や市場からの信頼低下を招く可能性があります。特に、格付が「投資適格」から「投機的水準」に下がる、またはその逆の変更は、多くの機関投資家の運用方針や規制要件に影響を及ぼします。投資判断やリスク管理において重要なシグナルとして、常に注視される動きです。

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