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住宅取得資金の非課税贈与に失敗するのはどんな場合ですか?

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2025/07/31 08:17


男性

30代

question

住宅購入にあたって、親から贈与を受ける際に「住宅取得等資金の非課税制度」が使えると聞きました。ただ、制度の利用に失敗すると贈与税がかかると聞いて不安です。どのようなケースでこの制度の適用が認められず失敗してしまうのでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

住宅取得等資金の非課税贈与制度は、親や祖父母など直系尊属からの資金援助を非課税で受け取れる制度ですが、一定の条件を満たさないと適用されず、贈与税が課されてしまうことがあります。制度の仕組みや申告手続きを正しく理解していないと、せっかくの非課税枠を活用できず「失敗」につながるため、以下のようなポイントに注意が必要です。

まず、制度には「贈与を受ける時期」と「住宅への入居時期」に明確な期限があります。たとえば、2025年中に贈与を受ける場合は、原則として2026年3月15日までにその住宅に入居していなければなりません。この期限を勘違いして入居が遅れると、非課税枠が使えなくなるおそれがあります。

次に、非課税限度額にも注意が必要です。対象住宅が「省エネ等住宅」の場合は1,000万円まで非課税となりますが、それ以外の住宅では上限が500万円に下がります。性能要件を満たしていないのに1,000万円枠で申告してしまうと、超過部分に対して贈与税が課されてしまいます。

また、贈与を受ける相手も重要です。この制度は直系尊属からの贈与に限られており、たとえば叔父や兄弟姉妹からの援助は対象外です。誤って非対象者からの贈与で申告すると、全額が課税対象になります。

住宅自体の条件にも要件があります。新築・中古を問わず、床面積が一定以上であること(多くの場合40㎡または50㎡以上)や、自分が住むための住宅であることが求められます。賃貸併用住宅やセカンドハウスでは、非課税扱いにならない場合があります。

さらに、贈与された資金の使い道も明確に住宅取得費用でなければなりません。車の購入や生活費などに使った場合、たとえ一時的にでも住宅取得以外に流用すれば非課税の対象外となってしまいます。

申告手続きも忘れてはいけません。たとえ非課税でも、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに税務署へ申告し、必要書類(登記事項証明書や住宅性能証明書など)を添付することが義務づけられています。提出漏れや書類不備があると、非課税扱いが否認されることがあります。

この制度は他の制度(相続時精算課税制度や配偶者控除など)と併用できる場合がありますが、制度ごとの条件や上限が異なるため、併用時の計算ミスにも注意が必要です。制度の理解が不十分なまま手続きを進めると、予期せぬ課税リスクが発生する可能性があります。

また、贈与と住宅契約・支払いのタイミングがずれていると、資金の使途証明が難しくなります。たとえば贈与を受けた後に住宅の契約を行う場合、あらかじめ契約書などを用意しておくことでトラブルを防ぐことができます。

以上のように、住宅取得資金の非課税贈与制度は一見シンプルに見えて、実際には多くの要件を満たす必要があります。トラブルを防ぐためには、申告期限の管理や必要書類の準備を徹底し、可能であれば事前に税理士などの専門家に相談しておくことをおすすめします。また、万一に備えて課税された場合でも対応できるよう、予備資金を手元に確保しておくと安心です。

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住宅取得等資金贈与

住宅取得等資金贈与とは、父母や祖父母など直系尊属から住宅の新築・取得・増改築費用に充てるための資金を贈与された場合に、一定額まで贈与税が非課税となる制度を指します。 現在は令和6年(2024年)1月1日から令和8年(2026年)12月31日までの贈与が対象で、省エネ等住宅なら1,000万円、それ以外の住宅なら500万円が非課税限度額です。受贈者は贈与年の1月1日時点で18歳以上かつ合計所得金額2,000万円以下(床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は1,000万円以下)であることなどの要件を満たし、贈与を受けた翌年3月15日までに全額を住宅取得に充当する必要があります。 これにより、親世代の資金援助で住宅購入の初期負担を減らしつつ、良質な住宅ストックの形成を促す狙いがあります

直系尊属

直系尊属とは、自分から見て「直接上の世代」にあたる血縁関係のある人を指します。具体的には、父母、祖父母、曽祖父母などがこれに該当します。たとえば、自分の親や祖父母はすべて直系尊属ですが、叔父や伯父、兄姉などは含まれません。 法律や相続の分野では、この「直系尊属」という関係性が非常に重要です。たとえば、相続税の計算や贈与税の特例などで、直系尊属からの贈与であれば税金が軽くなる制度が用意されていることがあります。また、法定相続の順位や扶養義務などでも、直系尊属であるかどうかが判断の基準になることがあります。資産運用や相続対策を考えるうえで、家族の中の関係性を正確に理解することが大切であり、その基本となるのがこの直系尊属という考え方です。

贈与税

贈与税とは、個人が他の個人から金銭・不動産・株式などの財産を無償で受け取った際に、その受け取った側(受贈者)に課される税金です。通常、年間110万円の基礎控除を超える贈与に対して課税され、超過分に応じた累進税率が適用されます。 この制度は、資産の無税移転を防ぎ、相続税との整合性を保つことを目的として設けられています。特に、親から子へ計画的に資産を移転する際には活用されることが多く、教育資金や住宅取得資金などに関しては、一定の条件を満たすことで非課税となる特例もあります。 なお、現在は「暦年課税」と「相続時精算課税」の2制度が併存していますが、政府は近年、相続税と贈与税の一体化を含めた制度改正を検討しており、将来的に制度の選択肢や非課税枠、課税タイミングが見直される可能性があります。 こうした背景からも、贈与税は単なる一時的な贈与の問題にとどまらず、長期的な資産承継や相続対策の設計に深く関わる重要な制度です。税制の動向を踏まえた上で、専門家と連携しながら最適な活用方法を検討することが求められます。

省エネ等住宅

省エネ等住宅とは、省エネルギー性能や耐震性など、一定の性能基準を満たした住宅のことを指します。具体的には、断熱性能が高い、エネルギー消費量を抑える設備が整っている、耐震性やバリアフリー性に優れているといった特徴があり、環境負荷を低減しながら快適な暮らしができる住宅として位置づけられています。 国の定める基準を満たすと、住宅ローン減税や登録免許税の軽減など、さまざまな税制優遇措置の対象になります。特に新築住宅や長期優良住宅においては、省エネ性能が重要な評価ポイントとされ、今後の資産価値にも影響を与えるため、住宅購入時にはこの点を確認することが大切です。

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母や祖父母から、18歳以上の子や孫へ財産を贈与する場合に利用できる、特別な贈与税の制度です。この制度を使うと、贈与を受けた年に2,500万円までの金額については贈与税がかからず、それを超えた部分にも一律20%の税率が適用されます。そして、その後贈与者が亡くなったときに、過去の贈与分をすべてまとめて「相続財産」として扱い、最終的に相続税として精算します。 つまり、この制度は「贈与税を一時的に軽くし、あとで相続税の段階でまとめて精算する」という仕組みになっています。将来の相続を見据えて早めに資産を移転したい場合や、大きな金額を一括で贈与したい場合に活用されることが多いです。 ただし、一度この制度を選ぶと、同じ贈与者からの贈与については暦年課税(通常の贈与税制度)には戻せないという制限があるため、利用には慎重な判断が必要です。資産運用や相続対策を計画するうえで、制度の特徴とリスクをよく理解しておくことが大切です。

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